ハイダイ(ポケモン)

登録日:2024/12/06 Fri 20:36:49
更新日:2025/04/22 Tue 19:21:25
所要時間:約 7 分で読めます





売った 買ったは 市の競り 切った 張ったは ジムの競り

技と かけ引き 渦巻く 海原! みずのポケモン フルコース!

さあさあ ドドンと 召し上がれえ!



「ハイダイ」とは、ポケットモンスターシリーズの登場人物。
初登場は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』。

CV:間宮康弘(アニポケ)/浦山迅(『幼なじみのカルボウ』)


人物

パルデア地方ジムリーダーを務めるみずタイプのエキスパートにして、自身の名を冠する料理店「ハイダイ倶楽部」のオーナーたる「激流料理人」

禿げ上がった頭部と、左右が繋がった波のような形の太眉を持つ恰幅の良い初老の男性。恐らく本作の男性ジムリーダーでは最年長だろう。
白い半袖シャツと青を基調とするエプロンを纏う様は、海に出る漁師のようにも見える。かつては相撲を嗜んでいたそうで、いざ衣服を脱げばそこには筋骨隆々な肉体が広がっているのだろう。弟子が言うには「また太った」らしいが……。
そして何より、豪快な笑顔がとってもステキ。

一人称「オイラ」「おじさん」
また、ことあるごとに「ウオーッ!」と叫ぶほか語尾に「~~だい」とつける口癖を持つ。
二人称「お前さん」、あるいは名前に「坊(男性)/嬢(女性)」とつけて呼ぶ。

性格は豪放磊落・大らかな江戸っ子気質で、見栄を切るような小気味いいセリフ回しが多い。
しかし、ただ豪快なだけではなく、時流や人の移ろいを敏感・正確に分析し取り入れることを厭わない柔軟な思想と高い向上心の持ち主でもある。
また見かけによらず弁舌の類にも長け、劇中では芸術活動偏重で不養生な生活を送るコルサを上手くノせ、食事を摂るよう促し成功させている*1
そして無論、勝負の場となれば油断なく仕留めにかかる鉄人

ハイダイがジムを構えるカラフシティが青を基調とした景観になっているのは、数年前に彼が提案したから。
その結果、ただでさえパルデア地方はもとより街の間の交通の便が悪い上、ロースト砂漠に接しているという難のある立地*2にもかかわらず観光客が増えたそうで、いうなればハイダイは地域活性の立役者ともいえる。
ジムリーダーや料理人としてのみならず、そういった点でもカラフの住民からは大層慕われており、ジムバトルの直前にも様々な頼み込みをされる街の顔。

そんな殊更に経験豊富な大人というだけあってか、大なり小なりオモダカに思う所のあるらしきジムリーダーの中では数少ない真っ直ぐな好感を向けている*3人物でもある。
すさまじい優秀さを見せるオモダカをトップに相応しいと尊敬・信頼しつつも、年月を重ねたはるかに年上であろうハイダイは微笑ましさを同時に抱いているのかもしれない。

ちなみにハイダイ倶楽部は設定上だけの存在ではなく、実際に訪れて食事パワーが付与される料理を食すことができる。メニューは激辛中華が売り。そこはお寿司とかじゃないんすか
常連客に実は激辛大好きなジニアがいる。ブルーベリー学園にジニアとハイダイを招待すると特殊会話が発生し、彼はテーブルに置かれたチリソース一瓶を丸々追いソースして激辛ダンダンミェンを汗一つ掻かずに食べきった客としてジニアの顔を覚えたらしい。
あと話の流れと行動原理と性格面からアオキも利用したことがあると思われる。


ジムテスト……?

そんなハイダイのジムだが、主人公が彼のジムテストを受けることはない。

初めてカラフジムを訪れると、マリナードタウンの競りに参加するべくハイダイが走り去っていくが、なんと彼はサイフを忘れるという海産物ファミリー主人公のようなポカをやらかしてしまっていた!
気づいたジムの職員が後を追おうとするも時すでに遅し、さあどうしようか……というところで現れた主人公に、サイフを届けてもらうことをジムチャレンジの代わりとして頼んでくる、という次第。

後を追う最中、潮風にも負けず咲く野花に感動するハイダイを見かけるが、この時点では主人公に気づくことなくまたも走り去ってゆく。
この際のハイダイの豊かな感受性を表した「なんて……かけがえが ないんだい!」を彼の象徴的セリフと認識するプレイヤーもそこそこいる模様。

そしてマリナードタウンにたどり着き、サイフがないと意気消沈するハイダイにいざ渡す……前に、彼の「若い衆」であるジムトレーナーミズキと戦うことになる。
倒せばこちらに気づいたハイダイにサイフを手渡すことができる。
感謝されると同時に、競りに出されたホウエン産のワカメを「ジムに挑戦するなら粋さが大事」と競り落とすことを頼む。
軍資金として5万円を渡され、余った分はそのままお駄賃として貰えるため遠慮なく注ぎ込もう。
この一連のイベントを終えることでようやくハイダイと戦うことが出来る。


手持ちポケモン


お前さんにゃ 恩義は あるが どっこい 手は 抜かんからな!


レベル的に正規ルートにおけるジムチャレンジでは4番手に相当する。

全員が最終進化系であり、いずれのポケモンもこのレベル帯としては高めの攻撃性能を誇っているのが特徴。
ミガルーサは無進化ポケモン故にこの時点としては高めの能力値*4であり、「アクアカッター」で手痛い一撃をねじ込んでくる。くさタイプ対策に「ついばむ」も完備。
特性も『かたやぶり』なので、こちらのとくせいによる受けを崩してくる点にも注意。特に対みずタイプを特性『ちょすい』のドオーに頼っているプレイヤーはいきなり出鼻を挫かれる事に。
次鋒のウミトリオは高めの攻撃と素早さを兼ねそろえており、生半可なポケモンはまず先手を取られる。「ずつき」によるひるみや特性『ぬめぬめ』も厄介。…ぶっちゃけ、これ位しか強みの説明がない。耐久力は皆無に等しく、一致みず技も特攻50から放たれる「みずのはどう」なので他2匹と比べて脅威はほぼない。
切り札はケケンカニ。料理人であるハイダイのイメージには嵌っている。
みずテラスによって元の弱点をすべて等倍にし、威力100の「クラブハンマー」を一致で繰り出す。
この技を132という、この時点どころか終盤ですら通じる攻撃種族値で殴ってくるのは単純に脅威。
ちなみに元のタイプは攻撃面では非常に優秀な組み合わせではあるのだが、バランスを考慮してかこおり技は覚えておらず、他の技2つは「いわくだき」と「たたきつける」となっている。

総じてみずタイプらしく堅実な勝負を仕掛けてくる相手である。
しかし攻撃重視な分、パーティ全体の耐久面は低めであるため、くさやでんきで的確に弱点を突けば突破は難しくない。特に最初にニャオハを選んでいれば、マスカーニャにまで進化させてれば負ける要素がなく、ニャローテの時点でもテラスタルで十分3タテは可能。一方でホゲータを選んでいた場合は、大人しく他に任せた方が無難。

勝利すればジムバッジと技マシン「ひやみず」を貰える。
記念写真はリップに教わったという「映え~」な一枚。前々からやってみたかったそうだ。






その他の媒体において

  • アニポケ
第55話で初登場。
テラスタル研修生であるアカデミー生徒とジムリーダーが二人一組で四天王とバトルをする「交流戦」において、サンゴ(偽名サンドウィッチ)と組んでアオキと対戦。
しかし結果は、サンゴのオニゴーリが「じばく」を繰り出したために、バトルコートに出ていたポケモン達が全員ひんしになったことにより彼女(及びハイダイ)の負けとなった。

2024年発売の『ステラミラクル』にて、サポートカードとしてハイダイが収録されている。
その性能はというと
自分の手札を2枚選び、好きな順番に入れ替えて、山札の下にもどす。その後、山札を4枚引く。(自分の手札を2枚もどせないなら、このカードは使えない。)
というもの。
ドロー系のサポートでは手札を全て捨てて大量ドローする「博士の研究」や、自分の手札を全て山札に戻して入れ替えつつ相手の手札にも干渉する事故狙い札の「ナンジャモ」に単純なカードパワーで劣りがちだが、手札をある程度キープしてドローできるという特有のメリットがあるのでハイダイも中々に優秀と言える。

しかしハイダイの最大の特徴は他にあり、それは同パックに収録された特性「したごしらえ」を持つミガルーサケケンカニの存在。
特性「したごしらえ」は「自分のトラッシュにある『ハイダイ』の枚数ぶん、このポケモンがワザを使うための無色エネルギーは少なくなる」という効果で、つまりトラッシュにハイダイを溜めれば溜めるほど、より省エネで強力なワザを使えるようになるのである。

発売後はこれらのカードと組み合わせることで、出来るだけ速くハイダイをトラッシュに送って序盤から畳みかけていく【ハイダイ】がデッキテーマとして確立されている。
なお「パーフェクトミキサー」やイキリンコex等で雑に纏めてハイダイをトラッシュするのが主な戦術なので、肝心のサポートとしての役割はあまり果たせていないのがツッコミどころ。ハイダイが可哀想
ハイダイを捨てるのが遅いと相手に先手を許す、ハイダイが複数枚サイド落ちすると事故を起こす等の欠点があるため中堅程の強さで留まっているが、exポケモンを使わずに強力なワザを連発するロマンがあるので、初心者にもオススメできるデッキである。高価な汎用カードが殆ど要らないし


余談

  • 名前の由来は中国語で昆布を意味する「海帯(ハイダイ)」。

  • みずタイプ使いのジムリーダーとしてはハイダイは歴代通算8人目で、男性としては『BW2』のシズイ以来4世代10年ぶり6人目。

  • 「男性のみずタイプ使いの料理人」というキャラ付けは『XY』の四天王ズミという前例があり、共にブロスターを手持ちにしている点や、甲殻類モチーフのポケモンをエースとしているという共通点もある。

  • 本来のジムチャレンジの内容はついぞ明かされないが、カラフジム前のモブ女性によれば難しいんだとか。

  • ビジュアル的に凄まじく似合いそうなヘイラッシャは終始パーティに入れていない。
    道中4番手で戦うポケモンとしては確かに場違いなスペックだが、強化された視察や特別講師の際も使ってこないことを残念がるプレイヤーは多い。セリフにも「ヘイ ラッシャイ」なんてあるし。なおヘイラッシャ含め、今作のヌシポケモン達はネタバレに配慮したのか殆どのトレーナーが使用せず、唯一の例外としてミミズズのみネモが繰り出してくる。

  • 昨今の"ポケモン"において、「中華」というリアル特有の名詞がゲーム内で出てくるのは珍しい。メタ視点で見ると中華圏をモチーフにした地方が未登場である為の措置と言えそうである*6
    また同じ『SV』内には中華(というより中華圏の文化)がモチーフの一つと思しきがいる。

  • 彼の弟子である「ミズキ」だが、主人公を「お子様」と舐めて八つ当たり気味に勝負を仕掛けて負ける上に、負けても本人は謝罪せず、彼の不始末は師匠のハイダイが詫びる(競りの前で気が立っていたとの事)ということであまりいい印象がない。皆に慕われており人格者であるハイダイの弟子にしては問題児でそのせいでハイダイの教育力が疑問視されていたが、後にカエデも弟子とわかりその辺りは払拭された。同名のシンオウにいるボックス管理人は当然だが関係無い。




追記・修正はかけがえのないものを見つけてからお願いします。

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最終更新:2025年04月22日 19:21

*1 この際料理を自身の為に作るよう頼まれ快諾しているが、案外そこまで織り込んでもいるかもしれない。

*2 天候の変化によって街中でもしばしば砂嵐が吹き荒れるし、バトルにも影響する。

*3 コルサとナンジャモは特にしがらみは無い様子だが、一方で扱いがぞんざい気味。

*4 実は切り札のケケンカ二と合計種族値が一緒(478)である。

*5 本作ではフィールド上で天候が発生していると、天候特性は不発になり、天候変化技も失敗に終わる仕様。

*6 フランス→カロス、イギリス→ガラルのような『ポケモン』世界に則した言い換えができない。