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*スーパーロボット大戦α外伝 【すーぱーろぼっとたいせんあるふぁがいでん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005OVX8)|&amazon(B00005OVXV)限定版| |対応機種|プレイステーション|~|~| |発売元|バンプレスト |~|~| |開発元|バンプレソフト|~|~| |発売日|2001年3月29日|~|~| |定価|通常版:6,980円 / 限定版:9,800円|~|~| |廉価版ほか|PS one Books:2002年12月5日/2,800円&br()PREMIUM EDITION(初代・第2次とのセット):2005年5月28日/9,240円|~|~| |配信|ゲームアーカイブス:2011年12月21日/1,500円|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| |>|>|>|CENTER:&color(blue){αシリーズ}:[[α>スーパーロボット大戦α]]&[[forDC>スーパーロボット大戦α#id_5a8c6bb7]] / &color(black){''α外伝''} / [[第2次α>第2次スーパーロボット大戦α]] / [[第3次α>第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スーパーロボット大戦α]]』に続く、通称「αシリーズ」の2作目。前作『α』の好評を受け、急遽開発される事となったPS最後のスパロボ。&br() 『α』のシステムを引き継ぎつつ、数々の新システムや意欲的な試みを導入。『α』と共に現在まで続くスパロボの基礎を築いた。&br() 『戦闘メカ ザブングル』『機動新世紀ガンダムX』『∀(ターンエー)ガンダム』『銀河旋風ブライガー』の4作品がシリーズ初参戦。 #region(参戦作品一覧(バンプレストオリジナルは除く)) |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(blue){''参戦済み''}|超獣機神ダンクーガ| |~|機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY| |~|機動戦士Zガンダム| |~|機動戦士ガンダムZZ| |~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア| |~|Z-MSV(機体のみ)| |~|M-MSV(機体のみ)| |~|CCA-MSV(機体のみ)((スパロボシリーズ全体に言えることだが、ガンダムシリーズの『MSV』が付く作品に登場、または本編未登場機のゲーム中の登場作品表記は、全て関連の深いMSの登場作品(例えばZIIやフルアーマー百式改は『機動戦士Zガンダム』)となる。))| |~|機動戦士Vガンダム| |~|新機動戦記ガンダムW Endless Waltz| |~|無敵鋼人ダイターン3| |~|マジンガーZ| |~|グレートマジンガー| |~|劇場版マジンガーシリーズ(機体のみ)| |~|ゲッターロボ| |~|ゲッターロボG| |~|真・ゲッターロボ(原作漫画版)| |~|超電磁ロボ コン・バトラーV| |~|超電磁マシーン ボルテスV| |~|勇者ライディーン| |~|超時空要塞マクロス| |~|超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか| |~|マクロスプラス| |~|超機大戦SRX| |~|魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL| |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(red){''初参戦''}|銀河旋風ブライガー| |~|戦闘メカ ザブングル| |~|機動新世紀ガンダムX| |~|∀ガンダム| |~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(機体のみ)((本作初登場のHi-νガンダムは、『ベルトーチカ・チルドレン』のことには触れておらず、例によって登場作品表記も『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』である。))| #endregion ---- **特徴・評価点 ***システム 前作をベースに追加、改良が施されている。 -COMPACT2で実装された援護攻撃・援護防御を据え置きスパロボで初採用。より戦略性が増すこととなった。 --対応する技能を持ったユニットと隣接した状態で戦闘をすると、支援を受けられるシステム。攻略上非常に重要だが、これらの技能はいわゆる脇役パイロットの方が覚えやすいため、運用の幅が広がった。 ---ただし援護攻撃に使う武器は自動で決まってしまうため、雑魚相手に必殺武器をぶっ放してしまいプレイヤーを悩ませる事も。 ---この問題点は以後のシリーズで解決されていくことになる。 -ユニットの能力値「運動性」が、敵の攻撃を回避する時だけ影響し、自分の攻撃の命中率には影響しないようになった。 --これにより、運動性が低いスーパーロボット系も、雑魚程度なら少し工夫するだけで精神コマンドに頼らずに攻撃を当てられるようになった。 -特殊能力「指揮」が新登場 --「指揮」を持っているユニットの周辺では命中率・回避率が上昇。上記の援護システムと合わせ、SRPGらしい陣形を組む面白さを強調している。一方で、援護防御や指揮官技能の存在は難易度の上昇にも一役買っている。その代わり、前作に比べて削除された特殊能力も少なくない。 -パイロット能力値「反応」と、特定のレベルに達する事で全パイロットが自動習得する「二回行動」の廃止。 --それに代わり、新たなパイロット能力値「防御」を導入。 -パイロット毎に上昇する能力値が異なる新システム「成長タイプ」が追加された。 --「格闘系・万能」「射撃系・回避」など、数種類のタイプのいずれかに分類され、タイプによって上昇する能力値が異なる上に「レベルいくつになったら急成長する」という設定もなされている。この新システムと、前作『α』から受け継いだ「技能ポイント」システムが相まって、パイロットごとに異なる個性ある成長を見せることになった。 ---初導入であったためかキャラ間の格差が激しく、バランスの粗さが目立った(後述)。 -改造の仕様が大幅に変更され、機体改造は上昇値が一律でなくなり基の値の○%となった。また、武器の改造はこれまでの個別方式から一括改造方式に変更された。 --固定値でなくなったことで長所を伸ばす機体改造がよりしやすくなった。 --これまでは複数の武器を持っていても特定の武器しか使わないのが普通だったが、様々な武器を使い分ける楽しみが増えた。 -- 量産型など低性能な機体ほど、武器や機体改造の費用対効果が高い傾向にある。そういった機体はパーツスロットも多いため、同じ資金をかけた場合に主人公機を超える強力機体に化けることも。 ---ただしこの仕様変更には不満もあった(後述)。 -前作では隠し扱いで変動条件も不明瞭だった熟練度システムは大幅に改善された。 --選択肢による変動は廃止され、各ステージ毎に決められた条件を満たすことでのみ上がる仕様に変更。自分が獲得した熟練度もメニューに表示されるようになった。 ---獲得熟練度によって、難易度が「易」「普」「難」の3つに自動的に変化。 ---前作で明示されなかった熟練度によるステージ変化(敵の数やステータス値、撤退条件、クリア後のボーナス、入手できる機体、最終ステージへと至る最後のルート分岐の条件など)が視認できる難易度をもとに決められるため、確認しやすくなった。 -新システム「バザー」と、そこで用いる通貨「ブルーストーン」の採用 --ブルーストーンは『戦闘メカ ザブングル』劇中に登場する鉱石で、一種の通貨として用いられている。~ 本作でも舞台が惑星ゾラに移行してからは、敵の撃破時やマップ上のコンテナなどからブルーストーンを得られる。そしてインターミッションの「バザー」コマンドから、強化パーツや機体を売買できるのだ。 --売買できる機体は『ザブングル』のウォーカーマシンと、一部のモビルスーツ、モビルアーマー。いずれも弱小~中堅クラスの性能だが、機体改造によっては一線級に化ける機体も。 --さらに機体を高度に改造してから売却すると、隠し強化パーツがもらえることもある。 --ただし強化パーツの売買が、ある悪質なバグの引き金となる場合もあった。詳しくは後述。 -最近のスパロボでは定番である「クリアしたデータの引き継ぎ」を、不完全ながら初めて採用。 --正確にはクリアデータの引継ぎではなく、周回プレイの開始時に、前の周のクリア難易度に応じた一定額のボーナス資金がもらえるというもの。周回プレイのモチベーションを高める効果があった。 ***ゲームバランス かなり易しい難易度だった前作に対し、難易度調整が行われシミュレーションゲームとしてのやり応えは増している。なお、「易」ルートであればそこまで深く考え込まずともクリアは可能。一方「難」ルートは旧シリーズ並みの難易度を誇り、幅広いプレイヤーに対応できるようになった。 -ダメージ計算式が変化し、敵味方共に与えられるダメージが大きく減少した。前作は、終盤では5万6万という数値のダメージが飛び交っていたが、本作ではダメージを2倍にする『熱血』を用いても10000を超えるのがいいところ。 --そのため上記の援護システムを活用する必要があり、戦略性が増している。またその極みが「大地の守護神」のゼンガーであり、倒すにはスパロボ史上最高のやりこみと戦略が必要となる。寺田Pからの究極の挑戦状である。 --全体的なダメージ減少傾向のため、従来はあまり硬いという印象がなかった超電磁系やゲッター系などのユニットもザコの攻撃にはかなり耐えてくれる。ただしそれでもボス級の攻撃は激しく、食らうとかなりの大ダメージに。 -精神コマンドについても、前作よりも弱めに設定されている。 --前作の非常に強力な精神コマンドは軒並み廃止、弱体化され習得者も限られるようになった。 ---具体的に魂(攻撃力3倍→2.5倍 習得者は主役級のみ)、戦慄(敵全員の気力10ダウン→5ダウン 習得者は1人のみ)が代表的。 --逆に使いやすい方に修正されたものもあり、精神コマンド間の使い勝手の差は無くす方向の調整がされている。 --全体的に味方のSPが低めになっており、精神コマンドの使いどころを選ばなくてはいけなくなった。 -敵CPUの思考力向上。フロスト兄弟等名有りパイロットの多くは、こちらの攻撃によって回避や防御を選択するようになった。 --援護防御とともに敵の選択肢を増加させ、戦略性が向上した反面、ゲームテンポを悪くする原因にもなった。 -敵ボス格が一定ダメージ毎に精神コマンドを発動する。 --「ド根性(HP全回復)」はもちろん「熱血」「必中」「閃き」「鉄壁」などプレイヤー並みにガンガン使ってくる。しかもボスによっては何度も発動する。 ---前作でも一応使っていたが、HP回復だけで超ダメージにより使わせる前に撃墜という荒技も可能だった。 --しかし今作は前述のダメージ減少により精神コマンドの使用を回避しづらい。 --特に「必中」「鉄壁」など1ターン持続するコマンドを使われた場合はそのターンでの撃墜はかなり難しく、ターン経過により効果の解除を待たなければならない。ボスユニットは大抵HP回復を備えているため精神コマンド+回復能力でこれまで与えたダメージが大幅に消えてしまう。 ---また精神を使われるのに誰に仕掛けさせるか、それを解除するのは誰か・・・など色々考えを巡らせないと逆に自軍に大量の被害が出ることも。 --これにより「ラスボス1ターン撃破」という威厳を消すような行いがかなり難しくなった。 --おそらく前作が易しすぎたとの声を受けての調整だったと思われるが、無印αからのあまりの落差の激しさに、今度は逆に「難しすぎる、ウザすぎる」という声が上がってしまった。 --次回作以降はボスの精神コマンドはほとんどなくなり、代わりに「非常に高いHPをひたすら削る」という形になった。どちらが面白いかは感性によるところであろう。 ***戦闘アニメ・演出 -グラフィックの質は前作からの大きな進歩はないが、戦闘アニメは大幅にパワーアップしている。 --本作から新規登場したユニットの中でも、コミカルな動きを見せる『ザブングル』のウォーカーマシンや、細かい演出の光る『∀ガンダム』に登場するMS、『魔装機神』などオリジナル機体の派手な演出は特筆すべきもので、これらのユニットは攻撃を外した際に特殊な動きをするなど芸も細かい。 ---特に人気が高いのは、後述するオリジナル機のスレードゲルミル、本作唯一の二段カットイン付き&s(){でロリコン垂涎モノ}のディアブロ、入手が難しい隠しユニットのHi-νガンダムなど。 --既存ユニットでも『マクロスプラス』、『ガンダムW』系の機体、マジンカイザーや真・ゲッターロボなどの一部武器、そしてマジンガーZ、ダイターン3はデフォルトポーズから、ほぼ全武器に渡るまで、見事に作り直されている。 ---特に、美少女型ロボットであるヴァルシオーネRはPSとは思えないほどヌルヌル動く。これはヴァルシオーネ好きのスタッフによる暴走だったらしく(『α』でも片鱗が見える)、それに引きずられて全体的に戦闘アニメがパワーアップしたらしい。 --また、ガンダム系の大口径ビーム兵器の演出が変更されている。一定して太いビームから、発射からだんだん太くなり、撃ち終わった後は粒子がほのかに残る演出となった。 --他に前作から大きく変わった点として、スーパー系敵メカを中心にある程度の敵ユニットの戦闘アニメーションがよく動くようになった。特に顕著なのがゲッターロボのメカザウルスで、今作で所属勢力である恐竜帝国が初めて参戦したためか非常に気合いが入っている。ノッシノッシと歩く様などは大きな進歩と呼べる。 --戦闘アニメ開始時に、ユニットが枠外から登場するようになった。 -戦闘台詞パターンの増加。前作にいた多数のキャラの戦闘台詞が新たに収録され、因縁の相手(例:カミーユ→ジェリド)に攻撃する時や攻撃された時に相手を名指しで呼ぶもの、他に自機名を呼ぶもの、合体ロボット(コンバトラー等)でのパイロット同士の掛け合いもの等、戦闘台詞のバラエティが豊かになった。これも戦闘アニメの演出をより豊かにするのに大きな役割を果たしている、と言えよう。後のシリーズにもしっかりと受け継がれた。 --この要素がおおむね好評であったことと、ハードが進化していったこともあり、演出重視の姿勢は後のシリーズでも続けられていくことになった。 -ただハードの性能を限界まで引き出しているためか、場合によっては処理落ちを起こしてしまうのが難点。 --また、ハードの型番によっては一部戦闘アニメの音声の末尾が途切れてしまう場合がある。 //順序の訂正と追記 前作とデフォルトポーズが同じものは、使い回しが全く見れない、ほどではないので ***ストーリー -序盤では『α』直後の地球圏での権力争いが行われるが、その後、舞台は『ザブングル』『ガンダムX』『∀ガンダム』などの新規参戦作品の世界観を主軸にした荒廃した地球・惑星ゾラ(ザブングルの舞台)へと移動する。 --スパロボ全体から見ても本作は宇宙に行く場面が非常に少なく、それまでにはなかった大胆なクロスオーバーと外宇宙を見据えたスケールの大きい展開が特徴のαとは対極的。しかし物語が進むにつれ前作との関係が明らかになっていく構造や仲間同士のやり取りに重点をおくなど、より緻密な展開になっている。 -リアル系が「X」「∀」らの原作再現を主としたストーリーなのに対し、スーパー系はゲッター・マジンガーを中心にチーム同士やロボットとの絆を描いた独自の展開を見せるシナリオが主体。中でも甲児、鉄也、ゲッターチームら常連でありながらもシナリオ的には目立つ事の少なかったスーパー系にスポットが当てられることで、本作は良い意味で暑苦しく泥臭い「スーパーロボット」大戦の名に相応しい出来となっている。 --特に旧シリーズでは「甲児のためにグレートを持ってきた」と言われるほど冷遇されてきた剣鉄也が、本作ではストーリーの要所で主役的な活躍を見せ、ファンを増やした。同じく過去のシリーズでは単純な上位機体としての域を出なかった真・ゲッターロボやマジンカイザーも、本作ではドラマ的にも重要な意味合いを持つ機体として登場する。 -また、本作を語るのに欠かせないのが敵として登場するオリジナルキャラであるゼンガー・ゾンボルト。 --搭乗機体のスレードゲルミルと共に圧倒的なインパクトを誇り、プレイヤーに強烈な印象を与えた。また、その単純明快な造形から多くのファンを獲得し、『第2次α』では何と主人公の一人に抜擢された。 -人気の高い魔装機神シリーズから多数の機体が参戦。その数敵味方合わせて10体以上とファンを喜ばせた。 --ジャオーム、ディアブロ、ノルス・レイが久しぶりの登場。戦闘グラフィックも気合が入っており(一部入りすぎとも言えるが)評価が高い。 -最初期から長きにわたって参戦しているゲッターロボ(TV版)のまともな原作再現が初めて行われた。 --敵勢力の恐竜帝国が初めてシリーズに登場し、それまで弱小ユニットでしか無かったメカザウルスも全体的に強まった。敵キャラクターのイベントも見逃せなくなっている。 ***BGM -スーパーロボット大戦シリーズとしては初めて、タイトル画面とスタッフロールで流れる歌詞付きの主題歌としてOP、EDテーマが採用された。 --歌手はこの先もスパロボと大きな関わりを持つことになるJAM Project。本作品のOP曲「鋼の救世主」は、今なお人気が高い。 ---- **賛否両論点 ***技能ポイントの仕様変更 -技量・SPを除く全能力が成長可能になったが、各能力の上昇限界が+50までになった。 --前作はパイロット成長における技能ポイントが大きく、常に一軍で戦い続けてきたパイロットとベンチウォーマーでは、技能ポイントが原因で能力差が生じたが、本作ではそれほど極端ではなくなった。 //---もっとも、前作においても、単騎無双でもしない限り寄与する値はトップエースで20%程度と圧倒的な値ではなかった。(もちろん大きなファクターではあるが) //この手のゲームの20%は十分圧倒的と思われるためCO --防御・回避の技能ポイント獲得が厳しい。こちらの被害が大きいほど獲得ポイントが増える使用のため、こちらが強いとポイントを獲得するのが難しい。回避は相手の命中が0から4%だと1、5から25%だと2と、二倍も成長速度が違い、防御はダメージを受けなければ成長すらできない(回避は上昇する)。 //格闘、射撃も限られた敵数の中で攻撃ごとに1、撃破で5なので、大変さは同等と判断して、こちらが強い際に不利、としました。 -以後のスパロボでは技能ポイントは廃止され、PPもしくはBPというポイントを任意に振り分けて成長させるシステムが採用されている。どうやらあまり良いシステムではないと判断されたようだ。 ***主人公の不在 -第4次以降定番となっていたオリジナル主人公の登場だが、本作はそれがない久しぶりのスパロボである。 --プレイヤーの分身として、版権作品のキャラクターとして肩を並べる主人公に愛着を持っていた層からは、本作の大きな欠点としてこの点がよく挙げられる。 --一方、前作では主人公がシナリオ上重要なキーパーソンであり、目立ちすぎと批判されたこともあってその反動であるとも言える。 ---実際、インタビュー等で寺田Pがそういうニュアンスの発言をしている。 ***最終分岐の条件 -従来のスパロボでは、エンディングへと至る最終分岐は累計総ターン数による場合が多かったが、前作からは熟練度(難易度)によって分岐する。 --総ターン数を気にかける必要がなくなり「早解き」の必然性が低下。どれだけターンを費やしても一向に構わなくなった。 ---早解き一辺倒の攻略ではなく、状況に応じた多様な戦略が取れるようになっている。 --ただしマップによって、早解きが作戦目的や熟練度獲得条件となっている場合はある。 ***スーパー系、多人数乗り優遇のユニットバランス -味方の最大SPが低下し、好きなだけ精神コマンドを使いまくれるゲームバランスでは無くなったため、複数人数分の精神コマンドを駆使できる多人数乗りスーパー系ユニットが強力かつ有用となっている。 --更に精神コマンド「期待」(SP50回復)や、消費パーツ「ドンキーのパン」(SP全回復)が、全サブパイロットにも適用されるため、余計に有利に。 --反面、ほとんどが一人乗りのリアル系ユニットは全体的に精彩を欠く印象。特にνガンダムやウイングガンダムゼロカスタムなどは前作に比べて大幅に弱体化しており、((特にνガンダムはひどく機体性能控えめ、メイン武器の地形適応は低い上に距離補正もかからない、武器改造費は高めとあまりにも使い辛い。ただし、ルートで手に入る換装装備で化ける。))ファンを落胆させた。せっかく久々に登場した魔装機神系ユニットたちも、戦力としては今ひとつ。 -本作では地上での戦闘がかなり多く、最強武器の地形対応が全体的に悪いガンダム系にとって大きな逆風となっている。((ファンネルの地上使用は設定上難があるとの意見は前から出ていた。)) --防塵装置が追加されたことで地上適応は前作より容易になった。ただし強化パーツスロットを要求するためスロットの多い機体がより優遇される結果になっている。 ***難易度「難」のラストMAP -MAP名、ボス共に旧シリーズ第三次の隠しマップと同じ --αシリーズで魔装機神のシナリオを展開した結果であり、後にOGシリーズでも同じ展開があった。 --版権作品が別タイトルで同じ展開を繰り返す事はスパロボシリーズでは良くある事ではあり、魔装機神も半ば版権作品に近い。 ---とはいえ、オリジナル作品には違いなく、最終マップで同じ事を繰り返した事で、「またかよ」と思われてしまった。 --αシリーズでは以後、魔装機神系のキャラは登場しなくなり新シリーズのスパロボとしての道を本格的に歩んでいくこととなった。 ---- **問題点 ***バグ 本作はバグが非常に多く、突貫工事的な制作を思わされるものがある。 -各強化パーツの所時数が1種類あたり9個に達すると、高確率で何らかのバグが発生する。その内容は実に多種多様であり、また''36話で確実に詰む''。 --何より厄介なのは''『バグの原因発生と、バグの表面化との間に、何マップ分にも及ぶタイムラグがある』''事。もう絶対にクリアできない状態になったセーブデータで長期間のプレイができてしまうので、気付いたら時すでに遅し、という最悪のケースが生じる事も珍しくない。 --更に輪をかけて厄介なのが、先述の「バザー」で強化パーツを容易に増やせるという点である。「ブースター」(移動力+1)などの安価かつ有用なパーツをバザーで買いまくった挙句、不可避なフリーズにハマってしまったプレイヤーも多い。 --至って普通のプレイの範疇でも十分発生する可能性があり、発生から表面化までに時間が掛かり、最終的に詰み、気付いた時にはもう遅い・・・という極めて危険且つ致命的なバグであり、プレイヤーに大打撃を与えた。 ---パーツはバザーで売却できるため、回避自体は容易である。しかしこんな単純な事でここまで致命的なバグが発生するとは誰も思わず、またバグの表面化までにタイムラグがある事から、自力で原因を断定するのは極めて難しかった。問い合わせるなり何処からか情報を仕入れないと察知しにくいため、やはり非常に厄介であると言えよう。 -ゲームを進めると自軍のユニットリストに敵の戦艦である「グレタ・ガリー」が追加される。 --しかし''追加されるだけで使用はできず、しかも最後まで居座り続ける''。改造も可能だが資金を損するだけで意味は無い。 --原作ではアイアン・ギアーが大破した際、グレタ・ガリーを乗っ取って2代目アイアン・ギアーに仕立てたという設定がある((この2つの戦艦は色違いの同型機))。しかし、データ管理上わざわざグレタ・ガリーを入れる必要はない。100%発生するバグでありデバッグの不十分さが伺える。 -一部のバルキリーの武装は形態毎に最大弾数が異なっており、残弾数が別形態ではマイナスに到達するほど使用した後、マイナスになる形態に変形すると、逆に残弾数が120発を超える。 --これはVF-11のガンポッドは後に修正されたが、Sバルキリー柿崎機の反応弾は修正されていない。 -29話でミリアを変形機能のない機体に乗せていると、強制出撃時に必ずフリーズする。デフォルトの専用バルキリーなどに乗せていれば大丈夫((何の機体にも乗せていないと、勝手にアーマードバルキリーに乗ってきて勝手にフリーズを起こすことも。))。 -宇宙ルート35話で、目的地周辺5マスにラーカイラムを入れて増援を出させると、勝利条件達成時に100%必ずフリーズする。 --また、それとは別に敵の増援を出現させすぎたり、敵を全滅させたりしてもフリーズする。獲得資金が多い敵ばかりなので、できる限り倒しておきたいと考えるプレイヤーの多くが引っ掛かった。 -機体・パイロットの地形適応が反映されていない。反映されるのは武器の地形適性だけである。 --自軍に関しては機体・パイロットが地形に関係なく使えるのである意味評価点と言えなくもないが、問題なのは敵側である。 --適応Bの敵も適応Aの回避・命中となっているため、本来想定されたいたものとは全く別のゲームバランスになってしまっている。 --これのせいで本作は命中率がかなりシビアであり、エースパイロットが雑魚相手に命中率100%を切る事も多々ある。 -ニュータイプ・強化人間・カテゴリーF等の回避補正が本来の効果の2倍になっている。 --こちらも想定されたゲームバランスを大きく崩す要因となってしまっている。詳しくは後述。 -成長タイプが「万能系・大器晩成型」がどうも正常に設定されていない。 --同じく晩成の「格闘or射撃系・大器晩成型」(あるレベル以降、能力の上昇率が伸び、最終的に「格闘or射撃系・万能型」より一回り下の高い能力になる)と比べると、SPだけは非常に伸びるが、他の能力はその伸び幅があまりに小さいためSPのみが優秀という、まるで別の成長具合となっており、バグあるいは設定ミスではないかと言われている。 //((一説によると100以上。))このゲーム99までしか上がらないんだけど・・・。チートで確認? //99にしたデータを参考に修正 SPだけは非常に上昇します --当てはまるのはオリジナルの「リュウセイ」「ミオ」「プレシア」、ガンダムXの「サラ」、∀ガンダムの「ロラン」、ザブングルの「チル」、そして能力の関係ないVガンダムの「ハロ」となる。 --支援精神が豊富なプレシア、サラ、基本的にサブパイロットであるチル、サブパイロット固定のハロは「精神ポイント重視型」(SP以外の能力は低めだが、SPは伸びる)の互換のようなものなのでむしろ優秀なのだが、問題はリュウセイ、ミオ、ロラン。 ---彼らは精神が完全に戦闘用で、前線で戦うのがメインのキャラでありながら、戦闘能力が最後まで低い。 ---リュウセイは前作で最強クラスの合体ロボに乗る一撃必殺の攻撃要員だったところから、合体が剥奪された上にこの能力で弱体化が激しい。だが素の能力こそ低めものの、機体の回避の優秀さ、念動力補正、ガッツの発動から味方最高クラスの回避能力を持っておりクリティカル率も高められる。そこから低燃費の各種武器で反撃や援護で暴れられるという、前作とは別ベクトルの強さで最前線でも十分戦える。 ---ミオは遠距離攻撃が弱くガッツを活かして近距離必殺武器を使用していく機体であるため、能力の低さが辛い。レア精神の「脱力」が使用可能な辺り支援機的な設定をしたのかもしれないが、どうにも中途半端。おまけに搭乗機のザムジードがHP回復(小)を持ってる為、ガッツ状態を維持し続けるのが難しいのもネック。 ---ロランは乗機の∀ガンダムが優秀なのでそれに合わせた能力なのかもしれないが、問題は∀ガンダムが乗り換え対応機体である事。そのため、イベント以外では他の優秀なパイロットに割り当てた方が有効で、本人は放置されるケースも少なくない。精神ラインナップが優秀で豊富なSPを戦闘に生かす運用も有効。 //リュウセイも強力なためロラン1強的な意見は削除しました。 -本作は製作期間が比較的短く、前作からのシステム流用も多い事から、このような多数のバグを抱える事になってしまったと思われる --また、いずれもバグも中盤~終盤までプレイしないと発生・確認しにくく、また100%確実に発生するものも存在する事から、テストプレイやデバッグをしてないものと思われる。 --なお、廉価版やPREMIUM EDITIONではいくつかのバグが修正されているが、あまりに多いためどこまで修正されたかは現在でも把握し切れていない。 ***システムの粗 -改造関連 --改造による機体性能の上昇が倍率を掛ける仕様になったため、元の能力値が極端に低い機体は改造を施しても殆ど成長しない((HP2000のユニットならばフル改造しても3000にしかならない。強化パーツ一個分である。))。 ---弱い機体ほど強化パーツの余裕が多いため、パーツで補えるため、そちらに任せるという手もある。 --全武器一括改造になった事とあわせて、武器改造の費用対効果が前作よりも圧倒的に低くなった。このため爽快感がない、前作のような個別方式の方が良いという否定的な意見も出た。 --元が弱い機体ほど機体への愛(改造資金)で改造効率が良くなるのはともかく、最終的に主役機を超える性能になるのには難色を示すプレイヤーも。 ---特にガンブラスター・トーラスの性能は凄まじく、改造費が安く・攻撃力がそこそこあり・継戦能力も高く・パーツスロット4つ・更には飛行可能・・・と改造が前提とはいえ隙が無い。弱点は主武装がビーム兵器である事ぐらいか。 ---この現象はPSハードでの次回作『IMPACT』でも発生している。しかしこちらは改造段階が多い故に改造費用がかなり高く、またパーツ売買システムがない事から機体性能のフォローも難しくなっており、本作ほどにはなっていない。 -命中関連 --運動性の仕様変更は、スーパー系にとっての評価点・改善点となった一方で、別の問題点も生まれた。 --運動性の強化で命中率を能動的に補強できなくなったため、終盤の一部の高能力ボス敵に(スーパー系に限らず全ての自軍ユニットが)攻撃を当てにくくなってしまった。 --具体的には、能力値が高い上に特殊能力「カテゴリーF」を備え、更に頻繁に防御・回避を行うフロスト兄弟が代表格。また難ルートのラスボスも該当する。 --精神コマンド「必中」があるのならそれを使えばいいのだが、割を食ったのは「必中」を持たないリアル系パイロット達。「集中」では命中率上昇が追いつかず、強敵ボスたちに手出しすらできないという状況がしばしば生じた。スーパー系が覚える精神で有利に戦えるようにという配慮が、逆に精神コマンドに頼らざるを得ない状況を生んだのは皮肉である。 --結果として、「仕様変更したのはいいが調整不足」という形であり、命中関連のバランスは前作の方がまだ優れていたと言える。次回作では仕様変更こそないものの、バランスや精神コマンドが整備され、あまり命中率に悩まされる事はなくなった。 -動作関連 --マップ上では何故か軽度の処理落ちが常時発生しており、カーソル移動・ユニット移動・精神コマンドのエフェクト等がのっそりしている。 --また、本作では簡易戦闘アニメの演出が強化されたせいで長くなっており、それに上記の処理落ちが加わるせいで非常にテンポが悪い。 --コンティニュー時のロード時間も長くなっており、テンポの良さやストレスの有無の面では前作『α』から大きく劣化したと言える。 -敵CPUの行動選択 --「ボスが防御や回避を行う」という本作の仕様は、面白い試みではあったものの、ゲームとしての面白さには繋がらなかった。 --ダメージと敵HPを計算し、援護や精神コマンドを駆使して撤退ボスを倒そうとするも、防御・回避を選択されたせいで倒しきれない・・・という事態が頻繁に生じる。 --戦略の練り直しになる他、セーブリセットロードの依存も強まり、更には上記の通りロード時間が長い・・・という悪循環に悩まされる事になりがち。 --不評だったせいか、以降の作品ではこの仕様は殆ど採用されなかった。 -技能補正関連 --「ニュータイプ以外は人にあらず」と言われた『F』を反省し、前作では回避命中補正を得られる技能の効果が低くされていた。 --ニュータイプ(以下NT)を例にすると、『F』のNT補正は命中・回避共にLv9で+43%だったのに対し、前作のNT補正はLv9で+30%である。 --しかし本作ではこのNT補正がやたらと高く設定されており、Lv9の命中補正は前作を超える+35%、回避補正のLv9に至っては''『F』をも遥かに超える+70%''もの超強烈な補正を得られる。 --普通にプレイしていて最大Lvまで上がり切る事はあまりないが、それでもあまりに高過ぎる。前作における最大補正の+30%は、本作におけるLv4である。 --上記のフロスト兄弟が鬼のように高い回避率を持っているのはこれが原因である。前作のように命中補正と回避補正が同数値なら、NT持ちパイロットに相手をさせる事で対処できたが、本作では命中補正と回避補正の間で2倍もの差があるためこのような事になってしまった。 //---ただし、敵側の機体は限界のパラメータが味方に比べると低めであり、実はその回避補正をフルに活かすことができないという一面もある。 //↑α外伝は敵も味方も【(回避+運動性)+NT回避補正】という計算だから限界反応に引っ掛かる事はない。 --また、これは自軍でもNTと非NTで格差が生まれてしまったという事でもある。本作は補正技能持ち敵パイロットが少ないため『F』ほどではないが、散々指摘されていたNT格差を再燃させてしまったのは情けないと言わざるを得ない。前作は技能補正を下方修正し、シールド防御・切り払いLvを高く設定する形で、格差があまりないよう調整・配慮されていたのに。 --なお、各種媒体にはどちらも「最大で+35%」と書かれているため、このクソ高い回避補正はバグである可能性が高い。先述の「機体・パイロットの地形対応が全く機能していない」というバグも合わせて、本来想定されていたゲームバランスとはかけ離れたものになってしまっている。 -ダメージ計算式に組み込まれた「距離補正」の存在。 --射撃武器を撃った後に距離が遠ければ威力も減衰するだろう、という事なのかもしれないが・・・。 --「武器の最大射程と攻撃距離の差が大きいほどダメージが高くなる」ため、多少攻撃力が低くても射程が長い武器を接近して使ったほうが強いという、やや直感に反するおかしな結果になる。後の作品では廃止されている。 --例えば、本作では射程1のビームサーベルで斬りつけるよりも、最大射程4のビームライフルを隣接して撃ったほうが有効というケースが頻出する。最大射程が8以上の武器を隣接状態で撃つと20%以上の高い補正がかかる。 --この「距離補正」は敵に対しても機能する。一例としてラスボスの最強武器の射程は12という破格の数値を誇る為、並のユニットでは到底耐えられない火力を持つ。 --ただしファンネル類やマップ兵器にはこの距離補正がかからない。 -その他 --前作で強力だった機体が弱体化された。これ自体は当然の処置だが、かなり極端な弱体化をされており、「他を使った方がマシ」とまで言われた。 ---その筆頭が、前作でボスキラーとして大活躍したダンクーガ。HP・EN・運動性いずれも主役スーパーロボット系で最も低く、また燃費が致命的なまでに悪化。攻撃力も勿論スーパー系最弱で、一撃必殺の断空光牙剣はちょっと強いMSレベルにまで下げられた。全員が熱血・気合を覚えないため「序盤から高火力キープ」という運用方法までも剥奪され、有用な支援系精神コマンドを覚えるのが唯一の長所である。シナリオ上の影も薄く、『第3次α』の中断メッセージでネタにされたほど。 ---ウイングガンダムゼロ・トールギスIIIも大きく下方修正され、特に燃費が超悪化。「ENをフル改造しても主武装を4発しか撃てない」というあまりに酷い調整を受けた。ウイングゼロはマップ兵器があるためまだいいものの、トールギスIIIは倉庫送りにされ、ゼクスは先述のトーラスに乗せられる事が多い。 ---その一方で、ガッツ持ちリアル系であり、前作で凄まじい強さを誇ったイサム・フォッカーの2人は特に弱体化されず。フォッカーに至っては指揮を持つためより重要性が増したと言っていい。ここらへんの判断基準も分からないところである。 --ガンダムX・ガンダムDXのサテライトキャノンは、ゲームバランスの兼ね合いで独自のシステムが搭載されている。 ---その中で最も問題点とされているのが「月が出ていないとサテライトキャノンを撃てない」という点。 ---「難」ルートでは月が出ているマップが激減するため、月がないとサテライトキャノンを撃てないこの2機は、隠し武器を入手しないと攻撃力が大幅に低下してしまう。 ---ガンダムXはディバイダーに換装できるため使っていけるものの、隠し武器を入手してないガンダムDXは「難」ルートだとほぼ戦力外となってしまう。 ***シナリオの問題 -外伝という作品の性質上、前作をやっていないと理解困難な展開がある。~ 特に、本作のストーリーの大前提となっている「イージス計画」が前作のクライマックスに由来する物なので、これを理解できないと導入部からいきなり躓くことになる。一応、オープニングの字幕や序盤のキャラの会話で説明はされるのだが。 -『ザブングル』『∀ガンダム』がいい感じに原作再現されている一方で、『ブライガー』『ガンダムX』はやや不遇。 --『ガンダムX』はDVEが豊富に用意されており、シナリオ上でもよく目立つ。 ---しかし原作のアルタネイティヴ社や宇宙革命軍が存在しないため、キャラクター数や原作再現は上2つに比べると控えめ。 ---真に問題点なのは原作再現より機体である。原作勢力が存在しないため敵機体が非常に少なく、なんとライバルのフロスト兄弟ですら後継機が用意されていない。開発期間や世界観との兼ね合いもあるだろうが、原作におけるライバルがこのような扱いを受けるのは流石に見過ごせない問題である。 --同様に『ブライガー』もDVEが多く、シナリオ上での活躍の機会は多いが、原作再現は著しく低い。 ---登場キャラクターは僅か10人以下であり、登場機体に至ってはブライガー・雑魚・ボスの3機しかいない。親玉であるカーメン=カーメンも序盤で顔見せをした以降は終盤まで登場せず、その終盤も2回しか戦う機会がないというあんまりな扱いである。 ---最終決戦も「突然上空から現れていきなり始まる」というものであり、作中ですら「都合のいい展開(意訳)」と言われる始末。内容も突然現れて目的をべらべら喋った後、ボーナスステージのような戦い((武器が主武装と貧弱な機銃しかなく、その主武装も3回でEN切れを起こすためHPが高いだけの雑魚。しかも「撃墜すると分裂する」を5~9回繰り返すため、熟練度獲得を無視して資金稼ぎ&Lv上げのカモのされる事が殆ど。))を経てあっさり終了・・・と凄まじいやっつけ感が漂う。折角のDVEも全く盛り上がらない。 //その後にスレードゲルミルとの戦いがあるんだからボーナスステージとはとても言い難い。 //ちょうど昨日プレイしたけどボーナスステージだよ。「月光蝶」のギンガナムや「決戦!Xポイント」のカシムと違って精神コマンドラッシュを使わないし、難易度に関係なく5ターンで撤退するもの。HPによる撤退条件も他より甘い。 //-本作のEDは難易度によって変化するが、真のEDを見るためには「難」ルートをクリアしなくてはならない。 //--前述通り本作は難易度が前作から大きく向上していおり、なまじ前作が優しいバランスで大量の新規ユーザーを獲得していただけに、続編として買ったプレイヤーを難易度の乖離に苦しませる事となった。 //どのエンディングも続編につながる終わり方だから一応「真のED」ではないと思う。 -前作で散々思わせぶりな言動をとり、ストーリー上の重要要素と思われた『ジャイアント・ロボ』関係のキャラや設定がすべて未登場。 --これは版権の問題があったようで、続編では本来敵のボス、ビッグファイアに当たるであろうキャラがオリジナルキャラに変わっている。 -同じく最大の脅威と描かれていた宇宙怪獣やゼ・バルマリィ関係も今回はノータッチ。 --こちらは『第2次α』以降でストーリー展開されたが、前作で未解決の問題が外伝とはいえ丸々スルーされたので、気にしていたプレイヤーは相変わらず疑問が残ったままに。 ---ただし、本作で中途半端にネタを振るような事はなかったので、作品内で変なしこりを残す結果にはなっていない。 -『魔装機神』も本作を最後に退場。その後の展開にもやもや感が残った。 --この背景には版権の問題が存在していた。この後も形を変えながらも同様の問題が起こっており、さまざまな権利関係が交錯するこのシリーズ特有の問題点といえる。 **図鑑登録の不便さ 本作では前作αと異なり、ユニットが図鑑登録されるためにはそのユニットが実際にMAPに出なければならない。~ そのため、バザーで売ってる弱小ユニットなども「登録の為に出撃」→「クイックセーブして登録」→「再度インターミッションにて準備」としなければならない。 -序盤に易ルートでリュウセイの乗る「量産型グルンガスト弐式」は、敵として登場したものが戦闘MAPにいても登録されず、序盤の2回、後半の選択ルート中でしか登録できない。(普、難ルートの2機の方は難ルートに行けば加入する。) -こうした仕様の為、登録率100%にするのはなかなか不便。 --それでも初期の分岐が後半に影響するがほぼないため、熟練度による登場分岐直前のセーブを活用して熟練度を調整すれば、最短2周で図鑑100%が達成可能。シナリオも短めなので隠し要素が多めのスパロボとしてはかなり達成しやすい部類に入る。もちろん、そのためにはMAPに出さなければいけないが・・ --スパロボの図鑑は一部ユニット・キャラが登録されない(『α』、『第3次α』等)不具合がよくあり、その後パーセント表示は廃止されてしまった。 ---- **総評 「援護システム」「武器の一括改造」「二回行動の廃止」など、現在まで受け継がれる多くのシステムを据え置き機ハードで採用した初のスパロボである。スパロボの歴史における、ひとつのターニングポイントと言ってもいいだろう。~ 魅力的なシナリオやド派手な戦闘アニメも素晴らしく、特に後者は前作に驚かされたプレイヤーですらも感動させたほど。~ しかし簡易戦闘アニメのテンポの悪さやロード時間の長さ、練り込み不足の新システム等、決して無視できない問題点が多数存在するのも事実である。~ 特にゲームプレイ・ゲームバランスに多大な影響を与えるバグの存在は決して擁護できるものではなく、完成度はむしろ低いと言える。~ 戦術的な思考が要求される高難度も、やり応えを求めるユーザーからは一定の評価を得たが、それさえもバグの存在によって成り立ったものであり、評価点としていいかは疑問符の残るところであろう。~ また、なまじ前作が優しめの難易度で大量の新規ユーザーを獲得していただけに、その難易度も好みが別れるところである。~ 魅力的な多数の評価点があるが、それと同等かそれ以上に問題点も多い一長一短な作品と言える。今からプレイするのならば、バグ情報だけでもネット等を通じて押さえておく事を薦める。予習として前作からプレイするのもいいだろう。 ---- **余談 -後にOGシリーズでは本作のゼンガーを元にしたキャラクター「ウォーダン・ユミル」が登場し、''ゼンガーVSゼンガー''という非常に濃い組み合わせも生まれた。 ----

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