大沼郡大谷組砂子原村

陸奥国 大沼郡 大谷組 砂子原(すなこはら)
大日本地誌大系第33巻 59コマ目

府城の西に当り行程6里30町。
家数24軒、東西57間・南北3町20間。
西は山に傍ひ三方田圃(たんぼ)なり。

村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。

東12町39間五畳敷村の界に至る。その村は寅(東北東)に当り17町10間余。
西13町1間小野河原村の界に至る。その村は戌(西北西)に当り21町。
南2町黒沢村の界に至る。その村は未(南南西)に当り5町。
北17町滝谷組湯八木沢村の山界に至る。その村は丑(北北東)に当り18町。

小名

上湯(かみのゆ)

本村の東6町20間余にあり。家居1軒。
山麓に住し北は中川に()ふ。

山川

湯嶽(ゆのたけ)

村北4町20間余にあり。
頂まで8町計。
湯八木沢村河井村小野河原村と峯を界ふ。

(なかの)

黒沢村の境内より来り、小名上湯の北を過ぎ28町余北に流れ五畳敷村の界に入る。広10間。

村東14町20間余にあり。
東西30間・南北25間。

温泉

上湯の南30間にあり。
この湯味酸鹹、腫物・痰飲・中風・脚気を治すという。

関梁

小名上湯の北30間余、中川に架す。
長6間・幅7尺。
隣村の通路なり。

神社

熊野宮

祭神 熊野宮?
相殿 赤城神
   荒神
勧請 不明
村西にあり。
鳥居拝殿あり。

神職 三浦大隅

延寶4年(1676年)日向重久という者当社の神職となる。今の大隅重雄は5世の孫なりという。

温泉神社

祭神 温泉神?
鎮座 不明
小名上湯の東30間余にあり。
三浦大隅これを司る。

寺院

神照寺

村中にあり。
浄土宗湯瀧山と號す。
府下五之町高巖寺の末山なり。
天文元年(1532年)玄誉という僧開基せり。
本尊弥陀客殿に安ず。

西念寺

村中にあり。
浄土真宗西派府下千軒道福證寺の末山なり。
元和2年(1616年)正善という僧創建す。
本尊弥陀客殿に安ず。


村名の起源:
享和三年(1803)砂子原村名主仮役孝治郎が記した『御尋ニ付書上帳』に
「一、當村之儀ハ往古伊佐須美大明神悪鬼退治之節湯ノ嶽山ニ立セ多まふ、悪鬼大石を(つぶて)()ケしを明神蹴チ放給ひハ大石小砂ト成り依之砂子原村と唱候由申伝候
とあって…(略)。詳細は町史内の「(二)村名の起源」を参照

集落図

最終更新:2025年07月16日 21:13
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