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**ウィザードリィV 災渦の中心 |ジャンル|RPG|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/41GPM10wNwL._AA300_.jpg,http://www.amazon.co.jp/アスキー-ウィザードリィ5/dp/B000068I03,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|アスキー|~| |開発元|ゲームスタジオ|~| |発売日|1992年11月20日|~| |定価|9,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[Wizardryシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1088.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 シナリオ5『Heart of the Maelstrom』の移植。『I』『II』『III』と同様にゲームスタジオ担当。~ 本作ではハードがスーパーファミコンとなり、本体スペックが上昇している。~ これまでと比べるとアレンジ要素は少なく、ほぼ原典通りの移植となっている。 -サブタイトルはPS版の「災''禍(わざわい)''」とは違い「災''渦(うず)''」。原題の「Maelstrom」にかけたネーミングとなっている。 -なおゲームスタジオは『[[シナリオ4>ウィザードリィ4 ワードナの逆襲]]』の移植を行っていないため、FC版/SFC版の『IV』は存在しない。 **ストーリー > ブラザーフット寺院の地下深くに封印されていた災いの渦は、今や世界を呑み込まんとしていた。~ しかも、この状況を打破できる大魔法使いゲートキーパーは、弟子ソーンの裏切りにより、渦の中心に捕らわれてしまっている。~ ソーンを打ち破り、ゲートキーパーを救出し、渦の災いを鎮めんがために、冒険者達が呼び集められた。 **システム -基本的なゲームシステムは『I』に準じる…が、本作では原典においても様々な試みが追加されている。 --最大6名のパーティーで、一人称視点の3D迷宮を攻略していくのは従来通り。 -原典(移植元)におけるVの新システム --迷宮が正方形ではなくなった ---従来作では1階層ごとに20×20の正方形内に詰め込まれていた((東の端(19, **)から枠外に出ると西の端(00, **)に抜け出るというループ方式。))が、本作ではその制限が無くなった。 --迷宮内にNPCが登場するようになった ---会話で交渉したり、金銭やアイテムを渡したり売買したりできる。中には重要なキーワード・キーアイテムが含まれている事もある。 ---戦いを仕掛けることも可能だが、当然ながら再登場後の反応が悪化するので注意。 --潜水要素の追加 ---迷宮の各所にある深い水たまりは、潜ることが出来る。潜る深さを決めて潜ると、水たまりの種類と深さに応じて回復・状態異常・能力値の変動など様々な効果が起きる。 ---但し無理に深い所に潜ると溺れて死亡してしまうことがある。各キャラクターには安全に潜れる深さを示す「Swim」というパラメーターが追加されており、潜ることによって鍛えられる。 ---水たまりの底には、キーアイテムを守る固定モンスターが潜んでいることが多い。 -原典(移植元)における戦闘システムの変化 --武器に射程の概念が追加され、武器によっては後衛からも通常の「攻撃」が出来るようになった。 ---その一方で、敵の後列に対しても攻撃が届きにくくなった。射程が最短の「C(Close range)」の武器だと、前衛から攻撃しても敵4グループのうち攻撃対象に出来るのは上2グループだけ。 --盗賊・忍者は「隠れる」ことができ、次ターン以降に「待ち伏せる」で後衛からでも大ダメージを与えられるようになった。但し待ち伏せに失敗すると姿を現してしまい、再度隠れる必要がある。 --新呪文の追加 ---召還呪文が登場。戦闘中に限り、「7番目のパーティーメンバー」としてモンスターを召還できる。呼び出される存在は幾つかの候補の中からランダムに選ばれ、強さもまちまち。 ---その他にも、自分達に呪文無効化能力を付与できる「コルツ」や、NPCの反応を友好的にする「カツ」等、#4までに無かった新呪文が色々と追加されている。 ---なお一部の攻撃系の呪文はFC版『III』にも導入されているので、そちらの記事も参照のこと。 -SFC版では『I』『II』『III』からキャラクターを転生させることが可能(外部機器ターボファイルが必要)。 --なんと、FCからSFCへのキャラクター転送が可能となっている。これらの2機種間でデータ連動が行われた唯一のケースである。 ---但し、ターボファイルをSFCに取り付けるための専用アダブタ(ターボファイルアダプター)も必要になる。 ---また、残念ながらSFC用の「スーパーターボファイル」だと、FCに取り付ける手段が用意されていないため転送には使用できない。 -キーワードの処理方式の変更 --FC版とは違い、キーワードによる謎解きは内容を改変せずに導入されている。 --但し、原典ではキーボードで単語を入力するようになっているが、本作ではその単語をどこかで聞いていれば自動で会話が進むフラグ制に変わっている。 --ちなみに後のPS版でもフラグ制に変更されているが、自動会話ではなく質問する単語を選択する方式になっている。 -その他、SFC版独自のシステム --セーブ方式の一部変更 ---城でのセーブは従来作と同様の自動セーブだが、迷宮内では手動でセーブする方式に変更。 --特性上限値の変更 ---『III』に引き続き、従来は特性値の上限が一律18だったのを、「種族基本値+10」に変更。成長後も種族毎の個性が出るようになった。 --オートマッピングの搭載 ---実際に歩いた場所が記憶され、デュマピック(自分の現在位置を座標で表示する魔法)を唱えた際に地図も表示されるようになった。 ---何故か、カンディ(仲間の死体の位置を捜す呪文)での位置表示の大雑把さはそのままである。 --不確定グラフィックの変更 ---従来作では不確定名専用のグラフィックが用意されていたが、本作では通常のグラフィックにモザイクをかけたものに変更。 **評価点 -更に向上したグラフィック、BGM --ハードのスペック上昇の恩恵もあり、グラフィック、BGMのクオリティはさらに高くなった。 ---例えば迷宮の壁も、本作では階ごとに違うグラフィックが用意されている。 ---モンスターに関しても、#5の日本語PC版用の絵((#5については、日本語PC版でもモンスターイラストを末弥純氏が担当している))だけでなく、新規に描き起こされた絵が追加されている。 -変わらぬ操作性 --手動セーブや新規システム等、変わったところもあるが、操作性についてはおおむねFC版のものを継承している。FC版『I』~『III』のプレイ経験がある人はあまり違和感なく操作できるだろう。 -様々な新システム --これに関しては原典譲りの要素であるが、「迷宮内NPC」「射程」「召還魔法」などの様々な要素が、ゲームに新たな彩りを添えている。 ---外伝シリーズ等の後作にも軒並み取り入れられているところからも、これらの要素の影響力の高さが伺える。 **賛否両論点 -射程による武器格差 --剣や斧などの射程が短い武器は後列の敵を狙えないため、敵グループが少ない序盤はともかく、後半には使い勝手が悪くなっていく。シリーズおなじみの村正や本作最強の剣オーディンソードでさえ例外ではなく、これらの剣よりも射程の長い長柄武器や弓を使うことになりがち。 -その他 --自力でのマッピングが必要なくなったことや、味のある不確定専用グラフィックが無くなってしまったことを惜しむ声もある。 **問題点 -自動会話の弊害 --単語の類推が可能なものでも、特定のNPCから単語を聞かなければならない。 --この影響により、最後の謎解きに関わる単語の1つが、複数のNPCからヒントを教わらないと質問できなくなってしまっている。 ---この質問ができないと、最後の謎解きの一部が、組み合わせをしらみ潰しに調べていく作業と化す。 -新システムの潜水 --ダンジョンに点在する「泉」に潜ることができるが、Swim値が十分でないと死亡してしまう。 --Swim値は通常では最低値から始まるため、死亡リスクを覚悟しつつ鍛えることになる。 ---SWim値に内部的に約+10の修正を加えるという便利なアイテム和名「ゴムのアヒル」がある。これを装備して潜ればいきなりダンジョンの最深部の泉の奥にでも潜らない限り安心が保障され、これを使うとSwim値は安全に鍛えられるが今度はSwim値の意味がほぼなくなってしまう。このアイテムはストーリー中必須ではないが、あると楽にイベントが進むので大抵入手することになる。 ---- **総評 ハードのスペック向上により、ほぼ原典通りの移植となった今作。~ 従来作の移植と違いアレンジ要素は少なめだが、FC時代の移植ノウハウを生かした良移植といえよう。
**ウィザードリィV 災渦の中心 |ジャンル|RPG|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/41GPM10wNwL._AA300_.jpg,http://www.amazon.co.jp/アスキー-ウィザードリィ5/dp/B000068I03,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|アスキー|~| |開発元|ゲームスタジオ|~| |発売日|1992年11月20日|~| |定価|9,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[Wizardryシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1088.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 シナリオ5『Heart of the Maelstrom』の移植。『I』『II』『III』と同様にゲームスタジオ担当。~ 本作ではハードがスーパーファミコンとなり、本体スペックが上昇している。~ これまでと比べるとアレンジ要素は少なく、ほぼ原典通りの移植となっている。 -サブタイトルはPS版の「災''禍(わざわい)''」とは違い「災''渦(うず)''」。原題の「Maelstrom」にかけたネーミングとなっている。 -なおゲームスタジオは『[[シナリオ4>ウィザードリィ4 ワードナの逆襲]]』の移植を行っていないため、FC版/SFC版の『IV』は存在しない。 **ストーリー > ブラザーフット寺院の地下深くに封印されていた災いの渦は、今や世界を呑み込まんとしていた。~ しかも、この状況を打破できる大魔法使いゲートキーパーは、弟子ソーンの裏切りにより、渦の中心に捕らわれてしまっている。~ ソーンを打ち破り、ゲートキーパーを救出し、渦の災いを鎮めんがために、冒険者達が呼び集められた。 **システム -基本的なゲームシステムは『I』に準じる…が、本作では原典においても様々な試みが追加されている。 --最大6名のパーティーで、一人称視点の3D迷宮を攻略していくのは従来通り。 -原典(移植元)におけるVの新システム --迷宮が正方形ではなくなった ---従来作では1階層ごとに20×20の正方形内に詰め込まれていた((東の端(19, **)から枠外に出ると西の端(00, **)に抜け出るというループ方式。))が、本作ではその制限が無くなった。 --迷宮内にNPCが登場するようになった ---会話で交渉したり、金銭やアイテムを渡したり売買したりできる。中には重要なキーワード・キーアイテムが含まれている事もある。 ---戦いを仕掛けることも可能だが、当然ながら再登場後の反応が悪化するので注意。 --潜水要素の追加 ---迷宮の各所にある深い水たまりは、潜ることが出来る。潜る深さを決めて潜ると、水たまりの種類と深さに応じて回復・状態異常・能力値の変動など様々な効果が起きる。 ---但し無理に深い所に潜ると溺れて死亡してしまうことがある。各キャラクターには安全に潜れる深さを示す「Swim」というパラメーターが追加されており、潜ることによって鍛えられる。 ---水たまりの底には、キーアイテムを守る固定モンスターが潜んでいることが多い。 -原典(移植元)における戦闘システムの変化 --武器に射程の概念が追加され、武器によっては後衛からも通常の「攻撃」が出来るようになった。 ---その一方で、敵の後列に対しても攻撃が届きにくくなった。射程が最短の「C(Close range)」の武器だと、前衛から攻撃しても敵4グループのうち攻撃対象に出来るのは上2グループだけ。 --盗賊・忍者は「隠れる」ことができ、次ターン以降に「待ち伏せる」で後衛からでも大ダメージを与えられるようになった。但し待ち伏せに失敗すると姿を現してしまい、再度隠れる必要がある。 --新呪文の追加 ---召還呪文が登場。戦闘中に限り、「7番目のパーティーメンバー」としてモンスターを召還できる。呼び出される存在は幾つかの候補の中からランダムに選ばれ、強さもまちまち。 ---その他にも、自分達に呪文無効化能力を付与できる「コルツ」や、NPCの反応を友好的にする「カツ」等、#4までに無かった新呪文が色々と追加されている。 ---なお一部の攻撃系の呪文はFC版『III』にも導入されているので、そちらの記事も参照のこと。 -SFC版では『I』『II』『III』からキャラクターを転生させることが可能(外部機器ターボファイルが必要)。 --なんと、FCからSFCへのキャラクター転送が可能となっている。これらの2機種間でデータ連動が行われた唯一のケースである。 ---但し、ターボファイルをSFCに取り付けるための専用アダブタ(ターボファイルアダプター)も必要になる。 ---また、残念ながらSFC用の「スーパーターボファイル」だと、FCに取り付ける手段が用意されていないため転送には使用できない。 -キーワードの処理方式の変更 --FC版とは違い、キーワードによる謎解きは内容を改変せずに導入されている。 --但し、原典ではキーボードで単語を入力するようになっているが、本作ではその単語をどこかで聞いていれば自動で会話が進むフラグ制に変わっている。 --ちなみに後のPS版でもフラグ制に変更されているが、自動会話ではなく質問する単語を選択する方式になっている。 -その他、SFC版独自のシステム --セーブ方式の一部変更 ---城でのセーブは従来作と同様の自動セーブだが、迷宮内では手動でセーブする方式に変更。 --特性上限値の変更 ---『III』に引き続き、従来は特性値の上限が一律18だったのを、「種族基本値+10」に変更。成長後も種族毎の個性が出るようになった。 --オートマッピングの搭載 ---実際に歩いた場所が記憶され、デュマピック(自分の現在位置を座標で表示する魔法)を唱えた際に地図も表示されるようになった。 ---何故か、カンディ(仲間の死体の位置を捜す呪文)での位置表示の大雑把さはそのままである。 --不確定グラフィックの変更 ---従来作では不確定名専用のグラフィックが用意されていたが、本作では通常のグラフィックにモザイクをかけたものに変更。 **評価点 -更に向上したグラフィック、BGM --ハードのスペック上昇の恩恵もあり、グラフィック、BGMのクオリティはさらに高くなった。 ---例えば迷宮の壁も、本作では階ごとに違うグラフィックが用意されている。 ---モンスターに関しても、#5の日本語PC版用の絵((#5については、日本語PC版でもモンスターイラストを末弥純氏が担当している))だけでなく、新規に描き起こされた絵が追加されている。 -変わらぬ操作性 --手動セーブや新規システム等、変わったところもあるが、操作性についてはおおむねFC版のものを継承している。FC版『I』~『III』のプレイ経験がある人はあまり違和感なく操作できるだろう。 -様々な新システム --これに関しては原典譲りの要素であるが、「迷宮内NPC」「射程」「召還魔法」などの様々な要素が、ゲームに新たな彩りを添えている。 ---外伝シリーズ等の後作にも軒並み取り入れられているところからも、これらの要素の影響力の高さが伺える。 **賛否両論点 -射程による武器格差 --剣や斧などの射程が短い武器は後列の敵を狙えないため、敵グループが少ない序盤はともかく、後半には使い勝手が悪くなっていく。シリーズおなじみの村正や本作最強の剣オーディンソードでさえ例外ではなく、これらの剣よりも射程の長い長柄武器や弓を使うことになりがち。 -その他 --自力でのマッピングが必要なくなったことや、味のある不確定専用グラフィックが無くなってしまったことを惜しむ声もある。 **問題点 -自動会話の弊害 --単語の類推が可能なものでも、特定のNPCから単語を聞かなければならない。 --この影響により、最後の謎解きに関わる単語の1つが、複数のNPCからヒントを教わらないと質問できなくなってしまっている。 ---この質問ができないと、最後の謎解きの一部が、組み合わせをしらみ潰しに調べていく作業と化す。 -原典の問題である新システムの潜水 --ダンジョンに点在する「泉」に潜ることができるが、Swim値が十分でないと溺れて死亡してしまう。 --Swim値は新規キャラは最低値のため、死亡リスクを覚悟しつつ鍛えることになる。数十回でようやく1上がる。 ---SWim値に内部的に約+10の修正を加えるという便利なアイテム「ゴムのアヒル」がある。これを装備して潜ればいきなりダンジョンの最深部の泉の奥にでも潜らない限り安心が保障され、これを使うとSwim値は安全に鍛えられるが、今度はSwim値の意味がほぼなくなってしまう。このアイテムはストーリー中必須ではないが、あると楽にイベントが進むので大抵入手することになる。 ---- **総評 ハードのスペック向上により、ほぼ原典通りの移植となった今作。~ 従来作の移植と違いアレンジ要素は少なめだが、FC時代の移植ノウハウを生かした良移植といえよう。

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