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*ロックマンゼロ4 【ろっくまんぜろふぉー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B0007VAW1O)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2005年4月21日|~| |定価|4,990円|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ついにシリーズ完結&br;色濃い人間ドラマ&br;強化パーツが作成式に&br;キャラクターボイス超強化&br;''あれ、でも四天王はどこへ?''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 『ロックマンゼロ』シリーズ第4作。~ キャッチコピーは「そして、すべてがゼロになる。」~ パッケージ裏に「ネオ・アルカディア編完結!」と書かれており、実質シリーズの最終作となった。 ---- *ストーリー (Wikipediaより引用) -ゼロたちは荒野に散った人々やレプリロイドを助けるため、大型トレーラーで各地を転々としていた。 -ある時ゼロたちは、レプリロイドの軍団に襲われているキャラバンに遭遇する。キャラバンを救ったゼロたちは、人間のジャーナリストである女性、ネージュに悪の科学者「ドクター・バイル」の手により変わり果てたネオ・アルカディアの現状を聞かされる。かつて人間の理想郷であったネオ・アルカディアは、ゼロによりリーダーであるコピーエックス((人間達にはコピーである旨が知らされていなかった。))を失い、バイルが全権を握っていた。人間を守るどころか、人間だろうがレプリロイドだろうがイレギュラーとみなされた物はすべて処分の対象となる…。 -キャラバンの人間達は、バイルの支配から逃れるため、唯一の自然が残った場所である「エリア・ゼロ」にある人間の集落を目指していた。 ---- *新特徴 -ロッド、シールドブーメランを廃止し、新武器…というよりも打撃攻撃の「ゼロナックル」及びそれによってシージングできる武器類が追加。 :ゼロナックル|ゼロの手に埋め込まれたチップが本体である武器。格闘に近い為射程は短いが、殴り倒した敵の武装を一部奪い(シージング)、銃やミサイルを発射したり、剣や斧等で打撃攻撃をしたり、盾をそのままゼロの防御に使用したりできる。またシージングせずとも植物やスイッチを引っこ抜く等の芸当が可能で、チャージするとチャージセイバーと同じ威力になる。 -本作ではオープニングステージから全ての武器が使用可能であり、さながらゼロナックルのチュートルアル的な作りになっている。 -チャージセイバーの威力が16(ボス8目盛り)から14(ボス7目盛り)に下方修正。 -ザコ敵が一定確率でパーツ(そのザコ敵の名前が付いている)を落とすことがあり、そのパーツを組み合わせることでヘッド・ボディ・フットの各カスタマイズ用パーツを作成するシステムに変更。また一部パーツはLv1~3まで存在し、レベルが高い方が必要パーツが多い代わりに性能が高い。 -ロープアクションが追加。空中にあるロープに十字キーの上を押すと掴まることができ、そこからジャンプしたり、掴まったまま攻撃したりできる(『[[X5>ロックマンX5]]』『[[X6>ロックマンX6]]』のようなスライド移動はできない)。 -サイバーエルフについて --今回は1体しか登場しないが、その1体がナース系・アニマル系・ハッカー系のあらゆる能力を引き出せるように改良された。 --各系統レベル1~7まで存在し、Eクリスタルを与えることでレベルを上げ、上げたレベルまで能力を付けることができる(最大は7×3=21)。 --またゼロ側には「キャパシティ」という制限があり、エルフに付けた能力の数がキャパシティを超えるとリザルトが減点される。 --キャパシティは8ステージをクリアするごとに1ずつ上がっていくので、ノーマルモードでの最高値は8となる。 ---ボディチップの「エルフ」を装備すると+1される為、9まで付けることが可能。 -難易度選択について --シリーズ初めてイージーモードが登場。天候(後述)が常に敵に不利なものになり、エルフのレベルが5までであれば自由に能力を付けることができる。 --ハードモード、アルティメットモードは隠しコマンドではなくなり、タイトル画面で選択できるようになった。 ---ハードモードは前作同様連続斬りとフルチャージが不可(ゼロナックルはチャージ可)、サイバーエルフ使用不可、また天候は常に敵の有利になるがEXスキルは手に入らない。 ---アルティメットモードはサイバーエルフが最高レベルまで成長されており、かつキャパシティの上限が無い、付けている能力より下位の能力も同時発動するというシステムに変更された(問題点を含んでいる為後述する)。 -ウェザーチェンジングシステム --8ステージではプレイヤーの任意で天候を変更することができ、敵側の有利不利な状況が変化。~ 敵に不利な天候を選ぶとステージや一部ボス戦の難易度が落ちる代わりにリザルトのウェザーレベルが0点になる。~ 敵に有利な天候を選ぶと向かい風が吹いたり地面が滑る等の仕掛けが増えるが、EXスキルが手に入るようになる。 --なお、8ステージ以外では天候変化の概念がなく、リザルトは常に10点保持となる。 -8大ボス --シリーズどころかロックマンシリーズ全体でも初となる女性型((従来作にも「女性口調」のボスは存在したが、全て男性であった。))の8大ボス(ノービル・マンドラゴ、ソル・ティターニャン)が登場した((ミッションの構成上『1』のレヴィアタンも八大ボスではあるが、立ち位置がやや異なる。))。 --さらにノービル・マンドラゴは貴婦人口調、ソル・ティターニャンは''ギャル口調''だったりと妙にキャラが濃い。 --とはいえボスキャラなので、ゼロには容赦なく真っ二つにされる。 -エレメントチップの廃止 --本作ではエレメントチップが廃止され、チャージ攻撃に属性が付かなくなった。属性はEXスキルおよびゼロナックルでシージングした武器に付く。 --バスター系のEXスキルは、従来は装備したエレメントチップでEXスキルが変化したのに対し、本作ではEXスキルそのものを選んで装備する方式になった。 -ミニゲームについて --今回は全てゼロナックルorシージング武器を装備したゼロを操作するもので、全て出現させてハイスコアを更新するとさらに隠しミニゲームが解禁される。 *評価点 -従来から大きく雰囲気を変えたこと。 --今回の拠点はレジスタンスベースそのものではなく、エリア・ゼロ近くに停車させたトレーラーとなり、シエルやセルヴォ等の主要メンバーは同席しているが、レジスタンスとしての登場人物は極端に少ない。 --その代わり、従来ほぼ描写の無かった人間キャラが多数登場するようになり、今までの戦いは彼らにどんな影響を与えたのか、これからどうすればいいのか…と色々考えさせてくれる。 -人間キャラだけでなく、アインヘルヤル八闘士(8大ボス)を中間で束ねるクラフトのキャラ性も良質。 --何故バイルに仕えているのか、何が目的なのか、ゼロとの戦いが彼に何をもたらすのか…が丁寧に描かれており、専用BGMが2曲も(会話シーンでの「Kraft」、戦闘曲「Power Field」)用意されており、何より''初見では非常に強い''等、色々と優遇されている。 -さらに強化されたボイス --ネージュ役の後藤邑子氏によるオープニングナレーション、シエル役の田中理恵氏によるエンディングテーマまで収録されている。 --八大ボスも個別に声優が演じているのはもちろん、初戦とボスラッシュで戦闘開始および撃破時の台詞が異なるなど、『3』よりもさらにパターンが豊富になっている。 --ラスボスは戦闘時だけでなく会話の合間にもボイスが挟まれている。多いわけではないが、大塚周夫氏の熱演によって凄まじい貫禄を出している。 --チャージセイバーでゼロが「タァッ!」と叫ぶようになった(前作まではSEだった)。 ---その他ゼロナックルやロープでも積極的にボイスを発するようになり、従来より風間勇刀氏の声を聴ける機会が格段に増えた。 -シエルの顔アイコンが「通常の表情」の他、「困った表情」も用意された。 --ちなみにネージュは同様の表情に加え「微笑」「怒った表情」が存在する。 -本家・Xシリーズのように、最初から8ステージを選択できるようになった。 --また比較的「難易度の低いステージ・高めのステージ」がハッキリしており、経験の浅いプレイヤーも攻略しやすく、熟練プレイヤーはあえて難解なステージから挑む等のやり込みもできる。 ---前者は灼熱粒子砲等、後者は人工太陽や生きた都市等が該当。 -サイバーエルフのシステム変更による副次的効果 --サブタンクが4つとも減点なしで入手できるようになった(2個はレジスタンスメンバーのイロンデルからSクリスタルと交換してもらえる)。 --シリーズおなじみの「メットール」が普通にザコ敵として出現する為、エルフ非使用プレイヤーでも出会えるようになった。 -EXスキルがリザルトに関係なく、敵に有利な天候であれば取得できるようになった。 --代わりに終盤のボスには「SA技」が設けられ、従来のようにゼロのレベルがAの以上の場合に特別な攻撃を繰り出してくる。 -BGMについて --サウンドトラックにて「雰囲気を変えたかった」とコメントしている通り、1曲(後述)を除いて、『ゼロ1』からの通しの曲は存在しない。 //ステージ突入時等、『ゼロ3』から引用したものはある ---例えばボス戦の曲では、従来は主旋律が控えめでどちらかと言えば環境音に近かったが、今回の「Nothing Beats」はメロディ性が非常に重視されている等。 --今回は明確にテーマ曲を設定し、多方面にアレンジして使用しているのも特徴。その一つであるエリア・ゼロの「Esperanto」は前作の「Cannon Ball」と並んで''シリーズ最高峰の名曲''と称される。 --「1曲だけならいいと思って使ってしまった(笑)」として、「Clash」(ゼロ1のボス~2、3の中ボス)を「Clash IV」として使用しているが、今までなかった前奏やメインメロディを取り付ける等、''原曲の面影も残っていないほど大胆にアレンジされている''。 -『ゼロ1』での名言「''オレは悩まない。目の前に敵が現れたなら…叩き斬るまでだ!''」がある場所で再現されており、非常に熱い展開となる。 -ミニゲームについて解放条件に前作のような理不尽な条件はなく、レベルSクリア等のある程度のやり込みができれば問題ない。~ また、ミニゲーム中にスタートボタンでポーズ・中断ができるようになったのも地味にうれしい。 *賛否両論点 -&font(b,red){四天王やエックスは全く登場しない}。 --エックスは前作のラストで消滅したかのような描写があった(真相自体は想像任せ)が、前作で行く末が語られなかった四天王の3人も顔すら見せることはない。 --これについてはスタッフも「心残りだった」と話しており、四天王の行く末についてコメントしたことはあったが… ---『u-capcom』内でのインタビュー(現在はリンク切れ)では「彼らは人間を守るために別のどこかで戦っているのかも知れない」とする一方で、『オフィシャルコンプリートワークス』の誌面では「''オメガの爆発からゼロを守って全員死亡した''」と書かれている。~ …と、''公式が全く相反する二つの回答を出した''ことに波紋が広がった。~ 2012年に発行された書籍で「ネオ・アルカディアの公式記録では3人のその後の活動が記録されていないため 登録抹消(死亡扱い) となっているが、ネオ・アルカディアの監視が届かないどこかで 人間のために戦っている可能性も否定できない」と書かれており、一応これが最新の公式設定の様子。 *問題点 -シージング武器の大半が微妙な性能 --誰しもが最強と言い切れるのはアクスロイドから奪う「メガアックス」。セイバーの3段目とほぼ同じ攻撃範囲で威力16(『ゼロ3』までのチャージセイバーと同じ威力)の攻撃を連発でき、かつ使用回数無限、と全シージング武器の中で最も抜きん出た性能である。攻撃後のわずかな隙を差し引いても十分強く、アクスロイドが出現するステージではセイバーの代わりにするプレイヤーも多い。 --しかし、その他ほとんどの武器については威力が低かったり、使用回数が少なかったり、独特すぎる挙動だったりして使いづらい。 --シールドブーメランの代わりにシールド系シージングも存在するが、ブーメランとして投げることはできない(シージングを放棄する場合のみ投げられるが、それは「捨てる」と言った方が正しい)為あえてゼロナックルの攻撃手段を削ってまで装備する意味合いは薄い。 ---ブーメランとして投げる武器としてはジャイロアタッカーの「ジャイロブーメラン」が存在する。しかし投げた後のキャッチは自動ではなくゼロナックルをタイミングよく当てる必要があり、失敗するとブーメランがゼロを素通りしてなくなってしまう。 --最悪なのがビーネランの「ハイブボム」。ビーネランのように子バチを召喚するが、子バチは''ゼロに向かって攻撃してくる''という完全な罠である。攻略本でも「全く役に立たない」という烙印を押されている。 --何よりも問題点と言えるのは、メガアックス以外ほとんどの場合において''素のゼロナックルやセイバー、バスターに勝るものがない''ということ。 ---ただし攻撃力の下がるハードモードだったり、障害物を破壊する等の観点で局地的に使える武器が一部存在することは追記しておく。 -パーツ制について --ゲーム中でチップの組み合わせのヒントをほとんど得られない為、高性能のチップについては攻略本かネット上でレシピを調べることになる。 ---後に発売されたNDS『ロックマンゼロコレクション』では、イージーシナリオモードで全チップの作成方法を知る事が出来るので、ある意味では改善されているとも言える。 --また、レベルがあるチップについては上位のものが下位のものの完全上位互換であり、必要なパーツもそれほど増えるわけではない為、LV1や2は作らずに3を作るのが圧倒的に効率が良く、わざわざレベルを分けてある意味が薄い。 -ザコ敵「モールロイド」が緊急ミッションでしか登場しない(クリア後はその場所に出現しない)。 --モールロイドのパーツを使う機会は少ないが、隠し要素解放には必要なのでミッション中に収集する必要がある。 -基本的にイベントはSTARTボタンで飛ばせるが、一部スキップできない箇所が存在する。 --一番分かりやすいのがラグナロク制御室。作中でトップクラスに長い会話であるにも関わらずスキップ不可(最初にセーブするかどうか聞かれるためと考えられる)。~ 高レベルを目指して失敗・リセットするとまた長々と会話を聞かされることになり、さながら『[[ゼロ2>ロックマンゼロ2]]』のラスボスのような面倒さになる。 -簡単すぎるイージーモード --ノーマルモードと比較して様々な救済措置が用意されているが、それらが充実しすぎていてゲーム性が崩壊してしまっている。どれくらい簡単かというとステージはギミックを無視してバスターを連打しながら突進、ボスは至近距離でセイバーをひたすら振り回していればほとんどクリアできてしまうほど。初心者向けのモードではあるのだが、あまりの簡単さに逆に投げ出してしまいかねない。 -アルティメットモードについて --前作までのような「アイテムを全部コンプしている」状態ではない。パーツ・チップは一つも無い。故にエリア・ゼロをクリアするまではノーマルモードとほとんど変わらない。 --アニマル系の上位能力を発動させると、下位の「属性の弾を撃つ」が複数発動して弾幕を形成してしまうため、攻撃を邪魔されたりする。 ---この点は地下樹海(ノービル・マンドラゴ)ステージで顕著に表れ、ギミック仕様の関係でステージ進行のテンポが大幅に崩れやすく、このステージのみ能力を解除して進んだ方が手っ取り早いと言われている。 -エンディングテーマの歌唱部が歌い出ししか存在しない。 --容量の都合という説が有力で、普通に一曲分歌い切った「Freesia」が、『リマスタートラック ロックマンゼロ ピュシス』に収録されている。 *総評 -イマイチに終わった新システム、触れられなかった四天王との因縁、シリーズ最高傑作と名高い『ゼロ3』の続編……などの要因により、発売後はやや評価を落としてしまった作品。しかしゲーム全体は変わらず高水準にまとまっており、クライマックスを迎えた熱いストーリーもひとつの決着を見せている。シリーズ完結にふさわしい一作といえるだろう。 -シリーズ完結を惜しむ声は未だに根強いが、ストーリー的に次回作の製作は絶望的であり、オフィシャル・ファン両方の見解としてゼロシリーズについてはこれで終わりとされている。 *余談とその後の展開 -上記の通り四天王がスポイルされているにも関わらず、四天王役の声優で唯一レヴィアタン役の今井由香氏だけがクレジットされているが、これは彼女がルージュ(オペレーター)も兼任している為である。 -翌年からはゼロシリーズの特性を受け継いだ新シリーズ『[[ロックマンゼクス]]』が開始した。 --ちなみに『ゼクス(1)』に本作をダブルスロットすると、ノービル・マンドラゴ、ペガソルタ・エクレール、フェンリー・ルナエッジ、ソル・ティターニャンと戦うことができる。~ ただしティターニャンの熱波カーテンは存在しない。
*ロックマンゼロ4 【ろっくまんぜろふぉー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B0007VAW1O)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2005年4月21日|~| |定価|4,990円|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ついにシリーズ完結&br;色濃い人間ドラマ&br;強化パーツが作成式に&br;キャラクターボイス超強化&br;''あれ、でも四天王はどこへ?''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 『ロックマンゼロ』シリーズ第4作。~ キャッチコピーは「そして、すべてがゼロになる。」~ パッケージ裏に「ネオ・アルカディア編完結!」と書かれており、実質シリーズの最終作となった。 ---- *ストーリー (Wikipediaより引用) -ゼロたちは荒野に散った人々やレプリロイドを助けるため、大型トレーラーで各地を転々としていた。 -ある時ゼロたちは、レプリロイドの軍団に襲われているキャラバンに遭遇する。キャラバンを救ったゼロたちは、人間のジャーナリストである女性、ネージュに悪の科学者「ドクター・バイル」の手により変わり果てたネオ・アルカディアの現状を聞かされる。かつて人間の理想郷であったネオ・アルカディアは、ゼロによりリーダーであるコピーエックス((人間達にはコピーである旨が知らされていなかった。))を失い、バイルが全権を握っていた。人間を守るどころか、人間だろうがレプリロイドだろうがイレギュラーとみなされた物はすべて処分の対象となる…。 -キャラバンの人間達は、バイルの支配から逃れるため、唯一の自然が残った場所である「エリア・ゼロ」にある人間の集落を目指していた。 ---- *新特徴 -ロッド、シールドブーメランを廃止し、新武器…というよりも打撃攻撃の「ゼロナックル」及びそれによってシージングできる武器類が追加。 :ゼロナックル|ゼロの手に埋め込まれたチップが本体である武器。格闘に近い為射程は短いが、殴り倒した敵の武装を一部奪い(シージング)、銃やミサイルを発射したり、剣や斧等で打撃攻撃をしたり、盾をそのままゼロの防御に使用したりできる。またシージングせずとも植物やスイッチを引っこ抜く等の芸当が可能で、チャージするとチャージセイバーと同じ威力になる。 -本作ではオープニングステージから全ての武器が使用可能であり、さながらゼロナックルのチュートルアル的な作りになっている。 -チャージセイバーの威力が16(ボス8目盛り)から14(ボス7目盛り)に下方修正。 -ザコ敵が一定確率でパーツ(そのザコ敵の名前が付いている)を落とすことがあり、そのパーツを組み合わせることでヘッド・ボディ・フットの各カスタマイズ用パーツを作成するシステムに変更。また一部パーツはLv1~3まで存在し、レベルが高い方が必要パーツが多い代わりに性能が高い。 -ロープアクションが追加。空中にあるロープに十字キーの上を押すと掴まることができ、そこからジャンプしたり、掴まったまま攻撃したりできる(『[[X5>ロックマンX5]]』『[[X6>ロックマンX6]]』のようなスライド移動はできない)。 -サイバーエルフについて --今回は1体しか登場しないが、その1体がナース系・アニマル系・ハッカー系のあらゆる能力を引き出せるように改良された。 --各系統レベル1~7まで存在し、Eクリスタルを与えることでレベルを上げ、上げたレベルまで能力を付けることができる(最大は7×3=21)。 --またゼロ側には「キャパシティ」という制限があり、エルフに付けた能力の数がキャパシティを超えるとリザルトが減点される。 --キャパシティは8ステージをクリアするごとに1ずつ上がっていくので、ノーマルモードでの最高値は8となる。 ---ボディチップの「エルフ」を装備すると+1される為、9まで付けることが可能。 -難易度選択について --シリーズ初めてイージーモードが登場。天候(後述)が常に敵に不利なものになり、エルフのレベルが5までであれば自由に能力を付けることができる。 --ハードモード、アルティメットモードは隠しコマンドではなくなり、タイトル画面で選択できるようになった。 ---ハードモードは前作同様連続斬りとフルチャージが不可(ゼロナックルはチャージ可)、サイバーエルフ使用不可、また天候は常に敵の有利になるがEXスキルは手に入らない。 ---アルティメットモードはサイバーエルフが最高レベルまで成長されており、かつキャパシティの上限が無い、付けている能力より下位の能力も同時発動するというシステムに変更された(問題点を含んでいる為後述する)。 -ウェザーチェンジングシステム --8ステージではプレイヤーの任意で天候を変更することができ、敵側の有利不利な状況が変化。~ 敵に不利な天候を選ぶとステージや一部ボス戦の難易度が落ちる代わりにリザルトのウェザーレベルが0点になる。~ 敵に有利な天候を選ぶと向かい風が吹いたり地面が滑る等の仕掛けが増えるが、EXスキルが手に入るようになる。 --なお、8ステージ以外では天候変化の概念がなく、リザルトは常に10点保持となる。 -8大ボス --シリーズどころかロックマンシリーズ全体でも初となる女性型((従来作にも「女性口調」のボスは存在したが、全て男性であった。))の8大ボス(ノービル・マンドラゴ、ソル・ティターニャン)が登場した((ミッションの構成上『1』のレヴィアタンも八大ボスではあるが、立ち位置がやや異なる。))。 --さらにノービル・マンドラゴは貴婦人口調、ソル・ティターニャンは''ギャル口調''だったりと妙にキャラが濃い。 --とはいえボスキャラなので、ゼロには容赦なく真っ二つにされる。 -エレメントチップの廃止 --本作ではエレメントチップが廃止され、チャージ攻撃に属性が付かなくなった。属性はEXスキルおよびゼロナックルでシージングした武器に付く。 --バスター系のEXスキルは、従来は装備したエレメントチップでEXスキルが変化したのに対し、本作ではEXスキルそのものを選んで装備する方式になった。 -ミニゲームについて --今回は全てゼロナックルorシージング武器を装備したゼロを操作するもので、全て出現させてハイスコアを更新するとさらに隠しミニゲームが解禁される。 *評価点 -従来から大きく雰囲気を変えたこと。 --今回の拠点はレジスタンスベースそのものではなく、エリア・ゼロ近くに停車させたトレーラーとなり、シエルやセルヴォ等の主要メンバーは同席しているが、レジスタンスとしての登場人物は極端に少ない。 --その代わり、従来ほぼ描写の無かった人間キャラが多数登場するようになり、今までの戦いは彼らにどんな影響を与えたのか、これからどうすればいいのか…と色々考えさせてくれる。 -人間キャラだけでなく、アインヘルヤル八闘士(8大ボス)を中間で束ねるクラフトのキャラ性も良質。 --何故バイルに仕えているのか、何が目的なのか、ゼロとの戦いが彼に何をもたらすのか…が丁寧に描かれており、専用BGMが2曲も(会話シーンでの「Kraft」、戦闘曲「Power Field」)用意されており、何より''初見では非常に強い''等、色々と優遇されている。 -さらに強化されたボイス --ネージュ役の後藤邑子氏によるオープニングナレーション、シエル役の田中理恵氏によるエンディングテーマまで収録されている。 --八大ボスも個別に声優が演じているのはもちろん、初戦とボスラッシュで戦闘開始および撃破時の台詞が異なるなど、『3』よりもさらにパターンが豊富になっている。 --ラスボスは戦闘時だけでなく会話の合間にもボイスが挟まれている。多いわけではないが、大塚周夫氏の熱演によって凄まじい貫禄を出している。 --チャージセイバーでゼロが「タァッ!」と叫ぶようになった(前作まではSEだった)。 ---その他ゼロナックルやロープでも積極的にボイスを発するようになり、従来より風間勇刀氏の声を聴ける機会が格段に増えた。 -シエルの顔アイコンが「通常の表情」の他、「困った表情」も用意された。 --ちなみにネージュは同様の表情に加え「微笑」「怒った表情」が存在する。 -本家・Xシリーズのように、最初から8ステージを選択できるようになった。 --また比較的「難易度の低いステージ・高めのステージ」がハッキリしており、経験の浅いプレイヤーも攻略しやすく、熟練プレイヤーはあえて難解なステージから挑む等のやり込みもできる。 ---前者は灼熱粒子砲等、後者は人工太陽や生きた都市等が該当。 -サイバーエルフのシステム変更による副次的効果 --サブタンクが4つとも減点なしで入手できるようになった(2個はレジスタンスメンバーのイロンデルからSクリスタルと交換してもらえる)。 --シリーズおなじみの「メットール」が普通にザコ敵として出現する為、エルフ非使用プレイヤーでも出会えるようになった。 -EXスキルがリザルトに関係なく、敵に有利な天候であれば取得できるようになった。 --代わりに終盤のボスには「SA技」が設けられ、従来のようにゼロのレベルがAの以上の場合に特別な攻撃を繰り出してくる。 -BGMについて --サウンドトラックにて「雰囲気を変えたかった」とコメントしている通り、1曲(後述)を除いて、『ゼロ1』からの通しの曲は存在しない。 //ステージ突入時等、『ゼロ3』から引用したものはある ---例えばボス戦の曲では、従来は主旋律が控えめでどちらかと言えば環境音に近かったが、今回の「Nothing Beats」はメロディ性が非常に重視されている等。 --今回は明確にテーマ曲を設定し、多方面にアレンジして使用しているのも特徴。その一つであるエリア・ゼロの「Esperanto」は前作の「Cannon Ball」と並んで''シリーズ最高峰の名曲''と称される。 --「1曲だけならいいと思って使ってしまった(笑)」として、「Clash」(ゼロ1のボス~2、3の中ボス)を「Clash IV」として使用しているが、今までなかった前奏やメインメロディを取り付ける等、''原曲の面影も残っていないほど大胆にアレンジされている''。 -『ゼロ1』での名言「''オレは悩まない。目の前に敵が現れたなら…叩き斬るまでだ!''」がある場所で再現されており、非常に熱い展開となる。 -ミニゲームについて解放条件に前作のような理不尽な条件はなく、レベルSクリア等のある程度のやり込みができれば問題ない。~ また、ミニゲーム中にスタートボタンでポーズ・中断ができるようになったのも地味にうれしい。 *賛否両論点 -&font(b,red){四天王やエックスは全く登場しない}。 --エックスは前作のラストで消滅したかのような描写があった(真相自体は想像任せ)が、前作で行く末が語られなかった四天王の3人も顔すら見せることはない。 --これについてはスタッフも「心残りだった」と話しており、四天王の行く末についてコメントしたことはあったが… ---『u-capcom』内でのインタビュー(現在はリンク切れ)では「彼らは人間を守るために別のどこかで戦っているのかも知れない」とする一方で、『オフィシャルコンプリートワークス』の誌面では「''オメガの爆発からゼロを守って全員死亡した''」と書かれている。~ …と、''公式が全く相反する二つの回答を出した''ことに波紋が広がった。~ 2012年に発行された書籍で「ネオ・アルカディアの公式記録では3人のその後の活動が記録されていないため 登録抹消(死亡扱い) となっているが、ネオ・アルカディアの監視が届かないどこかで 人間のために戦っている可能性も否定できない」と書かれており、一応これが最新の公式設定の様子。 *問題点 -シージング武器の大半が微妙な性能 --誰しもが最強と言い切れるのはアクスロイドから奪う「メガアックス」。セイバーの3段目とほぼ同じ攻撃範囲で威力16(『ゼロ3』までのチャージセイバーと同じ威力)の攻撃を連発でき、かつ使用回数無限、と全シージング武器の中で最も抜きん出た性能である。攻撃後のわずかな隙を差し引いても十分強く、アクスロイドが出現するステージではセイバーの代わりにするプレイヤーも多い。 --しかし、その他ほとんどの武器については威力が低かったり、使用回数が少なかったり、独特すぎる挙動だったりして使いづらい。 --シールドブーメランの代わりにシールド系シージングも存在するが、ブーメランとして投げることはできない(シージングを放棄する場合のみ投げられるが、それは「捨てる」と言った方が正しい)為あえてゼロナックルの攻撃手段を削ってまで装備する意味合いは薄い。 ---ブーメランとして投げる武器としてはジャイロアタッカーの「ジャイロブーメラン」が存在する。しかし投げた後のキャッチは自動ではなくゼロナックルをタイミングよく当てる必要があり、失敗するとブーメランがゼロを素通りしてなくなってしまう。 --最悪なのがビーネランの「ハイブボム」。ビーネランのように子バチを召喚するが、子バチは''ゼロに向かって攻撃してくる''という完全な罠である。攻略本でも「全く役に立たない」という烙印を押されている。 --何よりも問題点と言えるのは、メガアックス以外ほとんどの場合において''素のゼロナックルやセイバー、バスターに勝るものがない''ということ。 ---ただし攻撃力の下がるハードモードだったり、障害物を破壊する等の観点で局地的に使える武器が一部存在することは追記しておく。 -パーツ制について --ゲーム中でチップの組み合わせのヒントをほとんど得られない為、高性能のチップについては攻略本かネット上でレシピを調べることになる。 ---後に発売されたNDS『ロックマンゼロコレクション』では、イージーシナリオモードで全チップの作成方法を知る事が出来るので、ある意味では改善されているとも言える。 --また、レベルがあるチップについては上位のものが下位のものの完全上位互換であり、必要なパーツもそれほど増えるわけではない為、LV1や2は作らずに3を作るのが圧倒的に効率が良く、わざわざレベルを分けてある意味が薄い。 -ザコ敵「モールロイド」が緊急ミッションでしか登場しない(クリア後はその場所に出現しない)。 --モールロイドのパーツを使う機会は少ないが、隠し要素解放には必要なのでミッション中に収集する必要がある。 -基本的にイベントはSTARTボタンで飛ばせるが、一部スキップできない箇所が存在する。 --一番分かりやすいのがラグナロク制御室。作中でトップクラスに長い会話であるにも関わらずスキップ不可(最初にセーブするかどうか聞かれるためと考えられる)。~ 高レベルを目指して失敗・リセットするとまた長々と会話を聞かされることになり、さながら『[[ゼロ2>ロックマンゼロ2]]』のラスボスのような面倒さになる。 -簡単すぎるイージーモード --ノーマルモードと比較して様々な救済措置が用意されているが、それらが充実しすぎていてゲーム性が崩壊してしまっている。どれくらい簡単かというとステージはギミックを無視してバスターを連打しながら突進、ボスは至近距離でセイバーをひたすら振り回していればほとんどクリアできてしまうほど。初心者向けのモードではあるのだが、あまりの簡単さに逆に投げ出してしまいかねない。 -アルティメットモードについて --前作までのような「アイテムを全部コンプしている」状態ではない。パーツ・チップは一つも無い。故にエリア・ゼロをクリアするまではノーマルモードとほとんど変わらない。 --アニマル系の上位能力を発動させると、下位の「属性の弾を撃つ」が複数発動して弾幕を形成してしまうため、攻撃を邪魔されたりする。 ---この点は地下樹海(ノービル・マンドラゴ)ステージで顕著に表れ、ギミック仕様の関係でステージ進行のテンポが大幅に崩れやすく、このステージのみ能力を解除して進んだ方が手っ取り早いと言われている。 -エンディングテーマの歌唱部が歌い出ししか存在しない。 --容量の都合という説が有力で、普通に一曲分歌い切った「Freesia」が、『リマスタートラック ロックマンゼロ ピュシス』に収録されている。 *総評 -イマイチに終わった新システム、触れられなかった四天王との因縁、シリーズ最高傑作と名高い『ゼロ3』の続編……などの要因により、発売後はやや評価を落としてしまった作品。しかしゲーム全体は変わらず高水準にまとまっており、クライマックスを迎えた熱いストーリーもひとつの決着を見せている。シリーズ完結にふさわしい一作といえるだろう。 -シリーズ完結を惜しむ声は未だに根強いが、ストーリー的に次回作の製作は絶望的であり、オフィシャル・ファン両方の見解としてゼロシリーズについてはこれで終わりとされている。 *余談とその後の展開 -上記の通り四天王がスポイルされているにも関わらず、四天王役の声優で唯一レヴィアタン役の今井由香氏だけがクレジットされているが、これは彼女がルージュ(オペレーター)も兼任している為である。 -翌年からはゼロシリーズの特性を受け継いだ新シリーズ『[[ロックマンゼクス]]』が開始した。 --ちなみに『ゼクス(1)』に本作をダブルスロットすると、ノービル・マンドラゴ、ペガソルタ・エクレール、フェンリー・ルナエッジ、ソル・ティターニャンと戦うことができる。~ ただしティターニャンの熱波カーテンは存在しない。

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