ルナツー(ガンダムシリーズ)

登録日:2022/12/21 Wed 09:57:00
更新日:2025/04/15 Tue 18:25:06
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ルナツーとは、『機動戦士ガンダム』に登場する地球連邦軍の宇宙要塞である。
名前の由来は、後述の大きさから準えた第二のを意味するというのが有力。
「ルナ2」や「ルナ・ツー」「ルナⅡ」などの表記ゆれがある。


概要

元はアステロイド・ベルトにあった小惑星ユノー*1で、宇宙世紀0045年にスペースコロニー建設用の資源採掘のために地球圏へ運び込んだ。
当時は月軌道に固定されていたが、宇宙世紀0060年に「60年代軍備増強計画」に基づいて連邦軍の軍事拠点として転用され、0070年にはサイド7建設という名目でL3に移設された。
この「資源衛星が軍事拠点として転用される」という経緯は、ア・バオア・クーやソロモン要塞などでも同様であり、以降のガンダムシリーズにおいてもたびたび散見されるようになる。

元が資源衛星だったのもあり、ガンダリウム合金の素材となる希少金属などの鉱脈を有しているのでそちらの価値も高い。

一年戦争初期で各サイドの駐留部隊がジオン公国軍の強襲に会う中、作品開始時点では唯一の宇宙拠点として点在していた。
これはジオン公国側のサイド3から地球へ向けての宙域確保が既にできていた事、本国周辺の防備が確立されており地球を挟んで逆側にある拠点に戦略的価値を見出せなかったという理由がある。
なのでジオン側からは無視同然に放置されていたが、それが却って連邦軍に極秘計画を進行させる土壌として機能していた。


規模

全幅180kmの菱形状をしており*2、内部には軍事施設や居住区画が、表面にも宇宙港や対空機銃などが配備されている*3
軍事施設には工廠も加わっており、特に一年戦争からグリプス戦役までの間には多くの機体が開発された。グリプス戦役時にはルナツー製の機体は型式番号に「1」が付与される。

ちなみにア・バオア・クーやアクシズは全幅が30~45km程度なので、全幅180kmのルナツーは幅だけで比較してもジオンの宇宙要塞の数倍デカい。
スペースコロニー1基+ソロモン要塞+ア・バオア・クー+アクシズでもまだまだルナツーの方が全幅で勝る。
だがギレンの野望などの戦略ゲームでは超巨大に描かれる事はなく、ほぼ同等規模にスケールダウンしている。

ルナツー内で製造された機体



各作品での登場

機動戦士ガンダム

4話でサイド7を脱したホワイトベースが民間人を連れて初めて訪れた拠点で、すぐにシャア・アズナブル率いるジオン軍に強襲を受けている。
その後はビンソン計画に基づいた改装やジムの製造など兵站での役割を担っている。

機動戦士ガンダム サンダーボルト

一年戦争期に被害が無かったことでTV版よりも強い大艦巨砲主義と戦闘機礼賛が強く残っている。
しかし、ブルGなど各所から集まりつつある試作機やジオンから鹵獲したブラウ・ブロなどの兵器が保管され、大艦巨砲主義にしてもワイオミングやアーカンソーのようなレールガンを搭載した巡洋艦の存在など、決して新しい風潮を毛嫌いする姿勢ではない。
軍事拠点故に多量の機体が配備されていたが、試作機に搭乗したダリル・ローレンツによりブラウ・ブロが強奪され、かなりの被害を出していた。

機動戦士Ζガンダム

ティターンズに接収されたようで、後方基地として点在。
ア・バオア・クー及びグリプス2と併せてゼダンの門を構成していた。
しかしア・バオア・クーはアクシズの衝突で崩壊し、グリプス2はエゥーゴによって制圧されている。
ルナツーに関しては明確な被害や制圧などの話が出ておらず、襲撃を受けていたかさえも不明。

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

シャア率いる新生ネオ・ジオン軍との裏取引で艦隊の引渡しの場として登場。
ダミーバルーンが大多数だったネオ・ジオン艦隊に直前まで気付けず、端から降伏自体が欺瞞だったと理解した時には激しい襲撃にあっていた。
その後一時的に占領され、保管していた核弾頭を強奪された。

機動戦士ガンダムUC

ユニコーンガンダムを収容後、ネェル・アーガマの今後の進路候補に挙がっていた。
推薦していたのはエコーズで、ユニコーンガンダムは連邦軍の資産であるのが理由。
しかしビスト財団が横槍を入れてきたのもあって難航し、さらにその隙を突かれる形で袖付きの奇襲を受け、ルナツーへ向かう話は無かった事になる。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

オデュッセウスガンダムがルナツーで製造され、ここでテスト運用をしていた事がケネス・スレッグの台詞で明かされている。

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST

地球連邦の衰退により、エバンス・ジルベスターら「賛美歌の国」に占拠され本拠地となっている。
新たに鉱脈を発見した事でレプリカモビルスーツの生産に着手し、さらにそれらを販売する事で外貨を得ている。
内部には遊郭が作られており、建物の一部にはMSのパーツが飾りとして使われている。


主な関連キャラクター

  • ワッケイン
TV版・劇場版では少佐、ORIGIN版では少将で、どちらもルナツーの司令を兼ねる。
当初は典型的な堅物軍人だったが、ホワイトベース隊の成長を認めるなど後期にはだいぶ柔らかくなっていた。
TV版ではテキサスコロニーでシャアのザンジバルとの交戦の末、撃沈され戦死。劇場版ではソロモン攻略戦での艦隊戦で撃沈、ORIGIN版ではドロス級空母の長距離砲撃で一方的に嬲られた。
他サイトでも例外なく突っ込まれているが、連邦唯一の宇宙拠点で戦力も集結しているルナツーの基地や部隊を束ねる「司令」であれば階級が少佐というのは低すぎておかしい上に実際再登場した時には数ヶ月足らずで大佐になっているため初期の設定ミスを辻褄合わせしたものと思われる。

  • リード
ワッケインの部下で中尉。
ルナツーから大気圏突入するまでホワイトベースを護衛する任務で同行したが、降下中のカプセルを攻撃され負傷しホワイトベースに収容される。
最後はマチルダの補給部隊に引き取られたが、それまでホワイトベースの指揮権をブライトと取り合っていた。

  • エドワード・ボーマン
サンダーボルト版の基地司令。
アナハイムから多量に送られてくるガンダム顔の機体に辟易としていたが、基本的に有能な指揮官。
しかしダリル1人により駐留艦隊を壊滅させられ呆然としていた。

彼女の所属していた巡洋艦ボスニアはルナツーから発艦していた。劇中での関連性は薄い。

  • ケネス・スレッグ
オデュッセウスガンダムの製造からテスト運用までの指揮をここで執っていた。

  • エバンス・ジルベスター
DUST時代のルナツーの盟主。破滅主義に染まっており、ここから地球へ向けて宣戦布告をしていた。


余談

『逆襲のシャア』で5thルナという資源衛星が登場したが、特に明確な繋がりは無い。
更に言えば3rd・4thに該当する衛星らしき存在も確認できない。

冨野監督の著書『アニメを作ることを舐めてはいけない -「G-レコ」で考えた事-』によると「Gのレコンギスタ」世界にもルナツーが存在した事が構想され、また作中に登場するドレッド軍の拠点のシラノ-5との関連が触れられている。
ただし本書の構想がどこまで「Gレコ」本編の設定に採用されたか(≒没設定か否か)は明言されていない事と、同書には「宇宙世紀を部分修正したい」といった記述もあることから、宇宙世紀のルナツーと直接結びつけるのは早計とも言える。



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最終更新:2025年04月15日 18:25

*1 実在する小惑星。ジュノーとも。

*2 ちなみに現実のユノーは直径230~250km。なので、仮にこの世界でも同じ大きさだったのであれば、その他の要因を抜きにしても表層からかなり資源を採取したあとなのでは?という意見も。

*3 しかし警戒網には穴があるのか、1stではジオン軍の強襲を受けるような体たらくだった