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*はなたーかだか!? 【はなたーかだか】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|PCエンジン(Huカード)|~| |発売元|タイトー|~| //|開発元||~| |発売日|1991年8月9日|~| |定価|7200円|~| |ポイント|天狗が自機のシューティング&br()和風パロディウス!?&br()衝撃のラスト?|~| **概要 -PCエンジンにもそこそこソフトをリリースし続けていたタイトーが放った、オリジナル横シューティング。 -主人公であるキツネの「コン太」はコン太の彼女「イナリ」を連れて、興味本位でとある洞窟を探索する。そして、コン太たちは洞窟奥に貼られた封印の札を何も知らずに破ってしまう。そこは魔人「ジカンダ」が札の力で封印されていた場所であり、封印を解かれたジカンダはコン太を気絶させイナリを拉致、さらには国全体をも征服しようと目論む。困ったコン太は鞍馬山に棲む天狗にイナリ救出と打倒ジカンダを頼み、天狗はそれを受け入れる。…というストーリー設定。 -プレイヤーは天狗を操作し、分裂した12布の封印の札のかけらを集めつつ、イナリ救出とジガンダ撃破を目的にステージを進んでいく。ちなみにイナリはステージ3クリアで救出、ジガンダとの対決は最終ステージにて行われる。 -一人プレイ専用、全6ステージ構造、三段階の難易度調整あり。 **主なルール -使うボタンはショットとサブウエポン発射の二種類。ショットはボタンを押しっぱなしにする事により溜めが可能で、溜めきった状態でボタンを離すと強力な溜め攻撃が可能。サブウエポンに関しては下記にて。 -天狗には大サイズ、中サイズ、小サイズの3つの大きさが存在する。ゲーム開始時の初期サイズは中サイズで、アイテムの「巻物」を取る事でサイズが大きくなり、敵ダメージを食らうと小さくなる。各サイズによっていくつかの性能差が図られている。 --大サイズは攻撃範囲が広く、専用アイテムを取得する事により溜め攻撃をより強力なもの(下記)にしたり、サブウエポンを発射する事が可能。攻撃範囲や強い反面、体の大きさ故に敵ダメージを食らいやすく、壁に挟まれやすいというデメリットがある。 --中サイズは大と小の間位の攻撃範囲を持ち、専用アイテムを取得するとサブウエポンが発射できるが、大サイズの強力溜め攻撃は一切使えない。攻撃範囲や体の大きさに程よいバランスを持つサイズといえる。 --小サイズは攻撃範囲が最弱で、強力溜め攻撃やサブウエポンは一切使えない、いわば貧弱な性能。しかし、体が小さい事で敵ダメージを避けやすくなったり、壁をすり抜けやすくなったりするメリットもある(このサイズじゃないと進めない通路もある)。 -ステージ中に出現する主なアイテムとしては以下のものがある。 --「巻物」…上記に示したとおり、天狗のサイズを大きくする。 --「サブウエポン系」…大、中サイズの天狗のみが使用可能。メインショットとは別で、ボタンを押す事により専用のサブウエポンを放つ。但し、回数制限があり、ストックがなくなると次のサブウエポンアイテムを取らない限りは一切放てなくなる。また、小サイズになってしまうと自動的に消滅する。 --「強力溜め系」…大サイズの天狗のみが使用可能。通常の溜め攻撃の上位版であり、高性能な専用溜め攻撃が放てるようになる。中サイズ以下になってしまうと自動的に消滅する。 --「その他」…天狗の移動スピードを挙げる「羽」、天狗にオプションが付く「オプション」、天狗周りに発生し一定量のダメージを防いでくれる「クラッカー」、天狗が一定時間無敵になる「ほうき」、画面内の敵を一掃する「うちわ」、残機が30追加(誤植ではなく本当に30)される「かぐや姫」、スコア加算の「小判」がある。 -各ステージのどこかに「ジカンダの子分」が一体隠れており、それを攻撃する事により専用の裏ステージにワープする。裏ステージのどこかにもジカンダの子分がいるのでそいつを攻撃すると、重要アイテムである「封印の札のかけら」が入手できる。 --裏ステージにてジカンダの子分を攻撃できないでいると、その裏ステージは永久にループする事になり、表ステージには戻れなくなる。 --表ステージにてジカンダの子分を無視して先に進む事も可能だが、一体でも奴を逃してしまうと、''全ステージクリアしてもバッドエンドになってしまう''。すなわち、ハッピーエンドを拝む為には各ステージ中に存在する奴を攻撃し、すべての封印の札のかけら6布を回収しなければならない。 --ちなみに封印の札のかけらは計12布存在するが、残り6布はステージクリア後にコン太が必ず1布づつ回収してくれるので、最低でも6布は手に入れる事が可能。 -残機制でミス後は戻り復活、天狗が小サイズでダメージを食らう、もしくはサイズに関係なくスクロールと壁に挟まれる、及び敵の罠攻撃に引っかかると1ミス、残機が全部無くなるとゲームオーバー。 -ゲームオーバー後は専用パスワードが表示される。タイトル画面の「呪文」項目にてそれを入力すれば、そのステージからの再開が可能。また、ゲームオーバー画面にてすぐにコンティニューする事もできる。 **評価点 -和風とコミカルが入り組んだ世界観が楽しい。コン太や天狗たちはもちろん、敵であるジカンダ一味も非常に個性的で可愛らしいデザインで描かれており、愛着が沸いてくる。 -グラフィックは当時のPCエンジンの中でも高水準で綺麗な外見。各ステージの構造もかなり気合が入っている印象。 -BGMももちろん素敵聞き応えがあるものとなっている。「付録(他ゲームでいうところのオプション設定)」にてサウンドテストも可能。 -封印の札のかけらを回収しないとハッピーエンドが見られないシステムにより、ただ先に進む以外にも明確な目標がある。これにより、どこに手下が隠れているのか探索する楽しみを持っている。 --ちなみにバットエンドといっても後味が悪いものではなく、見つけられなかった封印の札のかけらの分が画面が隠れてエンディングシーンが見え辛くなるというもの。エンディングシーン自体はハッピー、バッド共に共通である。 -ボイスによる演出が結構多い。タイトル画面にて「はなたーかだか!!」と喋ったり、ミスすると「ふぁーいと」と喋ってくれたり、敵の罠にかかるとジカンダのうぜえ顔のドアップと共に憎たらしい声で笑われたり、など。 -………イナリたん可愛いよイナリたん(*´Д`)ハァハァ **問題点 -天狗を上下移動させると画面が上下にスクロールする関係で、流れ弾(もしくは飛び出す敵)に当たったり、急に壁挟まれてミスする事が初めのうちは結構遭遇しやすい。これはプレイしていくうちに慣れるしかない模様。 -表ステージにてジカンダの手下がいる場所を通過してしまうと、もう取り返しが付かなくなる。それ故に最初のうちはどうしてもバッドエンド直行になりがちである。これも場所を覚えてしまうしか対処のしようがない。 -ボスの行動パターンがやや単調。それでいて溜め攻撃を連発すればさくっと倒せてしまうあっけなさで張り合いが薄い。 **賛否が分かれそうな点 -何故かノリが凄くパロディウスっぽい。何というか言葉で表現するのは難しいが、百聞は一見にしかずという事で下記の動画を見て欲しい。 --なんかどこかで見たような有名キャラが登場するパロディネタもある(ジェイ○ン、フレ○ィの顔をしたボスなど)。 --BGMも何故かコナミっぽい雰囲気を持つ楽曲が多い。特に筆者的にはステージ3道中はグラディウスっぽいBGMに聞こえるのだが…。 ---実は悪魔城ドラキュラなどで知られる山下絹代氏が作曲に関わっているとの事。 --要するにタイトーのゲームなのにタイトーらしさが薄いゲームなのである。この辺は賛否が分かれそうな予感。 -ラスボス撃破後がある意味超展開である。詳しくはネタバレなので下を参考の事。 #region(close,ネタバレ) ジカンダが仕掛けたタヌキの物置型のボスを倒すと、天井が落ちてきて天狗が下敷きになってしまう。これはジカンダの仕掛けた罠であり、天狗はまんまとそれに引っかかってしまった。~ 高笑いをするジカンダの前に、突然コン太が現れ持っていたハンマーにてジカンダを攻撃、あえなく黒幕は倒され事件は一件落着を迎えるのであった。~ すなわり天狗はジカンダと戦う事もなく罠にかかり、美味しいところをすべてコン太に持っていかれたというオチ。~ //ちなみにノーマルでのエンディング。ハードではどうだったかは知らない。 #endregion #region(close,プレイ動画) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=XmwlCwzImzg)~ #endregion **総評 -タイトーのPCエンジンソフトの中でも一際浮いてる存在。本当何故タイトーがこれをリリースした?と思ってしまうのだ。 -ゲームとしては作り込まれた傑作で、普通に楽しめる一作だと思われるので、もし機会があればプレイして頂きたい。バーチャルコンソールマダー??? --ちなみに本作の一年前にファミコンにて伝説の怪作『暴れん坊天狗』がリリースされたのだが、おそらくは天狗が自機の横シューティングはアレと本作とぐらいじゃなかろうか。
*はなたーかだか!? 【はなたーかだか】 |ジャンル|シューティング|&amazon(B0000ZPUNC)| |対応機種|PCエンジン|~| |メディア|4MbitHuカード|~| |発売元|タイトー|~| //|開発元||~| |発売日|1991年8月9日|~| |定価|7,200円|~| |判定|なし|~| |ポイント|サイズの変わる天狗が自機のシューティング&br()可愛らしいキャラクターと衝撃のラスト?|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 タイトーがPCエンジンソフトとしてリリースした横スクロールシューティングゲーム。アーケードゲームの移植が多い同社として珍しいPCEオリジナルゲームの一角。~ タヌキ魔人ジカンダの封印を解いてしまったいたずら好きのキツネの「コン太」に懇願された天狗様が、彼のガールフレンド「イナリ」を拉致し、日本全体をも征服しようともくろむジカンダ一味に戦いを挑む。 一人プレイ専用。全6ステージ構造。3段階の難易度選択が可能。 #co{ いたずら好きのキツネ「コン太」は彼女である「イナリ」を連れて、興味本位でとある洞窟を探索する。その過程でコン太たちは洞窟の奥に貼られた封印の札を破ってしまう。~ そこはタヌキの魔人「ジカンダ」とその一味が札の力で封印されていた場所であり、封印を解かれたジカンダはコン太を気絶させイナリを拉致し、国全体をも征服しようと目論む。~ 困ったコン太は鞍馬山に棲む「天狗」にイナリの救出と打倒ジカンダを頼み、天狗はそれを受け入れるというストーリー設定。本作の自機にあたる存在は天狗だが、ストーリー上の主人公はコン太であり、ゲーム中においてもコン太を中心にしたストーリーが描かれている。 } ---- **ゲームルール -''操作体系'' --十字キーにて天狗の移動操作。使用するボタンは各自、ショットボタンとサブウエポンボタンに使用する。 ---十字キーで8方向操作。天狗の操作位置によっては上下にスクロールする場面が多い。 ---ショットボタンで前方1方向にショットを撃つ。後述の操作の関係上、連射パッドの使用はあまり推奨できない。 ---ショットボタンを押しっぱなしにし、画面上部の溜めゲージが最大になった時点でボタンを離すと、高威力かつ若干の敵貫通力性能を持つ「溜め撃ち」が撃てる。&br()通常の溜め撃ちは前方1方向のシンプルなものだが、大天狗サイズ限定で溜め撃ちアイテムを取得していると、上位版である「強力溜め撃ち」も撃てるようになる。 ---上~中天狗サイズにおいてサブウエポンアイテムを取得している状態でサブウエポンボタンを押すと、専用の「サブウエポン」を投下できる。 -''天狗のサイズについて'' --自機である天狗には状況によって3段階の「サイズ」に変化し、それぞれに一長一短の性能差が図られている。 ---巻物アイテムを取得すればサイズが1段階大きくなり、敵接触などのダメージを受けると1段階小さくなる。小天狗状態でダメージを受けてしまうととミスとなる。 --以下、天狗の各サイズの性能を表記する。 #region(天狗サイズの性能一覧) |CENTER:''大天狗''|サイズの最も大きい天狗。通常溜め撃ちと強力溜め撃ちの両方が行え、サブウエポンの投下も可能。&br()総合的な攻撃性能は最強で、ショットの攻撃範囲も大きい反面、その大きさ故に敵の攻撃が避け辛く、狭い通路を通過できないという欠点もある。 |~| |CENTER:''中天狗''|全サイズの中間に位置する天狗。強力溜め撃ちは行えないが、通常溜め撃ちとサブウエポンの投下は可能。&br()可もなく不可もない攻撃性能とショットの攻撃範囲を持ち、敵回避や通路の通行が行いやすいバランスの取れたサイズといえる。 |~| |CENTER:''小天狗''|サイズが最も小さい天狗。通常溜め撃ちは行えるが、強力溜め撃ちやサブウエポンは一切行えない。&br()攻撃性能は貧弱で攻撃範囲も狭いが、その小さいサイズを活かした敵回避や狭い通路の通行が行える。小天狗でしか通行できない通路もいくつかある。 |~| #endregion -''封印の札のかけらと裏ステージ'' --ストーリーの目的であるジカンダを倒すためには、12枚の「''封印の札のかけら''」(以下:欠片)が必要となる。 ---うち6枚の欠片は各ステージのボスを倒せば必ず手に入るが、残り6枚の欠片は隠されており通常では手に入らない。入手するには後述の裏ステージを攻略する必要がある。  ---''1枚でも欠片を逃した状態でオールクリアしてしまうと、不完全なエンディングとなってしまう((エンディングシーンに手に入れられなかった欠片が隠れるように配置され、エンディングの内容が見えにくくなる。))''。よって、本作はただクリアするだけでは完全なる達成とはならない。 ---なお、逃してしまった欠片はコン太がどこからか拾ってくるという名目で回収できるので、ストーリー上では12枚の欠片すべては回収できエンディングの変化もない。 --各ステージのどこかに「ジカンダの子分」が隠れており、それを攻撃するとそのステージに対応した「裏ステージ」へと侵入できる。 ---裏ステージのどこかにもジガンタの子分が隠れており、それも攻撃すれば隠された欠片の入手と共に通常ステージへと戻される。 ---裏ステージ中はスクロールが無限ループしている。一向にジカンダの子分を攻撃できないでいると、ゲームオーバーになるまで裏ステージから抜け出せない。 --裏ステージへと侵入できるチャンスは各ステージ1回きりで、それを逃すとそのステージでの隠された欠片の回収はできなくなる。 ---ゲームジャンルの関係上後戻りができず、本作では迷路構造や頻繁に上下スクロールが行われる場面も多いので、前知識なしでジカンダの子分を見つけるのは難しい。 -''アイテムについて'' --主にステージ中に配置されている「宝箱」を破壊すると以下のアイテムが出現する。なお、天狗のサイズによっては出現しないアイテムもある。 #region(アイテム一覧) |>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''強力溜め撃ちアイテム''&br()(大天狗状態のみ出現)|~| |CENTER:''鳥天狗''|前方に敵へとホーミングする鳥天狗の集団を撃つ。|~| |CENTER:''鎌いたち''|前方5方向に広い攻撃範囲を誇る鎌いたち弾を撃つ。|~| |CENTER:''独楽''|前方前・上下斜めの3方向に独楽を撃つ。この独楽は地形などに当たると反射して別方向に飛ぶ性質がある。|~| |CENTER:''青龍''|上下2方向に青龍レーザーを撃つ。このレーザーは地形に触れると沿うような形で地形前方に進む性質がある。|~| |>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''サブウエポンアイテム''&br()(大~中天狗状態のみ出現。使用回数制限あり。重複所持は不可)|~| |CENTER:''癇癪玉''|前方に放物線を描くように地面へ落下する癇癪玉を投下する。投下回数は20発|~| |CENTER:''まきびし''|後方に放物線を描くように地面へ落下するまきびしで投下する。投下回数は30発。|~| |CENTER:''鼠花火''|十字キーで射程方向を調整できる鼠花火を投下する。投下回数は30発。|~| |CENTER:''手鞠''|前方に放物線を描くように地面へ落下し、さらにその前方へバウンドする手鞠を投下する。投下回数は20発。|~| |>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''その他アイテム''|~| |CENTER:''巻物''|天狗のサイズを1段階大きくする。大天狗状態では出現しない。|~| |CENTER:''羽''|天狗の移動速度を上げる。|~| |CENTER:''子天狗''|トレースオプションである子天狗を最大3体まで付ける。子天狗には当たり判定があり、敵ダメージを数回受けると消滅する。|~| |CENTER:''アメリカンクラッカー''|天狗周りにクラッカーが付き、ダメージで消滅するまで敵ダメージから守ってくれる。|~| |CENTER:''蓑''|天狗が透明化し、一定時間無敵になる。|~| |CENTER:''うちわ''|画面内にいる敵を全滅させる。|~| |CENTER:''小判''|スコアアップの効果。|~| |CENTER:''かぐや姫''|超絶レアアイテムで''30UP''の効果。なお、スコアによる1UPも発生する。|~| #endregion -''ミス条件'' --残機制を採用しており、残機がすべてなくなるとゲームオーバーとなる。ミス後は戻り復活((裏ステージ中のミスの場合は、該当する裏ステージの最初からの復活となる。))となる。  ---天狗が敵・敵弾・障害物に触れる((一部触れてもダメージにはならない敵がいる。また蓑アイテムによる無敵状態では一切のダメージは受けない。))とダメージで、天狗のサイズが1段階小さくなる。小天狗状態でのダメージでミス。壁の接触に関してはどのサイズであろうがダメージはない。 ---一部の敵は天狗のサイズを無視した即死攻撃を行うものがいる。また、スクロールと壁に挟まれてもサイズに関わらず即ミスとなる。 ---ミス後は中天狗状態での再開となり、それまで取得していたアイテムの効力は消失してしまう。 --コンティニューは無制限に可能。再開は該当ステージの最初からとなる。 ---また、本作ではシューティングとしては珍しくパスワードコンティニューを採用しており、本体の電源を一旦消した後でも再開ができる。&br()ゲームオーバー後に表示されるパスワードをタイトル画面の「呪文」というモードで入力すると、それに合った再開となる。なお、パスワードは難易度毎に異なる。 ---- **評価点 -''攻撃と回避の塩梅が絶妙なシューティング''。 --シューティングとしては敵はあまり弾を出さず、どちらかといえば敵そのものが体当たりなどで直接攻撃してくるケースが多い。 ---とはいえ、敵の出現箇所が絶妙な位置に配置されており、ただ撃っていればいいというものではない。状況によってどう倒していくかという見極めは必須である。 ---「地形から突然湧いて体当たりをしてくる敵」「溜め撃ちでないと倒し辛い敵」といったバリエーションも多く存在するので、その都度の対処はかなり重要となる。 ---あからさまなゲームバランスの不備や運が絡む要因はなく、1ステージあたりの構造も丁度いい位の長さでプレイがだれにくい。まさに計算された作り込みといえる。 --天狗の初期状態でのショットはサイズに関係なく全方1方向で、多方面での攻撃は行いにくい。 ---届かない攻撃範囲はサイズの大きい天狗による強力溜め撃ちやサブウエポンでフォローしておきたいところだが、敵の攻撃が避けにくいという問題もある。 ---サイズの大きい天狗で火力重視にするか、サイズの小さい天狗で機動性重視にするかという、一長一短の天狗の性能をどう利用するかという計画性も必要となるだろう。 ---本作では地形が入り組んだ状況に遭遇しやすいため、揃えた戦力がうまく生かせない局面もある。「大は小を兼ねる」が通用しないゲームバランスも作り込まれている。 -''隠しステージを見つけ出す楽しみ''。 --本作はただクリアするだけでなく、隠された欠片を見つけるという別の目的があるのも意欲的な要素といえる。 ---大半のシューティングは直進的なクリア目的であるものがほとんどだが、隠しステージによる寄り道がエンディングの達成度に深く関わるシューティングは珍しい。 -''和風でコミカルなグラフィックとBGM周り'' --本作のグラフィックは非常に華やかで、書き込みも上質で非常にクオリティが高い。 ---和風とコミカルさが入り組んだ世界観が上手く描かれており、ゲームを大きく盛り上げてくれる。PCEのシューティングの中でも上位の外観といっていい程。 ---ステージの多くは江戸時代風で統一されているが、ステージによっては空海戦や宇宙戦、さらには洋風ファンタジーなど多種多様な舞台で戦闘が繰り広げられる。 ---世界観としてはコミカル一色だが、一部ステージには謎のグロ演出((ステージ4のボスが該当。一時的に首なし体となり血飛沫と肉片らしきものが飛び散る。ギャグチックではあるものの結構グロい。))があるなど、ところどころでスパイシーかつシュールな絵面が拝める一面もある。 --コン太やイナリ、天狗やジカンダといった登場キャラクターも個性的で可愛らしいデザインで描かれているのも見どころ。 ---登場してそれっきりという淡泊さではなく、各キャラの性格が垣間見れる描写がなされており、プレイしていくうちに愛着が沸いてくる。 --BGMのクオリティも高く、全編通して聴き応え満載といっていい。 ---シューティングとしては異例ともいえるのどかな和風BGMがメインだが、かっこいいものや神秘的なものなど多彩な雰囲気の楽曲も多く収録されている。 ---デフォルトでサウンドテストが可能。また、後述のボイスもここで聞ける。 ---BGMを手掛けたのはコナミ在籍時に『悪魔城ドラキュラ』、『魔城伝説Ⅱ』、『ウシャス』、『エスパードリーム』等数々のFC/MSX作品の楽曲を担当した山下絹代。 -''凝った演出の数々'' --本作ならではの演出が様々な場面に組み込まれており、ゲームの盛り上げに一役買っている。 ---タイトル画面の「はなたーかだか!!」、ダメージミス時の「ふぁーいと!」、即死ミス時のジカンダの笑い声など、色んな場面でボイス演出が入る。 ---雑魚敵はジカンダの格下の子分たちが化けているいう設定で、敵を倒すたびに子分らが落下していく。ちょっと可哀そうだが豪快に落ちていく様が可愛い。 ---ステージクリア後には欠片の回収状況を示すイベントが毎回挟まれるのだが、隠された欠片を取得したか否かで天狗とコン太のリアクションが変わる((隠された欠片を入手すると喜ぶ天狗と落ち込むコン太が、入手できないと喜ぶコン太と落ち込む天狗の姿が拝める。))。 ---その他、ゲームスタートするとタイトル画面の寺から天狗が飛び立つシーンや、各ステージにおけるボス登場時の演出関係なども凝っている。 **問題点 -''プレイ環境にややクセがある'' --本作は頻繁に上下スクロールする機会が多いのはルールで述べた通りだが、そのせいで事の状況が分かりにくいという問題がある。 ---視界の外から敵や流れ弾が突然に出現し、突発的な敵ダメージを受けやすい。場面によっては画面が揺れる位に上下スクロールが起こるのでさらに厄介。 ---ゲームとしての仕様なので、こればかりはプレイに慣れるしかない。一応は上下スクロールさせない操作を意識すれば多少の危険は回避できる。 --ステージ5の裏ステージは「天狗の移動に特有の慣性が働く」という独自仕様のため、他のステージと比べても一回り難易度が高い。 ---さらに常時高速&上下スクロールである上に、宇宙空間を表現しているために画面全体が黒一色で天狗がどこにいるかが感覚的に分かりにくいという過酷地帯となる。 -''ボスの微妙な弱さ'' --道中戦の良好なゲームバランスに対して、ボス戦は全体的に弱く張り合いが薄い。 ---ボス敵の攻撃パターンは単調気味で、少し慣れるだけでも容易く回避しやすい。それまでの道中戦の方が明らかに難しいと思える場面も多い。 ---さらにはショットの撃ち込みや溜め撃ちを連発すれば、拍車抜けな位にあっさりと撃破できる。これはラスボス戦も例外ではない。 -''取返しの効かない隠された欠片'' --1ステージでも裏ステージ侵入を逃してしまうと取り返しがつかなくなり、不完全なエンディングへと直行するハメととなる。 ---初見でジカンダの子分を全ステージ分見つけるの難しく、あらかじめ子分のいる位置を覚えておかないと厳しい。 ---裏ステージにさえ侵入すれば無限ループにより(ゲームオーバーにならない限りは)いつか必ずジカンダの子分は見つかるのが救い。 //-通常ショットが手動連打であり、溜め撃ちも攻略上必要不可欠な存在故に、2ボタンでの連射パッドでの連射機能を使用するのはお勧めできない。 //とはいえ、3ボタン、6ボタンの連射パッドならば両ショットの割り当てが可能である。 すんません、これは嘘っぽいです(うろ覚えでは、これらのパッドに割り当て機能はなかったはず) 元ページの執筆者 //ショットの操作問題はコントローラーの仕様上仕方がないので割愛した。 ---- **総評 見た目が可愛らしいだけでなく、1つのシューティングとして普通に楽しめる一作。決して簡単ではないが、頑張れば初心者でもオールクリアができる難易度も素晴らしい。~ タイトーのPCEソフトとしてはやや異色な雰囲気を漂わせているが、その完成度は同時期のPCEシューティングと比べても上々の出来といっていいだろう。 ---- **余談 -ステージ途中からエンディングまでのイベントシーンが色々と突っ込みどころ満載である。ネタバレを多く含むのでリージョンで隠している。 #region(close,ネタバレ注意) 本作のストーリー上の目的はイナリの救出とジカンダの打倒だが、ステージ3をクリアすると''あっさりとイナリは救出される''。~ よってステージ4以後の目的はジガンダを倒すのみとなる。ゲーム開始前にヒロインがさらわれるゲームは多く存在するが、ヒロインがゲーム中盤で解放される展開は珍しい。 最終ステージの奥に進むと、ディスコ風の舞台から突然にタヌキの置物型のボスが出現し、そいつを倒すと''天井が落ちてきて天狗が下敷きになってしまう''。~ 実はこれはジカンダの仕掛けた罠であり、置物ボスは罠を発動させるための捨て駒に過ぎなかった。そして、''この置物ボスこそが本作のラスボスであった''((一応ジカンダ自身も遠くから天狗に爆弾を投げつける攻撃を行っている。))。~ 見事に罠に引っかかった天狗を見て高笑いをするジカンダの前に、突然ハンマーを持ったコン太が現れジカンダを殴った。こうして黒幕は倒され事件は一件落着を迎える。~ すなわち''天狗はジカンダと戦う事もなく罠にかかり、美味しいところをすべてコン太に持っていかれた''というオチでオールクリアとなる。~ 初見のプレイヤーからすれば「いかにも強そう」的なラスボスを想像するだろうが、どうみても強そうには見えないタヌキの置物がラスボスだった事実に脱力するだろう。 封印のかけらが揃い、エンディングでようやくジカンダ一味は封印される…と''思いきやそんな事はなかった''。~ ジカンダ一味とコン太達が仲良く(?)ドタバタを起こすシーンが数回映し出された後に、ジカンダ一味が就寝中の天狗の寺を破壊し、当然それに驚く天狗。~ 挙句''コン太が天狗とジカンダ一味に対して爆弾を投げ全員黒焦げにする''という締めでストーリーの幕が下ろされる。''本作の真のラスボスはコン太だった!?''~ エンディング後のスタッフロールでは「コン太とイナリが仲良く手を繋ぎながら回る」という仲睦まじいシーンと共にスタッフの表示がされる。 本作のイベントシーンは一切の文章表示がされないので、詳細な描写の意味は正直なところよく分からない。~ シーンから察するに本作のストーリーの核心は''いたずら好きのキツネとタヌキが巻き起こしたドタバタ劇で、根っからの悪者は最初から誰もいなかった''ととれる。 //ちなみにノーマルでのエンディング。ハードではどうだったかは不明。ハードでも内容は同じ模様。 #endregion -本作はバーチャルコンソールなどの配信はされておらず、残念ながら実機以外でのプレイをする手段はない。 -本作の1年近く前に、ファミコンソフトとして同じ天狗が自機((厳密にいえば「天狗のお面」が自機である。))の横スクロールシューティング『[[暴れん坊天狗]]』がリリースされた。 --もちろん、両者に一切の関係はなく単なる偶然に過ぎないが、「天狗が自機の横シューティング」「天狗が人の願いを叶えるために戦う」という共通点から一部で小さな話題となったらしい。 //--なお、『暴れん坊天狗』の一部スタッフは後に、PCEの横シューティングである『[[冒険男爵ドン サン=ハート編]]』の開発に関わっている。 -貴乃花親方が「貴花田」として若貴兄弟と人気だった当時と同時期という事もあり、ファミコン通信で時折「貴花~田か⁉︎」((またはひらがなで「たかは~なだか!」))と結構もじられていた。

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