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*GUNDAM 0079 The War For Earth
【がんだむ だぶるおーせぶんてぃーないん ざ うぉー ふぉー あーす】
//Warの最初の発音は子音です
|ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&amazon(B000069S0L,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/31JPWUtFuhL.SL160.jpg)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 2枚|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|Presto Studios|~|
|発売日|1997年5月2日|~|
|定価|7,800円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|CENTER:&image(gfs_12114_3_1.jpg,width=160,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2767&file=gfs_12114_3_1.jpg,title=ガンダムの生首)何でガンダムすぐ壊れてしまうん?|
|ポイント|すぐに死ぬガンダム&br;原作崩壊レベルのミスキャスト&br;テストプレイしたのかすら疑わしい内容&br;ガルマ編までで終了という呆気なさ&br;見る分には笑えるが、やる方は苦痛&br;CGの出来だけはいい|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ピピンアットマーク用ソフトとして1996年に発売されたものの移植版。((ちなみにWindows/Mac両対応版も同時期に発売されている。))~
TVアニメ『機動戦士ガンダム』(第1作)を原作としたゲームで、グラフィックはCGと実写映像からなる。
パッケージ裏には、ゲームの内容に関する記述がまったくない。~
それもそのはず、このソフトは''どこをどう紹介しようと良い宣伝にはならない''からだ。~
因みに、本作はガンダムゲーでは珍しく、日本国外のスタジオが開発している作品なので、それを売りにしても良かったのではないだろうか…
**問題点
***ミスキャストな実写
メカは主にCGで描かれており、レベルは高い。一方人間は外国人の俳優が演じているのだが…
-リュウ・ホセイはファンキーな性格の大柄黒人。カイ・シデンはポニーテールの気の良い小柄な日系人。そしてガルマは''金髪でオールバック''。
--ちなみに原作の監督・富野氏のインタビューによれば、企画当初リュウは黒人だったが、自主規制で設定を変更したとのこと。ボツ設定が妙なところで日の目を見たものである。
-ブライト艦長に関しては、服がブカブカでやや不格好だが、体格や髪型は一応似ているためマシな部類。しかし、何故か場面によって髪型がよく変わる。
-そしてただでさえ異彩を放つキャストの中でも一際目立つのはシャア・アズナブル。ただの''ケツ顎の太ったおじさん''。「''ケツ顎シャア''」と呼称しているレビューサイトも多い。しかも大百科に[[記事>http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%A2%E3%82%B4%E3%81%84%E5%BD%97%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A2]]が出来ている。
--ガルマ編では大画面のアップでそのケツアゴ顔が映るのだからプレイヤー側はたまったものではない。もはや笑わせに来ているとしか思えない。
--なおスタッフはシャア役の俳優について「オーディション時は痩せてて格好良かった」と弁明している。それが事実だとしても、オーディションから撮影に入るまでの期間で急激に太り過ぎであり、そもそも体形維持できない時点で役者として失格。
--実はゲーム終盤では少し痩せている。上記のブライトの髪型と言い管理が適当すぎる。
-セイラが登場せず、オリジナルのサラ・ホリンという女性に変更されてしまっている。更に、レビル将軍の代わりにハニ・アサナという''太った黒人のおばさん''が登場する((ただしセイラと違いレビルは存在している設定らしく、アサナ自身が「レビル将軍旗下の機動部隊と合流し…」と言う台詞を話すので、実際はマチルダの代わりだと思われる。))。
--見た目全然違うので名乗られても困るが、そうなると先に述べたメンバーは…。
-原作主人公であるアムロ・レイの役割はプレイヤー自身で、ガンタンクの搭乗者はリュウ一人という設定のため、アムロ、ハヤト、フラウ、ミライ、カツ、レツ、キッカなど登場しないキャラも多い。このゲームの無残な状況を見れば登場しない方がむしろラッキーだが。
--因みに主人公に名前が設定されていないので''主人公自身が「ガンダム」と呼ばれるシーンもある''((リュウが撃墜されるシーンで「カイ!ガンダム!」と、カイと同列扱いでガンダムと呼ばれる台詞がある。他にもガンダムと呼ばれるシーンはあるが、そちらでは状況的に不自然さは無い。))。
--なお、冒頭でガンダムを目の前に''瓦礫に押しつぶされて死んでいるパイロットらしき人物が存在する''が、直後の通信で聞こえる「応えてくれドーティ少尉」と言う台詞から、アムロではないと思われる((件の人物がガンダムの正規パイロット(予定)だと考えれば正しいシチュエーションではある。実際、アムロもパイロット不在のガンダムに勝手に乗りこんでいるのは言うまでもない。))。一方の主人公は避難時に''(道が渋滞しているからと)勝手に軍事施設に侵入した''民間人である。
---アムロは民間人でありながら軍の最新兵器を勝手に動かした事で、連邦軍の本拠地にたどり着いた後に軍上層部から「軍人にならないならスパイとして処罰する」と脅された結果、正規に軍人となった。一方、本作主人公はドーティ少尉に呼びかけていた軍人から「誰でもいい。ガンダムでサイド7を守ってくれ」と言われた事でガンダムに乗り込み、後にブライトの「ガンダムの正規パイロットになって共に戦って欲しい」という頼みを受けて軍人となる流れとなっている。
-なお、声優だけはしっかり原作アニメと同じ。「謀ったな、シャア!」と言った有名な台詞も%%中途半端に%%収録。
// 実写のキャストは説明書にも載っているし、ゲームのクレジットでも確認できますよ。ゲームの方は読み辛いですが
--一方、リュウの「''ラッキーボーイだぜい''」など、本作独自の台詞も存在する。担当声優の飯塚昭三氏は洋画では黒人俳優の吹き替えをすることが多い為''違和感は逆にない''。
***超死にゲー
ゲームは物語に合わせてムービーが流れ、要所要所でボタン入力による「行動選択」が求められるという、LDゲームと同様のもの。~
しかし間違った行動を選択すると''即ゲームオーバー''となる。また入力には時間制限もあり、それを過ぎるとやはりゲームオーバーに。''つまり[[即死ゲー>シャドウゲイト]]である''。
-どう行動すれば良いかというヒントはまるで無いため、''選択肢総当り''となる。しかもゲームオーバーになると、直前ではなく決まったところからのやり直し。
--尤も、直前からやり直せると1時間かからずに終わってしまう''ムービーゲーム''だが。
-''行動選択肢が「攻撃」「移動(4方向)」「防御」「操作」の基本7択''。それに加えて武装が5種類あり、正しい武装で攻撃しないといけない。
--言ってしまえば、10以上の手がある勝ちしか許されないジャンケンを連続で迫られるようなものである。
--やり直しポイントも少なく、最終パートでは失敗するたびにケツ顎シャアとアニメとは似ても似つかないガルマの「君の生まれの不幸を呪うがいい」のやり取りを聞かされるハメになる。
--ちなみに、全ムービーを通して行動を要求される箇所は約65箇所ある。そのうち間違えても問題ないのは''5箇所''ほど。
-画面にはガンダムの耐久度の表示もあるのだが、「選択失敗=即死」なのだから何の意味もない。機能するのは精々、デニム戦でヒートホークをシールドで防ぐシーン程度((ビームサーベルを使う=デニム撃破。シールドを使う=耐久度が減って選び直し。耐久度が尽きるorサーベルとシールド以外を選ぶ=死亡。))。
--ちなみにPC及びMac版には「大気圏でのシャアとの対決前」「ソア・キャノン到達時」にシューティングゲーム風のミニゲームが挟まれるのでそこでは一応機能している。((その為、PC及びMac版では後述するビームライフルやガンダムタンクも一応活躍した事にはなっている))
-冒頭のガンダム乗り込み直後がかなりの鬼門。学習コンピューターの同調と称して全てのボタンを一端一つずつ押させるのだが、1つ間違えただけで最初のシーンに逆戻り。いくら出来がいいとは言え、何度も同じムービーを見せられてはかなりやる気が失せる。
--「同調」とは「コンピュータの指示通りに操作しろ」という意味なので、実はこの場面だけは答えが画面内の(ガンダムの)コンソールに表示されている。''それも小さく英語で''。
--そもそも、ガンダムは主人公の目の前で''最初から立っている''(壁にケーブルなどでつながっている、所謂ホワイトベース内での待機状態)。アニメやゲームでお馴染みの「大地に立つ」演出は''無い''((原作ではガンダムは、ホワイトベースに搭載するためにと、トラックに載せられた状態で公道上にあった。))。
--一度でも間違えると、ジーンのザクに即座に破壊される。ちなみに最初のセリフが終わった後すぐに行動しないと、''乗り込む前に''ガンダムが破壊される。
-ゲームオーバー画面では''ガンダムの生首がゴロンと転がる''。上記の通り非常にゲームオーバーになりやすいため、本作のガンダムは''『[[スペランカー]]』並みに弱い''とネタにされている。ジオンもこんな弱い奴を倒そうと躍起にならなくても…。
--別のネタとしては、「''[[これはニュータイプ専用ゲームだ>マインドシーカー]]''」というのもある。ゲームの性質上、一度答えを覚えればそれまでだが、もしも事前情報無しの初見でノーミスクリアなど出来ようものなら、ニュータイプの素質があるとすら思って良い位である。
--途中ブライト艦長が「民間人は降りてもいいが、一緒に戦ってくれるとうれしい。戦ってくれるならこのバッジを受け取ってくれ」というシーンがある。すぐに受け取らないと''バッジをチラ見せ''されたのちに、断ったと解釈されて艦を降りるように促される。そして''戦闘もしていないのに''破壊されたガンダム生首が出てゲームオーバー。
---単にゲームオーバー画面が1種類しかないからこうなっただけだが、あんまりな演出に。ブライトさんもあまりにも気が短過ぎる。できれば戦いに巻き込みたくないという気遣いと民間人に配慮している心憎い演出と言えるかもしれないが…。
---ちなみに入力受付時間はまさかの''1秒未満''。それもバッジを差し出す''直前に''不意打ち的に入力受付があるため、ニュータイプでもなければまず反応できない。
-一方で笑えるゲームオーバーもある。笑えるというか、''笑うしかない''。
--冒頭のガンダム乗り込みシーンでしくじると、''ザクマシンガンの一掃射でガンダム大破''。原作ではいくら食らってもヘッチャラだったのに…ルナ・チタニウムの装甲はどうした((原作では「モビルスーツの性能差が戦力の決定的な差ではないことを教えてやる」という名言を吐いたシャアも、直後にルナ・チタニウム装甲の驚異的な防御力を見せつけられて「連邦のモビルスーツは化け物か!」と泣き言を漏らした程である。))。
---操作を間違えた途端、何度でも見せられる''「ドンドンドン(ザクマシンガンの砲声)→カンカンカン(被弾音)→ボーン(ガンダムの爆発音)」''そしてゲームオーバーの陰鬱なジングルとガンダムの生首の流れはコントとしか思えなくなってしまうほど。
---このシーンでは至近距離かつ頭部も撃たれているため、当たり所が悪かったと考えられなくもないが、いくらなんでも脆すぎである。そして以後のシーンでも脆さは変わらないので、そんな言い訳すら出来なくなっていく。
--デニムのザクとの戦闘で格闘攻撃を繰り出すと''見事に空振りし、そのまま背中からヒートホークの餌食に''。最早ギャグ。
---そのザクをビームサーベルで撃破するも、ここでシールドを構えないと''ザクの爆発に巻き込まれて死亡''と原作改変。ガンダム世界では核融合炉(熱核反応炉)を破壊すれば大爆発を起こすので爆発自体は原作再現だが((ただし現実の理論では核融合炉は原子炉のように暴走や臨界状態を簡単に起こすことはなく(原子炉が「勝手に温まって沸騰する圧力釜」なら、核融合炉は「外から熱を与えないと凍ってしまう保温鍋」)、簡単には爆発もしないとされている。))ダメージが段違い((尚、原作でも本作同様コロニーの壁に穴が開いたが、ガンダム自身は無傷だった。))。
--シャアとの初戦ではマシンガンをシールドで防ぐと言った戦い方が出来るが、コマンドに失敗すると何故か''自分から防御を解いて''銃弾を浴び、''バンザイのようなポーズ''で爆散。
--シャアザクと組み合っていたら''力負けし、自分のビームサーベルを押し付けられて死亡''という、設定上考えられないものすらある。ガンダムは5倍以上のエネルギーゲインがあった((第1話の台詞より。何と比較しての5倍以上なのかは不明だが、いずれにせよガンダムがザクに力負けする描写は作中には無い。)) はずでは…?
---シャアザクに組み付かれた際にすぐに解かないと、''ベアハッグの要領で粉砕される''。シャアとの決戦後半で失敗するとシャアザクに''顔面パンチ一発''で沈められるなど、笑わせに来てるとしか思えないやられ様も。
--ホワイトベースへと特攻するガウにとどめを刺さないで飛び降りたためにガウの特攻は見事成功、ガルマとともにホワイトベース隊全滅。''それでもガンダムは生首に''。
---または特攻するガウから飛び降りなかったために全員で爆死したり、特攻してくるガウを撃墜しようとした''ホワイトベースの攻撃がガンダムに直撃''したり、と妙にバリエーションが豊富。~
この際にカイが「(ガウの)コックピットを狙え!」と叫ぶが、そこでコマンドを間違えるとホワイトベースに殺されるので、「ガウではなくガンダムのコックピットの事を言っていた」とネタにされる事も。%%航空母艦であるガウなら「ブリッジ」と言った方が正しいのでやっぱり…。%%
--ホワイトベースの艦橋に飛び乗ったシャアの挑発に乗り、バズーカを撃ったら艦橋を直撃、ブリッジクルー全滅。''もちろんガンダムは生首に''。
---また、ここで不正解になると''ホワイトベースの艦橋の上からマシンガンで殺される''。或いは勇ましく向かって行った所を''ヒートホークで返り討ちに''。
--地雷原突破のパートは、迷路状になっている町を目的地まで進むというものだが、一度でも道を間違えるとザクに撃たれる・銃座に撃たれる・地雷を踏むのいずれかで即死する。手にバズーカを持ってはいるが''撃つ暇も無く蜂の巣にされる''。「このエリアは砂嵐が酷く、ビームライフルでは不利だ」という理由でバズーカを装備したはずだが…。
---特に銃座に発見された際のガンダムは''ただオロオロするだけ''で何もできないまま爆散。滑稽にも程がある。
--敵の要塞に''突撃しつつ、バルカンのみで複数の砲台を壊さなければならない''シーンがある。なぜ突撃しながら撃たなければならないのか。相手は動けないのだから砲台を全て壊してから突撃すれば良いはず。
---勿論、一発でもバルカンを討つタイミングを逃がしたり、(飛び道具以外は仕方ないとしても)バズーカを使おうとすると死亡。「ガンダムが恰好良く降り立つ→要塞に向かって前進→コマンド失敗→ガンダム、砲撃を喰らって歩きながら爆散」の流れは完全にコント。
--そもそも、このゲームでビームライフルとハイパー・バズーカが役立つ事は一度も無い。一応、それぞれ正解のシーンはあるのだが、全て避けられてしまう。しかもバズーカは敵のものを奪った(奪い返した)状況であり、自前のバズーカは正真正銘一度も使えない。
---ムービーとしてはもう1つ、奪い返したバズーカを使うシーンが用意されているが、それは上記の「誤射でゲームオーバー」のシーン。
---役立つのは格闘(投げ)かビームサーベルか頭部バルカン砲(本来は牽制用)((一応原作でも至近距離(密着状態)ならザクを破壊できる威力はある。…が、本作では少し距離が離れたジーンのザクをバルカンだけで破壊し、ガウ戦でもザクを容易く迎撃(撃破)している。))であり、しかも半数以上でバルカンが使われる為「''ガンダムの最強武器はバルカン''」とまで言われる始末。%%映像を制作する労力が少ないからと多用したのだろうか。%%
---ビームライフルに至っては、正解のシーンでバルカンを選んでも正解となる為、下手をすると一度も撃たずに終わってしまう。
---ビームライフルもバズーカも出撃前にブライトが説明してくれる為、いかにも直後の戦いで役に立ちそうだが実際はこの体たらくである。
-中盤にてガンダムの足が破損したため、替わりにガンタンクの下半身を接続(通称:''ガンダムタンク'')して出撃するという展開があり、よくネタにされる。しかも任務は「敵の対空砲基地の破壊」で、道中には先述の''地雷原突破''があり、さらに迅速に突破する必要があるとも語られる。どう考えてもガンタンクのキャタピラには向いていないし、これならガンキャノンの下半身を使うべきではないだろうか。ガンキャノンの機動力は高くないとはいえガンタンクよりは優れているし、二足歩行で活動できた方が有効に思えるが…。
--元々、ガンダムのコアブロックシステムはこうしたキャノン・タンクとの上下半身の交換の為に設けられた玩具向けのギミックではある。ただし、原作劇中では第7話でガルマからシャアへ設定が説明されるのみで、実際に使用されることは無かった((仮に前述のガンダムタンクを実行した所で鈍足の動く的にしかならない上に旋回にも困り、更にタンク状態時に使いやすい装備も少ない(ガンタンクには大口径のキャノン砲がある)ので当然なのだが))。
--ちなみに地雷原を突破すると、修理した下半身を輸送機で届けられて以後は普通のガンダムで戦う展開となる。上記の通り地雷原では敵に遭遇したら即ゲームオーバーであるため、敵を倒さず避けながら進むのは結果論としても、普通に修理が終わるまで待って輸送機で移動した方が安全かつ確実だったのではないだろうか…。
---更に言うと、ホワイトベースを出撃して間も無く(地雷原に辿り着く前に)カイから「ガンダムの下半身の修理が終わりそうだ」という知らせを受ける。どう考えても修理が終わるまで待っていた方が賢明であった。修理にしては速すぎるという点もツッコミ所である。
***その他問題点
-''ムービーはスキップ不可''。しかも前述したようにコンティニューポイントが少ないので、死ぬ度に何度も何度も長いムービーを観る羽目に。
--1分を超える待ち時間などザラ。最終パートのシャアとの決戦に至っては実に''5~6分''。しかもコマンドの密集地帯である。近年の即死QTE満載のゲームなどこれに比べれば可愛いものである。
-ムービーで容量を食っているため''CD2枚組''。しかもセーブ機能は無く''[[パスワード式>北斗の拳 (SS/PS)]]''。
--一応パスワードの文字はPSコントローラー右側の○×△□だけだが、''パスワードによるコンティニューポイントは全部で6か所''。はっきり言って足りなさ過ぎる。
---ちなみにオプションでは、そのパスワードがあるのだが、そのオプションが''バグっている''。右にメニューがあるのだがそれがずれている。
--裏技としてゲームが自動進行するパスワードがある。だが、そうなると苦労して本ゲームをクリアする必要性は…。
---ちなみにこの自動進行中、途中で同じシーンが繰り返される場面があり、上記の「''ラッキーボーイだぜぃ''」というセリフを2度聞かされる羽目になる。
--余談だがWindows/Mac版は任意箇所でのセーブが可能なので、PS版に比べればまだマシだと言えよう。
-物語はガルマのガウを倒した後、シャア専用ザクを撤退させたところで終了となる。この最終パートでは、シャアが異常な説明口調でひたすら喋りまくる。そしていかにも続きそうな終わり方をするが、''続編のソフトは出ていない''。
--当然ながら良い幕引きとは言えず、すっきりしない。
-苦難の末に辿り着いたエンディングでは一枚絵と短い英文が表示されてタイトル画面に戻るだけで、スタッフロールなどは一切無し。ファミコン時代のゲームじゃあるまいし…。
**賛否両論点
-ほとんどの人物は実写だが、前述の通り声優はアニメ版と同じ。
--先述した''ケツアゴのシャアは当然の権利のように池田秀一ボイスで喋る''。物凄くシュール。
---そして聞き比べてみるとハッキリ分かるのだが、''実は原作のシャアよりも全体的に声のトーンが低い。''「ケツアゴのおっさん」というビジュアルに合わせるため、''&color(#F54738){池田氏が意図して抑え気味の演技}''をしたと思われる。
---[[どんな>ノットトレジャーハンター]][[作品>SIMPLE1500シリーズ Vol.56 THE スナイパー]]に出ても一切の妥協をしない池田氏のプロ精神には、畏敬の念を禁じ得ない。
--原作で言えばガルマが戦死する10話頃までである為、11話までほぼ出番の無いギレンはエンディング((原作12話にあたるガルマの国葬シーン。))で声のみの出演なのだが、ここもしっかり原作通りの銀河万丈氏が演じている。
--しかし、ジーンの声がなぜかカイ役の古川登志夫氏が兼役など腑に落ちない起用も。劇場版でジーンを演じた若本規夫氏を呼ぶことは出来なかったのだろうか?
**評価点
-''実質ムービーだけ''なだけあってグラフィックは綺麗である。
--ただ、解答直後でも油断できないため、ニュータイプか出題タイミングとその解答を知っていない限りはじっくり映像を楽しんでいる余裕はない。
**総評
ミスキャストの実写、すぐ壊れるポンコツガンダムと、ネタにしかならない内容である。~
そのくせやり直す度にスキップ不可の長いムービーを何度も見せられて、快適性は最悪。~
ゲーム内容も決まりきったコマンドを入れるだけと言う単純極まりない割には、テストプレイしたのかも疑わしいほどバランスもガタガタ。~
極めつけにストーリーは尻切れトンボと、数あるガンダムゲーはおろかムービーゲーの中でも最底辺に位置すると言っても過言ではないクソゲーである。完全にクソゲー愛好家向けの作品といっても過言ではない。~
ムービーのクオリティが高い、ネタとしては笑えるなど、楽しめる要素も少しはあるが、問題が多すぎてそれらの点を楽しむことすら難しいだろう。他のガンダムゲーをプレイしたほうが時間的にも精神的にも遥かにいいのは言うまでもない。
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**その後の展開・余談
-ピピンアットマーク及びWindows、Macintosh版においては「大気圏でのシャアとの対決前」「ソア・キャノン到達時」にシューティング、「大気圏突入時」にエネルギー調節のミニゲームが入る。
--PS1版においてはそのミニゲームがカットされており必ず大気圏突入は成功するので、&bold(){大気圏突入時に失敗して手足をジタバタさせながら爆散するガンダム}はこのバージョンでしか見られないレアな死亡シーンとなっている。
--シューティングゲーム風のミニゲームのおかげでPS1版では役立たずに終わったビームライフルとハイパーバズーカも一応活躍はする。%%ハッキリ言うとPS1版は劣化移植だったのではなかろうか%%
-PS1ゲームには少なくないが、CDプレイヤーなどで再生するとオリジナル曲が収録されている(disc1,disc2ともに同じ曲)。
-本作のガンダムはザクに力負けしたりザクマシンガンであっさり破壊されるほどに弱く、''ここまで弱くて脆いガンダムを見ることができるのは、恐らく本作のみ''((接触ダメージ判定のある2Dアクションゲームの様なゲーム上の都合は除く。))。
--上記の通りグラフィックは綺麗なので、ガンダムの情けないやられ様を美麗ムービーで堪能できる…と言うより、否応なしに見せ付けられる。
---ネタとして見れば笑えないこともないが、どちらかと言うと「プレイ中にありえないキャスティングを見せられ、ありえないやられ方をして''笑うしかない''」と言ったほうが良いか。
---フォローしておくと、コマンド入力に成功すればちゃんと活躍するガンダムが見られる。前述の通り、''主兵装がバルカン''であることには目を瞑る必要があるが…。
--下記の参考動画のように、''ただ観る分には''笑えて楽しい。しかし実際にプレイする方は''ガンダムが嫌いになってもおかしくない''。
-ストーリーがアレンジされている為、原作より早くグフとの戦闘があり、このグフはなぜか青ではなく''銀色''である。パイロットもランバ・ラルではなく、名も無いオリジナルキャラで顔は出ないが声はある。
--勘違いされやすいが、グフが青色というのは元々ラルのパーソナルカラーとしてグフの試作機に塗装されたものであり、その後の量産機に関してもラルの色が元になった(つまり量産体制に入ってようやく色が決まった)という原作設定がある。その為このグフの色は試作機のもの・パイロットのパーソナルカラー・制式カラーが決まる前の機体・塗装する余裕が無かったなどの理由が考えられ、(設定ミスな気もするが)地味に青色ではない方が自然だったりする。
-前述のように続編は発売されていないのだが、''エンディングでパスワードが表示される''((前述の裏技として挙げたのがこのパスワードであり、入力するとオプションのPLAYBACKで全ムービーの閲覧が可能になる。))ことや、スタッフの「好評なら続編も作る」という証言もあるため、本気で続編を作る予定があったのかもしれない。
--最初の商業ガンダムゲームでもあるラポート製AVGといい、ガンダムのAVGは鬼門なのかもしれない。尤もラポート版の打ち切り理由は版権問題らしいが((ラポート社が『ガンダムロマンアルバム』シリーズを出版していたのを良い事に、ゲーム版を無許可で作ったらしい。))。
-こんなゲームであるにもかかわらず、''攻略本が2種類も出ている''。(→[[参考1>https://www.amazon.co.jp/dp/4871888681]]、[[参考2>http://dogabooks.ocnk.net/product/2336]])
--原作と異なる描写に関して突っ込もうとしながらも、適当にお茶を濁しているあたりに出版社の苦労が感じられる。
-後に実写版ガンダムとして『[[G-SAVIOUR]]』が制作され、こちらもゲーム化された。しかしこちらも本作同様、''公式黒歴史に片足を踏みこんでいる''。
-後述のビルドダイバーズの前々作の『ガンダムビルドファイターズ』にて、ある意味今作の象徴の一つであるガンダムタンクがEDに一瞬だけだが登場している。
-散々ネタにされたケツアゴシャアだが、今作発売から約20年経った2018年に放送されたアニメ「ガンダム ビルドダイバーズ」に、本当に''ケツアゴのシャアが登場してしまった''事で一部で話題となった。
--オンラインゲームの世界が舞台ということもあり、設定上はケツアゴシャア本人ではなく「ケツアゴシャアのアバターを使用しているダイバー(ゲームプレイヤー)」である。
//((ちなみにこの回は他にも仮面やマスクをつけたガンダムキャラのアバターが上位ランクのチーム「鉄仮面ズ」のメンバーとして登場しているのだが、シャアだけではなくブシドーも太り気味(言わずもがな本物はスマート)、クルーゼは茶髪(本物は金髪)でハリーはボサボサ髪(本物はおかっぱ髪)など、原作アニメとは微妙に異なるデザインとなっている。カロッゾは一見原作通りの見た目だが、こちらは使用ガンプラが「ショットランサーとバグ型のシールドを装備したラフレシアカラー(真紅)のガンダムF91」というぶっ飛んだデザインで、鉄仮面ズのメンバーと共に視聴者を驚きと笑いの渦に包み込んだ。))
--ちなみにこのケツアゴシャアのダイバーは「シャア専用リック・ドム」という微妙にマイナーな%%上に今作と全く関連のない%%ガンプラを使用している((ゲルググもジオングも存在しない小説版『機動戦士ガンダム』おけるシャアの最終乗機、なので本作に登場しないのは時系列的に当然ともいえる。なおガンプラは実在しており、『ギレンの野望』シリーズのプレイヤーにとってはキャスバル編での最初の愛機として有名。))。
-後に発売された『新・ギレンの野望』のアムロシナリオには、前述の下船エンドを思わせるバッドエンドが存在する。内容は大まかにいうと「勝手にガンダムを動かした罪で軍法裁判にかけられたくなければ連邦軍へと入れと選択をさせられ、その申し入れを拒否すると軍事機密を盗んだ犯罪者として刑務所に収容、そのまま戦争は終わった。」というもの。
-本作のデベロッパーであるPresto Studiosだが、後に2001年にリリースされたポイント&クリックADVの名作『MYST』の3作目である『[[MYST III: EXILE]]』を手がけており、こちらはシリーズの名を汚すことのない良作として仕上がっている。しかし、その翌年の『Whacked! ギリヤバ!乱闘パーティテレビ!』を最後にスタジオを閉鎖した((ちなみに『Whacked!』の日本版が出たのはPresto Studiosのスタジオ閉鎖の翌年のことである。))。
**参考動画
#region()
|#nicovideo2(sm182253)|
//参考動画のみ別項目として一番下に移動しました。
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''このページでは『GUNDAM 0079 The War For Earth』のうち、PS移植版のみを取り扱っています。''
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*GUNDAM 0079 The War For Earth
【がんだむ だぶるおーせぶんてぃーないん ざ うぉー ふぉー あーす】
//Warの最初の発音は子音です
|ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&amazon(B000069S0L,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/31JPWUtFuhL.SL160.jpg)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 2枚|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|Presto Studios|~|
|発売日|1997年5月2日|~|
|定価|7,800円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|『[[G-SAVIOUR]]』以前の''実写版ガンダム''&br;''ケツアゴシャア''を筆頭にミスキャスト揃い&br;すぐ壊れるポンコツガンダム&br;行き過ぎた原作改変&br;移植に際して一部機能削除&br;CGムービーと声優の演技は高品質|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ピピンアットマーク用ソフトとして1996年に発売されたものの移植版。ちなみにWin/Mac両対応版も同時期に発売されている。~
TVアニメ『機動戦士ガンダム』すなわち初代であるファーストガンダムを原作としたゲームで、グラフィックはCGと''実写''映像からなる。~
メカは主にCGで描かれており、レベルは高い。~
ちなみに、本作開発スタジオの「Presto Studios」は、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴに本社を構えており、ガンダムゲーでは珍しい日本国外スタジオ開発タイトルとなっている。
ゲームは物語に合わせてムービーが流れ、要所要所でボタン入力による「行動選択」が求められるという、LDゲームと同様のもの。~
どう行動すれば良いかというヒントはまるで無く、間違った行動を選択すると''即ゲームオーバー。''また、入力時の時間制限を過ぎてもやはりゲームオーバー。~
ゲームオーバーになると陰鬱なジングルと共に''ガンダムの生首がゴロンと転がるCG絵''が表示され、直前ではなく決まったところからのやり直しである。
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**問題点
''ミスキャストな実写キャラクター達''
-人間のキャラクターは外国人の俳優が演じているのだが、ほとんどが原作設定完全無視な上、人選ミスとしか思えない配役。
--具体的には、リュウ・ホセイは''大柄なスキンヘッドの黒人。''カイ・シデンは''前髪が後退したポニーテールの気の良い小柄な日系人''。そしてガルマ・ザビは''オールバックの白人青年''と、この3人だけでも突っ込みどころしかない。
--リュウに関しては性格もファンキーな感じに変わっており、特に大気圏突入後に主人公に対して放つ「あの赤い彗星とやりあって生きてるとは、''ラッキーボーイだぜぃ!''」という原作のリュウなら絶対に言わないであろう迷言は有名。
---ちなみに原作の監督・富野由悠季氏のインタビューによれば、''アニメ版も企画当初のリュウは黒人だったが、自主規制で設定を変更した''とのこと。ボツ設定が妙なところで日の目を見たものである。
-ブライト・ノアに関しては、服がブカブカでやや不格好だが、体格や髪型は一応似ているため本作のキャストではマシな部類。しかし、何故か場面によって髪型がよく変わる。
-これだけでも随分酷いが、ただでさえ異彩を放つキャストの中でも一際目立つのは、かの「赤い彗星」シャア・アズナブル。その外見を形容するなら''ケツアゴの太った中年男性。''「''ケツアゴシャア''」の異名を持つ。%%または「シャア・アゴナブル」「アゴい彗星」とも。%%
--終盤のガルマ編では大画面のアップでそのケツアゴ顔が映るのだから、プレイヤー側からしたらたまったものではない((原作における同シーンはシャアが無線でガルマに話しかけるというものであり、巨大モニターは登場すらしていない。))。''驚きや怒りを通り越して最早笑わせに来ているとしか思えないだろう。''
---そもそもの話、原作の設定ではシャアはガルマと同じ''19歳''であり、中年男性を配役すること自体が間違いである。%%この見た目では39歳ではないか。%%
--なお、スタッフはシャア役の俳優について「オーディション時は痩せてて格好良かった」と弁明している。それが事実だとしても、オーディションから撮影に入るまでの期間で急激に太り過ぎであり、そもそも体形維持できない時点で役者としては失格レベルである。
---もっとも、「痩せていた」の基準が不明だが…。参考までにアメリカ人目線では''「日本で言うイケメン」は同性愛者と思われてしまう''場合があり、『[[沙耶の唄]]』の主人公もアメコミ版ではケツアゴにされている((そちらは流石に本作のシャアほど恰幅のいい体ではなく、逞しいマッチョな体型である。))。アメリカでは「''ケツアゴの男性はセクシー''(男前)」扱いなのだ。
--そんなケツアゴシャアだが、ゲーム終盤ではなぜか少し痩せている。上記のブライトの髪型と言い管理が適当すぎると思われても仕方ないだろう。
-女性陣はほぼオリジナルキャラである。
--原作のヒロインの一人だったセイラ・マスが登場せず、「サラ・ホリン」という女性に変更されている。
--さらに、ジャブロー司令本部の「ハニ・アサナ」なる''太った黒人の中年女性''が登場する((レビル将軍の代わりと思われがちだが、アサナ自身が「レビル将軍旗下の機動部隊と合流し…」とブライトに命令しているので、実際はマチルダさんの代わりだと思われる。まあそれはそれで、美人で知的なイメージのあったマチルダさんの代わりがこの中年女性だとは思いたくないとの声が上がるだろうが…。))。第一声は「あなたは誰です?」。&s(){こっちが聞きたい}
-原作主人公であるアムロ・レイの役割はプレイヤー自身で、ガンタンクの搭乗者はリュウ一人という設定のため、アムロ、ハヤト、フラウ、ミライ、カツ、レツ、キッカなど登場しないキャラも多い。もっとも上記の通り登場したキャラはもれなく原作とは全く異なる見た目にされたので、寧ろ登場しない方がラッキーとされたのだが…((ハヤトに関しては日本人的な見た目だったので再現が難しかった可能性がある。尤も、他のキャストを見る限り、再現する気があったかすら怪しいが…。))。
--結果、本作はアムロ役の古谷徹氏をはじめとした未登場キャラの声優陣が未出演となっている。
--主人公には名前が設定されていないので、''主人公自身が「ガンダム」と呼ばれるシーンもある''((リュウが撃墜されるシーンで「カイ!ガンダム!」と、カイと同列扱いでガンダムと呼ばれる台詞がある。他にもガンダムと呼ばれるシーンはあるが、そちらでは状況的に不自然さは無い。))。
--なお、冒頭でガンダムを目の前に瓦礫に押しつぶされて死んでいるパイロットらしき人物が存在するが、直後の通信で聞こえる「応えてくれドーティ少尉」と言う台詞から、アムロではないと思われる((件の人物がガンダムの正規パイロット(予定)だと考えれば正しいシチュエーションではある。実際、アムロもパイロット不在のガンダムに勝手に乗りこんだのは言うまでもない。))。
--主人公は避難時に''(道が渋滞しているからと)勝手に軍事施設に侵入した''民間人である((原作ではガンダムの方が公道で輸送されている最中だった。))。
---本作の主人公はドーティ少尉に呼びかけていた軍人から「誰でもいい。ガンダムに乗ってサイド7を守ってくれ」と言われた事でガンダムに乗り込み、後にブライトの「ガンダムの正規パイロットになって共に戦って欲しい」という頼みを受けて軍人となる流れとなっている。
--短い尺((本作はTV版で14話、劇場版で2時間にあたる内容を30分に纏めたものである。))で原作のようなギスギスした人間関係をやる余裕が無かったためか、本作の味方キャラはいずれもかなりフレンドリーで爽やかであり、主人公のことを最初から信頼している。意図的かはともかく、外国人キャストという点に妙にマッチしている。
--レビルは名前だけ、ドレンとギレンは声のみ登場している。%%例のケツアゴはシャアとドレンを間違えている訳ではない。%%
''ヒント皆無かつ選択肢が多すぎるコマンド''~
-行動選択肢が「移動(4方向)」「攻撃」「防御」「操作」の基本7択、それに加えて「攻撃」には「ビームサーベル」「格闘」「頭部バルカン砲」「ビームライフル」「ハイパーバズーカ」と武装が5種類あり、正しい武装で攻撃しないといけない。
--言ってしまえば、''10手以上あるジャンケンで常に勝ち続けることを迫られる''ようなものである。
--しかも(一部を除いて)ほとんどがノーヒントであるため、やり直しては当たるまでコマンドを試すしかない。
--やり直しポイントも少なく、最終パートでは失敗するたびにシャアとガルマの「君の生まれの不幸を呪うがいい」のやり取りを聞かされる。
--ちなみに、全ムービーを通して行動を要求される箇所は約65箇所ある。そのうち間違えても問題ないのは''5箇所''ほど。
-画面にはガンダムの耐久度の表示もあるのだが、「選択失敗=即死」なのでほとんど意味がない。機能するのは2機目のザク((原作で言うデニム機だが、本作ではデニムの名前は出ない。声もジーン同様違う。))戦でヒートホークをシールドで防ぐシーン程度((ビームサーベルを使う=撃破。シールドを使う=耐久度が減って選び直し。耐久度が尽きるorサーベルとシールド以外を選ぶ=死亡。))。
--シャアとの初戦では、正解ではなくとも即死せず耐久度減少で切り抜ける行動もあるのだが、それを全部やったところで耐久度ゼロにならないのでほぼ無意味。
//他機種版での仕様は余談に移動
-冒頭のガンダム乗り込み直後からしてかなりの鬼門。学習コンピューターの同調と称して全てのボタンを1つずつ順番に押させるのだが、1つ間違えただけで''最初からやり直し((最初にコンティニューできるのはホワイトベースと合流した後である))。''いくら出来がいいとは言え、何度も同じムービーを見せられてはかなりやる気が失せる。
--「同調」とは「コンピュータの指示通りに操作しろ」という意味なので、実はこの場面では答えが(ガンダムのコクピットの)コンソールに表示されている。''小さく英語で。''
--続くジーンのザクと闘う場面でも、画面上部に「VULCAN CANNONS ARMED(バルカン砲を装備した)」という文言が表示されており、「バルカンで攻撃」が正解というヒントに一応なっている。
--一度でも間違えると、ジーンのザクに即座に破壊される。ちなみに前述の軍人から「ガンダムに乗り込んでくれ」と言われた後すぐに行動(エレベーターを起動)しないと、''乗り込む前に''ガンダムが破壊される。%%おかげで「ガンダム大地に立てず」「起動せんしヤンナル」「こいつ…動かないぞ!」などと呼ばれる羽目に%%
--なお本作のガンダムは主人公の目の前で最初から立っている((壁にケーブルなどでつながっている、いわゆるホワイトベース内での待機状態。))。アニメやゲームでお馴染みの「大地に立つ」演出は無い。ちなみに原作ではガンダムは、ホワイトベースに搭載するためにと、トラックに載せられた状態で公道上にあった。
-途中ブライトが「民間人は降りてもいいが、一緒に戦ってくれるとうれしい。戦ってくれるならこのバッジを受け取ってくれ」というシーンがある。すぐに受け取らないとバッジをチラ見せされたのちに、断ったと解釈されて艦を降りるように促されゲームオーバー。
--ちなみに入力受付時間は''41フレーム、つまり1秒未満。''それもバッジを差し出す''直前に''不意打ち的に入力受付があるため、ニュータイプでもなければまず反応できない。%%原作でもここまで短気じゃなかったのにブライトさんに何があったのか…%%
--また、ブライトがバッジを引っ込める動作は手を開くムービーを逆再生しているだけなのもシュール。
''弱過ぎるガンダム''
-原作では驚異的な強さを見せつけていたガンダムだが本作ではその面影は皆無であり、コマンド入力に失敗する度に無様な死に様をこれでもかという程見せつけてくる。
-冒頭のガンダム乗り込みシーンでしくじると、''ザクマシンガン3発でガンダム大破。''ルナ・チタニウム合金の防御力はどこへ行ったのか…
--操作を間違えた途端、何度でも見せられる''「ドンドンドン(ザクマシンガンの砲声)→カンカンカン(被弾音)→ボーン(ガンダムの爆発音)→デーデーデー(ガンダムの生首のCG絵と共に流れるゲームオーバー音)」''という流れはコントとしか思えなくなってしまうほど。
---このシーンでは至近距離かつ頭部も撃たれているため、当たり所が悪かったと考えられなくもないが、いくらなんでも脆すぎである。そして以後のシーンでも脆さは変わらないので、そんな言い訳すら出来なくなっていく。
-ザクとの戦闘で格闘攻撃を繰り出すと''見事に空振りし、そのまま背中からヒートホークの餌食に。''最早ギャグ。
--そのザクをビームサーベルで撃破するも、ここでシールドを構えないと''ザクの爆発に巻き込まれて死亡''と原作改変。ガンダム世界では核融合炉(熱核反応炉)を破壊すれば大爆発を起こすので爆発自体は原作再現だが((参考までに現実の理論では核融合炉は原子炉のように暴走や臨界状態を簡単に起こすことはなく(原子炉が「勝手に温まって沸騰する圧力釜」なら、核融合炉は「外から熱を与えないと凍ってしまう保温鍋」)、簡単には爆発もしないとされている。))ダメージが段違い((なお、原作でも本作同様コロニーの壁に穴が開いたが、ガンダム自身は無傷だった。))。
-シャアとの初戦ではマシンガンをシールドで防ぐと言った戦い方が出来るが、コマンドに失敗すると何故か''自分から防御を解いて''銃弾を浴び、''バンザイのようなポーズ''で爆散。
-シャアザクと組み合っていたら''力負けし、自分のビームサーベルを押し付けられて死亡''という、設定上考えられないものすらある。少なくともガンダムがザクに力負けする描写は作中には無い。
--シャアザクに組み付かれた際にすぐに解かないと、''ベアハッグの要領で粉砕される。''シャアとの決戦後半で失敗するとシャアザクに''顔面パンチ一発''で沈められるなど、笑わせに来てるとしか思えないやられ様も。
-ホワイトベースへと特攻するガウにとどめを刺さないで飛び降りるとガウの特攻は見事成功、ガルマとともにホワイトベース隊は全滅。
--しかもこのシーンの失敗演出、特攻するガウから飛び降りなかったために全員で爆死したり、特攻してくるガウを撃墜しようとした''ホワイトベースの攻撃がガンダムに直撃''したりと、妙にバリエーションが豊富。~
この際にカイが「(ガウの)コックピットを狙え!」と叫ぶが、そこでコマンドを間違えるとホワイトベースの砲撃で殺されるので、「ガウではなくガンダムのコックピットの事を言っていた」とネタにされる事も。航空母艦であるガウなら「ブリッジ」と言った方が正しいのでやっぱり…。
-ホワイトベースの艦橋に飛び乗ったシャアの挑発に乗り、バズーカを撃ったら艦橋を直撃、ブリッジクルー全滅。&s(){取り返しのつかない事をしてしまった…。}
--ここで不正解になると''ホワイトベースの艦橋の上からマシンガンで殺される。''或いは勇ましく向かって行った所を''ヒートホークで返り討ちに。''
-後述する地雷原突破のパートでは、迷路状になっている町を目的地まで進むのだが、一度でも道を間違えるとザクに撃たれる・銃座に撃たれる・地雷を踏むのいずれかで即死する。手にバズーカを持ってはいるが''撃つ暇も無く蜂の巣にされる。''「このエリアは砂嵐が酷く、ビームライフルでは不利だ」という理由でバズーカを装備したはずだが一切仕事をしない。
--特に銃座に発見された際のガンダムは''ただオロオロするだけ''で何もできないまま爆散。滑稽にも程がある。
-敵の要塞に''突撃しつつ、なぜかバルカンで複数の砲台を壊さなければならない''シーンがある。相手は動けないのだから砲台を全て壊してから突撃すれば良いはずなので、なぜ突撃しながら撃たなければならないのかは謎。
--もちろん、一発でもバルカンを撃つタイミングを逃がしたり、(飛び道具以外は仕方ないとしても)バズーカを使おうとすると死亡。「ガンダムが恰好良く降り立つ→要塞に向かって前進→コマンド失敗→ガンダム、砲撃を喰らって歩きながら爆散」の流れは完全にコント。
-ちなみに今作のゲームオーバーシーンはガンダムが生首になるものしかないので、これらのやられ方全てで同じシーンとなる。艦橋を誤射しようがガウの特攻が成功しようが''ブライトからのバッジ受け取りを拒否しようが''ガンダムが生首となるのはある種シュールかもしれない。
#region(これがその生首のシーン。一応閲覧注意?)
&br;&image(gfs_12114_3_1.jpg,width=160,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2767&file=gfs_12114_3_1.jpg,title=起動せんしやんなる)
%%ザクの影が強者感を出しているようにも見える%%
#endregion
-ガンダムの武装のうち、ビームライフルとハイパー・バズーカが役立つ事は一度も無い。一応、それぞれ正解のシーンはあるのだが、全て避けられてしまう。しかもバズーカは敵のものを奪った(奪い返した)状況であり、自前のハイパーバズーカは実質一度も使わない。
--ムービーとしてはもう1つ、奪い返したバズーカを使うシーンが用意されているが、それは上記の「誤射でゲームオーバー」のシーン。また、ソアキャノン到達時にも正解シーンがあるのだが、撃とうとした寸前にグフの奇襲で破壊されてしまうので使えない。
--役立つのは格闘(投げ)、ビームサーベル、頭部バルカン砲((一応、原作でも至近距離(密着状態)ならザクを破壊できる威力はある。))。しかも半数以上のシーンでバルカンが使われる上、本作では少し距離が離れたジーンのザクをバルカンだけで破壊し、ガウ戦でもザクを容易く迎撃(撃破)している為「''ガンダムの最強武器はバルカン''」とまで言われる始末。
---ビームライフルに至っては、正解のシーンでバルカンを選んでも正解となる為、下手をすると一度も撃たずに終わってしまう。やはりバルカンが最強武器である。
---ビームライフルもバズーカも出撃前にブライトが説明してくれる為、いかにも直後の戦いで役に立ちそうだが実際はこの体たらくである。
---しかしそのバルカンも、最初のシャアの襲撃時に使うと「''バルカンを撃ちながら仰け反って爆散''」という間抜けなやられ様を晒してしまう。
-中盤にてガンダムの足が破損したため、替わりにガンタンクの下半身を接続(通称:''ガンダムタンク'')して出撃するという展開がある。しかしその任務は「敵の対空砲基地の破壊」で、道中には先述の''地雷原突破''があり、さらに迅速に突破する必要があるとも語られる。どう考えてもガンタンクのキャタピラには向いていない。
--ちなみに地雷原を突破すると、修理した下半身を輸送機で届けられて以後は普通のガンダムで戦う展開となる。上記の通り地雷原では敵に遭遇したら即ゲームオーバーであるため、敵を倒さず避けながら進むのは結果論としても、普通に修理が終わるまで待って輸送機で移動した方が安全かつ確実だったのではないだろうか…。
---さらに言うと、ホワイトベースを出撃して間も無く(地雷原に辿り着く前に)カイから「ガンダムの下半身の修理が終わりそうだ」という知らせを受ける。どう考えても修理が終わるまで待っていた方が賢明であったし、修理にしては早過ぎるという点もツッコミ所である。
-地雷原突破などの一部場面では、何故かザクの装備しているマシンガンのデザインが異なる。外観は「ザクII改」「ザクIIF2型」「ドム・トローペン」などが使用している「MMP-80 マシンガン」であり、ファーストガンダム本編には一切登場していない装備である。
--このマシンガンはガンダムシリーズではOVA『0080』『0083』などに登場したもので、作中設定でも一年戦争の末期に配備される装備である。ガルマ戦の時期に登場するのは少々違和感があり、かといってゲーム中で通常のザクマシンガンとの違いが表現されるといったこともない。
--可能性を挙げるならば本作のMSデザインはマスターグレードとして発売されたガンプラを一部ベースとしており、ザクの武装として実際に付属していたからゲームでも使われたのかもしれない。
''その他''
-''ムービースキップは一切できない''。しかも前述したようにコンティニューポイントが少ないので、死ぬ度に何度も何度も長いムービーを見せられる羽目に。
--1分を超える待ち時間などザラ。最終パートのシャアとの決戦に至っては実に''5~6分。''しかもコマンドの密集地帯である。近年の即死QTE満載のゲームなどこれに比べれば可愛いものである。
-ムービーで容量を食っているため''CD2枚組。''しかもセーブ機能は無く''[[パスワード式>北斗の拳 (SS/PS)]]''である。
--一応、パスワードの文字はPSコントローラー右側の○×△□だけだが、''パスワードによるコンティニューポイントは全部で6か所。''はっきり言って足りなさ過ぎる。
---ちなみにオプションではそのパスワードがあるのだが、そのオプションが''バグっている''。右にメニューがあるのだがそれがずれている。
--裏技としてゲームが自動進行するパスワードがある。だが、そうするとゲームが''ただの長いムービー''になる。
---ちなみにこの自動進行中、途中で同じシーンが繰り返される場面があり、上記の「ラッキーボーイだぜぃ」を2度聞かされる。
-物語はガルマのガウを倒した後、シャア専用ザクを撤退させたところで終了となる。この最終パートでは、シャアが異常な説明口調でひたすら喋りまくる。そしていかにも続きそうな終わり方をするが、''続編のソフトは出ていない。''
--当然ながら良い幕引きとは言えず、すっきりしない。
-&bold(){オープニングムービーにも出てきたガンキャノンが全く活躍しない}
--作中終盤にてシャアの乗るザクが強奪したハイパーバズーカで撃墜されるだけであり&bold(){出番が1シーンしかないどころか、動いた場面すらない}。
---ガンタンクに関してもガンキャノンより先にザクに%%やられ千葉う%%やられてしまうが、こちらは稼働中だったためガンキャノンと比べれば幾分マシである。
-苦難の末に辿り着いたエンディングでは一枚絵と短い英文が表示されてタイトル画面に戻るだけで、スタッフロールなどは一切無し。
--一応、タイトル画面からスタッフ一覧は参照可能だが、だからと言ってエンディングを丸々省かれては何の感慨も湧かないというものである。
''移植作品として見た場合の劣化要素(PS版)''
-ピピンアットマーク及びWin/Mac版においては「''任意箇所でのセーブが可能''」で、「大気圏でのシャアとの対決前とソア・キャノン到達時にシューティング」「大気圏突入時にエネルギー調節」の各ミニゲームが入る。
--PS版においてはこれらミニゲームがばっさりカットされており必ず大気圏突入は成功するので、''大気圏突入時に失敗して手足をジタバタさせながら爆散するガンダム''はこのバージョンでしか見られないレアな死亡シーンとなっている。%%つまり死に様を笑う楽しみが減っている。%%
--シューティングゲーム風のミニゲームのおかげでPS版では役立たずに終わったビームライフルとハイパーバズーカも一応活躍はする。また、PS版ではほぼ意味を成していなかった耐久度もここでは一応機能している。
--これらのカットにより、単純に数少ないゲーム性が失われている事に加え、ムービーそのものもどこか違和感を生じさせている。
---シャア戦ではガンダムが敵を捕捉するや否やシャアが急に「他の者は木馬を攻撃」と言い出すのだが、これは本来ここに挿入されるシューティングパートとシャアが通信を寄越すシーンを丸ごとカットしているためであり、シーンの繋ぎ目やBGMがやや不自然になっている。
---大気圏突入時にはサラから「予備エネルギーをコントロールして耐熱フィールドを保つようにして下さい」とミニゲーム用の指示を受けるのだが、上記の通り必ず大気圏突入は成功するし何か演出がある訳でもないので、元を知らないと何の事を言っていたのかが分からない。
---ソアキャノン到達後のパスワード画面を抜けると、敵が居た訳でもないのに直前までスコープで照準を定めていたような演出が入るのだが、これも本来ならシューティングをクリアしているからである。
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**評価点
-''実質ムービーだけ''なのでグラフィックはそれなりに綺麗である。
--ただ、解答直後でも油断できないため、ニュータイプか出題タイミングとその解答を知っていない限りはじっくり映像を楽しんでいる余裕はない。
-声優はしっかり原作アニメと同じ。「謀ったな、シャア!」と言った有名な台詞も中途半端に収録。
// 実写のキャストは説明書にも載っているし、ゲームのクレジットでも確認できますよ。ゲームの方は読み辛いですが
--一方で上記の通り、古谷氏をはじめとしたお馴染みの声優陣の多くは不参加。「原作に沿っている」と感じられるかどうかは受け手次第か。
--先述したケツアゴシャアは当然ながら池田秀一氏のボイスで喋る。
---そして聞き比べてみるとハッキリ分かるのだが、''実は原作のシャアよりも全体的に声のトーンが低い。''「ケツアゴの中年男性」というビジュアルに合わせるため、COLOR(red){''池田氏が意図して抑え気味の演技''}をしたと思われる。
---[[どんな>ノットトレジャーハンター]][[作品>SIMPLE1500シリーズ Vol.56 THE スナイパー]]に出ても一切の妥協をしない池田氏のプロ精神には、畏敬の念を禁じ得ないだろう…。
---また、ミスキャスト揃いではあるがガルマ役の俳優だけは演技が上手く、洋画を吹き替えで見ているかのような雰囲気は出ている。
--原作で言えばガルマが戦死する10話頃までである為、11話までほぼ出番の無いギレンはエンディング((原作12話にあたるガルマの国葬シーン。))で声のみの出演なのだが、ここもしっかり原作通りの銀河万丈氏が演じている。
--しかし、ジーンの声がなぜかカイ役の古川登志夫氏が兼役など腑に落ちない起用も。劇場版でジーンを演じた若本規夫氏を呼ぶことは出来なかったのだろうか?
---最初のザクのパイロットがジーンとされているのは吹き替え版での改変であり、原語では名も無きパイロットである(クレジットも「Zak Pilot」)。しかしわざわざ改変したなら声も合わせるべきにも思えるが。
---デニム(らしき人物)も緒方賢一氏ではなくナレーターとドレン役の永井一郎氏が兼任している((この他、ガウの名も無きパイロットも担当。ちなみにこのパイロットの役者は本作の脚本家である。))。
--リュウは先述した通り外見や性格が変わっている上、本作独自の台詞も存在するが、担当声優の飯塚昭三氏は洋画では黒人俳優の吹き替えをすることが多い為、違和感は逆にない。
-設定のみで原作に登場しなかったガンダムタンクが本作で初めてお披露目された。
--元々、ガンダムのコアブロックシステムはこうしたキャノン・タンクとの上下半身の交換の為に設けられた玩具向けのギミックではある。一方原作劇中では第7話でガルマからシャアへ設定が説明されるのみで、実際に使用されることは無かった。
--もっとも仮にガンダムタンクを実行した所で鈍足の動く的にしかならない上に旋回にも困り、さらにタンク状態時に使いやすい装備も少ない(ガンタンクには大口径のキャノン砲がある)ので当然なのだが…。
-裏設定のみにとどまっていた「銀色のグフ」が登場する。
--ストーリーがアレンジされている為、原作より早くグフ((パイロットもランバ・ラルではなく、名も無きオリジナルキャラ。顔も出ないが声はリュウ役の飯塚氏が兼ね役で担当している。))との戦闘があるが、このグフのカラーは青ではなく''銀色''である。
--設定ミスと思われがちだが、「グフが青色」というのは元々ラルのパーソナルカラーとしてグフの試作機に塗装されたものがそのまま量産機に採用された(つまり量産体制に入ってようやく色が決まった)という原作設定がある。その為このグフの色は「試作機のもの」「パイロットのパーソナルカラー」「正式なカラーが決まる前の機体」「塗装する余裕が無かったのでそのまま出撃」などの理由が考えられ、むしろ青色ではない方が自然だったりする。
----
**総評
ミスキャストの実写、すぐ壊れるポンコツガンダムと、ネタにしかならない内容である。~
そのくせやり直す度にスキップ不可の長いムービーを何度も見せられ、プレイに快適さは微塵も無い。~
ゲーム内容も決まりきったコマンドを入れるだけと言う単純極まりない割には、テストプレイしたのかも疑わしいほどバランスもガタガタ。~
極めつけにストーリーは尻切れトンボと、数あるガンダムゲーはおろかムービーゲーの中でも最底辺に位置すると言っても過言ではないクソゲーである。完全にクソゲー愛好家向けの作品といっても過言ではない。~
ムービーのクオリティが高い、ネタとしては笑えるなど、楽しめる要素も少しはあるが、問題が多すぎてそれらの点を楽しむことすら難しいだろう。~
他のガンダムゲーをプレイしたほうが時間的にも精神的にも遥かにいいのは言うまでもないが、それでもプレイするというのであればネタと割り切ってプレイするか身内でツッコミながらプレイした方が精神的にもいい。
----
**余談
-前述のように続編は発売されていないのだが、''エンディングでパスワードが表示される''((前述の裏技として挙げたのがこのパスワードであり、入力するとオプションのPLAYBACKで全ムービーの閲覧が可能になる。))ことや、スタッフの「好評なら続編も作る」という証言もあるため、本気で続編を作る予定があったのかもしれない。
-こんなゲームであるにもかかわらず、''攻略本が2種類も出ている。''そのうちの1つが[[こちら。>https://www.amazon.co.jp/dp/4871888681]]
--原作と異なる描写に関して突っ込もうとしながらも、適当にお茶を濁しているあたりに出版社の苦労が感じられる。
----
**その後の展開
-後に実写版ガンダムとして『[[G-SAVIOUR]]』が制作され、こちらもゲーム化された。
-後述のビルドダイバーズの前々作の『ガンダムビルドファイターズ』にて、今作で登場したガンダムタンクがEDに一瞬だけだが登場している。
-今作発売から約20年経った2018年に放送されたアニメ「ガンダム ビルドダイバーズ」に、本当に''ケツアゴのシャアが登場した''ことが一部で話題となった。
--ただ同作は[[フルダイブ型VRゲーム>ソードアート・オンライン フェイタル・バレット]]の世界が舞台であり、「シャアの格好をしたケツアゴ男のアバターを使用しているダイバー(ゲームプレイヤー)」であって本作のシャア本人ではない。VRゲームのアバターという設定を利用したファンサービスの一環と言えるだろう。
--ちなみに、使用した機体は原作アニメには登場しない「シャア専用リック・ドム」である。一応(ゲルググやジオングが登場しない)ノベライズ版におけるシャアの最終機体である。
-本作のデベロッパーであるPresto Studiosだが、後に2001年にリリースされたポイント&クリックADVの名作『MYST』の3作目である『[[MYST III: EXILE]]』を手がけており、こちらはシリーズの名を汚すことのない良作として仕上がっている。しかし、その翌年の『Whacked! ギリヤバ!乱闘パーティテレビ!』を最後にスタジオを閉鎖した((ちなみに『Whacked!』の日本版が出たのはPresto Studiosのスタジオ閉鎖の翌年のことである。))。
**参考動画
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|#nicovideo2(sm182253)|
//参考動画のみ別項目として一番下に移動しました。
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