会津郡弥五島組田代村

陸奥国 会津郡 弥五島組 田代(たしろ)
大日本地誌大系第31巻 86コマ目

府城の南に当り行程7里。
家数30軒、東西3町23間・南北46間。
山麓に住し、東西は田圃(たんぼ)にて南は鶴沼川に臨む。

東10町50間芦原村の界に至る。その村まで18町。
西7町5間小出組小野村に界ひ大川を限とす。
南8町小出組湯原村の界に至る。その村は未(南南西)に当り22町。
北9町小出組桑原村の山界に至る。その村まで1里19町。

山川

向山(むかひやま)

村南鶴沼川を隔て2町計にあり。
登ること4町、東は芦原村の山に隣り南は湯原村の山に界ふ。

田代峠(たしろとうげ)

村の西北より登る峠なり。
頂まで5町。ここを超えて桑原村にゆく。

鶴沼川(つるぬまかわ)

村南50間計にあり。
芦原村の境内より来り、西に流れ大川これに合し北の方に転じ、小出組桑原村の界に入る。境内を経ること35町余。
村西6町計に滝あり。東滝(あづま)という。高さ1丈(約3m)。4月より5月の際(ます)多くここに(あつま)り滝を登んとして跳下せるるを、土人滝の中間に(あみ)を設て是を捕る。

原野

(まぐさ)

村より未申(南西)の方10町計、瀧上(たきのうえ)という所にあり。

関梁

村西6町湯原村の通路、鶴沼川に架す。
長12間・幅8尺、勾欄(こうらん)*1あり。
瀧橋という。

神社

御霊神社

祭神 御霊神?
相殿 熊野宮
鎮座 不明
村西2町余にあり。
鳥居あり。白岩村星日向が司なり。

古跡

館跡

村より亥(北北西)の方21町にあり。
東西30間・南北20間。
空隍(からぼり)の址残れり。
杦山柵(すぎやまのさく)(杉山柵)と称す。
何の頃にか鈴木甚左衛門某と云うもの住せしという。



余談。
東滝は発電所が出来てから無くなったものと思われます。
最終更新:2020年08月05日 18:15

*1 欄干(らんかん)。手すりの事