大沼郡大塩組滝沢村

陸奥国 大沼郡 大塩組 滝沢(たきさは)
大日本地誌大系第33巻 76コマ目

村東に滝沢川という渓流あり。村名の因る所という。

府城の西に当り行程16里15町。
家数42軒、東西3町・南北30間。北は山に()ひ南は只見川に近く東西は田圃(たんぼ)なり。

東4町大塩村の界に至る。その村まで15町。
西1里2町会津郡本組塩沢村の界に至る。その村は申(西南西)に当り1里24町。
南1町田沢村に界ひ只見川を限りとす。その村まで10町。
北は越後国蒲原郡上條組室谷村の山に界ひ界域分明ならず。

端村

(たき)

本村より申(西南西)の方24町にあり。
家数7軒、東西40間・南北13間。東北は山に傍ひ南は只見川に臨み西は菜圃(さいほ)なり。

山川

猩々森(しやうしやうもり)山(十二嶽)

村北4里18町にあり。
高295丈。
一に十二嶽と唱ふ。
(近頃村民猩ヶ森と唱ふ。字体の近きに因て訛れるなるべし)
遠く望めば群山の上に秀出し積翠空に浮かび、御神楽嶽と並び峙つ。
また西に続いて馬尾滝(まのおたき)という山あり。
共に奥越2州に跨て峯を限り蒲原郡に界ふ。

岩窟

村北4里余現燈(けんとう)山の頂にあり。
方5尺計。
中央に梵字3を彫付、傍に大同2年(807年)7月25日とあり。
徒人熊野宮の奥院と称す。

只見川

村南1町にあり。
塩沢村の境内より来り、東に流れ端村滝の南を過ぎ南に転じまた東北に流れ、村南を経て大塩村の界に入る。
境内を経ること1里18町。

滝沢(たきさは)

村東4町にあり。
源は猩々森山より発し、南に流るること4里余只見川に注ぐ。
広7間。
この川に不動滝という瀑布あり。

関梁

村東4町、滝沢川に架す(大塩村の条下に出す)

倉廩

米倉

村南50間にあり。本組の米を納む。

神社

熊野宮

祭神 熊野宮?
相殿 諏訪神
若宮八幡
山神
鎮座 不明
村北30間にあり。
鳥居拝殿あり。修験滝沢院司なり。


外部リンク等


古地図

※地理院地図(大正2年測図/昭和6年要部修正測図)

滝ダム竣工前

余談

沢田の落雁
三和橋(滝沢川)の傍に「沢田の落雁」の碑がある。由来は不明だが下記の句が記載されている。
刈田ほす 沢田の秋の雲晴れて
   今日も告げくる雁が音の声

滝沢温泉
Yahoo!地図で本地区を見ると、村南の只見川の中に滝沢温泉の表記がある。もちろん建物はない。向こう岸には滝沢天然炭酸水が湧いているのでその関係か?
最終更新:2025年10月02日 19:17
添付ファイル