仮面ライダージャンヌ&仮面ライダーアギレラ withガールズリミックス

登録日:2022/08/28 Sun 07:15:31
更新日:2025/05/08 Thu 22:26:29
所要時間:約 8 分で読めます







戦いの野に、花が咲く。




『仮面ライダージャンヌ&仮面ライダーアギレラ withガールズリミックス』とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』のスピンオフ作品



【概要】

2022年8月7日から東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信された、仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品
全3話で、1話約20分。なお、映像ソフト版は全3話を1本に再編集したバージョンで収録されている。

ベースの世界観は『リバイス』だが、過去の悪の組織のリメイク版が敵として登場する他、『仮面ライダーリバイス The Mystery』同様に過去作品から複数のキャラクターがオリジナルキャストで参戦するなど、TV本編とは一味違うストーリーが展開される。
詳しい時系列は不明だが、劇中の台詞を踏まえるとギフがまだ倒されていない時間軸である模様。
監督は『リバイス』TV本編や『リバイスレガシー 仮面ライダーベイル』『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』とその前日譚『Birth of Chimera』を手掛けた坂本浩一
脚本は『リバイス The Mystery』の他、『リバイス』TV本編では第29話にゲストライターとして参加した内田裕基が担当。


【特色】

本作最大の売りはメインキャストが全員女性という点*1
これに伴って登場する仮面ライダーも女性ライダーのみという、今までのTVシリーズはもちろん、劇場版やその他のスピンオフを見渡しても、過去の仮面ライダー作品では前例がない異色の作品に仕上がっている*2
元々が男の子向け作品である事を加味すると中々に挑戦的と言える作風だが、TVシリーズではなく有料配信のコンテンツという対象年齢の視聴者とはやや縁遠いものである事や、
そもそも令和ライダーシリーズが序盤から女性ライダーやその変身者をメインキャストとして据える事が少なくないため、ある意味様々な世情を鑑みると時代に沿った流れなのかもしれない。


【あらすじ】

謎の電波障害を引き起こし、世界を騒がせる怪人が出現。
通称「電波人間」と呼ばれるその存在を捕らえようと、警察A.I.M.S.といった各組織が動くが、人知を超えた力に翻弄され、その全貌を掴めずにいた。
その電波人間事件解決の依頼は鳴海探偵事務所にも向けられ、所長の鳴海亜樹子は自身の知り合いである女性ライダー達を緊急招集する。

その頃、夏木花の元には彼女の姉を名乗る人物から「会いたい」という内容の手紙が届いていた。
一抹の不安を抱える花だが、そんな彼女の前に現れたのは悪の組織・ブラックサタンだった。

電波人間、ブラックサタン、花の姉───いくつもの謎が交錯する事件の全貌とは?
そしてこの事件を解決すべく、「ガールズリミックス」が誕生する。


【登場人物】

ガールズリミックス

本作の主人公。仮面ライダーシリーズの長い歴史の中で初めてトップクレジットになった女性キャラ及び女優となった。
TV本編では男勝りな一面が強調されているが、今作では勝利のハイタッチをしようとしたり、憧れであった玲花との再会に盛り上がるなど、年相応に明るい点が主に描かれている。
花がその肉親と会えるかもしれない事に素直に喜ぶが、その時に発した「会ってきなよ!もし“本当の家族”だったら、凄い事じゃん!」という悪気のない一言で彼女の地雷を踏み抜いてしまい、仲がギクシャクしてしまう。
ジャンヌとしての戦闘では新登場のリバディアップ形態であるトリケラゲノムを発動した。

さくらの中に宿る悪魔。
今回もさくらや花を随所でサポートする他、亜樹子から「ツチノコ」呼ばわりされて毒を吐く場面も。

本作のもう1人の主人公にして、メインヒロイン。
「実の姉」からの手紙を受け取るも、当初はある種の不安から返事に応じる気はなかったのだが、さくらの一言で彼女に対して隔たりと不信感を抱き、更にはさくらがガールズリミックスの面々と盛り上がる姿を見て嫉妬し、仲が険悪になってしまう。
仮面ライダーアギレラとしての戦闘では新登場のリバディアップであるバッファローゲノムを発動した。
なお、今作のエンディングテーマ「riot in bloom」も担当している。

演:山本ひかる

仮面ライダーW』より登場。実は何気に他作品への客演は本作が初となる。
ガールズリミックスの発起人兼自称リーダー。
チームの中で唯一まともな変身能力(これは流石にノーカウント)や戦闘技能を持っていない事もあって、
早々にミスタイタンに入れ替わられて、しあわせ湯のサウナで気絶させられたり、敵地に乗り込んでも留守番を言い渡されたり最年少のお願いを年長者(下手をすれば最年長者)が結局破るのだがと、何かと不憫なシーンが多い。
一方、裏方として人脈をフル活用して女性ライダー達を勢揃いさせたり、さくらと花の関係悪化の原因に気付くなど、上記の不憫さも含めて原典通りの活躍も見せている。
なお、夫の照井竜は『リバイス The Mystery』の一件でさくらの兄の五十嵐一輝と面識があり、それが今回さくら達の招集に繋がった。
時期が時期なのか、旦那を含めた仲間達に関するセリフが多い。

演:鶴嶋乃愛

仮面ライダーゼロワン』より登場。
飛電インテリジェンスの社長秘書型ヒューマギア
こぼれたコーヒー牛乳を高速で拭き取るなど、優秀さは相変わらず。
本作ではさくらと花にジョージ・狩崎から託された新しいバイスタンプを投げ渡すシーンもある他、2人の戦闘時にはしあわせ湯のうちわを振るって応援する微笑ましい場面も見られた。
データベースに直接繋がって「検索」する為、亜樹子から「ここにも検索する人が……」と驚かれていた。
第2話では素面での戦闘シーンを披露し、アンドロイドならではの無駄のない動きで敵の攻撃を的確に捌いていった。
また、第3話ではゼロツー変身時にアタッシュカリバーを使用したが、飛電或人が変身するゼロツーと異なり、逆手持ちで振るっている。

演:松田るか

仮面ライダーエグゼイド』より登場。
電脳救命センター(CR)の看護師兼『ドレミファビート』のバグスター
今作ではネット空間を自由に移動出来るバグスターの特性を活かし、第2話では敵地へ奇襲を掛ける切り込み隊長として活躍する。そして、訓練した男性でも太刀打ち出来ない腕っぷしがある事も判明した。
そして恐らくは本作が仮面ライダーポッピーの最後の出演となる*3

演:アンジェラ芽衣

前作『仮面ライダーセイバー』より登場。
ソードオブロゴスの煙の剣士。
今作では愛しのお兄様中の人激推しのキカイノイドがいない事もあり、TV本編終盤で見せた弾けぶりはほぼ見せず、冷静沈着な剣士として振る舞っている。
映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』で対面した縁もあり、さくらからは「玲花お姉様」と慕われている。
前作の女性ライダーという事もあってか、主役の2人に次いで出番や戦闘シーンが多い。

  • 滝川紗羽
演:滝裕可里

仮面ライダービルド』より登場。
鳴海探偵事務所の今回の依頼人。
ブラックサタン復活について調べる中、かつて眼魔世界について調査していた時に知り合ったというカノンと連絡を取り、行動を共にする事に。
亜樹子とは初対面でありながら妙な既視感を抱かれているが、これはVシネマ『仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーアクセル』に登場した葛木葵と演者が同じ事に由来する一種の中の人ネタである。
一体何故眼魔世界について調べていたかは例によって「それは知らない方がいいと思う」らしい。なんなんだこの元難波チルドレン。

演:工藤美桜

仮面ライダーゴースト』より登場。
眼魔世界に起きた電波の乱れの原因を探るべく、人間世界に現れる。
紗羽とは彼女が眼魔世界について調べている中で知り合い、協力してブラックサタンや電波人間事件を捜査する。
今回はスーツの一部パーツが仮面ライダーアギレラに流用されている事もあってか、仮面ライダーカノンスペクターへの変身はない。
本人によれば「危ないから」という理由でお兄ちゃんに変身アイテム一式を隠されたらしい。もう渡しといた方が安全だと思います。

演:大幡しえり

仮面ライダージオウ』より登場。
一足遅れて合流したガールズリミックス最後のメンバー。
それ故にイマイチ状況が理解出来ていなかったが、仮面ライダーツクヨミに変身して加勢した。
元号と歴史が変わったのにファイズフォンXをぶっ放し、戦闘員を蹴散らす女戦士っぷりは今なお健在。
また、今回はこれまでと異なり、白装束の上からデニムの上着を羽織っている他、髪型もショートヘアになっている。


その他

  • 大門凜子
演:高山侑子

仮面ライダーウィザード』より登場。
現在も国安0課に所属しており、第1話冒頭にて警官隊を引き連れて電波人間を迎え撃つも、歯が立たなかった。
なお、電波人間の事は当初ファントムと認識していた。

CV:井桁弘恵

イズ同様『ゼロワン』より登場。
人工知能特別法違反の疑いから警視庁より応援要請を受けて凜子の下へ駆け付けるも、電波人間に翻弄され、取り逃がしてしまった。
今作では演じる井桁氏の都合上、変身後の声のみの出演となり*5、エピローグにも登場しなかった。


ブラックサタン

今作の敵勢力で、元々は『仮面ライダーストロンガー』に登場した悪の組織。
その『ストロンガー』本編にて仮面ライダーストロンガーと電波人間タックルの活躍で壊滅したはずだが、どういうわけか新たなメンバー構成で再び活動を開始した。
本拠地は町はずれに立つ大きな洋館。

  • ミスタイタン

現ブラックサタンの大幹部。
かつて幹部として活動していた一つ目タイタンと瓜二つの姿をしているが、まつ毛を思わせる金色のモールドや耳飾りなど、女性的な要素も散見される。
花を大首領にするべくその身柄を狙い、亜樹子と入れ替わって近づくも失敗。
そのままジャンヌとアギレラに倒されたかに思われたが、それは演技であり、第2話ラストにて何事もなかったかのように姿を現した。

声を担当する松本女史はライダーファンにとっては『仮面ライダー龍騎』のオープニングテーマ「Alive A life」でお馴染みの方で、『リバイス』関連作品への出演は『ビヨンド・ジェネレーションズ』のヒミコ・クリスパー役に続いて2作目となる。
ちなみに何の因果か、『龍騎』は本格的な女性ライダーが初登場した作品でもあるが、残念ながら本作への登場は叶わなかった。

  • ブラックサタン戦闘員
ミスタイタンの下僕でもあるブラックサタンの戦闘員
顔のマスクはハツカネズミがモチーフだった原典と同じデザインとなっているが、戦闘服は骸骨を模したものに変わっている。
スーツは映画『仮面ライダー1号』に登場したノバショッカー戦闘員の流用。


本作オリジナルキャラクター

  • 夏木ユリ子
演:文音

花の姉を自称する女性。
妹を何者かにさらわれ、家族一同嘆き悲しんでいたところに『リバイス』第1話のデッドマンズ襲撃の際の放送を見て花の所在を知り、再会すべく彼女に手紙を送った。
当初は花に少なからず警戒されていたが、数々の思い出話をする中ですぐに打ち解けていったのだが、花は彼女に抱き締められる度に気絶しており……?


【余談】

  • 配信限定作品という事もあってか地上波では流せないような演出もあり、第2話ではさくらと花のトップレスシーンが登場した*10

  • 敵がブラックサタンに設定された理由は明かされていないが、組織名に「サタン」が入っており、「悪魔」を題材とする『リバイス』とは親和性がある事や、先述の女性ライダーの先駆け的存在とも言える電波人間タックルが登場した作品だから……という事なのかもしれない。



やっぱり、追記・修正は助け合いだね!

『ガールズリミックス』ここに結成!


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  • 椛島光
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最終更新:2025年05月08日 22:26

*1 五十嵐家や牛島家の人々が回想シーンで、他は照井竜、フィリップ、深海マコトの存在が言及されたくらいで、それ以外では敵味方のモブしか登場していない。

*2 過去の東映特撮の似たような作品では『ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド EPISODE ZERO』『ヒーローママ☆リーグ』が挙げられるが、この2作品は男性キャラクターが登場する点で異なる。

*3 撮影終了後に一部パーツが『リバイス』本編終盤に登場する仮面ライダーインビンシブルジャンヌに流用されたため。

*4 一応、本人も参加していて良いのかと気にしてはいたが……多分ノーギャラで引き受けたのかもしれない。

*5 本来はライブラリか代役の予定だったが、井桁氏の「声だけでも出たい」と強い要望があった事で、本人によるアフレコが実現した。

*6 その際、超小型のAIチップを少女の耳孔に埋め込んでいる。

*7 なお、「負けた私に生きる価値はない!」というユリ子の発言に対して「その通り、お前は家族から追放だ!」「また新たな娘を見つければ済む事」と冷酷に吐き捨てていたが、この発言と絡めて劇中でユリ子以外の娘達は登場していない事を踏まえると、恐らくその殆どは用済みと判断して廃棄処分してきた可能性がある。

*8 キックの際の衝撃で誘爆する可能性もあったはずだが、ひょっとしたらエネルギーが充満する前に破壊できたか、あくまでヘルメットは起動装置であり、自爆装置自体は体内のどこかに埋め込まれているかのどちらかなのかもしれない。

*9 あくまでも先駆け的存在であって、仮面ライダーとしてはカウントされていない。

*10 さすがにセンシティブな部分は隠されているが。なお、仮面ライダーシリーズには女性の上半身裸(に見えるような)演出はいくつか散見される。