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>かつて、地球圏の人類が外宇宙の進出に積極的であった時代……『黄金の時代』と呼ばれた数十年間の輝ける時代は、~ 正体不明の外宇宙生命体『宇宙怪獣』の脅威をはじめとする様々な要因で終わりを告げた。~ 外宇宙の過酷な現実を前に敗北を喫し、生存圏を太陽系内に押し留められた人類は生きる情熱と夢を失い、~ いまや様々な争いの舞台と化した地球圏の中で、退廃と諦めが支配する『黄昏の時代』を迎えていた……。~ ~ そんな暗い時代の中、人類は新たな戦いを迎えようとしていた。 ---- **参戦作品一覧 #region() ★マークは新規参戦作品。 -無敵ロボ トライダーG7 -聖戦士ダンバイン -New Story of Aura Battler Dunbine -機動戦士Ζガンダム -機動戦士ガンダムΖΖ -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン -機動戦士クロスボーン・ガンダム -機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート -機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人 -機動武闘伝Gガンダム -装甲騎兵ボトムズ -装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー -装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル -勇者特急マイトガイン -勇者王ガオガイガー -★カウボーイビバップ -トップをねらえ! -劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- -真ゲッターロボ 世界最後の日 -劇場版 マジンガーZ / INFINITY -★わが青春のアルカディア 無限軌道SSX -★魔法騎士レイアース -ガン×ソード -★楽園追放 -Expelled from Paradise- -本作の新規参戦では、『カウボーイビバップ』『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』と、ロボットが一切登場しない作品枠が二つに増加した。また、少女漫画が原作で、かねてから参戦が望まれていたとされる『[[魔法騎士レイアース>魔法騎士レイアースシリーズ]]』がようやくの参戦を果たしている。 --また、『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』の初参戦はソシャゲの『スーパーロボット大戦X-Ω』での期間限定参戦((ストーリーは劇場版の本編開始前。また、参戦機体もマジンガーZ(ボイス付き)とグレートマジンガーのみで、敵などは一切登場しない。))だったため、実質的な参戦は今回が初と言える。近年のアニメ作品が従来のゲーム機向けシリーズに参戦するまでは最低でも2~3年のスパンがあったのに対し、今回は日本での劇場公開から僅か1年弱のスピード参戦となった。 #endregion ---- **評価点 ***システム ''デモムービー再生機能の復活'' -前作『X』ではアニメーションのデモムービーが復活したものの、視聴方法がマップ中のイベントのみに限定されていた。今作ではライブラリで一度見たムービーをいつでも再生できるようになっており、問題が解決されている。 ''「ファクトリーシステム」「サブオーダー」の強化・改善'' -『V』『X』で好評を博したこれらの要素が「サイドプラン」に統合され、内容も大きくパワーアップした。 --「スキルルート」が「スキルラーニング」に変更され、基本となるスキルは全て最初から修得できるようになった。また「ラッキースター」などレベルを上げる事で強化される技能も追加されている。 ---要するに近年のゲームの主流であるツリー解放型の成長システムから、オールドスクールなスキル購入型の成長システムに先祖がえりしてしまったというところなのだが、スパロボのスキルルートはキャラごとに個別ではなく部隊共有のものであったため、キャラによって成長の方針は大きく変わるから結局ツリーはまんべんなく解放しないとならず、ツリー型の成長システムの面白味が生かし切れてないという批判が前々からあった。 ---キャラごとに個別のツリーを用意するという方向性をとれば奥深いものになるのだろうが、カジュアルなプレイヤーも多いスパロボではそれは採用しにくいということもあって、あえてツリー型を撤廃する判断をしたのだと思われる。 --「サブオーダー」は受注できる人数が増えたうえ、出撃したパイロットも利用可能になった。さらに特別な条件を達成する事で「スペシャルオーダー」と呼ばれる特別なオーダーを一人だけ受注可能になる。これは能力が大幅に上昇したり、撃墜数や資金を稼げたりと、非常に優れた効果を持っている。 ''サポーターコマンドの追加'' -「S-SP」と呼ばれるポイントを消費することで、非戦闘員による特殊なコマンドである「サポーターコマンド」を実行できるようになった。 --「S-SP」は部隊全体で管理されるため、「精神コマンド」と比較すると使用回数は大きく制限されているが、その分強力な効果を持つものが多い。 --キャラクターが増えたり、意識を新たにすることでより強力な効果に変化することもあるなど、ストーリーの盛り上げにも一役買っている。 //制限がある事はこちらでも書かれているので、とりあえず使いづらいというのは削除。 ''戦闘アニメーション'' -スパロボにおいてはいつもの事ではあるが、本作も戦闘において展開されるアニメーションは、新規参戦作品を中心に好評を博している。 --『レイアース』は少女アニメらしく可憐な姿を活かしたものが多く、『カウボーイビバップ』ではオープニングアニメーションを流用するという少々風変わりな手法を楽しめる。『無限軌道SSX』のアルカディア号も、『V』のヤマトや『X』のノーチラス号に負けず劣らずの再現度が好評。 --前作で演出が分かりにくいとして賛否両論であった「Hi-νガンダム」の最強武器である「オールレンジ・アタック」のトドメ演出が変更されて分かりやすい演出になった。 ''難易度の調整'' -前作までは、敵陣営では限られたパイロットしか獲得できなかったエースボーナスが、汎用的パイロットを含めた全員が獲得するようになった。 --これは「敵のレベル=撃墜数」となっている事と、前作までは終盤に差し掛かっても敵パイロットのレベルが60以上に到達しない事が原因となっていた。本作では最終的に敵のレベルが80前後にまで到達するため、終盤では全ての敵がエースボーナスを獲得。難易度の調整に一役買うと同時に、より深い個性を楽しめるようになった。 --ボス敵のエースボーナスも、「特定のパイロット以外の敵に対して命中率、ダメージが強化される」など、原作に即したユニークなものが従来より多い。 -2019年5月23日にリリースされたパッチ1.03を適用する事によって、エキスパートモードを遥かに凌駕する難易度の「スーパーエキスパートモード」を遊べるようになった。 --敵機体の改造段階が5段階、敵パイロットの撃墜数が60増加する。これによって、最初から全ての敵がエースボーナスとカスタムボーナスを獲得した状態になる。さらに最終盤になると、敵パイロットのレベルが他の難易度より20上昇する。周回ボーナスを使用しなければクリアは困難を極めるが、あえてボーナス無しで挑戦する猛者もいる。 -さらに、同日にリリースされたエキスパンション・シナリオでは、「ベーシックカスタム」「スーパーカスタム」「ハイパーカスタム」という三つのランクが用意されており、ただでさえ高い難易度をさらに高めることができる。 --ハイパーカスタムを選択した際は、ザコユニットですら本編におけるボスを上回る性能を有することになり、改造や精神コマンド、サポーターコマンドなどを駆使しても全滅させられることもある。この要素は、高難易度を求めるユーザーに好評を得た。 ''UIの改善'' -戦闘前の確認画面において、攻撃が命中すれば必ず撃墜となる状況だと「Shoot Down!」と表示されるようになった。 --この表示により戦術を組み立てやすくなった。ただし特殊防御などは考慮していないため、あくまで目安である。 //クリティカルが出ようが出まいが撃墜される状況なので、特殊防御のみではないだろうか。 ''音質の向上'' -音声圧縮形式がSONY独自の形式から変更され、音質が向上した。 //Switchでもソフトが開発されたためか、 ''イベント専用の一枚絵の増加'' -『X』では一部だけ使用されていたシナリオデモ上における専用の一枚絵&立ち絵が大幅に増加した。 --原作のワンシーンを再現したものはもちろん、「お互いの武器を構えるジョルジュ&エメラルダス」「スパイク&ハーロック」のように作品の垣根を超えたものなど、''原作には存在しない''ものまである。 ---中でもアキトとユリカの再会シーンはゲームオリジナルのDVEも付いており、ナデシコファン感涙ものとなっている。 ---DLCシナリオでしか見られない一枚絵も存在する。 ***シナリオ ''新規参戦関連'' -本作の目玉作品となる『レイアース』は、加入時期こそやや遅めだが、本作の物語の根幹に深く絡んでいる。 --舞台となる異世界「セフィーロ」がOVA版『ダンバイン』の「バイストン・ウェル」と繋がっており、三人の魔法騎士と「シオン・ザバ」が深く絡んでいる。異世界転移ものの先駆けである『ダンバイン』のキャラクター達の薫陶を受け、魔法騎士達は大きく成長していく。 --敵勢力も同様で、「ザガート」や「デボネア」が「ショット・ウェポン」および「ラバーン・ザラマンド」と結託しているほか、デボネアはセフィーロのみならず全ての世界の負念の集合体となっており、『トップをねらえ!』の「宇宙怪獣」と並ぶ本作最大規模の強敵として君臨している。 --仲間の一人である「ランティス」が、本作オリジナルとなる機体「魔神ランティス」に搭乗して参戦。原作同様魔法騎士以上の実力をもって自軍に大きく貢献してくれるだけでなく、ユニット改造を施すと本作でも屈指の強さを発揮する。 --ランティスの友人にしてライバルの「イーグル・ビジョン」は、原作漫画では昏睡状態、アニメ版では戦死という末路を辿っていたが、本作ではまともな状態で生存する。 -『無限軌道SSX』は、敵組織である「イルミダス軍」のポジションがオリジナル敵組織である「UND」に置き換えられているが、ライバルである「フェーダー・ゾーン」との因縁が丁寧に描かれている。 --主人公である「キャプテン・ハーロック」が宇宙海賊であることから、同じ宇宙海賊のポジションである『Gガンダム』の「アルゴ・ガルスキー」や『クロスボーンガンダム』の「キンケドゥ・ナウ」と提携していたり、かつて戦艦に携わった同士として『逆襲のシャア』の「ブライト・ノア」と親交があるなど、クロスオーバーも巧みなものに仕上がっている。原作再現は最低限に留まっているが、自らの道を躊躇せず選ぶ様は多くの人物に感銘を与えるため存在感は極めて大きい。『カウボーイビバップ』の主人公「スパイク・スピーゲル」との対峙も必見。 -『楽園追放』は、技術が進歩していながらも世界観が荒廃している『ボトムズ』とのクロスオーバーが随所で見られる。 --同じ「アストラギウス銀河」を舞台としているほか、主人公の「アンジェラ・バルザック」は上層部である「ディーヴァ」から「キリコ・キュービィー」の調査を指示されており、ディーヴァ自身も同じくコンピュータによる管理者である「ワイズマン」と関わりがある。更にアンジェラの人格形成に「ディンゴ」や「フロンティアセッター」だけでなくキリコやその仲間達も携わっているなど、『ボトムズ』の外伝と言ってもいい程の馴染みぶりである。 --またアンジェラはゲーム中でグルメに目覚め、他作品の料理関係者と絡むようになる。これは原作における「飲食に興味のなかったアンジェラが地上の料理を食べるようになる」描写を膨らませたものであり、DLCではそれが主題になっているステージまで用意されている。 -『カウボーイビバップ』もクロスオーバー・性能面ともに優遇されている。 --シナリオでは「黄昏の時代」と呼ばれる混沌としている社会で生き抜く賞金稼ぎの視点による見解が描かれており、いわゆる「正義の味方」が多い自軍の中において、シビアな面を見せてくれる事が多い。また「エド」は子供同士の触れ合いや、天才ハッカーである点が多く描かれており、『楽園追放』のフロンティアセッターの存在をいち早く見抜いている。 --ユニット性能も、スパイクの資金稼ぎ性能に加え、乗機の「ソードフィッシュII」は機動性に優れ、改造すればスーパー系に肉薄する威力を持つ((武器改造の効果が一番高いうえ、バージョン1.03以降は最大改造での威力上昇が他の機体より1000も高くなった。))必殺技を持つなど使い勝手が良く、スパロボシリーズの戦闘機の中ではトップクラスの性能を誇っている。 --スパイクの相棒「ジェット・ブラック」は本作発売前年に亡くなった石塚運昇氏が生前に収録を行っていたため、「声付きで登場しないのでは…?」と不安視していたファンを喜ばせた((中断メッセージには収録が間に合わなかったのか登場していない。なお同じく石塚氏が担当していた『マジンガーZ』のDr.ヘルは谷昌樹氏が代役を務めた。))。 ''既存作品関連'' -『ガンダム』『ゲッターロボ』『マジンガーZ』と、[[初代>スーパーロボット大戦]]より参戦し、現在もシリーズに大きな影響力を与えている「御三家」の主人公である「アムロ・レイ」「流竜馬」「兜甲児」が、シリーズで初めて全員20代の設定で共演した((20代の甲児は『INFINITY』にしか登場していないため。))。 --いずれも10年近くに渡って戦い続けてきたベテランで、一年戦争や「Dr.ヘル」との戦いを共に潜り抜けてきた事から強い信頼を抱きあっている。思い出話に華を咲かせて笑い合う様は、旧シリーズのユーザーから感慨深いものがあると絶賛された。 --また「竜馬や甲児と軽口を叩き合う」「フィン・ファンネル使用時に武装名を叫ぶ事((原作では使用時に武装名を叫んでいなかったが、アムロ役の古谷徹氏の要望により武装名を叫ぶようになったらしい。SFCの旧シリーズの時点で「フィン・ファンネル!」と叫ぶアムロが確認できる。))に本作独自の理由付けがされる」など、スパロボにおけるアムロの新しい一面が描写されたことには評価が高い。 -『[[ゲッターロボ大決戦!]]』に登場する「真ゲッタードラゴン」が初めて参戦した。「『真ゲッター』の真ドラゴンが変化したものである」という本作独自の扱いになっており、「真ゲッターロボ」から本機に乗り換えるシナリオでは「ゲッターチーム」と「早乙女博士」の熱いやり取りが見られる。 --登場作品は前作・前々作に登場したマジンエンペラーG同様『ダイナミック企画オリジナル機体』名義となっている。実際、使用している武装は「真シャインスパーク」を除いて『大決戦!』とは大きく異なっている。 -『ダンバイン』は後述するOVA版『ダンバイン』との兼ね合いから、「オーラバトラーによる戦乱が本編開始から700年前である」という設定が付与された。地球人からは一種の都市伝説として認識されているが、「チャム・ファウ」が唯一地上に残された設定が、強化パーツに「1/1チャム人形」が製作されている事に活かされている。 --登場キャラクターたちは700年の時を経て転生したという設定となっており、セフィーロやバイストン・ウェルの動乱に一石を投じる役回りとなっている。 --近作では出番に恵まれなかった「アレン・ブレディ」が久々にパイロットとして登場。トッドとのライバル関係が大きく再現されており、今までになく良い扱いを受けている。 --設定および模型のみ展開されていた幻の機体「ヴェルビン」が、スパロボシリーズにおいて初参戦。設定も、デザイナーである出渕裕氏の考案したものに忠実になっており、戦闘アニメーションも非常に力が入っている。「たった二枚の資料((ヴェルビンは立体物としてROBOT魂でリリースされているが資料という資料は入手困難な上、全体像と図解を最低限示した2ページ分しかない。))でよくぞ…」と思わせる驚嘆の出来。 -OVA版『ダンバイン』は初参戦の『[[COMPACT3>スーパーロボット大戦COMPACT3]]』以来久々に、主人公であるシオンとライバルの「ラバーン・ザラマンド」、老人状態の「ショット・ウェポン」が参戦した。 --前作『X』を含む多くの作品では「サーバイン」や「ズワウス」といった機体のみの参戦に留まっていたが、本作ではシナリオの再現も行われており、原作ファンから喜ばれた。 --前述した『レイアース』とのクロスオーバーのほか、『ダンバイン』の「ショウ・ザマ」がシオンの転生元であるという設定が最大限に活かされており、シナリオにおける大きな見どころの一つとなっている。 -『V』以降の新規参戦作品では唯一の皆勤賞となる『マイトガイン』は、同じ企業系作品である『トライダーG7』や、同じ「[[勇者シリーズ]]」である『ガオガイガー』との共演が目玉となっている(勇者シリーズの共演はスパロボのコンシューマー作品では初となる)。 --クロスオーバーもこの点がピックアップされており、「旋風寺コンツェルン」と「宇宙開発公団」が提携しているほか、「竹尾ゼネラルカンパニー」ともしばしば共闘しているなど、組織同士のつながりが濃厚となっている。また、「勇者ロボ軍団」と「勇者特急隊」の隊員たちも、同じ「超AI」によって起動しているため、頻繁に交流する場面が見受けられた。 --敵組織においても同様で、『V』『X』で原作を再現しきった影響からか原作終了後設定になっているものの、「ブラックノワール」の行動理念が「ゾンダー」と密接に関わっていたり、オリジナル敵組織である「UND」に身を寄せていた「エグゼブ」が「ザ・パワー」を利用して悪事を企むなどの展開が見られる。 -『ガン×ソード』は久々、かつ初めての声付きの参戦で、いずれのキャラも魅力的に描かれている。 --主人公である「ヴァン」と、彼と同じく「黒衣の復讐鬼」である『ナデシコ』の「テンカワ・アキト」との会話は、二人の深い闇を現しており必見。また、アキトは「レイ・ラングレン」とも深い絡みを見せており、レイが自軍に参入するきっかけにもなった。 --以前の参戦時には空気の読めない言動ばかりが目立ち、最大の見所を他者に奪われてしまっていた「ジョシュア・ラングレン」は、本作においては兄想いであることを示すシーンが多数見られ、汚名を返上している。 --「プリシラ」は「主人公に片想いする同志」として『Gガンダム』の「アレンビー・ビアズリー」と見事な絡みを見せている。アレンビーは自身が身を引きつつもプリシラを後押しするなど、親友と言っても差し支えない間柄に落ち着いている。 --エルドラメンバーは「かつて地球のために各地を転戦していた」という設定で、『マジンガーZ』の「剣鉄也」の教官を務めていたり、『ガオガイガー』のGGGの上層部や『Gガンダム』の「東方不敗マスターアジア」と戦友であったりと、ある意味では原作以上の存在感を発揮している。 --前述した『ナデシコ』や『Gガンダム』の他にも『カウボーイビバップ』や『ガオガイガー』等とのクロスオーバーも多く見られる。また敵ボスである「カギ爪の男」の脅威も大きくピックアップされている。 --一方で、舞台が異世界「エンドレス・イリュージョン」ではなく、テラフォーミングが進んだ火星になっているが、設定破綻は生じておらず、概ね肯定的に受け入れられている。 ---さらに、「エンドレス・イリュージョン」という単語自体は形を変えつつも存在しており、本作の世界観に大きくかかわる要素である事が後に明かされる。 //Kについては持ち出すと変に荒れた経験あるから消されたんだが、CO文まで消すからこうしてまた復帰される。消す理由は残しといてくれ。 -『装甲騎兵ボトムズ』は、『ビッグバトル』のみの再現となっているが、アストラギウス銀河に実際に赴くことが可能となっており、ATについても独自の解釈がなされている。敵キャラである「ラダァ・ニーバ」の存在感も大きくなり、最終盤まで立ちはだかる強敵となっている。 --『[[第2次Z>第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇]]』で「レッドショルダーマーチ」の代わりとして収録されていたオリジナル曲「戦騎達の行進」が復活しただけでなく、戦闘BGMにも設定できるようになり、好評を博した。 --前述した通り『楽園追放』とは設定レベルのクロスオーバーがなされているほか、本作はアストラギウス銀河の存在が設定レベルのクロスオーバーとして機能している。同時に、ATが自軍の最新鋭機に匹敵する高スペックである事も描かれているなど、優れた扱いとなっている。 -『トップをねらえ!』は、久々に新人時代のノリコの姿を見ることができる。宇宙怪獣の脅威の前にくじけそうになりつつ、ジュドーや凱などといった仲間たちに支えられて成長する様子は、原作さながらの熱い展開となっている。 ''ガンダム関連'' -本作では、『V』や『X』で故人となっていた「ハマーン・カーン」が序盤から参戦し、ネオ・ジオンの指導者として大きく目立っている。 --同時に、彼女を追い落とそうという野心を秘めた「グレミー・トト」の暗躍や、両者の動向を伺いつつ独自の行動を取ろうと目論む「シャア・アズナブル」の存在によって、混沌とした様子を演出している。 -スパロボでは珍しく「ジュドー・アーシタ」がナイーブな様子を見せている((これは、大切な妹であった「リィナ・アーシタ」や、仲間の「エルピー・プル」を戦いの中で失ったと考えた影響によるもの。))が、それを克服するまでの過程が『トップをねらえ!』や『ガオガイガー』とのクロスオーバーを交えて描かれている。 #region(終盤のネタバレ) -終盤でハマーンとシャアが反目を行った際に、「ハマーンと手を組む」「シャアと手を組む」「どちらにもつくことなく、自らの道を選ぶ」という選択肢が発生する。 --いずれも一筋縄ではいかない展開が待ち構えており、シャアとハマーンの愛憎や、それに対するアムロ・カミーユ・ジュドーの対応が楽しめる。特にカミーユは成長ぶりが著しく、癖のあるキャラクターを時にからかったりする((金にがめついことで知られる『カウボーイビバップ』の面々との賭けに勝ち、冗談とはいえ金を巻き上げようとするなど))。 -また、本作では、シリーズで初めて、ハマーンと、彼女を敬愛するマシュマーの両方を味方として使用できる。さらに、度重なる失態から強化人間にされたマシュマーにハマーンが詫びるという、ファン待望のイベントも用意された。 --さらにシャアは、裏で異星人企業「UND」と取引をしており、ネオ・ジオン復興のための戦力提供を受ける見返りとして、地球圏の覇権を得た暁にはその戦力をUNDに貸し与えるよう契約するというイベントが用意された。『[[新スーパーロボット大戦]]』のオマージュに当たる要素ともいえるが、本作では、地球の覇権を得てもみすみす異星人の思い通りにならないよう手はずを組んでいることや、ナイチンゲールが異星人の技術提供によって完成しているなど、さらに工夫が凝らされている。 -終盤ではシャア、およびハマーンとの和解が成立し、自軍に参入する。さらに、該当シナリオでは木星帝国の軍勢を相手にアムロ、カミーユ、ジュドー、キンケドゥ、トビア、が遊撃を仕掛け、さらにそこにシャアとハマーンが加わる展開となっている。このシナリオ名は「鋼鉄の七人」となっており、クロスボーン・ガンダムの後日談となる『鋼鉄の七人』とは違う意味合いでプレイヤーを楽しませた。 #endregion -久々の参戦となる『Gガンダム』は、原作終了後ながら、シリーズでも珍しく「ガンダムファイト」について深く切り込んでおり、「デビルガンダム」や東方不敗も復活を果たすなど、強い存在感を放っている。デビルガンダム事件を戦い抜いた戦士達の活躍や、現在における心境も緻密に描写されている。 --特に主人公である「ドモン・カッシュ」は成長が目覚ましく、アキトやヴァンなど「一人の女性への執着、および復讐に燃えている男達」への気配りを終始怠らないなど、部隊の実質的なリーダー格として活躍している。特に『ガン×ソード』とのクロスオーバーは実に巧みで、「復讐」というキーワード以外にも「神」の名前を冠する機体に乗り込む者同士であるため一際目立つ。 --ドモンの師・超えるべき壁であり、原作終盤に死亡したはずの東方不敗も、和解を果たしたはずのドモンの前に再び立ちふさがる。 ---しかしオリジナル敵キャラの操り人形と化していた『[[R>スーパーロボット大戦R]]』とは違い本人の意思で行動しており、時にドモンと共闘するなどただの敵として描かれてはいない。これらの行動には物語の根幹に関わる重大な理由があるため、是非ともプレイヤー自身の目で確かめてほしい。 --『[[NEO>スーパーロボット大戦NEO]]』、『[[OE>スーパーロボット大戦Operation Extend]]』と、最近のGガンダムが参戦していたシリーズ作品ではゴッドガンダムのみしか登場していなかったが、本作ではシャッフル同盟やノーベルガンダムなどのサブユニットが久々に復活した((Zシリーズ終盤の『ガンダムX』など平成3部作では、サブのガンダムが削られる傾向にあったことから、参戦発表時は『F』と同じくらいの参戦数になるだろうと言われていた。))。シナリオではある意味原作以上にその動向がピックアップされており、シナリオの締めとしても存在感を見せるなど扱いはシリーズで最も良い。 ---また、これまで採用されていなかった技のうち、ドラゴンガンダムの「宝華経典・十絶陣」やノーベルガンダムの「ゴッドフィンガー」が追加((ただしこちらは原作ではドモンとの連携で放ったのみであり、単独で使用したことはなかった。なお過去作で採用されていたドモンとの合体攻撃は本作では削除されている。))されているほか、グランドマスターガンダムのダークネスフィンガー((ドモンに放ったダークネスフィンガーのエネルギー発射のこと))がアニメーション(セリフ)で追加されている。 ''バンプレストオリジナル関連'' -本作のオリジナル主人公は、大手企業「VTX社」所属のテストパイロットである「サイゾウ・トキトウ」(男性主人公)と「サギリ・サクライ」(女性主人公)が務める。選ばれなかった方はサブ主人公となる。 --企業に勤めるサラリーマンという珍しいタイプの主人公だが、いずれも、職務に対する誠実さや部下に対する思いやりに溢れた好人物であり、サイゾウは「サラリーマンの誇りを持ち業務遂行に命を懸ける実直な性格だが、それ以外のことには無関心で恋愛沙汰にも疎い朴念仁」、サギリは「同僚の女性を(百合的な意味で)惹きつける魅力に溢れる一方、私生活周りはずぼらでダメな残念美人」と、それぞれに個性づけられている。 ---サブ主人公になった方も、『V』『X』にあった「サブ主人公が敵に回る」という展開が存在せず、自軍でしっかり存在感を発揮するため、好評を得た。 --両者ともに直属の上司である「ヒロスケ・アマサキ」や社長の「ダイマ・ゴードウィン」からの信頼が厚く、部下である「ラミィ・アマサキ」や「メリル・スパンナ」、「エイミス・アーネスト」からも慕われている。 -主人公以外の周辺の関係者にもきちんと見せ場が用意されており、主人公含め出しゃばりすぎない程度の存在感を保っている。 #region(キャラのネタバレ) --中でも、母星滅亡により地球に流れ着いてきた異星人であるラミィは、母星も地球も分け隔てなく大切に想う気持ちを持っている。~ そして地球圏を舞台に発生した本作の戦争においては、戦争の絶えない母星の只中で大切な人たちを失った過去から戦争を忌避していたが、戦いの中で第2の故郷である地球を守るべく戦うという自分なりの信念を確立して成長していき、本作のヒロイン格として人気を集めた。~ クロスオーバー方面でも、境遇を同じくする『ガオガイガー』の天海護や戒道幾巳などと積極的に絡んでいる。 #endregion -「サイバスター」「ヒュッケバイン」「グルンガスト」と並ぶ人気ロボット「ゲシュペンスト」が登場しており、サブ主人公の乗機として活躍する。 --これに伴い、サブ主人公の扱いも、前作、前々作と比べて向上している。 -『V』『X』の主人公とその仲間達が参戦するというサプライズ要素も存在する。 --本編においては1話限りかつ隠しシナリオ限定だが、エキスパンションシナリオでは、序盤から加入し、終盤まで役立てられる。 ---- **賛否両論点 -「ヴェルビン」の必殺技である「ハイパーオーラ斬り」がショウ専用となっている。 --このため、モーションの中に『ダンバイン』においてショウが生身で「バーン・バニングス」と刺し違えたものが再現されている。またヴェルビンは「シーラ・ラパーナ」の手によってショウに託されたものとなっているため、ショウの乗機という扱いはストーリー上においても自然なものとなっている。 ---その一方で、『X』同様「ビルバイン」の「オーラシュート」もショウ専用なので、片方のポテンシャルが発揮しきれない事を惜しむ声があった他、プロモーション映像ではシオンがヴェルビンに乗っていたため、ビルバインをショウ、ヴェルビンをシオンが乗りこなす形での差別化も期待されていた。 -本作では一部のパイロットにカットインの動きに合わせたボイスが採用されており、これ自体は新たな試みとして評価し得るのだが、このカットインに合わせたボイスが一部カットインのない部分に流用されており、不自然な間を生み出してしまっている。 --カットインが出てから喋るまでの間が長いアムロやトビアが顕著な例。 //-隠しユニット・パイロットがガンダム系に偏っている。 //--一部ユニットの早期加入や過去作主人公達がスポット参戦するシークレットシナリオ等はあるものの、条件を満たさないと加入しない隠し要素はほぼガンダム系であり、例外は「ブラックマイトガイン」や「カルロス」の精神コマンド追加くらいである。 //---もっとも、前作では条件が必要だったトッドも無条件に加入するほか、かつてのスパロボだったら隠し扱いの可能性が高いランティスやイーグル、ヴェルビン、真ゲッタードラゴン((実際、後者2つは開発当初は隠し扱いだったものの、発表時の反響が大きかったことから無条件参戦になったと寺田Pは語っている。))などがフラグ無しで確実に加入するなど、作風の変化が影響しており、それがいい方向に働いている部分も少なからず存在している。 //XはビゾンとかマジンガーZEROとか、トッド、ガンダム以外のメンバーも加入するので… //条件を満たさなくても加入できるユニットが多いなら、特に問題にはならないのでCO。 -『Gガンダム』関連 --ドモンは『[[IMPACT>スーパーロボット大戦IMPACT]]』以来実に17年ぶりにボイスが新規収録され、それ以外のメンバーもウォンなど一部を除いて新録が追加された。中断メッセージにもドモンらシャッフル同盟のメンバーが初めて参加している((これまではアレンビーやストーカー、本作不参戦のキラルくらいだった。))などアフレコ面では力が入っている。 ---一方で、ゴッドガンダムの一部の必殺技において過去作からの流用ボイスと本作の新規ボイスが混ざって使用されている。新旧ボイスの混在自体は他のキャラにもあるが、ドモンの場合は担当声優である関智一氏の現在の声質が過去の収録時と比べて大きく変化していることと、併用の仕方が上手くいっていないこともあり、続けて聴くと違和感を感じやすい。 ---新録自体は快く思われている。ドモンについては『IMPACT』での追録もあるが、それらに比べればマシとも。 //---東方不敗を演じる秋元氏も変化をよく指摘されるが、ドモンと比べれば掛け声等は放送直後の新スパのものを流用するなど、それぞれで使い分けているため、余計に中途半端にドモンのボイスを併用していることに対する不満は多め。 //ドモンや東方不敗だけ指摘されてるわけでもないだろうに。昨今のジュドーとかカミーユよりむしろマシ。 //ジュドーとカミーユを引き合いに出されたら流石にドモンのそれを問題としないのはおかしい、新録の問題というより使い方の問題ですし。ジュドーはむしろ復活参戦時点で他ゲームと比べて大分マシになってたような。 //百歩譲ってドモンは認めるにしても、師匠まで引き合いに出す事ではない。 //師匠やストーカーの演技に関しては、秋元さんが既に70代であることを考慮すると仕方ないからね… //--また、アレンビー以外のキャラも過去作の音声が流用されているため、よくよく聞くと古いボイスは音質が籠っていることが分かる。声質の変化に関してはそれほど違和感が無い。 //よく聴かないと分からないのであればわざわざ書く必要もないと思う //--シャッフル同盟の強化形態がこれまでのスパロボシリーズと同様に「スーパーモード」表記のまま((勘違いされがちだが、他のシャッフル同盟の金色形態も本来はハイパーモード扱い。))。 //---他のゲームでは本編と同様に「ハイパーモード」表記となっている。彼等の超必殺のBGMが「燃え上がれ闘志」のままなのも本編のそれと噛み合っていない。同曲の使い道を見出したいと思われるが…。 //「A」や「R」、「J」など、スパロボシリーズでは基本的にスーパーモードってことになってる。 //それが問題って話ですが。 //それが問題なら、なんでAやR、Jの問題点に記されてないんですかね。 #region(終盤のネタバレ) --本作では時系列は原作終了後だが、『ガン×ソード』とのクロスオーバーによってレインが再びデビルガンダムの生体ユニットにされてしまい、最終話の再現が行われることになる。~ その中で、序盤から中盤にかけてドモンとレインに距離が空くシーンがあり、再度レインへの告白イベントが発生する。イベントの流れもきちんとアレンジが加えられており、「レインと心中する覚悟でパワーアップしたデビルガンダムに特攻をしかけようとするドモンを周囲が止め、「愛の奇跡をもう1度見せてくれ!」と後押しする」という熱い流れになっているのだが、最大の見せ場である「石破ラブラブ天驚拳」が使われない点には不満の声が聞かれた。~ 原作再現という意味では当然ではあるが、告白のセリフも一字一句原作と同じなので「原作終了後の時系列である本作では違和感がある」とする声も少なからずある。 //セリフ終了前の時系列と一字一句同じなのが違和感ありというのは実際に少なからず聞かれる意見なので復帰。 --またレインへの告白のセリフはDVEではなく、デビルガンダムへの止め演出を兼ねた戦闘デモ中で流れるため、「愛の告白をしつつ石破天驚ゴッドフィンガーでレインごとデビルガンダムを握り潰すドモン」というツッコミどころのある構図になってしまっている(作中でも他作品キャラに突っ込まれるため、こちらは狙ってやっていると思われるが)。 #endregion -『マジンガーZ』の戦闘アニメについて。 --原作はスピード感のある戦闘シーンに加え、「マジンガーZ」のほぼ全ての必殺技が披露されている事が最大の特徴になっている。一方で今作の戦闘アニメはローテンポで重量感を感じさせるものが大半を占めている。 ---良くも悪くもこれまでのスパロボにおけるマジンガーの演出に忠実といえるが、クオリティはともかく原作再現度に関しては高いとは言い難い。特に原作でとりわけ象徴的な、アイアンカッターを用いた格闘戦での見栄切りが再現されていない事に違和感を覚えた原作ファンは多い。 ---同作は『X-Ω』を経てからの参戦とはいえ、公開から1年2ヶ月という過去のスパロボシリーズで見てもかなりのスピード参戦であり、この辺りも制作期間を含めた弊害になったものと思われる。 ---武装の数が必要以上に増えるのは問題となり得るが、『[[MX>スーパーロボット大戦MX]]』等の過去作品では一つの武装の演出で複数の必殺技を連発することで、原作における技の豊富さの再現とユニットとしての使いやすさを両立させていた。また、本作においても「マジンガーZ」に「一斉攻撃」が存在している(これは劇場版の一シーンの再現でもある)。 ---また、終盤に解禁される超必殺技「超光子力ロケットパンチ」は、通常攻撃でありながら合体攻撃である「閃光の剣」や「シャッフル同盟拳」と同等の威力であるうえに、アニメーションも過去作のマジンガーの必殺技に劣らない派手な出来栄えで、この技を再現するために「リサ」にCVが採用される(中断メッセージにも登場している)など、優れた扱いとなっている。一方で、リサが普段着ではなく学生服を着ている。これは原作のあるイベントを再現したものだが、今作においては該当シーンの演出・展開が変更されているため、不自然と感じるユーザーもいる。 -『真ゲッター』の原作再現について。 --原作第1話~第3話をベースとしつつ第4話以降の機体も登場する形となり、シナリオがコンパクトにまとまっている点は評価が高い。 --一方で&bold(){號と渓は原作で主人公と重要キャラであったのにも関わらず、完全に存在が抹消されており一切登場しない。}凱、シュワルツ、敷島博士といった周辺の人物も一切出てこない。 ---原作も第1話~第3話と竜馬達旧ゲッターチームの人気が高いとはいえ、『V』から更に悪化した上記キャラ達の扱いについては難色を示す人もいる。 //--シナリオ上、真ドラゴンの加入と共に武蔵が離脱、弁慶が後を引き継ぐのだが、その流れが原作の様な単純な戦死ではなく、やや唐突。原作漫画版ゲッターロボシリーズ等での彼の立ち位置を考慮すると、必ずしも不自然とは言い切れないが。 //戦死ではないが唐突でもない。 -『レイアース』の原作再現について。 --主人公の3人が魔神のパイロットになるまでの展開がやや駆け足気味になっている((武器の作製に必要な「エスクード」を手に入れる為の試練が無く、プレセアが既に武器を作っていた事になっていたり、魔神との邂逅も3人まとめて行われる、など。))。他にも第2部に登場するセフィーロに侵攻してくる国のうち「ファーレン」と「チゼータ」や、その出身者が登場しない。 --もっとも、魔神入手までの原作を再現しきってしまうとレイアースの入手がかなり遅くなってしまう。元々ロボの登場自体がが遅めであるため、スパロボ側に無理なく組み込むためには改変も付き物であることを考えれば妥当ではある。評価点にあるようにシナリオ上の扱いは悪くなく、クロスオーバーもしっかりしている。~ セフィーロ以外の他国が登場しないことについてもストーリー構成上の都合とも考えられる。 //--第2章のOPテーマであり人気が高い「光と影を抱きしめたまま」のアレンジBGMが存在しない。台詞内の歌詞ネタや一部戦闘アニメ内のOP再現などはあるだけに惜しむファンも多い。 //---限定版では原曲が収録されており、PS4版はカスタムサウンドトラック機能が健在なので代用は可能。Switch版の通常版ではゲーム中で聴く手段が無い。 //ビバップやアルカディアもそれぞれ一曲ずつしかないし、あえて取りざたされることではないだろう。逆に、これで入れてたら他より贔屓されてるってことでやはり問題になる気もするし。 ''「海」の地形が少ない'' -本作は『V』や『X』と比較すると、海が主となるマップが減少している。 --不自由を強いられることがない反面、海の地形適応を向上させる強化パーツ「アクアモジュール」や、「真ゲッター3」のような海に特化したユニットの用途が乏しいことが残念がられている。 //海の扱いが悪いのは本作に限ったことではない //問題が解消されていないということでは?と思ったので復帰、IMPACTみたいなのもあるし、あれはあれで問題だけど。 //どちらにしても問題なら、わざわざ書く事ではない。 //いや、明らかに減ってはいるので、書いてもいいレベルではあると思う。ただし、OGシリーズでは逆に、海が主となるマップが多いことが問題扱いされてるので、賛否両論がベターだろう。(不自由が少ない事が賛、海に特化した要素を活かしづらい点を否とする) //-男性主人公であるサイゾウの「恋愛に疎い」という設定も、ドモンやヴァン、アキトといった自身に愛情を抱く相手に対して強い責任感を持った版権キャラクターが多い本作においては無責任に映りがち。 //性格に対して無責任と言われても困るような //-本作のラスボスについて //#region(ネタバレ) //-本作のラスボスは昨今のシリーズに珍しい、生身の地球人であり、更に主人公らが所属する部隊の支援者で自らの目的のために裏切り行為を働いて敵として立ちはだかるという意表を突いた設定になっている。 //--しかし、そのキャラ造形は一言でいえば「年甲斐もなくヒーローごっこに酔いしれ、幼稚性と独善性に凝り固まった大人」。戦闘中に反発した部下や部隊の仲間、果てはその目的を知った一般人たちからすらも壮絶なブーイングを浴びせられ、そのショックと動揺でステータスが低下して弱体化する・・・など、ラスボスとしてはどうにも威厳のない有様。 //---地球圏内を舞台としたストーリー展開には似合っており、定番化していた人知を超えた超常的存在のラスボスとはまた違った、コミカルな展開がユニークで新鮮ではあるが、この点については賛否の声も少なからずある。 //#endregion //別にラスボスに威厳がないといけない事もないと思うが…強いことは確かだし、ネバンリンナやエンデも逆転される時は情けなさが見られるところもある。 ''武装数について'' -問題視された前作の『X』に比べると全体的に増加しており、新規参戦作品のユニットは十分な数の武装が搭載されている。また、評価点に記された通りアニメーションの出来は良好。 --一方で、以前と比較すると量より質を重視する傾向は変わっておらず((MX以降で見られる、複数の武器を使ったアニメーションが存在するなど))、本作も復帰枠の機体の武装欄がやや寂しいという声もある。 //賛否両論らしくまとめた。ただし、新規参戦作品のほうはそれこそ過去作と変わらないだろう。例外は魔神ザガートとFTOだろうが、元々敵陣営に近かった機体は、それこそMX以前から武装数は少ない傾向にある。 ---- **問題点 ''『楽園追放』関連'' -通常版では『楽園追放』のBGMが一切収録されておらず、戦闘曲もオリジナルのものがあてがわれている。過去作にはガンダムシリーズやマジンガーシリーズなどのBGMが関連作品のものに統一されていることこそあったものの、本作のように関連曲が一曲も使用されないという例はコンシューマーでは『[[学園>スパロボ学園]]』を除き存在しない。 --作品のBGMに「戦闘に向いた曲」が存在しなかったのは事実だが、主題歌のアレンジすらないのは前代未聞である。 ---これは原作の楽曲がJASRACに信託されていない事による都合とする説がある(JASRACに信託すると、大きな税金を取られてしまい作曲家への収入が激減するためであり、その事を考慮して信託しなかった、とのこと)。 ---一方で主題歌はJASRACに信託されているが、そちらも採用されなかった。転調までが長く、転調前はスローテンポな曲であったためかと思われる((もっとも、『第2次α』で採用された『ガンダムW』の曲のように、転調まで2分近くある曲も過去には存在しているのだが。))。 --PS4版はカスタムサウンド機能があるため、作品のサウンドトラックを所持しているならば自力で対応させることも可能だが、サウンドトラックは作品の限定生産版DVD/BDにしか入っていないため、導入難易度が高い。 --なお限定版には主題歌の原曲が収録されている。 -原作でアンジェラと激闘を繰り広げた3人娘(クリスティン、ヴェロニカ、ヒルデ)も登場していない。 --原作ではモブ程度の登場にとどまっているものの、アンジェラが対峙した数少ないパイロットである事は確かで、原作でもメインとなる最終決戦の相手だけに、登場しないのを残念がる声が聞かれた。小説版ではクリスティンはアンジェラのライバルキャラ扱いを受けているため、その要素を拾って欲しかったという意見もある。((実際、過去の参戦作品には小説版や漫画版などの派生作品のネタを取り入れた例も少なくない。)) #region(ネタバレ) --楽園追放出典の敵であるシステム保安要員(モブの一般兵)との戦闘もアンジェラ脱出後の中盤ステージに一度あるだけで特に決着を付けることなく終了する(マップ上でのシステム保安要員の台詞は無い)。ディーヴァ保安局ともその後は直接関わる機会はない。 ---ただし原作においてもフロンティアセッターを無事送り出したが、ディ-ヴァ保安局は以前健在という描写で終了する為、再現的な意味では問題はない。続編小説においてもその小説の事件が起きるまではアンジェラはディーヴァから逃げ続けており、関わりはない。 ---システム保安要員が搭乗するアーハンとはオープニング戦闘デモでは地上で戦闘している事もあり、もう少し戦闘機会を増やしてほしかったという声もある。 #endregion //これを言い出すと、ガンソのミズーギィやカウボーイビバップのグレンなども取り沙汰されることになり、キリがなくなるのでCO //ろくに対戦相手いないのもあるけど、ガンソで言ったらオリジナル7、ビバップで言ったらビシャスレベルなんだが。 //少しフォローしといた。 ''『カウボーイビバップ』関連'' -本来ロボットアニメではない事が響いたのか、原作再現については他の参戦作品と比較すると不十分な面が目立った。 --スパイクの話において最重要人物の一人である「ジュリア」は登場せず、「ビシャス」の対決が分岐ルートのみしか登場しない(CVもついていない)。そのため原作未見のプレイヤーにはなぜ女性の問題になるとここまで積極的に協力してくれるのかがわかりづらい。 ---一方で「トゥインクル」や「東風」といった一話きりのゲストが共通ルート・DLCシナリオで登場する。普通、逆ではないだろうか。 --ジェットは元刑事という立場でかつての人脈を使って情報を得るということもなく、フェイはDLCにおいて記憶絡みのシナリオはある物の、メインストーリーにおいては金に執着する理由が一切語られない。その為、原作でスパイクが言っていた「ただの金にうるさいハネッカエリの女」以上のキャラ設定が再現されず、自軍キャラから非難されることも多い。もっとも、本作においても性格を抜きにすれば自軍の役に立つ事も多く、中盤までの再現であれば間違っておらず、終盤以降は粋な言動を見せる事も少なくない。 //フェイの記憶絡みはDLCシナリオで一応語られている //原作を再現するどころか改悪してるKと同列に扱うのはいくらなんでもやりすぎ。それと、クロスオーバーに関しては残念ではないので評価点に記載。 //Kに関してはガンソで褒めるのに使ってるから同様に使ったんだけど。悪いとこの改善のだしに使うのは良くても、同様に酷い物ノダシに使うのはダメなのか?正直、キャラの一部分しか描写しないせいでダメなキャラに見えるって意味じゃKのガラガレベルの話だぞ、これ。 //Kのガラガは、正直全く見せ場ないけど、今回のフェイはカギ爪とかDr.ヘルとか、終盤の敵との戦いにおいてはシビアながらも粋な面を見せてるし、さすがにダメだろう。 //横から失礼。ゾイド未見なんだけど、原作のガラガも、味方が倒れた矢先に宴会を企画しまくったり、裸踊りを披露したりするのかな?もしそうならフェイも同じという事になりかねないかと。ただ、ガンソに関しては、Kは「原作より改悪」されていたのに対し、こちらは「原作の悪い部分がピックアップされてしまってる」だから、ガンソを引き合いに出すのはまずいかと。 //というか、フェイの守銭奴は、ある意味原作の魅力でもあるような気はするけどなぁ。それこそクロウみたいなイメージで、それを踏まえてのキャラ付けやストーリー展開が楽しかったし、本作においても、金目当てながらも味方の助けになるシーンとかあったし。もちろん、その理由がフォローされてないのがまずいというのは頷けるけど。 //↑言いたいことはわかる。けどあまりにもビバップはキャラの原作の魅力を活かしたシナリオ描いてるとは言いきれてないし、しかもよりにもよってそれが主要キャラで、むしろチボデーのした東風の方が強烈だったくらいだから知らないプレイヤーからみたらなんだこの女って印象になるのも仕方ないと思うぞ #region(エンディングのネタバレ) -ラストもスパイクがエンディングにおいて生死不明(原作を踏襲すると死亡してしまうが)で終わってしまうなど、他の新規参戦と比較すると不完全な結末となっている。 --『X』におけるナディアのように「シナリオデモの中だけでも原作の終盤における対決を演出したうえで生き残る」などといった、いわゆるスパロボ補正を期待していた原作ファンも多かった。 --後にエキスパンション・シナリオにおいて自軍に復帰したが、ビシャスとの決着は見られずじまいだった。 #endregion ''出撃枠の問題'' -出撃枠が従来より厳しめ。 --同じ単独出撃の『V』や『X』もボスに対して戦闘前会話が存在する主役級のユニット20機ほど((強制出撃となる戦艦以外))に対して出撃枠17の期間が長かったが、終盤に出撃枠が24となるまで中々余裕が出なかった。 --一方で本作は主役扱いされるユニットが多く20機を超えている。それ自体は評価すべき点だが、肝心の出撃枠は『V』や『X』と同じく17(終盤は24)となっており、さらに厳しくなっている。加入ユニットが充実しているのが裏目に出たパターンとなる。 //---加えて、終盤に3人((エキスパンション・シナリオでさらに5人))の主役扱いされるユニットが加入するため、『V』や『X』と違い、終盤になると出撃枠に余裕ができるということもない。そのため出撃枠の不足を特に感じやすい。 //主役ユニットってまさかシャアやハマーンじゃないよね。彼らは主人公クラスのユニットが戦闘前会話に出てるときもしゃべらないこと多いし、ここに入れるのは適当ではないかと。残り一人もわからん。 //シャア、ハマーン、東方不敗のつもりだったけど確認してみたら初戦闘時とかの会話で主人公クラスとしては扱われてなかった。エキスパンション・シナリオのソウジ、チトセ、ヴェルト/ロッティ、イオリ/アマリ、マサキも微妙なラインか。 //東方不敗はそもそも隠しパイロットなので。Vでのヴェルト、ロッティや、Xのマサキも、あくまでゲストという扱いになってるから、これが当てはまるなら本作のサブ主人公も主役機扱いになってしまうし、ちょっと違うかなと。エキスパンションでの、宗司、千歳やイオリ、アマリも、第3次αのゼンガーやアラド、アイビス、第2次Zのランド、セツコ、第3次Zのクロウみたいなゲストという形なので、ここで取りざたされるのは適当ではないと思う。 --「主役級のユニットでも思い切って使わない選択肢を取る」などプレイヤーの方針で割り切れば解決する問題ではあるが、「出撃していないため、ボスの発言に対して母艦の中から反論する」状況なども増加する難点がある。 -原作とは似ても似つかないSEが存在する。 --例えばガンダムシリーズなどは時代や作品によって大きく異なったりするが、マスターガンダムのマスタークロスなど、これまでのスパロボと比べるとまったく異なるものが当てられている機体がいる。 //聞いてみたけど、わかりやすいと言われながら全然わからなかった。念のためGoogleやtwitterなんかで「スパロボT マスタークロス」と検索したけど、どこにも音が変という意見は見られなかった。 //ごめん、いくつか発見した。ただ、正直原作をよく見てないとわからないレベルとは思ったので、その辺は追記しておく。 //原作ありきのキャラゲームでその言い草は無理がありすぎる。仮面ライダーの記事とかも見ればわかるけどSE違いはずっと問題視されているし、あるって認めたなら素直に書け。 //多いと言っときながら一つの例しか上げないのも無理があるので訂正。 ---- **総評 過去作の主人公の登場や、本作のリリース後に三部作と明かされた事で、『V』、および『X』と合わせた三部作のトリを務めた作品。~ 旧シリーズやαシリーズを思わせるオーソドックスな世界観であり、王道な展開を楽しむ事ができる。~ 好評を博したシステムもさらに進化しているため、参戦作品のファンはもちろん、スパロボらしいスパロボを好む人にもお勧めな作品である。 ---- **余談 -ブライト・ノアは『逆襲のシャア』からの参戦扱いだが、担当声優は故・鈴置洋孝氏から、『[[機動戦士ガンダムUC]]』以降の後任である成田剣氏に変更になった。 --すでに『X-Ω』の戦艦カットインで同様の変更があった。元より成田氏の演技が非常に好評を得ているため、大きく問題視はされてはいないが、「せっかく『逆シャア』の出典ならライブラリ出演でも…」という声もある。 //-2010年代のスパロボは本職声優ではない芸能人が声を担当したキャラの声を本人が担当する例が増えているが、本作でも『マジンガーZ』のあしゅら男爵(男)役を宮迫博之氏((2019年6月に闇営業に関する不祥事が発覚したため、今回収録された音声が今後も使用されるのかを含め、以後のスパロボに参加できるかは危ういが。実際、その後発売されたスパロボ30では本職の声優である竹内良太氏に変更されている。))、『レイアース』のデボネア役を高畑淳子女史((現在は女優としての活動にほぼ専念しているが、80~90年代は女優業の傍ら声優としても活躍してきた実績を持つ。))が担当した。 //特に消す必要もない。必要あるなら理由書いて。 //単純に原作でそれぞれの声を担当したのが宮迫氏と高畑氏だっただけなので特筆するレベルではない。 -キャプテンハーロック役の井上真樹夫氏は本作が遺作となった。 --また、キンケドゥ・ナウ役の辻谷耕史氏、ジェット・ブラック役の石塚運昇氏、ブロッケン伯爵役の藤原啓治氏は本作がスパロボ最後の出演作となった。 //井上氏はTが声優としての最後の出演だったことが明かされているが他の面々は遺作かどうかは不明。 -『楽園追放』のクレジットが、何故か他の東映作品よりも離れている(『レイアース』『ガンソード』の後)。確かに東映アニメーションプロデュースの外注作品((3Dアニメーション制作はグラフィニカ。また、演出部門の内製化が進んでいる東映アニメーションの中で、水島精二監督など外部の人物がメインとなって製作している。))という雰囲気が強い作品ではあるが。 -『楽園追放』といえば尻が有名((アンジェラの等「尻」大マウスパッドが公式で作られて販売されている程。))なアニメであり、最終的に追加される必殺技にでも「尻カットインが追加されるんじゃないか」と期待した原作ファンもいたが、残念ながら本作の戦闘アニメでは実装されなかった。あったらあったでCEROにまで影響が出てきていたかもしれないが。 -公式サイトのURLをよーく見ると…? --本作のTは地球のラテン語表記である「Terra」の略で、キャッチコピーは「命を賭けて護るべき故郷…それは地球だ」なのだが、URLは「それはテラだ」でなく、「それは寺田」になっている(「r」が1個足りない)。 ---「T」は寺田Pのイニシャルなので本来使うのを回避していたが、P本人が冗談のつもりで仮タイトルを「T」としたら、スタッフからは逆に「寺田Pがついに「T」をスパロボに使った」と本気で受け取られ確定してしまい、公式サイトも悪乗りしてこのような仕様に。 -主人公機「ティラネード」にしても「ティラネーダ」という案があった模様。略して寺田。 --その寺田Pによると、本機体のメカデザイナーである天神英貴氏からとった「テンジン」という案もあったとの事。 -本作のリリース後、シリーズ作品の過去作である『V』、『X』も、Switchに移植されたほか、Steamでもプレイできるようになった。ただし本作は、Steamには対応していない。
''このページはVer.1.03(2019年5月23日更新)を基準にしています。'' //大型DLCである「エキスパンションパック」関連の執筆は、リリースから3か月後の9月27日よりお願いいたします。 *スーパーロボット大戦T 【すーぱーろぼっとたいせんてぃー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B07L9YS8L4)&amazon(B07LB1572J)| |対応機種|Nintendo Switch&br;プレイステーション4|~| |発売元|バンダイナムコエンターテインメント|~| |開発元|B.B.スタジオ|~| |発売日|2019年3月20日|~| |定価(税別)|通常版:8,600円&br;初回限定版:12,600円|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|Switch初且つ平成最後のスパロボ&br()テーマは「企業」と「海賊」そして「復讐」&br()オーソドックスながらも練られた世界観&br()素材を活かした優れたシナリオ&br()超上級者向けの「スーパーエキスパートモード」が追加|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気キャラクターゲームである『スーパーロボット大戦』シリーズの一作品。~ 外宇宙や平行世界への旅を描いた前々作『[[スーパーロボット大戦V]]』や異世界を舞台とした前作『[[スーパーロボット大戦X]]』とは対照的に、「セフィーロ」や「アストラギウス銀河」といった異世界・外宇宙要素こそ健在だが、基本的には太陽系の内おける戦いが中心となっている。 本作ではPlayStation Vitaに代わり、Nintendo Switchが新たに対応ハードに加わった。メーカーの異なるゲーム機でのマルチプラットフォームで発売された初のスパロボである。~ Switch版は本体の仕様上カスタムサウンドトラックには非対応だが、代わりに携帯モードとTVモードを切り替えてどこでも遊べるようになっている。 ---- **ストーリー >かつて、地球圏の人類が外宇宙の進出に積極的であった時代……『黄金の時代』と呼ばれた数十年間の輝ける時代は、~ 正体不明の外宇宙生命体『宇宙怪獣』の脅威をはじめとする様々な要因で終わりを告げた。~ 外宇宙の過酷な現実を前に敗北を喫し、生存圏を太陽系内に押し留められた人類は生きる情熱と夢を失い、~ いまや様々な争いの舞台と化した地球圏の中で、退廃と諦めが支配する『黄昏の時代』を迎えていた……。~ ~ そんな暗い時代の中、人類は新たな戦いを迎えようとしていた。 ---- **参戦作品一覧 #region() ★マークは新規参戦作品。 -無敵ロボ トライダーG7 -聖戦士ダンバイン -New Story of Aura Battler Dunbine -機動戦士Ζガンダム -機動戦士ガンダムΖΖ -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン -機動戦士クロスボーン・ガンダム -機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート -機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人 -機動武闘伝Gガンダム -装甲騎兵ボトムズ -装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー -装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル -勇者特急マイトガイン -勇者王ガオガイガー -★カウボーイビバップ -トップをねらえ! -劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- -真ゲッターロボ 世界最後の日 -劇場版 マジンガーZ / INFINITY -★わが青春のアルカディア 無限軌道SSX -★魔法騎士レイアース -ガン×ソード -★楽園追放 -Expelled from Paradise- -本作の新規参戦では、『カウボーイビバップ』『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』と、ロボットが一切登場しない作品枠が二つに増加した。また、少女漫画が原作で、かねてから参戦が望まれていたとされる『[[魔法騎士レイアース>魔法騎士レイアースシリーズ]]』がようやくの参戦を果たしている。 --また、『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』の初参戦はソシャゲの『スーパーロボット大戦X-Ω』での期間限定参戦((ストーリーは劇場版の本編開始前。また、参戦機体もマジンガーZ(ボイス付き)とグレートマジンガーのみで、敵などは一切登場しない。))だったため、実質的な参戦は今回が初と言える。近年のアニメ作品が従来のゲーム機向けシリーズに参戦するまでは最低でも2~3年のスパンがあったのに対し、今回は日本での劇場公開から僅か1年弱のスピード参戦となった。 #endregion ---- **評価点 ***システム ''デモムービー再生機能の復活'' -前作『X』ではアニメーションのデモムービーが復活したものの、視聴方法がマップ中のイベントのみに限定されていた。今作ではライブラリで一度見たムービーをいつでも再生できるようになっており、問題が解決されている。 ''「ファクトリーシステム」「サブオーダー」の強化・改善'' -『V』『X』で好評を博したこれらの要素が「サイドプラン」に統合され、内容も大きくパワーアップした。 --「スキルルート」が「スキルラーニング」に変更され、基本となるスキルは全て最初から修得できるようになった。また「ラッキースター」などレベルを上げる事で強化される技能も追加されている。 ---要するに近年のゲームの主流であるツリー解放型の成長システムから、オールドスクールなスキル購入型の成長システムに先祖がえりしてしまったというところなのだが、スパロボのスキルルートはキャラごとに個別ではなく部隊共有のものであったため、キャラによって成長の方針は大きく変わるから結局ツリーはまんべんなく解放しないとならず、ツリー型の成長システムの面白味が生かし切れてないという批判が前々からあった。 ---キャラごとに個別のツリーを用意するという方向性をとれば奥深いものになるのだろうが、カジュアルなプレイヤーも多いスパロボではそれは採用しにくいということもあって、あえてツリー型を撤廃する判断をしたのだと思われる。 --「サブオーダー」は受注できる人数が増えたうえ、出撃したパイロットも利用可能になった。さらに特別な条件を達成する事で「スペシャルオーダー」と呼ばれる特別なオーダーを一人だけ受注可能になる。これは能力が大幅に上昇したり、撃墜数や資金を稼げたりと、非常に優れた効果を持っている。 ''サポーターコマンドの追加'' -「S-SP」と呼ばれるポイントを消費することで、非戦闘員による特殊なコマンドである「サポーターコマンド」を実行できるようになった。 --「S-SP」は部隊全体で管理されるため、「精神コマンド」と比較すると使用回数は大きく制限されているが、その分強力な効果を持つものが多い。 --キャラクターが増えたり、意識を新たにすることでより強力な効果に変化することもあるなど、ストーリーの盛り上げにも一役買っている。 //制限がある事はこちらでも書かれているので、とりあえず使いづらいというのは削除。 ''戦闘アニメーション'' -スパロボにおいてはいつもの事ではあるが、本作も戦闘において展開されるアニメーションは、新規参戦作品を中心に好評を博している。 --『レイアース』は少女アニメらしく可憐な姿を活かしたものが多く、『カウボーイビバップ』ではオープニングアニメーションを流用するという少々風変わりな手法を楽しめる。『無限軌道SSX』のアルカディア号も、『V』のヤマトや『X』のノーチラス号に負けず劣らずの再現度が好評。 --前作で演出が分かりにくいとして賛否両論であった「Hi-νガンダム」の最強武器である「オールレンジ・アタック」のトドメ演出が変更されて分かりやすい演出になった。 ''難易度の調整'' -前作までは、敵陣営では限られたパイロットしか獲得できなかったエースボーナスが、汎用的パイロットを含めた全員が獲得するようになった。 --これは「敵のレベル=撃墜数」となっている事と、前作までは終盤に差し掛かっても敵パイロットのレベルが60以上に到達しない事が原因となっていた。本作では最終的に敵のレベルが80前後にまで到達するため、終盤では全ての敵がエースボーナスを獲得。難易度の調整に一役買うと同時に、より深い個性を楽しめるようになった。 --ボス敵のエースボーナスも、「特定のパイロット以外の敵に対して命中率、ダメージが強化される」など、原作に即したユニークなものが従来より多い。 -2019年5月23日にリリースされたパッチ1.03を適用する事によって、エキスパートモードを遥かに凌駕する難易度の「スーパーエキスパートモード」を遊べるようになった。 --敵機体の改造段階が5段階、敵パイロットの撃墜数が60増加する。これによって、最初から全ての敵がエースボーナスとカスタムボーナスを獲得した状態になる。さらに最終盤になると、敵パイロットのレベルが他の難易度より20上昇する。周回ボーナスを使用しなければクリアは困難を極めるが、あえてボーナス無しで挑戦する猛者もいる。 -さらに、同日にリリースされたエキスパンション・シナリオでは、「ベーシックカスタム」「スーパーカスタム」「ハイパーカスタム」という三つのランクが用意されており、ただでさえ高い難易度をさらに高めることができる。 --ハイパーカスタムを選択した際は、ザコユニットですら本編におけるボスを上回る性能を有することになり、改造や精神コマンド、サポーターコマンドなどを駆使しても全滅させられることもある。この要素は、高難易度を求めるユーザーに好評を得た。 ''UIの改善'' -戦闘前の確認画面において、攻撃が命中すれば必ず撃墜となる状況だと「Shoot Down!」と表示されるようになった。 --この表示により戦術を組み立てやすくなった。ただし特殊防御などは考慮していないため、あくまで目安である。 //クリティカルが出ようが出まいが撃墜される状況なので、特殊防御のみではないだろうか。 ''音質の向上'' -音声圧縮形式がSONY独自の形式から変更され、音質が向上した。 //Switchでもソフトが開発されたためか、 ''イベント専用の一枚絵の増加'' -『X』では一部だけ使用されていたシナリオデモ上における専用の一枚絵&立ち絵が大幅に増加した。 --原作のワンシーンを再現したものはもちろん、「お互いの武器を構えるジョルジュ&エメラルダス」「スパイク&ハーロック」のように作品の垣根を超えたものなど、''原作には存在しない''ものまである。 ---中でもアキトとユリカの再会シーンはゲームオリジナルのDVEも付いており、ナデシコファン感涙ものとなっている。 ---DLCシナリオでしか見られない一枚絵も存在する。 ***シナリオ ''新規参戦関連'' -本作の目玉作品となる『レイアース』は、加入時期こそやや遅めだが、本作の物語の根幹に深く絡んでいる。 --舞台となる異世界「セフィーロ」がOVA版『ダンバイン』の「バイストン・ウェル」と繋がっており、三人の魔法騎士と「シオン・ザバ」が深く絡んでいる。異世界転移ものの先駆けである『ダンバイン』のキャラクター達の薫陶を受け、魔法騎士達は大きく成長していく。 --敵勢力も同様で、「ザガート」や「デボネア」が「ショット・ウェポン」および「ラバーン・ザラマンド」と結託しているほか、デボネアはセフィーロのみならず全ての世界の負念の集合体となっており、『トップをねらえ!』の「宇宙怪獣」と並ぶ本作最大規模の強敵として君臨している。 --仲間の一人である「ランティス」が、本作オリジナルとなる機体「魔神ランティス」に搭乗して参戦。原作同様魔法騎士以上の実力をもって自軍に大きく貢献してくれるだけでなく、ユニット改造を施すと本作でも屈指の強さを発揮する。 --ランティスの友人にしてライバルの「イーグル・ビジョン」は、原作漫画では昏睡状態、アニメ版では戦死という末路を辿っていたが、本作ではまともな状態で生存する。 -『無限軌道SSX』は、敵組織である「イルミダス軍」のポジションがオリジナル敵組織である「UND」に置き換えられているが、ライバルである「フェーダー・ゾーン」との因縁が丁寧に描かれている。 --主人公である「キャプテン・ハーロック」が宇宙海賊であることから、同じ宇宙海賊のポジションである『Gガンダム』の「アルゴ・ガルスキー」や『クロスボーンガンダム』の「キンケドゥ・ナウ」と提携していたり、かつて戦艦に携わった同士として『逆襲のシャア』の「ブライト・ノア」と親交があるなど、クロスオーバーも巧みなものに仕上がっている。原作再現は最低限に留まっているが、自らの道を躊躇せず選ぶ様は多くの人物に感銘を与えるため存在感は極めて大きい。『カウボーイビバップ』の主人公「スパイク・スピーゲル」との対峙も必見。 -『楽園追放』は、技術が進歩していながらも世界観が荒廃している『ボトムズ』とのクロスオーバーが随所で見られる。 --同じ「アストラギウス銀河」を舞台としているほか、主人公の「アンジェラ・バルザック」は上層部である「ディーヴァ」から「キリコ・キュービィー」の調査を指示されており、ディーヴァ自身も同じくコンピュータによる管理者である「ワイズマン」と関わりがある。更にアンジェラの人格形成に「ディンゴ」や「フロンティアセッター」だけでなくキリコやその仲間達も携わっているなど、『ボトムズ』の外伝と言ってもいい程の馴染みぶりである。 --またアンジェラはゲーム中でグルメに目覚め、他作品の料理関係者と絡むようになる。これは原作における「飲食に興味のなかったアンジェラが地上の料理を食べるようになる」描写を膨らませたものであり、DLCではそれが主題になっているステージまで用意されている。 -『カウボーイビバップ』もクロスオーバー・性能面ともに優遇されている。 --シナリオでは「黄昏の時代」と呼ばれる混沌としている社会で生き抜く賞金稼ぎの視点による見解が描かれており、いわゆる「正義の味方」が多い自軍の中において、シビアな面を見せてくれる事が多い。また「エド」は子供同士の触れ合いや、天才ハッカーである点が多く描かれており、『楽園追放』のフロンティアセッターの存在をいち早く見抜いている。 --ユニット性能も、スパイクの資金稼ぎ性能に加え、乗機の「ソードフィッシュII」は機動性に優れ、改造すればスーパー系に肉薄する威力を持つ((武器改造の効果が一番高いうえ、バージョン1.03以降は最大改造での威力上昇が他の機体より1000も高くなった。))必殺技を持つなど使い勝手が良く、スパロボシリーズの戦闘機の中ではトップクラスの性能を誇っている。 --スパイクの相棒「ジェット・ブラック」は本作発売前年に亡くなった石塚運昇氏が生前に収録を行っていたため、「声付きで登場しないのでは…?」と不安視していたファンを喜ばせた((中断メッセージには収録が間に合わなかったのか登場していない。なお同じく石塚氏が担当していた『マジンガーZ』のDr.ヘルは谷昌樹氏が代役を務めた。))。 ''既存作品関連'' -『ガンダム』『ゲッターロボ』『マジンガーZ』と、[[初代>スーパーロボット大戦]]より参戦し、現在もシリーズに大きな影響力を与えている「御三家」の主人公である「アムロ・レイ」「流竜馬」「兜甲児」が、シリーズで初めて全員20代の設定で共演した((20代の甲児は『INFINITY』にしか登場していないため。))。 --いずれも10年近くに渡って戦い続けてきたベテランで、一年戦争や「Dr.ヘル」との戦いを共に潜り抜けてきた事から強い信頼を抱きあっている。思い出話に華を咲かせて笑い合う様は、旧シリーズのユーザーから感慨深いものがあると絶賛された。 --また「竜馬や甲児と軽口を叩き合う」「フィン・ファンネル使用時に武装名を叫ぶ事((原作では使用時に武装名を叫んでいなかったが、アムロ役の古谷徹氏の要望により武装名を叫ぶようになったらしい。SFCの旧シリーズの時点で「フィン・ファンネル!」と叫ぶアムロが確認できる。))に本作独自の理由付けがされる」など、スパロボにおけるアムロの新しい一面が描写されたことには評価が高い。 -『[[ゲッターロボ大決戦!]]』に登場する「真ゲッタードラゴン」が初めて参戦した。「『真ゲッター』の真ドラゴンが変化したものである」という本作独自の扱いになっており、「真ゲッターロボ」から本機に乗り換えるシナリオでは「ゲッターチーム」と「早乙女博士」の熱いやり取りが見られる。 --登場作品は前作・前々作に登場したマジンエンペラーG同様『ダイナミック企画オリジナル機体』名義となっている。実際、使用している武装は「真シャインスパーク」を除いて『大決戦!』とは大きく異なっている。 -『ダンバイン』は後述するOVA版『ダンバイン』との兼ね合いから、「オーラバトラーによる戦乱が本編開始から700年前である」という設定が付与された。地球人からは一種の都市伝説として認識されているが、「チャム・ファウ」が唯一地上に残された設定が、強化パーツに「1/1チャム人形」が製作されている事に活かされている。 --登場キャラクターたちは700年の時を経て転生したという設定となっており、セフィーロやバイストン・ウェルの動乱に一石を投じる役回りとなっている。 --近作では出番に恵まれなかった「アレン・ブレディ」が久々にパイロットとして登場。トッドとのライバル関係が大きく再現されており、今までになく良い扱いを受けている。 --設定および模型のみ展開されていた幻の機体「ヴェルビン」が、スパロボシリーズにおいて初参戦。設定も、デザイナーである出渕裕氏の考案したものに忠実になっており、戦闘アニメーションも非常に力が入っている。「たった二枚の資料((ヴェルビンは立体物としてROBOT魂でリリースされているが資料という資料は入手困難な上、全体像と図解を最低限示した2ページ分しかない。))でよくぞ…」と思わせる驚嘆の出来。 -OVA版『ダンバイン』は初参戦の『[[COMPACT3>スーパーロボット大戦COMPACT3]]』以来久々に、主人公であるシオンとライバルの「ラバーン・ザラマンド」、老人状態の「ショット・ウェポン」が参戦した。 --前作『X』を含む多くの作品では「サーバイン」や「ズワウス」といった機体のみの参戦に留まっていたが、本作ではシナリオの再現も行われており、原作ファンから喜ばれた。 --前述した『レイアース』とのクロスオーバーのほか、『ダンバイン』の「ショウ・ザマ」がシオンの転生元であるという設定が最大限に活かされており、シナリオにおける大きな見どころの一つとなっている。 -『V』以降の新規参戦作品では唯一の皆勤賞となる『マイトガイン』は、同じ企業系作品である『トライダーG7』や、同じ「[[勇者シリーズ]]」である『ガオガイガー』との共演が目玉となっている(勇者シリーズの共演はスパロボのコンシューマー作品では初となる)。 --クロスオーバーもこの点がピックアップされており、「旋風寺コンツェルン」と「宇宙開発公団」が提携しているほか、「竹尾ゼネラルカンパニー」ともしばしば共闘しているなど、組織同士のつながりが濃厚となっている。また、「勇者ロボ軍団」と「勇者特急隊」の隊員たちも、同じ「超AI」によって起動しているため、頻繁に交流する場面が見受けられた。 --敵組織においても同様で、『V』『X』で原作を再現しきった影響からか原作終了後設定になっているものの、「ブラックノワール」の行動理念が「ゾンダー」と密接に関わっていたり、オリジナル敵組織である「UND」に身を寄せていた「エグゼブ」が「ザ・パワー」を利用して悪事を企むなどの展開が見られる。 -『ガン×ソード』は久々、かつ初めての声付きの参戦で、いずれのキャラも魅力的に描かれている。 --主人公である「ヴァン」と、彼と同じく「黒衣の復讐鬼」である『ナデシコ』の「テンカワ・アキト」との会話は、二人の深い闇を現しており必見。また、アキトは「レイ・ラングレン」とも深い絡みを見せており、レイが自軍に参入するきっかけにもなった。 --以前の参戦時には空気の読めない言動ばかりが目立ち、最大の見所を他者に奪われてしまっていた「ジョシュア・ラングレン」は、本作においては兄想いであることを示すシーンが多数見られ、汚名を返上している。 --「プリシラ」は「主人公に片想いする同志」として『Gガンダム』の「アレンビー・ビアズリー」と見事な絡みを見せている。アレンビーは自身が身を引きつつもプリシラを後押しするなど、親友と言っても差し支えない間柄に落ち着いている。 --エルドラメンバーは「かつて地球のために各地を転戦していた」という設定で、『マジンガーZ』の「剣鉄也」の教官を務めていたり、『ガオガイガー』のGGGの上層部や『Gガンダム』の「東方不敗マスターアジア」と戦友であったりと、ある意味では原作以上の存在感を発揮している。 --前述した『ナデシコ』や『Gガンダム』の他にも『カウボーイビバップ』や『ガオガイガー』等とのクロスオーバーも多く見られる。また敵ボスである「カギ爪の男」の脅威も大きくピックアップされている。 --一方で、舞台が異世界「エンドレス・イリュージョン」ではなく、テラフォーミングが進んだ火星になっているが、設定破綻は生じておらず、概ね肯定的に受け入れられている。 ---さらに、「エンドレス・イリュージョン」という単語自体は形を変えつつも存在しており、本作の世界観に大きくかかわる要素である事が後に明かされる。 //Kについては持ち出すと変に荒れた経験あるから消されたんだが、CO文まで消すからこうしてまた復帰される。消す理由は残しといてくれ。 -『装甲騎兵ボトムズ』は、『ビッグバトル』のみの再現となっているが、アストラギウス銀河に実際に赴くことが可能となっており、ATについても独自の解釈がなされている。敵キャラである「ラダァ・ニーバ」の存在感も大きくなり、最終盤まで立ちはだかる強敵となっている。 --『[[第2次Z>第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇]]』で「レッドショルダーマーチ」の代わりとして収録されていたオリジナル曲「戦騎達の行進」が復活しただけでなく、戦闘BGMにも設定できるようになり、好評を博した。 --前述した通り『楽園追放』とは設定レベルのクロスオーバーがなされているほか、本作はアストラギウス銀河の存在が設定レベルのクロスオーバーとして機能している。同時に、ATが自軍の最新鋭機に匹敵する高スペックである事も描かれているなど、優れた扱いとなっている。 -『トップをねらえ!』は、久々に新人時代のノリコの姿を見ることができる。宇宙怪獣の脅威の前にくじけそうになりつつ、ジュドーや凱などといった仲間たちに支えられて成長する様子は、原作さながらの熱い展開となっている。 ''ガンダム関連'' -本作では、『V』や『X』で故人となっていた「ハマーン・カーン」が序盤から参戦し、ネオ・ジオンの指導者として大きく目立っている。 --同時に、彼女を追い落とそうという野心を秘めた「グレミー・トト」の暗躍や、両者の動向を伺いつつ独自の行動を取ろうと目論む「シャア・アズナブル」の存在によって、混沌とした様子を演出している。 -スパロボでは珍しく「ジュドー・アーシタ」がナイーブな様子を見せている((これは、大切な妹であった「リィナ・アーシタ」や、仲間の「エルピー・プル」を戦いの中で失ったと考えた影響によるもの。))が、それを克服するまでの過程が『トップをねらえ!』や『ガオガイガー』とのクロスオーバーを交えて描かれている。 #region(終盤のネタバレ) -終盤でハマーンとシャアが反目を行った際に、「ハマーンと手を組む」「シャアと手を組む」「どちらにもつくことなく、自らの道を選ぶ」という選択肢が発生する。 --いずれも一筋縄ではいかない展開が待ち構えており、シャアとハマーンの愛憎や、それに対するアムロ・カミーユ・ジュドーの対応が楽しめる。特にカミーユは成長ぶりが著しく、癖のあるキャラクターを時にからかったりする((金にがめついことで知られる『カウボーイビバップ』の面々との賭けに勝ち、冗談とはいえ金を巻き上げようとするなど))。 -また、本作では、シリーズで初めて、ハマーンと、彼女を敬愛するマシュマーの両方を味方として使用できる。さらに、度重なる失態から強化人間にされたマシュマーにハマーンが詫びるという、ファン待望のイベントも用意された。 --さらにシャアは、裏で異星人企業「UND」と取引をしており、ネオ・ジオン復興のための戦力提供を受ける見返りとして、地球圏の覇権を得た暁にはその戦力をUNDに貸し与えるよう契約するというイベントが用意された。『[[新スーパーロボット大戦]]』のオマージュに当たる要素ともいえるが、本作では、地球の覇権を得てもみすみす異星人の思い通りにならないよう手はずを組んでいることや、ナイチンゲールが異星人の技術提供によって完成しているなど、さらに工夫が凝らされている。 -終盤ではシャア、およびハマーンとの和解が成立し、自軍に参入する。さらに、該当シナリオでは木星帝国の軍勢を相手にアムロ、カミーユ、ジュドー、キンケドゥ、トビア、が遊撃を仕掛け、さらにそこにシャアとハマーンが加わる展開となっている。このシナリオ名は「鋼鉄の七人」となっており、クロスボーン・ガンダムの後日談となる『鋼鉄の七人』とは違う意味合いでプレイヤーを楽しませた。 #endregion -久々の参戦となる『Gガンダム』は、原作終了後ながら、シリーズでも珍しく「ガンダムファイト」について深く切り込んでおり、「デビルガンダム」や東方不敗も復活を果たすなど、強い存在感を放っている。デビルガンダム事件を戦い抜いた戦士達の活躍や、現在における心境も緻密に描写されている。 --特に主人公である「ドモン・カッシュ」は成長が目覚ましく、アキトやヴァンなど「一人の女性への執着、および復讐に燃えている男達」への気配りを終始怠らないなど、部隊の実質的なリーダー格として活躍している。特に『ガン×ソード』とのクロスオーバーは実に巧みで、「復讐」というキーワード以外にも「神」の名前を冠する機体に乗り込む者同士であるため一際目立つ。 --ドモンの師・超えるべき壁であり、原作終盤に死亡したはずの東方不敗も、和解を果たしたはずのドモンの前に再び立ちふさがる。 ---しかしオリジナル敵キャラの操り人形と化していた『[[R>スーパーロボット大戦R]]』とは違い本人の意思で行動しており、時にドモンと共闘するなどただの敵として描かれてはいない。これらの行動には物語の根幹に関わる重大な理由があるため、是非ともプレイヤー自身の目で確かめてほしい。 --『[[NEO>スーパーロボット大戦NEO]]』、『[[OE>スーパーロボット大戦Operation Extend]]』と、最近のGガンダムが参戦していたシリーズ作品ではゴッドガンダムのみしか登場していなかったが、本作ではシャッフル同盟やノーベルガンダムなどのサブユニットが久々に復活した((Zシリーズ終盤の『ガンダムX』など平成3部作では、サブのガンダムが削られる傾向にあったことから、参戦発表時は『F』と同じくらいの参戦数になるだろうと言われていた。))。シナリオではある意味原作以上にその動向がピックアップされており、シナリオの締めとしても存在感を見せるなど扱いはシリーズで最も良い。 ---また、これまで採用されていなかった技のうち、ドラゴンガンダムの「宝華経典・十絶陣」やノーベルガンダムの「ゴッドフィンガー」が追加((ただしこちらは原作ではドモンとの連携で放ったのみであり、単独で使用したことはなかった。なお過去作で採用されていたドモンとの合体攻撃は本作では削除されている。))されているほか、グランドマスターガンダムのダークネスフィンガー((ドモンに放ったダークネスフィンガーのエネルギー発射のこと))がアニメーション(セリフ)で追加されている。 ''バンプレストオリジナル関連'' -本作のオリジナル主人公は、大手企業「VTX社」所属のテストパイロットである「サイゾウ・トキトウ」(男性主人公)と「サギリ・サクライ」(女性主人公)が務める。選ばれなかった方はサブ主人公となる。 --企業に勤めるサラリーマンという珍しいタイプの主人公だが、いずれも、職務に対する誠実さや部下に対する思いやりに溢れた好人物であり、サイゾウは「サラリーマンの誇りを持ち業務遂行に命を懸ける実直な性格だが、それ以外のことには無関心で恋愛沙汰にも疎い朴念仁」、サギリは「同僚の女性を(百合的な意味で)惹きつける魅力に溢れる一方、私生活周りはずぼらでダメな残念美人」と、それぞれに個性づけられている。 ---サブ主人公になった方も、『V』『X』にあった「サブ主人公が敵に回る」という展開が存在せず、自軍でしっかり存在感を発揮するため、好評を得た。 --両者ともに直属の上司である「ヒロスケ・アマサキ」や社長の「ダイマ・ゴードウィン」からの信頼が厚く、部下である「ラミィ・アマサキ」や「メリル・スパンナ」、「エイミス・アーネスト」からも慕われている。 -主人公以外の周辺の関係者にもきちんと見せ場が用意されており、主人公含め出しゃばりすぎない程度の存在感を保っている。 #region(キャラのネタバレ) --中でも、母星滅亡により地球に流れ着いてきた異星人であるラミィは、母星も地球も分け隔てなく大切に想う気持ちを持っている。~ そして地球圏を舞台に発生した本作の戦争においては、戦争の絶えない母星の只中で大切な人たちを失った過去から戦争を忌避していたが、戦いの中で第2の故郷である地球を守るべく戦うという自分なりの信念を確立して成長していき、本作のヒロイン格として人気を集めた。~ クロスオーバー方面でも、境遇を同じくする『ガオガイガー』の天海護や戒道幾巳などと積極的に絡んでいる。 #endregion -「サイバスター」「ヒュッケバイン」「グルンガスト」と並ぶ人気ロボット「ゲシュペンスト」が登場しており、サブ主人公の乗機として活躍する。 --これに伴い、サブ主人公の扱いも、前作、前々作と比べて向上している。 -『V』『X』の主人公とその仲間達が参戦するというサプライズ要素も存在する。 --本編においては1話限りかつ隠しシナリオ限定だが、エキスパンションシナリオでは、序盤から加入し、終盤まで役立てられる。 ---- **賛否両論点 -「ヴェルビン」の必殺技である「ハイパーオーラ斬り」がショウ専用となっている。 --このため、モーションの中に『ダンバイン』においてショウが生身で「バーン・バニングス」と刺し違えたものが再現されている。またヴェルビンは「シーラ・ラパーナ」の手によってショウに託されたものとなっているため、ショウの乗機という扱いはストーリー上においても自然なものとなっている。 ---その一方で、『X』同様「ビルバイン」の「オーラシュート」もショウ専用なので、片方のポテンシャルが発揮しきれない事を惜しむ声があった他、プロモーション映像ではシオンがヴェルビンに乗っていたため、ビルバインをショウ、ヴェルビンをシオンが乗りこなす形での差別化も期待されていた。 -本作では一部のパイロットにカットインの動きに合わせたボイスが採用されており、これ自体は新たな試みとして評価し得るのだが、このカットインに合わせたボイスが一部カットインのない部分に流用されており、不自然な間を生み出してしまっている。 --カットインが出てから喋るまでの間が長いアムロやトビアが顕著な例。 //-隠しユニット・パイロットがガンダム系に偏っている。 //--一部ユニットの早期加入や過去作主人公達がスポット参戦するシークレットシナリオ等はあるものの、条件を満たさないと加入しない隠し要素はほぼガンダム系であり、例外は「ブラックマイトガイン」や「カルロス」の精神コマンド追加くらいである。 //---もっとも、前作では条件が必要だったトッドも無条件に加入するほか、かつてのスパロボだったら隠し扱いの可能性が高いランティスやイーグル、ヴェルビン、真ゲッタードラゴン((実際、後者2つは開発当初は隠し扱いだったものの、発表時の反響が大きかったことから無条件参戦になったと寺田Pは語っている。))などがフラグ無しで確実に加入するなど、作風の変化が影響しており、それがいい方向に働いている部分も少なからず存在している。 //XはビゾンとかマジンガーZEROとか、トッド、ガンダム以外のメンバーも加入するので… //条件を満たさなくても加入できるユニットが多いなら、特に問題にはならないのでCO。 -『Gガンダム』関連 --ドモンは『[[IMPACT>スーパーロボット大戦IMPACT]]』以来実に17年ぶりにボイスが新規収録され、それ以外のメンバーもウォンなど一部を除いて新録が追加された。中断メッセージにもドモンらシャッフル同盟のメンバーが初めて参加している((これまではアレンビーやストーカー、本作不参戦のキラルくらいだった。))などアフレコ面では力が入っている。 ---一方で、ゴッドガンダムの一部の必殺技において過去作からの流用ボイスと本作の新規ボイスが混ざって使用されている。新旧ボイスの混在自体は他のキャラにもあるが、ドモンの場合は担当声優である関智一氏の現在の声質が過去の収録時と比べて大きく変化していることと、併用の仕方が上手くいっていないこともあり、続けて聴くと違和感を感じやすい。 ---新録自体は快く思われている。ドモンについては『IMPACT』での追録もあるが、それらに比べればマシとも。 //---東方不敗を演じる秋元氏も変化をよく指摘されるが、ドモンと比べれば掛け声等は放送直後の新スパのものを流用するなど、それぞれで使い分けているため、余計に中途半端にドモンのボイスを併用していることに対する不満は多め。 //ドモンや東方不敗だけ指摘されてるわけでもないだろうに。昨今のジュドーとかカミーユよりむしろマシ。 //ジュドーとカミーユを引き合いに出されたら流石にドモンのそれを問題としないのはおかしい、新録の問題というより使い方の問題ですし。ジュドーはむしろ復活参戦時点で他ゲームと比べて大分マシになってたような。 //百歩譲ってドモンは認めるにしても、師匠まで引き合いに出す事ではない。 //師匠やストーカーの演技に関しては、秋元さんが既に70代であることを考慮すると仕方ないからね… //--また、アレンビー以外のキャラも過去作の音声が流用されているため、よくよく聞くと古いボイスは音質が籠っていることが分かる。声質の変化に関してはそれほど違和感が無い。 //よく聴かないと分からないのであればわざわざ書く必要もないと思う //--シャッフル同盟の強化形態がこれまでのスパロボシリーズと同様に「スーパーモード」表記のまま((勘違いされがちだが、他のシャッフル同盟の金色形態も本来はハイパーモード扱い。))。 //---他のゲームでは本編と同様に「ハイパーモード」表記となっている。彼等の超必殺のBGMが「燃え上がれ闘志」のままなのも本編のそれと噛み合っていない。同曲の使い道を見出したいと思われるが…。 //「A」や「R」、「J」など、スパロボシリーズでは基本的にスーパーモードってことになってる。 //それが問題って話ですが。 //それが問題なら、なんでAやR、Jの問題点に記されてないんですかね。 #region(終盤のネタバレ) --本作では時系列は原作終了後だが、『ガン×ソード』とのクロスオーバーによってレインが再びデビルガンダムの生体ユニットにされてしまい、最終話の再現が行われることになる。~ その中で、序盤から中盤にかけてドモンとレインに距離が空くシーンがあり、再度レインへの告白イベントが発生する。イベントの流れもきちんとアレンジが加えられており、「レインと心中する覚悟でパワーアップしたデビルガンダムに特攻をしかけようとするドモンを周囲が止め、「愛の奇跡をもう1度見せてくれ!」と後押しする」という熱い流れになっているのだが、最大の見せ場である「石破ラブラブ天驚拳」が使われない点には不満の声が聞かれた。~ 原作再現という意味では当然ではあるが、告白のセリフも一字一句原作と同じなので「原作終了後の時系列である本作では違和感がある」とする声も少なからずある。 //セリフ終了前の時系列と一字一句同じなのが違和感ありというのは実際に少なからず聞かれる意見なので復帰。 --またレインへの告白のセリフはDVEではなく、デビルガンダムへの止め演出を兼ねた戦闘デモ中で流れるため、「愛の告白をしつつ石破天驚ゴッドフィンガーでレインごとデビルガンダムを握り潰すドモン」というツッコミどころのある構図になってしまっている(作中でも他作品キャラに突っ込まれるため、こちらは狙ってやっていると思われるが)。 #endregion -『マジンガーZ』の戦闘アニメについて。 --原作はスピード感のある戦闘シーンに加え、「マジンガーZ」のほぼ全ての必殺技が披露されている事が最大の特徴になっている。一方で今作の戦闘アニメはローテンポで重量感を感じさせるものが大半を占めている。 ---良くも悪くもこれまでのスパロボにおけるマジンガーの演出に忠実といえるが、クオリティはともかく原作再現度に関しては高いとは言い難い。特に原作でとりわけ象徴的な、アイアンカッターを用いた格闘戦での見栄切りが再現されていない事に違和感を覚えた原作ファンは多い。 ---同作は『X-Ω』を経てからの参戦とはいえ、公開から1年2ヶ月という過去のスパロボシリーズで見てもかなりのスピード参戦であり、この辺りも制作期間を含めた弊害になったものと思われる。 ---武装の数が必要以上に増えるのは問題となり得るが、『[[MX>スーパーロボット大戦MX]]』等の過去作品では一つの武装の演出で複数の必殺技を連発することで、原作における技の豊富さの再現とユニットとしての使いやすさを両立させていた。また、本作においても「マジンガーZ」に「一斉攻撃」が存在している(これは劇場版の一シーンの再現でもある)。 ---また、終盤に解禁される超必殺技「超光子力ロケットパンチ」は、通常攻撃でありながら合体攻撃である「閃光の剣」や「シャッフル同盟拳」と同等の威力であるうえに、アニメーションも過去作のマジンガーの必殺技に劣らない派手な出来栄えで、この技を再現するために「リサ」にCVが採用される(中断メッセージにも登場している)など、優れた扱いとなっている。一方で、リサが普段着ではなく学生服を着ている。これは原作のあるイベントを再現したものだが、今作においては該当シーンの演出・展開が変更されているため、不自然と感じるユーザーもいる。 -『真ゲッター』の原作再現について。 --原作第1話~第3話をベースとしつつ第4話以降の機体も登場する形となり、シナリオがコンパクトにまとまっている点は評価が高い。 --一方で&bold(){號と渓は原作で主人公と重要キャラであったのにも関わらず、完全に存在が抹消されており一切登場しない。}凱、シュワルツ、敷島博士といった周辺の人物も一切出てこない。 ---原作も第1話~第3話と竜馬達旧ゲッターチームの人気が高いとはいえ、『V』から更に悪化した上記キャラ達の扱いについては難色を示す人もいる。 //--シナリオ上、真ドラゴンの加入と共に武蔵が離脱、弁慶が後を引き継ぐのだが、その流れが原作の様な単純な戦死ではなく、やや唐突。原作漫画版ゲッターロボシリーズ等での彼の立ち位置を考慮すると、必ずしも不自然とは言い切れないが。 //戦死ではないが唐突でもない。 -『レイアース』の原作再現について。 --主人公の3人が魔神のパイロットになるまでの展開がやや駆け足気味になっている((武器の作製に必要な「エスクード」を手に入れる為の試練が無く、プレセアが既に武器を作っていた事になっていたり、魔神との邂逅も3人まとめて行われる、など。))。他にも第2部に登場するセフィーロに侵攻してくる国のうち「ファーレン」と「チゼータ」や、その出身者が登場しない。 --もっとも、魔神入手までの原作を再現しきってしまうとレイアースの入手がかなり遅くなってしまう。元々ロボの登場自体がが遅めであるため、スパロボ側に無理なく組み込むためには改変も付き物であることを考えれば妥当ではある。評価点にあるようにシナリオ上の扱いは悪くなく、クロスオーバーもしっかりしている。~ セフィーロ以外の他国が登場しないことについても、第二章の展開を前倒して第一章と同時進行させる形で描いている都合上のことなのでやむを得ない部分の言える。 //--第2章のOPテーマであり人気が高い「光と影を抱きしめたまま」のアレンジBGMが存在しない。台詞内の歌詞ネタや一部戦闘アニメ内のOP再現などはあるだけに惜しむファンも多い。 //---限定版では原曲が収録されており、PS4版はカスタムサウンドトラック機能が健在なので代用は可能。Switch版の通常版ではゲーム中で聴く手段が無い。 //ビバップやアルカディアもそれぞれ一曲ずつしかないし、あえて取りざたされることではないだろう。逆に、これで入れてたら他より贔屓されてるってことでやはり問題になる気もするし。 ''「海」の地形が少ない'' -本作は『V』や『X』と比較すると、海が主となるマップが減少している。 --不自由を強いられることがない反面、海の地形適応を向上させる強化パーツ「アクアモジュール」や、「真ゲッター3」のような海に特化したユニットの用途が乏しいことが残念がられている。 //海の扱いが悪いのは本作に限ったことではない //問題が解消されていないということでは?と思ったので復帰、IMPACTみたいなのもあるし、あれはあれで問題だけど。 //どちらにしても問題なら、わざわざ書く事ではない。 //いや、明らかに減ってはいるので、書いてもいいレベルではあると思う。ただし、OGシリーズでは逆に、海が主となるマップが多いことが問題扱いされてるので、賛否両論がベターだろう。(不自由が少ない事が賛、海に特化した要素を活かしづらい点を否とする) //-本作のラスボスについて //#region(ネタバレ) //-本作のラスボスは昨今のシリーズに珍しい、生身の地球人であり、更に主人公らが所属する部隊の支援者で自らの目的のために裏切り行為を働いて敵として立ちはだかるという意表を突いた設定になっている。 //--しかし、そのキャラ造形は一言でいえば「年甲斐もなくヒーローごっこに酔いしれ、幼稚性と独善性に凝り固まった大人」。戦闘中に反発した部下や部隊の仲間、果てはその目的を知った一般人たちからすらも壮絶なブーイングを浴びせられ、そのショックと動揺でステータスが低下して弱体化する・・・など、ラスボスとしてはどうにも威厳のない有様。 //---地球圏内を舞台としたストーリー展開には似合っており、定番化していた人知を超えた超常的存在のラスボスとはまた違った、コミカルな展開がユニークで新鮮ではあるが、この点については賛否の声も少なからずある。 //#endregion //別にラスボスに威厳がないといけない事もないと思うが…強いことは確かだし、ネバンリンナやエンデも逆転される時は情けなさが見られるところもある。 ''武装数について'' -問題視された前作の『X』に比べると全体的に増加しており、新規参戦作品のユニットは十分な数の武装が搭載されている。また、評価点に記された通りアニメーションの出来は良好。 --一方で、以前と比較すると量より質を重視する傾向は変わっておらず((MX以降で見られる、複数の武器を使ったアニメーションが存在するなど))、本作も復帰枠の機体の武装欄がやや寂しいという声もある。 //賛否両論らしくまとめた。ただし、新規参戦作品のほうはそれこそ過去作と変わらないだろう。例外は魔神ザガートとFTOだろうが、元々敵陣営に近かった機体は、それこそMX以前から武装数は少ない傾向にある。 ---- **問題点 ''『楽園追放』関連'' -通常版では『楽園追放』のBGMが一切収録されておらず、戦闘曲もオリジナルのものがあてがわれている。過去作にはガンダムシリーズやマジンガーシリーズなどのBGMが関連作品のものに統一されていることこそあったものの、本作のように関連曲が一曲も使用されないという例はコンシューマーでは『[[学園>スパロボ学園]]』を除き存在しない。 --作品のBGMに「戦闘に向いた曲」が存在しなかったのは事実だが、主題歌のアレンジすらないのは前代未聞である。 ---これは原作の楽曲がJASRACに信託されていない事による都合とする説がある(JASRACに信託すると、大きな税金を取られてしまい作曲家への収入が激減するためであり、その事を考慮して信託しなかった、とのこと)。 ---一方で主題歌はJASRACに信託されているが、そちらも採用されなかった。転調までが長く、転調前はスローテンポな曲であったためかと思われる((もっとも、『第2次α』で採用された『ガンダムW』の曲のように、転調まで2分近くある曲も過去には存在しているのだが。))。 --PS4版はカスタムサウンド機能があるため、作品のサウンドトラックを所持しているならば自力で対応させることも可能だが、サウンドトラックは作品の限定生産版DVD/BDにしか入っていないため、導入難易度が高い。 --なお限定版には主題歌の原曲が収録されている。 -原作でアンジェラと激闘を繰り広げた3人娘(クリスティン、ヴェロニカ、ヒルデ)も登場していない。 --原作ではモブ程度の登場にとどまっているものの、アンジェラが対峙した数少ないパイロットである事は確かで、原作でもメインとなる最終決戦の相手だけに、登場しないのを残念がる声が聞かれた。小説版ではクリスティンはアンジェラのライバルキャラ扱いを受けているため、その要素を拾って欲しかったという意見もある。((実際、過去の参戦作品には小説版や漫画版などの派生作品のネタを取り入れた例も少なくない。)) #region(ネタバレ) --楽園追放出典の敵であるシステム保安要員(モブの一般兵)との戦闘もアンジェラ脱出後の中盤ステージに一度あるだけで特に決着を付けることなく終了する(マップ上でのシステム保安要員の台詞は無い)。ディーヴァ保安局ともその後は直接関わる機会はない。 ---ただし原作においてもフロンティアセッターを無事送り出したが、ディ-ヴァ保安局は以前健在という描写で終了する為、再現的な意味では問題はない。続編小説においてもその小説の事件が起きるまではアンジェラはディーヴァから逃げ続けており、関わりはない。 ---システム保安要員が搭乗するアーハンとはオープニング戦闘デモでは地上で戦闘している事もあり、もう少し戦闘機会を増やしてほしかったという声もある。 #endregion //これを言い出すと、ガンソのミズーギィやカウボーイビバップのグレンなども取り沙汰されることになり、キリがなくなるのでCO //ろくに対戦相手いないのもあるけど、ガンソで言ったらオリジナル7、ビバップで言ったらビシャスレベルなんだが。 //少しフォローしといた。 ''『カウボーイビバップ』関連'' -本来ロボットアニメではない事が響いたのか、原作再現については他の参戦作品と比較すると不十分な面が目立った。 --スパイクの話において最重要人物の一人である「ジュリア」は登場せず、「ビシャス」の対決が分岐ルートのみしか登場しない(CVもついていない)。そのため原作未見のプレイヤーにはなぜ女性の問題になるとここまで積極的に協力してくれるのかがわかりづらい。 ---一方で「トゥインクル」や「東風」といった一話きりのゲストが共通ルート・DLCシナリオで登場する。普通、逆ではないだろうか。 --ジェットは元刑事という立場でかつての人脈を使って情報を得るということもなく、フェイはDLCにおいて記憶絡みのシナリオはある物の、メインストーリーにおいては金に執着する理由が一切語られない。その為、原作でスパイクが言っていた「ただの金にうるさいハネッカエリの女」以上のキャラ設定が再現されず、自軍キャラから非難されることも多い。もっとも、本作においても性格を抜きにすれば自軍の役に立つ事も多く、中盤までの再現であれば間違っておらず、終盤以降は粋な言動を見せる事も少なくない。 //フェイの記憶絡みはDLCシナリオで一応語られている //原作を再現するどころか改悪してるKと同列に扱うのはいくらなんでもやりすぎ。それと、クロスオーバーに関しては残念ではないので評価点に記載。 //Kに関してはガンソで褒めるのに使ってるから同様に使ったんだけど。悪いとこの改善のだしに使うのは良くても、同様に酷い物ノダシに使うのはダメなのか?正直、キャラの一部分しか描写しないせいでダメなキャラに見えるって意味じゃKのガラガレベルの話だぞ、これ。 //Kのガラガは、正直全く見せ場ないけど、今回のフェイはカギ爪とかDr.ヘルとか、終盤の敵との戦いにおいてはシビアながらも粋な面を見せてるし、さすがにダメだろう。 //横から失礼。ゾイド未見なんだけど、原作のガラガも、味方が倒れた矢先に宴会を企画しまくったり、裸踊りを披露したりするのかな?もしそうならフェイも同じという事になりかねないかと。ただ、ガンソに関しては、Kは「原作より改悪」されていたのに対し、こちらは「原作の悪い部分がピックアップされてしまってる」だから、ガンソを引き合いに出すのはまずいかと。 //というか、フェイの守銭奴は、ある意味原作の魅力でもあるような気はするけどなぁ。それこそクロウみたいなイメージで、それを踏まえてのキャラ付けやストーリー展開が楽しかったし、本作においても、金目当てながらも味方の助けになるシーンとかあったし。もちろん、その理由がフォローされてないのがまずいというのは頷けるけど。 //↑言いたいことはわかる。けどあまりにもビバップはキャラの原作の魅力を活かしたシナリオ描いてるとは言いきれてないし、しかもよりにもよってそれが主要キャラで、むしろチボデーのした東風の方が強烈だったくらいだから知らないプレイヤーからみたらなんだこの女って印象になるのも仕方ないと思うぞ #region(エンディングのネタバレ) -ラストもスパイクがエンディングにおいて生死不明(原作を踏襲すると死亡してしまうが)で終わってしまうなど、他の新規参戦と比較すると不完全な結末となっている。 --『X』におけるナディアのように「シナリオデモの中だけでも原作の終盤における対決を演出したうえで生き残る」などといった、いわゆるスパロボ補正を期待していた原作ファンも多かった。 --後にエキスパンション・シナリオにおいて自軍に復帰したが、ビシャスとの決着は見られずじまいだった。 #endregion ''出撃枠の問題'' -出撃枠が従来より厳しめ。 --同じ単独出撃の『V』や『X』もボスに対して戦闘前会話が存在する主役級のユニット20機ほど((強制出撃となる戦艦以外))に対して出撃枠17の期間が長かったが、終盤に出撃枠が24となるまで中々余裕が出なかった。 --一方で本作は主役扱いされるユニットが多く20機を超えている。それ自体は評価すべき点だが、肝心の出撃枠は『V』や『X』と同じく17(終盤は24)となっており、さらに厳しくなっている。加入ユニットが充実しているのが裏目に出たパターンとなる。 //---加えて、終盤に3人((エキスパンション・シナリオでさらに5人))の主役扱いされるユニットが加入するため、『V』や『X』と違い、終盤になると出撃枠に余裕ができるということもない。そのため出撃枠の不足を特に感じやすい。 //主役ユニットってまさかシャアやハマーンじゃないよね。彼らは主人公クラスのユニットが戦闘前会話に出てるときもしゃべらないこと多いし、ここに入れるのは適当ではないかと。残り一人もわからん。 //シャア、ハマーン、東方不敗のつもりだったけど確認してみたら初戦闘時とかの会話で主人公クラスとしては扱われてなかった。エキスパンション・シナリオのソウジ、チトセ、ヴェルト/ロッティ、イオリ/アマリ、マサキも微妙なラインか。 //東方不敗はそもそも隠しパイロットなので。Vでのヴェルト、ロッティや、Xのマサキも、あくまでゲストという扱いになってるから、これが当てはまるなら本作のサブ主人公も主役機扱いになってしまうし、ちょっと違うかなと。エキスパンションでの、宗司、千歳やイオリ、アマリも、第3次αのゼンガーやアラド、アイビス、第2次Zのランド、セツコ、第3次Zのクロウみたいなゲストという形なので、ここで取りざたされるのは適当ではないと思う。 --「主役級のユニットでも思い切って使わない選択肢を取る」などプレイヤーの方針で割り切れば解決する問題ではあるが、「出撃していないため、ボスの発言に対して母艦の中から反論する」状況なども増加する難点がある。 -原作とは似ても似つかないSEが存在する。 --例えばガンダムシリーズなどは時代や作品によって大きく異なったりするが、マスターガンダムのマスタークロスなど、これまでのスパロボと比べるとまったく異なるものが当てられている機体がいる。 //聞いてみたけど、わかりやすいと言われながら全然わからなかった。念のためGoogleやtwitterなんかで「スパロボT マスタークロス」と検索したけど、どこにも音が変という意見は見られなかった。 //ごめん、いくつか発見した。ただ、正直原作をよく見てないとわからないレベルとは思ったので、その辺は追記しておく。 //原作ありきのキャラゲームでその言い草は無理がありすぎる。仮面ライダーの記事とかも見ればわかるけどSE違いはずっと問題視されているし、あるって認めたなら素直に書け。 //多いと言っときながら一つの例しか上げないのも無理があるので訂正。 ---- **総評 過去作の主人公の登場や、本作のリリース後に三部作と明かされた事で、『V』、および『X』と合わせた三部作のトリを務めた作品。~ 旧シリーズやαシリーズを思わせるオーソドックスな世界観であり、王道な展開を楽しむ事ができる。~ 好評を博したシステムもさらに進化しているため、参戦作品のファンはもちろん、スパロボらしいスパロボを好む人にもお勧めな作品である。 ---- **余談 -ブライト・ノアは『逆襲のシャア』からの参戦扱いだが、担当声優は故・鈴置洋孝氏から、『[[機動戦士ガンダムUC]]』以降の後任である成田剣氏に変更になった。 --すでに『X-Ω』の戦艦カットインで同様の変更があった。元より成田氏の演技が非常に好評を得ているため、大きく問題視はされてはいないが、「せっかく『逆シャア』の出典ならライブラリ出演でも…」という声もある。 -キャプテンハーロック役の井上真樹夫氏は本作が遺作となった。 --また、キンケドゥ・ナウ役の辻谷耕史氏、ジェット・ブラック役の石塚運昇氏、ブロッケン伯爵役の藤原啓治氏は本作がスパロボ最後の出演作となった。 //井上氏はTが声優としての最後の出演だったことが明かされているが他の面々は遺作かどうかは不明。 -『楽園追放』のクレジットが、何故か他の東映作品よりも離れている(『レイアース』『ガンソード』の後)。確かに東映アニメーションプロデュースの外注作品((3Dアニメーション制作はグラフィニカ。また、演出部門の内製化が進んでいる東映アニメーションの中で、水島精二監督など外部の人物がメインとなって製作している。))という雰囲気が強い作品ではあるが。 -『楽園追放』といえば尻が有名((アンジェラの等「尻」大マウスパッドが公式で作られて販売されている程。))なアニメであり、最終的に追加される必殺技にでも「尻カットインが追加されるんじゃないか」と期待した原作ファンもいたが、残念ながら本作の戦闘アニメでは実装されなかった。あったらあったでCEROにまで影響が出てきていたかもしれないが。 -公式サイトのURLをよーく見ると…? --本作のTは地球のラテン語表記である「Terra」の略で、キャッチコピーは「命を賭けて護るべき故郷…それは地球だ」なのだが、URLは「それはテラだ」でなく、「それは寺田」になっている(「r」が1個足りない)。 ---「T」は寺田Pのイニシャルなので本来使うのを回避していたが、P本人が冗談のつもりで仮タイトルを「T」としたら、スタッフからは逆に「寺田Pがついに「T」をスパロボに使った」と本気で受け取られ確定してしまい、公式サイトも悪乗りしてこのような仕様に。 -主人公機「ティラネード」にしても「ティラネーダ」という案があった模様。略して寺田。 --その寺田Pによると、本機体のメカデザイナーである天神英貴氏からとった「テンジン」という案もあったとの事。 -本作のリリース後、シリーズ作品の過去作である『V』、『X』も、Switchに移植されたほか、Steamでもプレイできるようになった。ただし本作は、Steamには対応していない。

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