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*ロックマンゼロ4 【ろっくまんぜろふぉー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B0007VAW1O)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2005年4月21日|~| |定価|4,990円|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ついにシリーズ完結&br;色濃い人間ドラマ&br;強化パーツが作成式に&br;キャラクターボイス超強化&br;''あれ、でも四天王はどこへ?''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 『ロックマンゼロ』シリーズ第4作。~ キャッチコピーは「そして、すべてがゼロになる。」~ パッケージ裏に「ネオ・アルカディア編完結!」と書かれており、実質シリーズの最終作となった。 ---- *ストーリー (Wikipediaより引用) -ゼロたちは荒野に散った人々やレプリロイドを助けるため、大型トレーラーで各地を転々としていた。 -ある時ゼロたちは、レプリロイドの軍団に襲われているキャラバンに遭遇する。キャラバンを救ったゼロたちは、人間のジャーナリストである女性、ネージュに悪の科学者「ドクター・バイル」の手により変わり果てたネオ・アルカディアの現状を聞かされる。かつて人間の理想郷であったネオ・アルカディアは、ゼロによりリーダーであるコピーエックス((人間達にはコピーである旨が知らされていなかった。))を失い、バイルが全権を握っていた。人間を守るどころか、人間だろうがレプリロイドだろうがイレギュラーとみなされた物はすべて処分の対象となる…。 -キャラバンの人間達は、バイルの支配から逃れるため、唯一の自然が残った場所である「エリア・ゼロ」にある人間の集落を目指していた。 ---- *新特徴 -ロッド、シールドブーメランを廃止し、新武器…というよりも打撃攻撃の「ゼロナックル」及びそれによってシージングできる武器類が追加。 :ゼロナックル|ゼロの手に埋め込まれたチップが本体である武器。格闘に近い為射程は短いが、殴り倒した敵の武装を一部奪い(シージング)、銃やミサイルを発射したり、剣や斧等で打撃攻撃をしたり、盾をそのままゼロの防御に使用したりできる。またシージングせずとも植物やスイッチを引っこ抜く等の芸当が可能で、チャージするとチャージセイバーと同じ威力になる。 --ロックマンゼロ3のアンケート用紙には、「次回作はどんな武器を使いたいですか?」の項目があり、様々な要望を一度に採用するためにこの仕様になったと思われる。 -本作ではオープニングステージから全ての武器が使用可能であり、さながらゼロナックルのチュートルアル的な作りになっている。 -チャージセイバーの威力が16(ボス8目盛り)から14(ボス7目盛り)に下方修正。 -チップ開発 --ザコ敵が一定確率でパーツ(そのザコ敵の名前が付いている)を落とすことがあり、そのパーツを組み合わせることでヘッド・ボディ・フットの各カスタマイズ用チップを作成するシステムに変更。 --一部チップはLv1~3まで存在し、レベルが高い方が必要パーツが多い代わりに性能が高い。 --また、サイバーエルフの効果が変更(後述)されたこともあって、前作で登場したエルフ能力の多くがカスタマイズ用チップに変更。レベル制チップの存在も相まって、登場するチップは前作から大幅に増加する事になった。 --本作ではチップ以外のアイテムも作成が出来るのだが、それらは思わぬ使い道が・・・ -ロープアクションが追加。空中にあるロープに十字キーの上を押すと掴まることができ、そこからジャンプしたり、掴まったまま攻撃したりできる(『[[X5>ロックマンX5]]』『[[X6>ロックマンX6]]』のようなスライド移動はできない)。 -サイバーエルフについて --今回は1体しか登場しないが、その1体がナース系・アニマル系・ハッカー系のあらゆる能力を引き出せるように改良された。 --各系統レベル1~7まで存在し、Eクリスタルを与えることでレベルを上げ、上げたレベルまで能力を付けることができる(最大は7×3=21)。 --またゼロ側には「キャパシティ」という制限があり、エルフに付けた能力の数がキャパシティを超えるとリザルトが減点される。 --キャパシティは8ステージをクリアするごとに1ずつ上がっていくので、ノーマルモードでの最高値は8となる。 ---ボディチップの「エルフ」を装備すると+1される為、9まで付けることが可能。 -難易度選択について --シリーズ初めてイージーモードが登場。天候(後述)が常に敵に不利なものになり、エルフのレベルが5までであれば自由に能力を付けることができる。 --ハードモード、アルティメットモードは隠しコマンドではなくなり、タイトル画面で選択できるようになった。 ---ハードモードは前作同様連続斬りとフルチャージが不可(ゼロナックルはチャージ可)、サイバーエルフ使用不可、また天候は常に敵の有利になるがEXスキルは手に入らない。 ---アルティメットモードはサイバーエルフが最高レベルまで成長されており、かつキャパシティの上限が無い、付けている能力より下位の能力も同時発動するというシステムに変更された(問題点を含んでいる為後述する)。 -ウェザーチェンジングシステム --8ステージではプレイヤーの任意で天候を変更することができ、敵側の有利不利な状況が変化。~ 敵に不利な天候を選ぶとステージや一部ボス戦の難易度が落ちる代わりにリザルトのウェザーレベルが0点になる。~ 敵に有利な天候を選ぶと向かい風が吹いたり地面が滑る等の仕掛けが増えるが、EXスキルが手に入るようになる。 --なお、8ステージ以外では天候変化の概念がなく、リザルトは常に10点保持となる。 -8大ボス --シリーズどころかロックマンシリーズ全体でも初となる女性型((従来作にも「女性口調」のボスは存在したが、全て男性であった。))の8大ボス(ノービル・マンドラゴ、ソル・ティターニャン)が登場した((ミッションの構成上『1』のレヴィアタンも8大ボスではあるが、立ち位置がやや異なる。))。 --さらにノービル・マンドラゴは貴婦人口調、ソル・ティターニャンは''ギャル口調''だったりと妙にキャラが濃い。 --とはいえボスキャラなので、ゼロには容赦なく真っ二つにされる。 -エレメントチップの廃止 --本作ではエレメントチップが廃止され、チャージ攻撃に属性が付かなくなった。属性はEXスキルおよびゼロナックルでシージングした武器に付く。 --バスター系のEXスキルは、従来は装備したエレメントチップでEXスキルが変化したのに対し、本作ではEXスキルそのものを選んで装備する方式になった。 -ミニゲームについて --今回は全てゼロナックルorシージング武器を装備したゼロを操作するもので、全て出現させてハイスコアを更新するとさらに隠しミニゲームが解禁される。 ---- *評価点 ''世界観・キャラクター'' -従来から大きく雰囲気を変えたこと。 --今回の拠点はレジスタンスベースそのものではなく、エリア・ゼロ近くに停車させたトレーラーとなり、シエルやセルヴォ等の主要メンバーは同席しているが、レジスタンスとしての登場人物は極端に少ない。 --その代わり、従来ほぼ描写の無かった人間キャラが多数登場するようになり、今までの戦いは彼らにどんな影響を与えたのか、これからどうすればいいのか…と色々考えさせてくれる。 -人間キャラだけでなく、アインヘルヤル八闘士(8大ボス)を中間で束ねるクラフトのキャラ性も良質。 --何故バイルに仕えているのか、何が目的なのか、ゼロとの戦いが彼に何をもたらすのか…が丁寧に描かれており、専用BGMが2曲も(会話シーンでの「Kraft」、戦闘曲「Power Field」)用意されており、何より''初見では非常に強い''等、色々と優遇されている。 -さらに強化されたボイス --ネージュ役の後藤邑子氏によるオープニングナレーション、シエル役の田中理恵氏によるエンディングテーマまで収録されている。 --八大ボスも個別に声優が演じているのはもちろん、初戦とボスラッシュで戦闘開始および撃破時の台詞が異なるなど、『3』よりもさらにパターンが豊富になっている。 --ラスボスは戦闘時だけでなく会話の合間にもボイスが挟まれている。多いわけではないが、大塚周夫氏の熱演によって凄まじい貫禄を出している。 --チャージセイバーのボイスが変更され、ゼロが「タァッ!」と叫ぶようになった。 //チャージセイバー(というかバスター除くチャージ系攻撃)は過去作でもボイスを発しています。 ---その他ゼロナックルやロープでも積極的にボイスを発するようになり、従来より風間勇刀氏の声を聴ける機会が格段に増えた。 -シエルの顔アイコンが「通常の表情」の他、「困った表情」も用意された。 --ちなみにネージュは同様の表情に加え「微笑」「怒った表情」が存在する。 -『ゼロ1』での名言「''オレは悩まない。目の前に敵が現れたなら…叩き斬るまでだ!''」がある場所で再現されており、非常に熱い展開となる。 --初代ロックマンから描写されていた「ロボットに課せられた一つのタブー」、Xシリーズからあった「イレギュラーの定義」の2つのテーマにも一石…どころか''真正面から真っ二つ''((例えタブーを犯しても誰もが納得するであろう対象と状況であり、それなりにお膳立てされた上での展開ではあるが。))にしており、長らく続いてきたシリーズを区切るに相応しい展開も用意されている。 ''システム関連'' -自由度が増したゲーム進行 --本家・Xシリーズのように、最初から8ステージを選択できるようになった。~ 比較的「難易度の低いステージ・高めのステージ」がハッキリしており、経験の浅いプレイヤーも攻略しやすく、熟練プレイヤーはあえて難解なステージから挑む等のやり込みもできる。 //---前者は灼熱粒子砲等、後者は人工太陽や生きた都市等が該当。 --前作における強化チップはゲーム進行に応じて選択可能なステージが増える方式であった事やステージ内で取得する関係で「後半ステージになるほど強力なチップが手に入る」という方式だった。~ しかし、本作ではレシピを覚えていればの話になるがゲーム最初の段階から殆どの強化チップを作成することが出来、8ステージを選択可能になったことも相まって、従来作以上に自由度と戦略性の高いゲーム進行が出来る。 -サイバーエルフのシステム変更による副次的効果 --サブタンクが4つとも減点なしで入手できるようになった。~ 本作のサブタンクのうち、2個は従来同様に特定ステージ内で入手。2個はレジスタンスメンバーのイロンデルからSクリスタルと交換してもらえる。~ 全てのサブタンクが減点無しで入手出来る様になったことや、サイバーエルフの効果も変更されたことから、本作では高ランク狙いの場合でも体力にかなり余裕のあるプレーが出来る。 --また、シリーズおなじみの「メットール」が普通にザコ敵として出現するため、エルフ非使用プレイヤーでも出会えるようになった。 -EXスキル周りの調整。 --EXスキルがリザルトに関係なく、敵に有利な天候であれば確実に取得できるようになった。~ EXスキルは従来より「ゼロシリーズにおける特殊武器」という位置づけであったが、ほぼ確実に取得出来るようになったことやエレメントチップの廃止により、よりロックマンお馴染みの「特殊武器」という旨が強くなった。 --代わりに終盤のボスには「SA技」が設けられ、従来のようにゼロのレベルがAの以上の場合に特別な攻撃を繰り出してくる。~ 本作では概要にもある通り、従来作における「フュージョン系」に当たるサイバーエルフが廃止されていることから、前作までで出来た「初心者がサイバーエルフの効果で1ステージだけボスの特殊攻撃を無理矢理見る」という行為が出来なくなっている。これに関連した「SA技」の存在は本作における「プレイヤー間の棲み分け」の象徴的存在と言えよう。 -ミニゲーム解放条件の緩和 --ミニゲームについて解放条件に前作のような理不尽な条件はなく、レベルSクリア等のある程度のやり込みができれば問題ない。 --また、ミニゲーム中にスタートボタンでポーズ・中断ができるようになったのも地味にうれしい。 ''その他'' -BGMについて --サウンドトラックにて「雰囲気を変えたかった」とコメントしている通り、1曲(後述)を除いて、『ゼロ1』からの通しの曲は存在しない。 //ステージ突入時等、『ゼロ3』から引用したものはある ---例えばボス戦の曲では、従来は主旋律が控えめでどちらかと言えば環境音に近かったが、今回の「Nothing Beats」はメロディ性が非常に重視されている等。 --今回は明確にテーマ曲を設定し、多方面にアレンジして使用しているのも特徴。その一つであるエリア・ゼロの「Esperanto」は前作の「Cannon Ball」と並んで''シリーズ最高峰の名曲''と称される。 --「1曲だけならいいと思って使ってしまった(笑)」として、「Clash」(ゼロ1のボス~2、3の中ボス)を「Clash IV」として使用しているが、今までなかった前奏やメインメロディを取り付ける等、''原曲の面影も残っていないほど大胆にアレンジされている''。 ---- *賛否両論点 -&font(b,red){四天王やエックスは全く登場しない}。 --エックスは前作のラストで消滅したかのような描写があった(真相自体は想像任せ)が、前作で行く末が語られなかった四天王の3人も顔すら見せることはない。 --これについてはスタッフも「心残りだった」と話しており、四天王の行く末についてコメントしたことはあったが… ---『u-capcom』内でのインタビュー(現在はリンク切れ)では「彼らは人間を守るために別のどこかで戦っているのかも知れない」とする一方で、『オフィシャルコンプリートワークス』の誌面では「''オメガの爆発からゼロを守って全員死亡した''」と書かれている。~ …と、''公式が全く相反する二つの回答を出した''ことに波紋が広がった。~ 2012年に発行された書籍で「ネオ・アルカディアの公式記録では3人のその後の活動が記録されていないため 登録抹消(死亡扱い) となっているが、ネオ・アルカディアの監視が届かないどこかで 人間のために戦っている可能性も否定できない」と書かれており、一応これが最新の公式設定の様子。 -エレメントチップ廃止の是非 --本作ではエレメントチップの廃止やEXスキル取得条件の緩和が施された。これにより無視されがちがったタイプのEXスキルも陽の目を見る事になり、ロックマン伝統の「特殊武器でボスの弱点を突く」という攻略も可能になった。 --反面、本作では属性を各種武器に付加させる事が不可能になった事に伴い、従来作における基本の戦闘スタイルであった「属性を有効に活用しながら戦う」のなら、使い勝手の悪いEXスキルorシージング武器を使わざるを得なくなってしまった。 --弱点目的で使い勝手の悪い武器を使うのが嫌なのなら無属性の武器を使うべきなのだが、今度はチップ作成のレシピが基本的にノーヒント(後述)である点が足を引っ張っている。結局本作の一部EXスキルorシージング武器での弱点を突く行為の場合は「やらされている」感が否めない。 ---- *問題点 -シージング武器の大半が微妙な性能 --誰しもが最強と言い切れるのはアクスロイドから奪う「メガアックス」。セイバーの3段目とほぼ同じ攻撃範囲で威力16(『ゼロ3』までのチャージセイバーと同じ威力)の攻撃を連発でき、かつ使用回数無限、と全シージング武器の中で最も抜きん出た性能である。攻撃後のわずかな隙を差し引いても十分強く、アクスロイドが出現するステージではセイバーの代わりにするプレイヤーも多い。 --しかし、その他ほとんどの武器については威力が低かったり、使用回数が少なかったり、独特すぎる挙動だったりして使いづらい。 ---ラスボス第一形態からシージングできる専用武器「デスピアス」は威力20と唯一メガアックスを上回るが、使用回数たったの''1回''。第二形態では使わなくなるので、やっぱりメガアックスを保持していた方が良い。割と強い武器なのに余りにも惜しい。 --例外としてはオープニングステージのみシージング出来るバーストボムが挙げられる。 ---「オープニングステージのみ」「弾数が3」「ボム軌道」と非常に使いづらい分類だが''火力が尋常ではない''、具体的には''3発全部ボスに当てれば後は虫の息である''ほど。 ---もしオープニング以外で使えれば弾数が少なくても最強の称号が確定しているほどではあるが入手場所が少ないせいで微妙扱いされる。 --シールドブーメランの代わりにシールド系シージングも存在するが、ブーメランとして投げることはできない(シージングを放棄する場合のみ投げられるが、それは「捨てる」と言った方が正しい)為あえてゼロナックルの攻撃手段を削ってまで装備する意味合いは薄い。 ---ブーメランとして投げる武器としてはジャイロアタッカーの「ジャイロブーメラン」が存在する。しかし投げた後のキャッチは自動ではなくゼロナックルをタイミングよく当てる必要があり、失敗するとブーメランがゼロを素通りしてなくなってしまう。 --最悪なのがビーネランの「ハイブボム」。ビーネランのように子バチを召喚するが、子バチは''ゼロに向かって攻撃してくる''という完全な罠である。攻略本でも「全く役に立たない」という烙印を押されている。 --何よりも問題点と言えるのは、メガアックス以外ほとんどの場合において''素のゼロナックルやセイバー、バスターに勝るものがない''ということ。 ---これにより、強化チップにおけるシージング武器強化の効果による恩恵をあまり受けられないのは否めない。 ---ただし攻撃力の下がるハードモードだったり、障害物を破壊する等の観点で局地的に使える武器が一部存在することは追記しておく。 -パーツ制について --ゲーム中でチップの組み合わせのヒントをほとんど得られない為、高性能のチップについては攻略本かネット上でレシピを調べることになる。 ---後に発売されたDS『ロックマン ゼロ COLLECTION』では、イージーシナリオモードで全チップの作成方法を知る事が出来るので、ある意味では改善されているとも言える。 --また、レベルがあるチップについては上位のものが下位のものの完全上位互換であり、必要なパーツもそれほど増えるわけではない為、LV1や2は作らずに3を作るのが圧倒的に効率が良く、わざわざレベルを分けてある意味が薄い。 -一部の雑魚敵について --本作はパーツ制を採用しているのだが、クリアすると二度と入れなくなるエリアの敵にもパーツが存在していて、チップ作成に支障をきたす可能性がある。~ 8ボスステージの一つ「深海」に登場する雑魚全般と緊急ミッション前半のケロッシュが該当する。これらの敵のパーツを取り逃すと終盤ステージまで待たなければならない。 --また、ザコ敵「モールロイド」は緊急ミッションでしか登場しない(クリア後はその場所に出現しない)。~ モールロイドのパーツを使う機会は少ないが、隠し要素解放には必要なのでミッション中に収集する必要がある。~ ロックマンゼロシリーズでは高ランク取得狙いの際に短時間でステージをクリアする事が必須になるのだが、パーツのドロップ率が基本ランダムである関係もあってか、この雑魚に限って「ステージはクリアしたけどパーツを入手出来なかった」という事に陥りがちなのは否めない -基本的にイベントはSTARTボタンで飛ばせるが、一部スキップできない箇所が存在する。 --一番分かりやすいのがラグナロク制御室。作中でトップクラスに長い会話であるにも関わらずスキップ不可(最初にセーブするかどうか聞かれるためと考えられる)。~ 高レベルを目指して失敗・リセットするとまた長々と会話を聞かされることになり、さながら『[[ゼロ2>ロックマンゼロ2]]』のラスボスのような面倒さになる。 -イージーモードについて --ノーマルモードと比較して様々な救済措置が用意されているが、それらが充実しすぎていてゲーム性が崩壊してしまっている。 ---どれくらい簡単かというとステージはギミックを無視してバスターを連打しながら突進、ボスは至近距離でセイバーをひたすら振り回していればほとんどクリアできてしまうほど。 ---初心者向けのモードではあるのだが、あまりの簡単さに逆に投げ出してしまいかねない。 --ステージのギミックが消滅している。 ---大半は簡単になってはいるが生きた都市のブロック地帯は別、ダッシュ壁蹴りジャンプを知らないと詰む構成になっている。 -ハードモードについて --従来作と変わらず、ただゼロ自身の能力を制限されたモードでしかない。当然エルフも育成不可且つ使用不可。 --ステージの天候がボスに有利な天候で固定の為、コールドスリープ施設ステージ特有の敵「プアエルフ」を倒すことができない。((天候が「晴れ」の状態で光が射す場所までシージングした電灯で誘導することでのみ倒せる。ハード時は「雪」固定であり、倒す手段がなくなる。)) ---幸い倒さないと手に入らない「エルフ」のボディパーツを装備する意味が無いためコレクター要素以外に問題はない。 ---それでも接触ダメージのある完全無敵の雑魚敵というのは邪魔ではある。 -アルティメットモードについて --前作までのような''「アイテムを全部コンプしている」状態ではない''。パーツ・チップは一つも無い。故に''エリア・ゼロをクリアするまではノーマルモードとほとんど変わらない''。 --アニマル系の上位能力を発動させると、下位の「属性の弾を撃つ」が複数発動して弾幕を形成してしまうため、攻撃を邪魔されたりする。~ この点は地下樹海(ノービル・マンドラゴ)ステージで顕著に見られる。ステージ内ギミックの仕様の関係でステージ進行のテンポが大幅に崩れやすく、このステージのみ能力を解除して進んだ方が手っ取り早いと言われている。 --プレイヤーからの不満が行き届いたのか、DS『ロックマンゼロCOLLECTION』収録のイージーシナリオモードにおける本作ではアルティメットモードの要素+強化チップ全作成済みの状態からスタートする仕様に変更されている。 -エンディングテーマの歌唱部が歌い出ししか存在しない。 --容量の都合という説が有力で、普通に一曲分歌い切った「Freesia」が、『リマスタートラック ロックマンゼロ ピュシス』に収録されている。 ---- *総評 イマイチに終わった新システム、触れられなかった四天王との因縁、シリーズ最高傑作と名高い『ゼロ3』の続編……などの要因により、発売後はやや評価を落としてしまった作品。しかしゲーム全体は変わらず高水準にまとまっており、クライマックスを迎えた熱いストーリーもひとつの決着を見せている。シリーズ完結にふさわしい一作といえるだろう。 シリーズ完結を惜しむ声は未だに根強いが、ストーリー的に次回作の製作は絶望的であり、オフィシャル・ファン両方の見解としてゼロシリーズについてはこれで終わりとされている。 ---- *余談とその後の展開 -上記の通り四天王がスポイルされているにも関わらず、四天王役の声優で唯一レヴィアタン役の今井由香氏だけがクレジットされているが、これは彼女がルージュ(オペレーター)も兼任している為である。 -2010年6月10日に、本作1~4を一つにした『ロックマンゼロ COLLECTION』がニンテンドーDSにて発売。(のちに廉価版が2011年4月21日に発売) --基本的にベタ移植であるが、GBAになかったXYボタンを使用できたり、3の改造カード(カードe+を利用する)が擬似的に利用できたりなど、オリジナルより快適になっている。 ---しかし、デフォルトのボタン配置がGBAのままなのでDS仕様に変える必要があるが変更の仕方がやっかいである(後述の通りほんの少し設定を変えるだけでY攻撃BジャンプのSFC(PS)時代の作品((『Xシリーズ』仕様(Aor○がダッシュ、Xor△が特殊武器(サブウェポン))にしたい場合はかなり手を加える必要があるが。))や『ゼクスシリーズ』の配置に出来るがノーヒント)、『2』のマルチカートリッジプレイによる通信対戦が廃止されるなど不親切な点も見受けられる。 ---プレイ画面のサイズがGBAのままである、上述のイベントスキップの機能が改善されていない、コマンドダッシュ((十字キー左右連打によるダッシュ機能。針の近く等の危険な場所を細かく移動する際はオフにすることで、ダッシュの誤爆を阻止することが出来る))のオンオフの設定が『1』~『3』にない、『1』はセーブ数が3つと異様な少なさが目立つなど、ベタ移植すぎるせいで不便なところも存在する。 --意外と気付きにくいが、実は下画面のXYボタンの設定を一切弄らずに上画面の「ボタン設定」の「カスタム」でABボタンの設定を入れ替えるだけでDS仕様(『ゼクス』とほぼ同様)に出来たりする。使いやすさを考慮してXYボタンのデフォルト設定を決めたとのこと。 --''本編には反映されないが、背景設定の微妙な変更が人によっては気にかかるかもしれない''。 --また、強化系サポートやパワーアップを最初から全開放にした「イージーモード」が搭載されており、これからシリーズに触れるプレイヤーにはこちらがお勧め。 -ゼロシリーズそれぞれのリマスタートラックが発売中。中には劇中では語られない設定や背景が語られるテキストやドラマパートが付属する。~ 更に『COLLECTION』発売にあわせて、5枚目のリマスタートラック「ミュトス」も同時に発売。 -翌年より、ニンテンドーDSで本作の続編である『[[ロックマンZX>ロックマンゼクス]](ゼクス)』シリーズが発売。ゼロシリーズより若干難易度は下がる。 --ちなみに『ゼクス(1)』に本作をダブルスロットすると、ノービル・マンドラゴ、ペガソルタ・エクレール、フェンリー・ルナエッジ、ソル・ティターニャンと戦うことができる。~ ただしティターニャンの熱波カーテンは存在しない。 -2014年8月20日、ロックマンシリーズのプロデューサーとして知られる稲船敬二氏とインティ・クリエイツが再び協力して開発した2Dアクションゲーム、「[[蒼き雷霆 ガンヴォルト]]」がニンテンドー3DSのDL専売ゲームとして発売された。 --ロックマンシリーズと直接の関係はないが、主人公のイメージカラーが青、ボスを選択してステージに出発する、等明らかにロックマンを意識して作成されている。その一方で革新的なシステムも多数導入されており、単なるロックマンフォロワーに留まらない出来栄えとなっている。 --システム的にはロックマンゼロ・ゼクスを踏襲しており、特に諸事情により今後の新作発売が絶望的であるゼロシリーズファンから高い評価を受けている。 --また、特に『ゼロ2』を意識したと思われる構図やイベントが存在し、ゼロシリーズをプレイ済であれば更に楽しめる。 -時系列設定は『ロックマン→ロックマンX→ロックマンゼロ→ロックマンZX→ロックマンDASH』となっているらしい((インティ・クリエイツのスタッフの独自解釈であるが。))。
*ロックマンゼロ4 【ろっくまんぜろふぉー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B0007VAW1O)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2005年4月21日|~| |定価|4,990円|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ついにシリーズ完結&br;色濃い人間ドラマ&br;強化パーツが作成式に&br;キャラクターボイス超強化&br;''あれ、でも四天王はどこへ?''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 『ロックマンゼロ』シリーズ第4作。~ キャッチコピーは「そして、すべてがゼロになる。」~ パッケージ裏に「ネオ・アルカディア編完結!」と書かれており、実質シリーズの最終作となった。 ---- *ストーリー (Wikipediaより引用) -ゼロたちは荒野に散った人々やレプリロイドを助けるため、大型トレーラーで各地を転々としていた。 -ある時ゼロたちは、レプリロイドの軍団に襲われているキャラバンに遭遇する。キャラバンを救ったゼロたちは、人間のジャーナリストである女性、ネージュに悪の科学者「ドクター・バイル」の手により変わり果てたネオ・アルカディアの現状を聞かされる。かつて人間の理想郷であったネオ・アルカディアは、ゼロによりリーダーであるコピーエックス((人間達にはコピーである旨が知らされていなかった。))を失い、バイルが全権を握っていた。人間を守るどころか、人間だろうがレプリロイドだろうがイレギュラーとみなされた物はすべて処分の対象となる…。 -キャラバンの人間達は、バイルの支配から逃れるため、唯一の自然が残った場所である「エリア・ゼロ」にある人間の集落を目指していた。 ---- *新特徴 -ロッド、シールドブーメランを廃止し、新武器…というよりも打撃攻撃の「ゼロナックル」及びそれによってシージングできる武器類が追加。 :ゼロナックル|ゼロの手に埋め込まれたチップが本体である武器。格闘に近い為射程は短いが、殴り倒した敵の武装を一部奪い(シージング)、銃やミサイルを発射したり、剣や斧等で打撃攻撃をしたり、盾をそのままゼロの防御に使用したりできる。またシージングせずとも植物やスイッチを引っこ抜く等の芸当が可能で、チャージするとチャージセイバーと同じ威力になる。 --ロックマンゼロ3のアンケート用紙には、「次回作はどんな武器を使いたいですか?」の項目があり、様々な要望を一度に採用するためにこの仕様になったと思われる。 -本作ではオープニングステージから全ての武器が使用可能であり、さながらゼロナックルのチュートルアル的な作りになっている。 -チャージセイバーの威力が16(ボス8目盛り)から14(ボス7目盛り)に下方修正。 -チップ開発 --ザコ敵が一定確率でパーツ(そのザコ敵の名前が付いている)を落とすことがあり、そのパーツを組み合わせることでヘッド・ボディ・フットの各カスタマイズ用チップを作成するシステムに変更。 --一部チップはLv1~3まで存在し、レベルが高い方が必要パーツが多い代わりに性能が高い。 --また、サイバーエルフの効果が変更(後述)されたこともあって、前作で登場したエルフ能力の多くがカスタマイズ用チップに変更。レベル制チップの存在も相まって、登場するチップは前作から大幅に増加する事になった。 --本作ではチップ以外のアイテムも作成が出来るのだが、それらは思わぬ使い道が・・・ -ロープアクションが追加。空中にあるロープに十字キーの上を押すと掴まることができ、そこからジャンプしたり、掴まったまま攻撃したりできる(『[[X5>ロックマンX5]]』『[[X6>ロックマンX6]]』のようなスライド移動はできない)。 -サイバーエルフについて --今回は1体しか登場しないが、その1体がナース系・アニマル系・ハッカー系のあらゆる能力を引き出せるように改良された。 --各系統レベル1~7まで存在し、Eクリスタルを与えることでレベルを上げ、上げたレベルまで能力を付けることができる(最大は7×3=21)。 --またゼロ側には「キャパシティ」という制限があり、エルフに付けた能力の数がキャパシティを超えるとリザルトが減点される。 --キャパシティは8ステージをクリアするごとに1ずつ上がっていくので、ノーマルモードでの最高値は8となる。 ---ボディチップの「エルフ」を装備すると+1される為、9まで付けることが可能。 -難易度選択について --シリーズ初めてイージーモードが登場。天候(後述)が常に敵に不利なものになり、エルフのレベルが5までであれば自由に能力を付けることができる。 --ハードモード、アルティメットモードは隠しコマンドではなくなり、タイトル画面で選択できるようになった。 ---ハードモードは前作同様連続斬りとフルチャージが不可(ゼロナックルはチャージ可)、サイバーエルフ使用不可、また天候は常に敵の有利になるがEXスキルは手に入らない。 ---アルティメットモードはサイバーエルフが最高レベルまで成長されており、かつキャパシティの上限が無い、付けている能力より下位の能力も同時発動するというシステムに変更された(問題点を含んでいる為後述する)。 -ウェザーチェンジングシステム --8ステージではプレイヤーの任意で天候を変更することができ、敵側の有利不利な状況が変化。~ 敵に不利な天候を選ぶとステージや一部ボス戦の難易度が落ちる代わりにリザルトのウェザーレベルが0点になる。~ 敵に有利な天候を選ぶと向かい風が吹いたり地面が滑る等の仕掛けが増えるが、EXスキルが手に入るようになる。 --なお、8ステージ以外では天候変化の概念がなく、リザルトは常に10点保持となる。 -8大ボス「アインヘルヤル八傑集」 --シリーズどころかロックマンシリーズ全体でも初となる女性型((従来作にも「女性口調」のボスは存在したが、全て男性であった。))の8大ボス(ノービル・マンドラゴ、ソル・ティターニャン)が登場した((ミッションの構成上『1』のレヴィアタンも8大ボスではあるが、立ち位置がやや異なる。))。 --さらにノービル・マンドラゴは貴婦人口調、ソル・ティターニャンは''ギャル口調''だったりと妙にキャラが濃い。 --とはいえボスキャラなので、ゼロには容赦なく真っ二つにされる。 -エレメントチップの廃止 --本作ではエレメントチップが廃止され、チャージ攻撃に属性が付かなくなった。属性はEXスキルおよびゼロナックルでシージングした武器に付く。 --バスター系のEXスキルは、従来は装備したエレメントチップでEXスキルが変化したのに対し、本作ではEXスキルそのものを選んで装備する方式になった。 --前作でエレメントチップが位置していた「ボディ」の部位では「ライト」のチップも廃止され「アブソーバ」のみが残ったため、本作における「ボディ」部位の強化チップはほぼ総入れ替えということになった。 -ミニゲームについて --今回は全てゼロナックルorシージング武器を装備したゼロを操作するもので、全て出現させてハイスコアを更新するとさらに隠しミニゲームが解禁される。 ---- *評価点 ''世界観・キャラクター'' -従来から大きく雰囲気を変えたこと。 --今回の拠点はレジスタンスベースそのものではなく、エリア・ゼロ近くに停車させたトレーラーとなり、シエルやセルヴォ等の主要メンバーは同席しているが、レジスタンスとしての登場人物は極端に少ない。 --その代わり、従来ほぼ描写の無かった人間キャラが多数登場するようになり、今までの戦いは彼らにどんな影響を与えたのか、これからどうすればいいのか…と色々考えさせてくれる。 -人間キャラだけでなく、アインヘルヤル八闘士(8大ボス)を中間で束ねるクラフトのキャラ性も良質。 --何故バイルに仕えているのか、何が目的なのか、ゼロとの戦いが彼に何をもたらすのか…が丁寧に描かれており、専用BGMが2曲も(会話シーンでの「Kraft」、戦闘曲「Power Field」)用意されており、何より''初見では非常に強い''等、色々と優遇されている。 -さらに強化されたボイス --ネージュ役の後藤邑子氏によるオープニングナレーション、シエル役の田中理恵氏によるエンディングテーマまで収録されている。 --八大ボスも個別に声優が演じているのはもちろん、初戦とボスラッシュで戦闘開始および撃破時の台詞が異なるなど、『3』よりもさらにパターンが豊富になっている。 --ラスボスは戦闘時だけでなく会話の合間にもボイスが挟まれている。多いわけではないが、大塚周夫氏の熱演によって凄まじい貫禄を出している。 --チャージセイバーのボイスが変更され、ゼロが「タァッ!」と叫ぶようになった。 //チャージセイバー(というかバスター除くチャージ系攻撃)は過去作でもボイスを発しています。 ---その他ゼロナックルやロープでも積極的にボイスを発するようになり、従来より風間勇刀氏の声を聴ける機会が格段に増えた。 -シエルの顔アイコンが「通常の表情」の他、「困った表情」も用意された。 --ちなみにネージュは同様の表情に加え「微笑」「怒った表情」が存在する。 -『ゼロ1』での名言「''オレは悩まない。目の前に敵が現れたなら…叩き斬るまでだ!''」がある場所で再現されており、非常に熱い展開となる。 --初代ロックマンから描写されていた「ロボットに課せられた一つのタブー」、Xシリーズからあった「イレギュラーの定義」の2つのテーマにも一石…どころか''真正面から真っ二つ''((例えタブーを犯しても誰もが納得するであろう対象と状況であり、それなりにお膳立てされた上での展開ではあるが。))にしており、長らく続いてきたシリーズを区切るに相応しい展開も用意されている。 ''システム関連'' -自由度が増したゲーム進行 --本家・Xシリーズのように、最初から8ステージを選択できるようになった。~ 比較的「難易度の低いステージ・高めのステージ」がハッキリしており、経験の浅いプレイヤーも攻略しやすく、熟練プレイヤーはあえて難解なステージから挑む等のやり込みもできる。 //---前者は灼熱粒子砲等、後者は人工太陽や生きた都市等が該当。 --前作における強化チップはゲーム進行に応じて選択可能なステージが増える方式であった事やステージ内で取得する関係で「後半ステージになるほど強力なチップが手に入る」という方式だった。~ しかし、本作ではレシピを覚えていればの話になるがゲーム最初の段階からほとんどの強化チップを作成することが出来、8ステージを選択可能になったことも相まって、従来作以上に自由度と戦略性の高いゲーム進行が出来る。 -サイバーエルフのシステム変更による副次的効果 --サブタンクが4つとも減点なしで入手できるようになった。~ 本作のサブタンクのうち、2個は従来同様に特定ステージ内で入手。2個はレジスタンスメンバーのイロンデルからSクリスタルと交換してもらえる。~ 全てのサブタンクが減点無しで入手出来る様になったことや、サイバーエルフの効果も変更されたことから、本作では高ランク狙いの場合でも体力にかなり余裕のあるプレーが出来る。 --また、シリーズおなじみの「メットール」が普通にザコ敵として出現するため、エルフ非使用プレイヤーでも出会えるようになった。 -EXスキル周りの調整。 --EXスキルがリザルトに関係なく、敵に有利な天候であれば確実に取得できるようになった。~ EXスキルは従来より「ゼロシリーズにおける特殊武器」という位置づけであったが、ほぼ確実に取得出来るようになったことや8大ボスのみに絞られた点、エレメントチップの廃止により、よりロックマン伝統の「特殊武器」という旨が強くなった。 --代わりに終盤のボスには「SA技」が設けられ、従来のようにゼロのレベルがAの以上の場合に特別な攻撃を繰り出してくる。~ 本作では概要にもある通り、従来作における「フュージョン系」に当たるサイバーエルフが廃止されていることから、前作までで出来た「初心者がサイバーエルフの効果で1ステージだけボスの特殊攻撃を無理矢理見る」という行為が出来なくなっている。これに関連した「SA技」の存在は本作における「プレイヤー間の棲み分け」の象徴的存在と言えよう。 -ミニゲーム解放条件の緩和 --ミニゲームについて解放条件に前作のような理不尽な条件はなく、レベルSクリア等のある程度のやり込みができれば問題ない。 --また、ミニゲーム中にスタートボタンでポーズ・中断ができるようになったのも地味にうれしい。 ''その他'' -BGMについて --サウンドトラックにて「雰囲気を変えたかった」とコメントしている通り、1曲(後述)を除いて、『ゼロ1』からの通しの曲は存在しない。 //ステージ突入時等、『ゼロ3』から引用したものはある ---例えばボス戦の曲では、従来は主旋律が控えめでどちらかと言えば環境音に近かったが、今回の「Nothing Beats」はメロディ性が非常に重視されている等。 --今回は明確にテーマ曲を設定し、多方面にアレンジして使用しているのも特徴。その一つであるエリア・ゼロの「Esperanto」は前作の「Cannon Ball」と並んで''シリーズ最高峰の名曲''と称される。 --「1曲だけならいいと思って使ってしまった(笑)」として、「Clash」(ゼロ1のボス~2、3の中ボス)を「Clash IV」として使用しているが、今までなかった前奏やメインメロディを取り付ける等、''原曲の面影も残っていないほど大胆にアレンジされている''。 ---- *賛否両論点 -&font(b,red){四天王やエックスは全く登場しない}。 --エックスは前作のラストで消滅したかのような描写があった(真相自体は想像任せ)が、前作で行く末が語られなかった四天王の3人も顔すら見せることはない。 --これについてはスタッフも「心残りだった」と話しており、四天王の行く末についてコメントしたことはあったが… ---『u-capcom』内でのインタビュー(現在はリンク切れ)では「彼らは人間を守るために別のどこかで戦っているのかも知れない」とする一方で、『オフィシャルコンプリートワークス』の誌面では「''オメガの爆発からゼロを守って全員死亡した''」と書かれている。~ …と、''公式が全く相反する二つの回答を出した''ことに波紋が広がった。~ 2012年に発行された書籍で「ネオ・アルカディアの公式記録では3人のその後の活動が記録されていないため 登録抹消(死亡扱い) となっているが、ネオ・アルカディアの監視が届かないどこかで 人間のために戦っている可能性も否定できない」と書かれており、一応これが最新の公式設定の様子。 -エレメントチップ廃止の是非 --本作ではエレメントチップの廃止やEXスキル取得条件の緩和が施された。これにより無視されがちがったタイプのEXスキルも陽の目を見る事になり、ロックマン伝統の「特殊武器でボスの弱点を突く」という攻略も可能になった。 --反面、本作では属性を各種武器に付加させる事が不可能になった事に伴い、従来作における基本の戦闘スタイルであった「属性を有効に活用しながら戦う」のなら、使い勝手の悪いEXスキルorシージング武器を使わざるを得なくなってしまった。 --弱点目的で使い勝手の悪い武器を使うのが嫌なのなら無属性の武器を使うべきなのだが、今度はチップ作成のレシピが基本的にノーヒント(後述)である点が足を引っ張っている。結局本作の一部EXスキルorシージング武器での弱点を突く行為の場合は「やらされている」感が否めない。 ---- *問題点 -シージング武器の大半が微妙な性能 --誰しもが最強と言い切れるのはアクスロイドから奪う「メガアックス」。セイバーの3段目とほぼ同じ攻撃範囲で威力16(『ゼロ3』までのチャージセイバーと同じ威力)の攻撃を連発でき、かつ使用回数無限、と全シージング武器の中で最も抜きん出た性能である。攻撃後のわずかな隙を差し引いても十分強く、アクスロイドが出現するステージではセイバーの代わりにするプレイヤーも多い。 --しかし、その他ほとんどの武器については威力が低かったり、使用回数が少なかったり、独特すぎる挙動だったりして使いづらい。 ---ラスボス第一形態からシージングできる専用武器「デスピアス」は威力20と唯一メガアックスを上回るが、使用回数たったの''1回''。第二形態では使わなくなるので、やっぱりメガアックスを保持していた方が良い。割と強い武器なのに余りにも惜しい。 --例外としてはオープニングステージのみシージング出来るバーストボムが挙げられる。 ---「オープニングステージのみ」「弾数が3」「ボム軌道」と非常に使いづらい分類だが''火力が尋常ではない''、具体的には''3発全部ボスに当てれば後は虫の息である''ほど。 ---もしオープニング以外で使えれば弾数が少なくても最強の称号が確定しているほどではあるが入手場所が少ないせいで微妙扱いされる。 --シールドブーメランの代わりにシールド系シージングも存在するが、ブーメランとして投げることはできない(シージングを放棄する場合のみ投げられるが、それは「捨てる」と言った方が正しい)為あえてゼロナックルの攻撃手段を削ってまで装備する意味合いは薄い。 ---ブーメランとして投げる武器としてはジャイロアタッカーの「ジャイロブーメラン」が存在する。しかし投げた後のキャッチは自動ではなくゼロナックルをタイミングよく当てる必要があり、失敗するとブーメランがゼロを素通りしてなくなってしまう。 --最悪なのがビーネランの「ハイブボム」。ビーネランのように子バチを召喚するが、子バチは''ゼロに向かって攻撃してくる''という完全な罠である。攻略本でも「全く役に立たない」という烙印を押されている。 --何よりも問題点と言えるのは、メガアックス以外ほとんどの場合において''素のゼロナックルやセイバー、バスターに勝るものがない''ということ。 ---これにより、強化チップにおけるシージング武器強化の効果による恩恵をあまり受けられないのは否めない。 ---ただし攻撃力の下がるハードモードだったり、障害物を破壊する等の観点で局地的に使える武器が一部存在することは追記しておく。 -パーツ制について --ゲーム中でチップの組み合わせのヒントをほとんど得られない為、高性能のチップについては攻略本かネット上でレシピを調べることになる。 ---後に発売されたDS『ロックマン ゼロ COLLECTION』では、イージーシナリオモードで全チップの作成方法を知る事が出来るので、ある意味では改善されているとも言える。 --また、レベルがあるチップについては上位のものが下位のものの完全上位互換であり、必要なパーツもそれほど増えるわけではない為、LV1や2は作らずに3を作るのが圧倒的に効率が良く、わざわざレベルを分けてある意味が薄い。 -一部の雑魚敵について --本作はパーツ制を採用しているのだが、クリアすると二度と入れなくなるエリアの敵にもパーツが存在していて、チップ作成に支障をきたす可能性がある。~ 8ボスステージの一つ「深海」に登場する雑魚全般と緊急ミッション前半のケロッシュが該当する。これらの敵のパーツを取り逃すと終盤ステージまで待たなければならない。 --また、ザコ敵「モールロイド」は緊急ミッションでしか登場しない(クリア後はその場所に出現しない)。~ モールロイドのパーツを使う機会は少ないが、隠し要素解放には必要なのでミッション中に収集する必要がある。~ ロックマンゼロシリーズでは高ランク取得狙いの際に短時間でステージをクリアする事が必須になるのだが、パーツのドロップ率が基本ランダムである関係もあってか、この雑魚に限って「ステージはクリアしたけどパーツを入手出来なかった」という事に陥りがちなのは否めない -基本的にイベントはSTARTボタンで飛ばせるが、一部スキップできない箇所が存在する。 --一番分かりやすいのがラグナロク制御室。作中でトップクラスに長い会話であるにも関わらずスキップ不可(最初にセーブするかどうか聞かれるためと考えられる)。~ 高レベルを目指して失敗・リセットするとまた長々と会話を聞かされることになり、さながら『[[ゼロ2>ロックマンゼロ2]]』のラスボスのような面倒さになる。 -イージーモードについて --ノーマルモードと比較して様々な救済措置が用意されているが、それらが充実しすぎていてゲーム性が崩壊してしまっている。 ---どれくらい簡単かというとステージはギミックを無視してバスターを連打しながら突進、ボスは至近距離でセイバーをひたすら振り回していればほとんどクリアできてしまうほど。 ---初心者向けのモードではあるのだが、あまりの簡単さに逆に投げ出してしまいかねない。 --ステージのギミックが消滅している。 ---大半は簡単になってはいるが生きた都市のブロック地帯は別、ダッシュ壁蹴りジャンプを知らないと詰む構成になっている。 -ハードモードについて --従来作と変わらず、ただゼロ自身の能力を制限されたモードでしかない。当然エルフも育成不可且つ使用不可。 --ステージの天候がボスに有利な天候で固定の為、コールドスリープ施設ステージ特有の敵「プアエルフ」を倒すことができない。((天候が「晴れ」の状態で光が射す場所までシージングした電灯で誘導することでのみ倒せる。ハード時は「雪」固定であり、倒す手段がなくなる。)) ---幸い倒さないと手に入らない「エルフ」のボディパーツを装備する意味が無いためコレクター要素以外に問題はない。 ---それでも接触ダメージのある完全無敵の雑魚敵というのは邪魔ではある。 -アルティメットモードについて --前作までのような''「アイテムを全部コンプしている」状態ではない''。パーツ・チップは一つも無い。故に''エリア・ゼロをクリアするまではノーマルモードとほとんど変わらない''。 --アニマル系の上位能力を発動させると、下位の「属性の弾を撃つ」が複数発動して弾幕を形成してしまうため、攻撃を邪魔されたりする。~ この点は地下樹海(ノービル・マンドラゴ)ステージで顕著に見られる。ステージ内ギミックの仕様の関係でステージ進行のテンポが大幅に崩れやすく、このステージのみ能力を解除して進んだ方が手っ取り早いと言われている。 --プレイヤーからの不満が行き届いたのか、DS『ロックマンゼロCOLLECTION』収録のイージーシナリオモードにおける本作ではアルティメットモードの要素+強化チップ全作成済みの状態からスタートする仕様に変更されている。 -エンディングテーマの歌唱部が歌い出ししか存在しない。 --容量の都合という説が有力で、普通に一曲分歌い切った「Freesia」が、『リマスタートラック ロックマンゼロ ピュシス』に収録されている。 ---- *総評 イマイチに終わった新システム、触れられなかった四天王との因縁、シリーズ最高傑作と名高い『ゼロ3』の続編……などの要因により、発売後はやや評価を落としてしまった作品。しかしゲーム全体は変わらず高水準にまとまっており、クライマックスを迎えた熱いストーリーもひとつの決着を見せている。シリーズ完結にふさわしい一作といえるだろう。 シリーズ完結を惜しむ声は未だに根強いが、ストーリー的に次回作の製作は絶望的であり、オフィシャル・ファン両方の見解としてゼロシリーズについてはこれで終わりとされている。 ---- *余談とその後の展開 -上記の通り四天王がスポイルされているにも関わらず、四天王役の声優で唯一レヴィアタン役の今井由香氏だけがクレジットされているが、これは彼女がルージュ(オペレーター)も兼任している為である。 -2010年6月10日に、本作1~4を一つにした『ロックマンゼロ COLLECTION』がニンテンドーDSにて発売。(のちに廉価版が2011年4月21日に発売) --基本的にベタ移植であるが、GBAになかったXYボタンを使用できたり、3の改造カード(カードe+を利用する)が擬似的に利用できたりなど、オリジナルより快適になっている。 ---しかし、デフォルトのボタン配置がGBAのままなのでDS仕様に変える必要があるが変更の仕方がやっかいである(後述の通りほんの少し設定を変えるだけでY攻撃BジャンプのSFC(PS)時代の作品((『Xシリーズ』仕様(Aor○がダッシュ、Xor△が特殊武器(サブウェポン))にしたい場合はかなり手を加える必要があるが。))や『ゼクスシリーズ』の配置に出来るがノーヒント)、『2』のマルチカートリッジプレイによる通信対戦が廃止されるなど不親切な点も見受けられる。 ---プレイ画面のサイズがGBAのままである、上述のイベントスキップの機能が改善されていない、コマンドダッシュ((十字キー左右連打によるダッシュ機能。針の近く等の危険な場所を細かく移動する際はオフにすることで、ダッシュの誤爆を阻止することが出来る))のオンオフの設定が『1』~『3』にない、『1』はセーブ数が3つと異様な少なさが目立つなど、ベタ移植すぎるせいで不便なところも存在する。 --意外と気付きにくいが、実は下画面のXYボタンの設定を一切弄らずに上画面の「ボタン設定」の「カスタム」でABボタンの設定を入れ替えるだけでDS仕様(『ゼクス』とほぼ同様)に出来たりする。使いやすさを考慮してXYボタンのデフォルト設定を決めたとのこと。 --''本編には反映されないが、背景設定の微妙な変更が人によっては気にかかるかもしれない''。 --また、強化系サポートやパワーアップを最初から全開放にした「イージーモード」が搭載されており、これからシリーズに触れるプレイヤーにはこちらがお勧め。 -ゼロシリーズそれぞれのリマスタートラックが発売中。中には劇中では語られない設定や背景が語られるテキストやドラマパートが付属する。~ 更に『COLLECTION』発売にあわせて、5枚目のリマスタートラック「ミュトス」も同時に発売。 -翌年より、ニンテンドーDSで本作の続編である『[[ロックマンZX>ロックマンゼクス]](ゼクス)』シリーズが発売。ゼロシリーズより若干難易度は下がる。 --ちなみに『ゼクス(1)』に本作をダブルスロットすると、ノービル・マンドラゴ、ペガソルタ・エクレール、フェンリー・ルナエッジ、ソル・ティターニャンと戦うことができる。~ ただしティターニャンの熱波カーテンは存在しない。 -2014年8月20日、ロックマンシリーズのプロデューサーとして知られる稲船敬二氏とインティ・クリエイツが再び協力して開発した2Dアクションゲーム、「[[蒼き雷霆 ガンヴォルト]]」がニンテンドー3DSのDL専売ゲームとして発売された。 --ロックマンシリーズと直接の関係はないが、主人公のイメージカラーが青、ボスを選択してステージに出発する、等明らかにロックマンを意識して作成されている。その一方で革新的なシステムも多数導入されており、単なるロックマンフォロワーに留まらない出来栄えとなっている。 --システム的にはロックマンゼロ・ゼクスを踏襲しており、特に諸事情により今後の新作発売が絶望的であるゼロシリーズファンから高い評価を受けている。 --また、特に『ゼロ2』を意識したと思われる構図やイベントが存在し、ゼロシリーズをプレイ済であれば更に楽しめる。 -時系列設定は『ロックマン→ロックマンX→ロックマンゼロ→ロックマンZX→ロックマンDASH』となっているらしい((インティ・クリエイツのスタッフの独自解釈であるが。))。

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