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*アカイイト 【あかいいと】 |ジャンル|>|和風伝奇アドベンチャー|CENTER:&amazon(B0002ONEM0)|CENTER:&amazon(B000AO7SLA)| |対応機種|>|プレイステーション2|~|~| |メディア|>|DVD-ROM 1枚|~|~| |発売・開発元|>|サクセス|~|~| |~|配信|ハムスター|~|~| |発売日|>|2004年10月21日|~|~| |定価|>|7,140円(税込)|~|~| |プレイ人数|>|1人|~|~| |周辺機器|>|振動対応|~|~| |レーティング|PS2|CERO:18歳以上対象|~|~| |~|廉価版|CERO:15歳以上対象|~|~| |廉価版|>|SuperLite 2000シリーズ&br;2005年10月27日/2,000円(税別)|~|~| |配信|>|PS3ゲームアーカイブス&br;2013年10月16日/1,200円(税込)|~|~| |備考|>|通常版の初回生産版にはアンソロジーコミックが付属&br()[[公式サイト>http://www.success-corp.co.jp/software/ps2/akaiito/index.html]]|~|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''アカイイトシリーズ''&br;''アカイイト'' / [[アオイシロ]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -サクセスから販売された完全オリジナルのAVG。元々は同社が掲載したWEB小説が原作であり、当時はまだ珍しかった「百合」を題材にした作品である。 -キャラクターデザインはHal氏、シナリオは麓川智之氏、BGMをLittle WingのMANYO氏が担当している。 -プレイヤーは主人公「羽藤桂」となり、因縁の地「経観塚(へみづか)」において騒動に巻き込まれていく。 -桂は自らの身に特別に濃い「贄の血」を宿しており、人ならざる者たちがそれを取り込む事で驚異的な力を発揮する事が出来る。それが原因で桂は作中で命を狙われる事になるのだが、逆にそれを各ヒロインたちに飲ませる事で、そのヒロインたちの力を強化し、絆を深める事が出来るのである。 -だが、あまり大量に血を飲ませすぎると桂が失血死してしまう。それを視覚的に再現したのが本作独自のシステムである「血液ゲージシステム」である。桂が何らかの形で出血するとこのゲージが減っていき、最終的にゼロになると桂が死んでしまうのである。 ---- **ストーリー ''(公式サイトより抜粋――)''&br()  この夏、わたしはたったひとりの家族だったお母さんを亡くして&br()  遺産として残されたお父さんの実家を見るために、長い道を行く電車に乗り&br()  とても不思議な夢を見た&br()  思い出せない赤い記憶&br()  群れ飛ぶ蒼い光の蝶&br()  そして、悲しい目をした懐かしいあのひと&br()  わたしの生まれ故郷でもある経観塚&br()  そこでわたしは誰かと出会い、そこでわたしは誰かと別れる&br()  過去と現在(いま)、夢と現(うつつ)、わたしの記憶とわたしの血&br()  縁(えにし)の糸が絡まりあい、寄り合わさってひとつの絵を成し&br()  運命の輪が廻りだす ---- **評価点 -声優陣が非常に豪華。 --主人公を演じる松来未祐氏を始めとして、各ヒロインに皆口裕子氏や釘宮理恵氏、渡辺明乃氏に真田アサミ氏、能登麻美子氏といった、錚々たるメンバーが揃っている。 //ググって調べたところ「錚々」が正しく「層々」は間違いです。 -システム周りが快適である。 --スキップの速度も非常に速く、AVGを快適に遊ぶ上で最低限必要な物は揃っている。ただし当時のAVGではまだ一般的ではなかったクイックセーブ/クイックロードだけは実装されていない。これは続編の『アオイシロ』では搭載された。 -シナリオ分岐がかなり多く、そのシナリオも中々に良作。 --さりげなく、かつ数多く張り巡らされる伏線の数々。なにげない日常の会話やキャラクターの微妙な表情の変化など、一見するとなんでもないような要素が後の展開や他のルートでの布石になっており、クリアしたルートでも周回する度に新たな発見がある。 --EDは全部で32個存在する。これはAVGとしてはかなりの多さである。 --桂が各ヒロインと幸せな結末を迎えるハッピーエンドが5種類、桂は生き残るが幸せな結末とは言えないノーマルエンドが12種類、桂が死亡するバッドエンドが15種類。 --しかもノーマルエンドやバッドエンドにも、他のAVGのような「無駄」な物が少ない。 --中にはバッドエンドなのに胸が熱くなる、心が温かくなるような結末も存在する。 --また、この膨大な数のエンディングを制覇するにあたって、本作独自の「分岐図システム」が大きな助けとなっている。 --これは実際に通ったルートを分岐図として視覚的に確認する事が出来るシステムであり、これにより「自分が今どのルートにいるのか分からない」「どこが未読部分なのか分からない」といった事が無くなり、快適に遊べるようになっているのである。 --また桂の命を狙う敵側の人物にも、全ての元凶であるラスボスにさえも同情すべき点や彼らなりの信念があり、「本当の意味での悪人」が存在しないというのもポイント。よくある単純な勧善懲悪ものの作品になっておらず、それがシナリオの良さをさらに引き立たせている。 //ゲームを始めてからしばらくは「ただの桂の命を狙う邪悪な鬼たち」という程度の認識しか出来ないだろうが、シナリオを進めていくと彼女たちの悲壮な宿命が明らかになっていくのである。 //一応のネタバレ配慮 -吸血シーンが何処かエロい。 --桂は自らの身に流れる特別に濃い「贄の血」を各ヒロインに分け与える事でヒロインたちを強化する事が出来、同時に絆を深める事が出来る。しかし''この吸血シーンがエロい''。 --確かに吸血鬼にとって自らの血を吸われるという行為は、それは性行為と同じだという諸説も存在するのだが、何もそれをゲームで再現しなくても…。 --やたらとほんわかしたBGMをバックに、各ヒロインたちがエロい溜め息を漏らしながら、顔を赤らめて吐息を漏らしている桂の血を一生懸命ちゅうちゅう吸っている様は、下手なアダルトゲームのHシーンよりも妖艶である。CERO:18(旧レーティング)の面目躍如と言える。 --何よりも、''あの皆口裕子に「ん…ちゅっ…ぴちゃ…ぴちゃ…はぁん…」という喘ぎ声を出させている''というだけでも、一見の価値はあると言えるだろう。 -その皆口氏が声を担当しているユメイの「吸血手段」が、あまりにも常識を逸脱している事でも有名である。 --例えば、''「地面に溢れている血を地べたに這いつくばって、とても嬉しそうに興奮しながらペロペロ舐める」''や、''「桂の鼻に噛み付いてペロペロ舐めながら鼻血を吸う」''など。 --この異常な吸血シーンの存在のせいで、ユメイは''「変態ユメイさん」''と呼ばれる事になってしまった。念のために言っておくと、本当は聡明な人物であって、決して変態ではない。 --と思ったら、ドラマCDや小説版で''公式に変態扱いされてしまった''ようだ。ユメイさん…。 #region(主な発言例) ---''「ああん、桂ちゃんのパンツは縞パンなのね~♪」'' ---''「だって、桂ちゃんったら凄く可愛いんだから!!」'' ---サクヤ「あんたと桂の愛の巣を邪魔されたら嫌だってのかい?」ユメイ「そうじゃなくて呼び鈴を…」''愛の巣に関しては否定しないユメイさん'' #endregion -主人公の「強さ」。 --何かしらの「戦う力」を有している各ヒロインたちと違い、桂は戦闘能力がゼロで馬鹿でアホでドジで優柔不断で頼りない一面がある。 --しかし有事の際はとてつもない意志の強さ、芯の強さを見せつける。ただ弱いだけの存在ではなく、ヒロインたちとは違った「強さ」を有しているのである。この桂の姿に胸を熱くした人は多い事だろう。 -充実した用語集。 --葛(システムボイス)が「無駄知識の宝庫へようこそ♪」というように本当に情報量が無駄に豊富。というか専門用語、難しい単語はわかるが、かなり些細な物も載っていたりするのでまさに無駄知識の宝庫となっている。 -BGMも中々に良作揃い。 --Little WingのMANYO氏が手がけたBGMは、1つ1つが使用されるシーンの雰囲気に絶妙にマッチしている。霜月はるか氏とriya氏が歌うOPとEDも評価が高い。 --特に吸血シーンやラスボス戦の曲は、印象に残った人が多い事だろう。 //また、メニューを表示したり、選択肢を選ぶ際の効果音も、本作の雰囲気を壊さない、鈴の音になっている。 //「そぐわない」じゃ意味が逆なので修正。そもそもSEについて言及する必要あるだろうか?と思ったのでそのままコメントアウト。 --サントラも発売されており、2014年現在絶版になっていないので、興味があれば是非購入して聴いてみてほしい。OPとEDのフルバージョンも収録されている。 --唯一の問題が、ゲーム中にサウンドモードが存在しないので自由に聴けないという事。これも『アオイシロ』では搭載された。 ---- **賛否両論点 -若干グロ表現がある。 --パッケージにもその旨の警告がなされている。それ程酷い物では無いが、人によっては少し嫌悪感を抱くかもしれない。 -百合要素が薄い。 --一応ユメイとはキス一歩手前までいくが''(前述の鼻血のアレのシーンである)''、それ以外では「恋愛」描写があまり無い。 --桂の口から「好き」という言葉が出るものの、それが友人としてなのか恋人としてなのか曖昧な表現になっているのである。 --ただし、一緒の布団で寝たり一緒の布団で寝る事を誘われたり、一緒にデートをしたりする描写はあるのだが。 --「百合」というよりも「絆」の物語と言った方が正確である。 --とはいえシナリオ自体は良作である為か、それ程表立って批判される事は無かった。コンシューマーとしてはこれ位が丁度いいのではないかという意見も。 //そもそもコンシューマーでは珍しい百合ゲーだったうえに、当時の状況を考えると手さぐりでおっかなびっくりだったのではないだろうか。 --続編の『アオイシロ』では明確なキスシーンが追加された。 //この書き方だと誤解を招くのでは? どっちもキスというより吸血シーンでクローズアップされたことだし ---そもそも、本作は「最初は百合作品として作られていなかった」という話がファンブックに掲載されている。 ---「吸血」をテーマに執筆したところ、男性主人公が敵から逃げたり吸血されるのは様にならないので、女性主人公に変更し、『結果的に』百合らしくなったようだ。 ---本作のジャンルも「和風伝奇アドベンチャー」であり、メインテーマが「百合」ではない為、そこを薄いと言うのはお門違いとも言える。 ---- **問題点 -折角の血液ゲージシステムが最大限に活用し切れていない。 --少しネタバレになってしまうが、ゲームの進行上まともに影響するのはユメイルートだけである。 --他キャラのルートでも吸血や大量出血などでゲージが減る事はあるものの、それがシナリオに影響する事は一切無い。完全に死にシステムと化してしまっているのである。 ---レバーを食べてゲージが増えるという微妙な回復ポイントもあるが、別キャラのルートなのでやはり意味は無い。 --しかも烏月ルートに至っては、吸血シーン自体が存在しない。 --アオイシロでも吸血シーンは存在するものの、このシステムは削除された。 -「真のハッピーエンド」が存在しない。 --5種類いずれのハッピーエンドを迎えても、登場人物の誰か1人が必ず何らかの形で犠牲になっている。その為「本当の意味でのハッピーエンド」が存在しない。 --これに関しては相当批判が集中したようで、アオイシロでは全員が幸せな結末を迎える「グランドハッピーエンド」が追加された。 --また、後日談であるドラマCDは本編には存在しないヒロイン全員生存ルート後の話である。 -通常版初回特典のアンソロジーコミックで、重大なネタバレが記載されている。 --ヒロインの1人であるユメイに関しての重大な秘密が暴露されてしまっている。ゲームを始める前にこちらを読んでしまい、いきなりのネタバレに幻滅した人は多い事だろう。 --ただし、背表紙には「ネタバレを含むためクリア後の閲覧を推奨」との注意書きが、小さいながら一応ある。 -好きな時に好きなヒロインを自由に攻略出来ない。 --「ルート封印システム」という物があり、特定のエンディングに到達しないと解除されないルートがある。このシステムのお陰でヒロインを好きな順番で自由に攻略出来ないのである。 --ルートの解除をせずにいきなりハッピーエンドに到達出来るのは烏月だけで、後の4人は何らかの形でルートを解除しないといけないのである。 --しかもその為に、特定のノーマルエンドやバッドエンドを強制的に見る事になってしまう。人によってはこれは気になる所だろう。 --また、「どこのルートが封印されているのか」が分岐図では全く分からないので、知りたければ攻略サイトや設定解説ファンブックを頼りにするしかない。 --前情報無しにいきなりユメイルートをプレイして、どうあがいてもバッドエンドになってしまい「バグなんじゃないのか」と思った人は多いのではないだろうか。 --アオイシロでは封印されているルートが分岐図で視覚的に分かるようになり、また選択肢さえ間違わなければ一度もノーマルエンドやバッドエンドに遭遇することなく、全てのハッピーエンドに到達することが可能になった。 -キャラごとのストーリーのボリュームの差が激しい。 --冷遇されているキャラだと、ラスボスに会うことなくストーリーが終わってしまう。逆にあるキャラだと他のストーリーでは無いラスボスとの完全な決着をつけるところにまで発展する。 -誤字脱字がかなり多い。 --テキストの出来はいいのだが、それだけに気になる。余程納期に追われていたのだろうか?そう思わせる程に多い。 -グッドエンディング時に音飛びが発生する。 --グッドエンディング後のスタッフロールの際、エンディング曲が音飛びを起こすことがある。ディスクの傷や本体のコンディションに関わらず発生する為、ソフト側の問題であるようだ。余韻も何もなくなってしまう。 -一部、日本神話に対する深い知識が無いと、理解しにくい描写がある。 --和風伝奇と称するだけあって、シナリオ上で日本神話にまつわる逸話が幾つか出てくるのだが、逆に言うと万人向けでは無いと言える。 --そもそもラスボスのモデルが星神の天津甕星だという事が、全くの予備知識無しに理解出来る人が何人いるだろうか。 //--それ以前に天津甕星は邪神などではなく、むしろ人々を救った正義の神だと言ってもいい。それが邪神扱いされているのだから開いた口が塞がらない。 //創作だから問題ないのでは?善悪入れ替えなんてそれこそ古くからある手法ですし。 -セーブ関連のシステムが不親切。 --セーブデータが20個までしか作れない。これはAVGとしては少なめである。 --しかも、「どこのルートなのか」という表記が一切無いため、非常に分かりにくい。 --アオイシロでは50個(PC版は99個)までセーブデータを作れるようになり、またセーブデータに目印としてアイコンを付ける事が出来るようになった。 -一度到達したエンディングは「玉手箱」の項目から自由に鑑賞出来る様になっているのだが、「言霊の継承(2)」を鑑賞するとフリーズする。 --このバグは廉価版でも修正されていない。 //ゲームアーカイブス版は持っていないので、どうなっているのかは不明。知っている方は追記お願いします。 ---- **総評 一見の特異さに加えグロテスクな表現もあり、人を選んでしまうところはあるが、良作としておすすめできる作品。~ 完全オリジナルのAVG、しかも「和風伝奇」「百合」という特異なジャンル故に、ゲーム雑誌ではあまり大きく取り上げられず、販売直後の初動も振るわなかったが、ユーザーからの口コミで瞬く間に「名作」「神ゲー」という噂が広まり、徐々に売り上げが伸びていったとされている。~ 最終的な売り上げ本数は不明だが、続編が製作された事から、会社として及第点といえる程度の売り上げは残したのだろう。 ---- **余談 -当時発行されていた漫画雑誌の「百合姉妹」(「コミック百合姫」の実質的な前身雑誌((「百合姉妹」はマガジン・マガジン、「コミック百合姫」は一迅社と出版社が異なる。「百合姉妹」休刊の際に当時の編集長が会社を移籍して、連載作品を引き継いで刊行したのが「コミック百合姫」である。)))だけは、大々的な特集を組んでいた。売上の増加はそれが影響していたのかもしれない。 -今作で主人公の桂を演じた松来氏は、百合作品や百合描写のある作品に数多く出演している。 --その事を『[[アオイシロ]]』のWEBラジオで、ゲスト出演していた本人が百子役の大久保藍子氏に突っ込まれた時は爆笑していたというエピソードがある。 -物語序盤と吸血シーンの一部をPCで遊べる体験版が、公式サイトからダウンロードできる。興味があれば是非遊んでみるといいだろう。 --また原作となったWEB小説も公式サイトに掲載されているので、是非読んで貰いたい。ただし最終的に悲劇的な終わり方になっているのだが。 -主人公の桂の服装は学校の制服ではなく私服である。 --本作の舞台は制服で来るような場所ではないのだが、デザイン((まず服がセーラー服にしか見えず、更にプリーツスカート、ハイソックス、ローファーと制服要素が見事に揃っている。))的に(更に制服キャラの烏月が居る所為もあってか)「なんで制服で来てるの?」と思ってしまうプレイヤーも少なからず居た模様で、注釈を加えていた攻略サイトもあったほど。 --実際の制服姿は特定のエンディングで見る事が出来る。 -本作の発売と同月に放送開始されたアニメ『神無月の巫女』は、「日本神話と百合要素の融合」や「報われない男キャラクター」という点で本作と共通する。ただ、そちらの方は詳細は伏せるが本作よりも百合要素の濃さでは大きく上回るのだが。 ---- **その後の展開 -本作発売から1年後、廉価版((ジャケットはリバーシブル仕様となっている。))と同時にドラマCD((ユメイルートの後日談を描いた作品となっている。初回版には未収録シーンも掲載した台本が付属した。))及び、ユメイルートを元にした小説版((ゲームとは少し違った展開になっており、桂とユメイの「その後の物語」も追記されている。))が発売された。 --特にドラマCDは人気の高さから売り切れる店舗が続出してサクセスに苦情が殺到し、これに慌てたサクセスがサクセス通販限定で何度か再生産する事態になった程。 --現在はいずれも絶版になってしまい、入手困難となっている。ネット配信という形でもいいから何とか販売出来ないかという要望もあったらしいのだが、違法コピー対策やサーバー維持などの費用の問題や、複雑な権利関係の問題もあって無理だとの事。 -ジャイブより、攻略本を兼ねた「設定解説ファンブック」も発行されたのだが、こちらもあまりの人気にあっという間に完売してしまい、慌てて増刷を繰り返すという事態になってしまった。 --発売直後にネットオークションで、何と1万円近い金額で取引がなされた程。ただのファンブックとしては異常事態だと言える。 --また同社から、本作と『アオイシロ』のCGを掲載した「公式アートワークス」及び漫画『アオイシロ・花影抄』も発行された。漫画版は全3巻。後者には3巻目に本作のヒロインたちがゲスト出演している。 //依頼所の意見を元に、記述を薄めてみた。 -2008年5月((当初は4月発売予定だったのだが、プログラムの不具合が発覚し延期になった。))に続編の『アオイシロ』がPS2で発売され、さらに同年11月に様々な追加要素が加えられたPC版が発売された。 --また2009年5月にPC版を逆移植したPS2版の廉価版が発売され、またPC版のダウンロード版も2010年7月に発売されている。 --『アオイシロ』には本作主人公の桂を操作する''横スクロールアクションゲーム''「鬼切りの鬼」が収録されている。 ---戦闘力皆無の桂で何故アクションなのかと思うかもしれないが、本作のエンディングの一つに「鬼の力を与えられた桂が鬼との戦いに身を投じる」というものがあり、これをモチーフとしている為である。そのエンディングのタイトルも同じく「鬼切りの鬼」。 -『アオイシロ』PC版発売に伴い、本作のPC版の発売と続編製作も多くのユーザーから熱望されている。 --しかし、現在のサクセスはプラウザゲームの運営(「なめこ」シリーズなど)に注力しており、残念ながら絶望的な状況である。 --製作スタッフの話によると、「景気が良くならない限り無理」との事。悪くはないはずなのだが…。 --シナリオを担当した麓川氏が続編の企画書を出したとブログで語っていたのだが、残念ながら通らなかったようだ。 --『アオイシロ』のWEBラジオにおいて、製作スタッフは『アオイシロ』PC版の売れ行き次第では本作のPC版販売も有り得ると公言していたが、残念ながら実現はしなかったようだ。 ---2010年にはアルケミスト・サクセス共同開発((販売・ユーザーサポートはアルケミストが担当。))で製作陣を同じくする『のーふぇいと!』(PSP/Xbox360)が発売されている。システムをほぼ継承しており、背景や効果音も一部に使われている。 -2013年10月にPS3でゲームアーカイブスとして配信が開始され、容易に入手可能になった。こちらの販売元は株式会社ハムスター。 -2020年に発売された[[海腹川背シリーズ]]の一作『海腹川背 BaZooKa!』に本作のヒロインの一人である千羽烏月が登場している。 --本来は何の関係も無いシリーズだが、このシリーズは毎度のように発売元が変わっており、同作が直近の『[[海腹川背Fresh!]]』に続いてサクセスから発売されている関係で登場させられたのだろう。
*アカイイト 【あかいいと】 |ジャンル|>|和風伝奇アドベンチャー|&amazon(B0002ONEM0)| |対応機種|>|プレイステーション2|~| |メディア|>|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|>|サクセス|~| |~|配信|ハムスター|~| |発売日|>|2004年10月21日|~| |定価|>|7,140円(税込)|~| |プレイ人数|>|1人|~| |周辺機器|>|振動対応|~| |レーティング|PS2|CERO:18歳以上対象|~| |~|廉価版|CERO:15歳以上対象|~| |廉価版|>|SuperLite 2000シリーズ&br;2005年10月27日/2,000円(税別)|~| |配信|>|PS3ゲームアーカイブス&br;2013年10月16日/1,200円(税込)|~| |備考|>|通常版の初回生産版には&br;アンソロジーコミックが付属|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|>|CENTER:''アカイイトシリーズ''&br;''アカイイト'' / [[アオイシロ]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 サクセスから販売された完全オリジナルのAVG。~ 元々は同社が掲載したWeb小説が原作であり、当時はまだ珍しかった「百合」を題材にした作品である。~ キャラクターデザインはHal氏、シナリオは麓川智之氏、BGMをLittle WingのMANYO氏が担当している。~ **特徴 プレイヤーは主人公「羽藤桂」となり、因縁の地「経観塚(へみづか)」において騒動に巻き込まれていく。~ 桂は自らの身に特別に濃い「贄の血」を宿しており、人ならざる者たちがそれを取り込む事で驚異的な力を発揮する事が出来る。~ それが原因で桂は作中で命を狙われる事になるのだが、逆にそれを各ヒロインたちに飲ませる事で、そのヒロインたちの力を強化し、絆を深める事が出来るのである。~ だが、あまり大量に血を飲ませすぎると桂が失血死してしまう。それを視覚的に再現したのが本作独自のシステムである「血液ゲージシステム」である。~ 桂が何らかの形で出血するとこのゲージが減っていき、最終的にゼロになると桂が死んでしまうのである。 ---- **ストーリー ''(公式サイトより抜粋――)''&br()  この夏、わたしはたったひとりの家族だったお母さんを亡くして&br()  遺産として残されたお父さんの実家を見るために、長い道を行く電車に乗り&br()  とても不思議な夢を見た&br()  思い出せない赤い記憶&br()  群れ飛ぶ蒼い光の蝶&br()  そして、悲しい目をした懐かしいあのひと&br()  わたしの生まれ故郷でもある経観塚&br()  そこでわたしは誰かと出会い、そこでわたしは誰かと別れる&br()  過去と現在(いま)、夢と現(うつつ)、わたしの記憶とわたしの血&br()  縁(えにし)の糸が絡まりあい、寄り合わさってひとつの絵を成し&br()  運命の輪が廻りだす ---- **評価点 -声優陣が非常に豪華。 --主人公を演じる松来未祐氏を始めとして、各ヒロインに皆口裕子氏や釘宮理恵氏、渡辺明乃氏に真田アサミ氏、能登麻美子氏といった、錚々たるメンバーが揃っている。 //ググって調べたところ「錚々」が正しく「層々」は間違いです。 -システム周りが快適である。 --スキップの速度も非常に速く、AVGを快適に遊ぶ上で最低限必要な物は揃っている。ただし当時のAVGではまだ一般的ではなかったクイックセーブ/クイックロードだけは実装されていない。これは続編の『アオイシロ』では搭載された。 -シナリオ分岐がかなり多く、そのシナリオも中々に良作。 --さりげなく、かつ数多く張り巡らされる伏線の数々。なにげない日常の会話やキャラクターの微妙な表情の変化など、一見するとなんでもないような要素が後の展開や他のルートでの布石になっており、クリアしたルートでも周回する度に新たな発見がある。 --EDは全部で32個存在する。これはAVGとしてはかなりの多さである。 --桂が各ヒロインと幸せな結末を迎えるハッピーエンドが5種類、桂は生き残るが幸せな結末とは言えないノーマルエンドが12種類、桂が死亡するバッドエンドが15種類。 --しかもノーマルエンドやバッドエンドにも、他のAVGのような「無駄」な物が少ない。 --中にはバッドエンドなのに胸が熱くなる、心が温かくなるような結末も存在する。 --また、この膨大な数のエンディングを制覇するにあたって、本作独自の「分岐図システム」が大きな助けとなっている。 --これは実際に通ったルートを分岐図として視覚的に確認する事が出来るシステムであり、これにより「自分が今どのルートにいるのか分からない」「どこが未読部分なのか分からない」といった事が無くなり、快適に遊べるようになっているのである。 --また桂の命を狙う敵側の人物にも、全ての元凶であるラスボスにさえも同情すべき点や彼らなりの信念があり、「本当の意味での悪人」が存在しないというのもポイント。よくある単純な勧善懲悪ものの作品になっておらず、それがシナリオの良さをさらに引き立たせている。 //ゲームを始めてからしばらくは「ただの桂の命を狙う邪悪な鬼たち」という程度の認識しか出来ないだろうが、シナリオを進めていくと彼女たちの悲壮な宿命が明らかになっていくのである。 //一応のネタバレ配慮 -吸血シーンが何処かエロい。 --桂は自らの身に流れる特別に濃い「贄の血」を各ヒロインに分け与える事でヒロインたちを強化する事が出来、同時に絆を深める事が出来る。しかし''この吸血シーンがエロい。'' --確かに吸血鬼にとって自らの血を吸われるという行為は、それは性行為と同じだという諸説も存在するのだが、何もそれをゲームで再現しなくても…。 --やたらとほんわかしたBGMをバックに、各ヒロインたちがエロい溜め息を漏らしながら、顔を赤らめて吐息を漏らしている桂の血を一生懸命ちゅうちゅう吸っている様は、下手なアダルトゲームのHシーンよりも妖艶である。CERO:18歳以上対象(旧レーティング)の面目躍如と言える。 --何よりも、''あの皆口裕子に「ん…ちゅっ…ぴちゃ…ぴちゃ…はぁん…」という喘ぎ声を出させている''というだけでも、一見の価値はあると言えるだろう。 -その皆口氏が声を担当しているユメイの「吸血手段」が、あまりにも常識を逸脱している事でも有名である。 --例えば「''地面に溢れている血を地べたに這いつくばって、とても嬉しそうに興奮しながらペロペロ舐める''」や、「''桂の鼻に噛み付いてペロペロ舐めながら鼻血を吸う''」など。 --この異常な吸血シーンの存在のせいで、ユメイは''「変態ユメイさん」''と呼ばれる事になってしまった。念のために言っておくと、本当は聡明な人物であって、決して変態ではない。 --と思ったら、ドラマCDや小説版で''公式に変態扱いされてしまった''ようだ。ユメイさん…。 #region(主な発言例) ---''「ああん、桂ちゃんのパンツは縞パンなのね~♪」'' ---''「だって、桂ちゃんったら凄く可愛いんだから!!」'' ---サクヤ「あんたと桂の愛の巣を邪魔されたら嫌だってのかい?」ユメイ「そうじゃなくて呼び鈴を…」''愛の巣に関しては否定しないユメイさん'' #endregion -主人公の「強さ」 --何かしらの「戦う力」を有している各ヒロインたちと違い、桂は戦闘能力がゼロで馬鹿でアホでドジで優柔不断で頼りない一面がある。 --しかし有事の際はとてつもない意志の強さ、芯の強さを見せつける。ただ弱いだけの存在ではなく、ヒロインたちとは違った「強さ」を有しているのである。この桂の姿に胸を熱くした人は多い事だろう。 -充実した用語集。 --葛(システムボイス)が「無駄知識の宝庫へようこそ♪」というように本当に情報量が無駄に豊富。 --というか専門用語、難しい単語はわかるが、かなり些細な物も載っていたりするのでまさに無駄知識の宝庫となっている。 -BGMも中々に良作揃い。 --Little WingのMANYO氏が手がけたBGMは、1つ1つが使用されるシーンの雰囲気に絶妙にマッチしている。霜月はるか氏とriya氏が歌うOPとEDも評価が高い。 --特に吸血シーンやラスボス戦の曲は、印象に残った人が多い事だろう。 //また、メニューを表示したり、選択肢を選ぶ際の効果音も、本作の雰囲気を壊さない、鈴の音になっている。 //「そぐわない」じゃ意味が逆なので修正。そもそもSEについて言及する必要あるだろうか?と思ったのでそのままコメントアウト。 --サントラも発売されており、2014年現在絶版になっていないので、興味があれば是非購入して聴いてみてほしい。OPとEDのフルバージョンも収録されている。 --唯一の問題が、ゲーム中にサウンドモードが存在しないので自由に聴けないという事。これも『アオイシロ』では搭載された。 ---- **賛否両論点 -若干グロ表現がある。 --パッケージにもその旨の警告がなされている。それ程酷い物では無いが、人によっては少し嫌悪感を抱くかもしれない。 -百合要素が薄い。 --一応ユメイとはキス一歩手前までいくが(''前述の鼻血のアレのシーンである'')、それ以外では「恋愛」描写があまり無い。 --桂の口から「好き」という言葉が出るものの、それが友人としてなのか恋人としてなのか曖昧な表現になっているのである。 --ただし、一緒の布団で寝たり一緒の布団で寝る事を誘われたり、一緒にデートをしたりする描写はあるのだが。 --「百合」というよりも「絆」の物語と言った方が正確である。 --とはいえシナリオ自体は良作である為か、それ程表立って批判される事は無かった。コンシューマーとしてはこれ位が丁度いいのではないかという意見も。 //そもそもコンシューマーでは珍しい百合ゲーだったうえに、当時の状況を考えると手さぐりでおっかなびっくりだったのではないだろうか。 --続編の『アオイシロ』では明確なキスシーンが追加された。 //この書き方だと誤解を招くのでは? どっちもキスというより吸血シーンでクローズアップされたことだし ---そもそも、本作は「最初は百合作品として作られていなかった」という話がファンブックに掲載されている。 ---「吸血」をテーマに執筆したところ、男性主人公が敵から逃げたり吸血されるのは様にならないので女性主人公に変更し、「結果的に」百合らしくなったようだ。 ---本作のジャンルも「和風伝奇アドベンチャー」であり、メインテーマが「百合」ではない為、そこを薄いと言うのはお門違いとも言える。 ---- **問題点 -折角の血液ゲージシステムがほとんど活用されていない。 --少しネタバレになってしまうが、ゲームの進行上まともに影響するのはユメイルートだけである。 --他キャラのルートでも吸血や大量出血などでゲージが減る事はあるものの、それがシナリオに影響する事は一切無い。完全に死にシステムと化してしまっているのである。 ---レバーを食べてゲージが増えるという微妙な回復ポイントもあるが、別キャラのルートなのでやはり意味は無い。 --しかも烏月ルートに至っては、吸血シーン自体が存在しない。 --『アオイシロ』でも吸血シーンは存在するものの、このシステムは削除された。 -「真のハッピーエンド」が存在しない。 --5種類いずれのハッピーエンドを迎えても、登場人物の誰か1人以上が必ず何らかの形で犠牲になっている。その為「本当の意味でのハッピーエンド」が存在しない。 --これに関しては相当批判が集中したようで、アオイシロでは全員が幸せな結末を迎える「グランドハッピーエンド」が追加された。 --また、後日談であるドラマCDは本編には存在しないヒロイン全員生存ルート後の話である。 -通常版初回特典のアンソロジーコミックで、重大なネタバレが記載されている。 --ヒロインの1人であるユメイに関しての重大な秘密が暴露されてしまっている。ゲームを始める前にこちらを読んでしまい、いきなりのネタバレに幻滅した人は多い事だろう。 --ただし、背表紙には「ネタバレを含むためクリア後の閲覧を推奨」との注意書きが、小さいながら一応ある。 -好きな時に好きなヒロインを自由に攻略出来ない。 --「ルート封印システム」という物があり、特定のエンディングに到達しないと解除されないルートがある。このシステムのお陰でヒロインを好きな順番で自由に攻略出来ないのである。 --ルートの解除をせずにいきなりハッピーエンドに到達出来るのは烏月だけで、後の4人は何らかの形でルートを解除しないといけないのである。 --しかもその為に、特定のノーマルエンドやバッドエンドを強制的に見る事になってしまう。人によってはこれは気になる所だろう。 --また、「どこのルートが封印されているのか」が分岐図では全く分からないので、知りたければ攻略サイトや設定解説ファンブックを頼りにするしかない。 --前情報無しにいきなりユメイルートをプレイして、どうあがいてもバッドエンドになってしまい「バグなんじゃないのか」と思った人は多いのではないだろうか。 --『アオイシロ』では封印されているルートが分岐図で視覚的に分かるようになり、また選択肢さえ間違わなければ一度もノーマルエンドやバッドエンドに遭遇することなく、全てのハッピーエンドに到達することが可能になった。 -キャラごとのストーリーのボリュームの差が激しい。 --冷遇されているキャラだと、ラスボスに会うことなくストーリーが終わってしまう。逆にあるキャラだと他のストーリーでは無いラスボスとの完全な決着をつけるところにまで発展する。 -誤字脱字がかなり多い。 --テキストの出来はいいのだが、それだけに気になる。余程納期に追われていたのだろうか?そう思わせる程に多い。 -グッドエンディング時に音飛びが発生する。 --グッドエンディング後のスタッフロールの際、エンディング曲が音飛びを起こすことがある。ディスクの傷や本体のコンディションに関わらず発生する為、ソフト側の問題であるようだ。余韻も何もなくなってしまう。 -一部、日本神話に対する深い知識が無いと、理解しにくい描写がある。 --和風伝奇と称するだけあって、シナリオ上で日本神話にまつわる逸話が幾つか出てくるのだが、逆に言うと万人向けでは無いと言える。 --そもそもラスボスのモデルが星神の天津甕星だという事が、全くの予備知識無しに理解出来る人が何人いるだろうか。 //--それ以前に天津甕星は邪神などではなく、むしろ人々を救った正義の神だと言ってもいい。それが邪神扱いされているのだから開いた口が塞がらない。 //創作だから問題ないのでは? 善悪入れ替えなんてそれこそ古くからある手法ですし。 -セーブ関連のシステムが不親切。 --セーブデータが20個までしか作れない。これはAVGとしては少なめである。 --しかも、「どこのルートなのか」という表記が一切無いため、非常に分かりにくい。 --アオイシロでは50個(Win版は99個)までセーブデータを作れるようになり、またセーブデータに目印としてアイコンを付ける事が出来るようになった。 -一度到達したエンディングは「玉手箱」の項目から自由に鑑賞出来る様になっているのだが、「言霊の継承(2)」を鑑賞するとフリーズする。 --このバグは廉価版でも修正されていない。 //ゲームアーカイブス版は持っていないので、どうなっているのかは不明。知っている方は追記お願いします。 ---- **総評 一見の特異さに加えグロテスクな表現もあり、人を選んでしまうところはあるが、良作としておすすめできる作品。~ 完全オリジナルのAVG、しかも「和風伝奇」「百合」という特異なジャンル故に、ゲーム雑誌ではあまり大きく取り上げられず、販売直後の初動も振るわなかった。~ だが、ユーザーからの口コミで瞬く間に「名作」「神ゲー」という噂が広まり、徐々に売り上げが伸びていったとされている。~ 最終的な売り上げ本数は不明だが、続編が製作された事から、会社として及第点といえる程度の売り上げは残したのだろう。 ---- **余談 -当時発行されていた漫画雑誌の「百合姉妹((「コミック百合姫」の実質的な前身雑誌。「百合姉妹」はマガジン・マガジン、「コミック百合姫」は一迅社と出版社が異なる。「百合姉妹」休刊の際に当時の編集長が会社を移籍して、連載作品を引き継いで刊行したのが「コミック百合姫」である。))」だけは、大々的な特集を組んでいた。売上の増加はそれが影響していたのかもしれない。 -今作で主人公の桂を演じた松来氏は、百合作品や百合描写のある作品に数多く出演している。 --その事を『[[アオイシロ]]』のWEBラジオで、ゲスト出演していた本人が百子役の大久保藍子氏に突っ込まれた時は爆笑していたというエピソードがある。 -物語序盤と吸血シーンの一部をPCで遊べる体験版が、公式サイトからダウンロードできる。興味があれば是非遊んでみるといいだろう。 --また原作となったWEB小説も公式サイトに掲載されているので、是非読んで貰いたい。ただし最終的に悲劇的な終わり方になっているのだが。 -主人公の桂の服装は学校の制服ではなく私服である。 --本作の舞台は制服で来るような場所ではないのだが、デザイン((まず服がセーラー服にしか見えず、更にプリーツスカート、ハイソックス、ローファーと制服要素が見事に揃っている。))的に(さらに制服キャラの烏月が居る所為もあってか)「なんで制服で来てるの?」と思ってしまうプレイヤーも少なからず居た模様で、注釈を加えていた攻略サイトもあったほど。 --実際の制服姿は特定のエンディングで見る事が出来る。 -本作の発売と同月に放送開始されたアニメ『神無月の巫女』は、「日本神話と百合要素の融合」や「報われない男キャラクター」という点で本作と共通する。ただ、そちらの方は詳細は伏せるが本作よりも百合要素の濃さでは大きく上回るのだが。 ---- **その後の展開 -本作発売から1年後、廉価版((ジャケットはリバーシブル仕様となっている。))と同時にドラマCD((ユメイルートの後日談を描いた作品となっている。初回版には未収録シーンも掲載した台本が付属した。))及び、ユメイルートを元にした小説版((ゲームとは少し違った展開になっており、桂とユメイの「その後の物語」も追記されている。))が発売された。 --特にドラマCDは人気の高さから売り切れる店舗が続出してサクセスに苦情が殺到し、これに慌てたサクセスがサクセス通販限定で何度か再生産する事態になった程。 --現在はいずれも絶版になってしまい、入手困難となっている。ネット配信という形でもいいから何とか販売出来ないかという要望もあったらしいのだが、違法コピー対策やサーバー維持などの費用の問題や、複雑な権利関係の問題もあって無理だとの事。 -ジャイブより、攻略本を兼ねた「設定解説ファンブック」も発行されたのだが、こちらもあまりの人気にあっという間に完売してしまい、慌てて増刷を繰り返すという事態になってしまった。 --発売直後にネットオークションで、何と1万円近い金額で取引がなされた程。ただのファンブックとしては異常事態だと言える。 --また同社から、本作と『アオイシロ』のCGを掲載した「公式アートワークス」及び漫画『アオイシロ・花影抄』も発行された。漫画版は全3巻。後者には3巻目に本作のヒロインたちがゲスト出演している。 //依頼所の意見を元に、記述を薄めてみた。 -2008年5月((当初は4月発売予定だったのだが、プログラムの不具合が発覚し延期になった。))に続編の『アオイシロ』がPS2で発売され、さらに同年11月に様々な追加要素が加えられたWin版が発売された。 --また2009年5月にWin版を逆移植したPS2版の廉価版が発売され、またWin版のダウンロード版も2010年7月に発売されている。 --『アオイシロ』には本作主人公の桂を操作する''横スクロールアクションゲーム''「鬼切りの鬼」が収録されている。 ---戦闘力皆無の桂で何故アクションなのかと思うかもしれないが、本作のエンディングの1つに「鬼の力を与えられた桂が鬼との戦いに身を投じる」というものがあり、これをモチーフとしている為である。そのエンディングのタイトルも同じく「鬼切りの鬼」である。 -2010年にはアルケミスト・サクセス共同開発((販売・ユーザーサポートはアルケミストが担当。))で製作陣を同じくする『のーふぇいと!』(PSP/360)が発売されている。 --システムをほぼ継承しており、背景や効果音も一部に使われている。 -2013年10月にPS3でゲームアーカイブスとして配信が開始され、容易に入手可能になった。こちらの販売元は株式会社ハムスター。 -2020年に発売された『[[海腹川背>海腹川背シリーズ]]』シリーズの一作『海腹川背 BaZooKa!』に本作のヒロインの1人である千羽烏月が登場している。 --本来は何の関係も無いシリーズだが、このシリーズは毎度のように発売元が変わっており、同作が直近の『[[海腹川背Fresh!]]』に続いてサクセスから発売されている関係で登場させられたのだろう。 -2022年9月15日にHDリマスター版である『アカイイトHD REMASTER』が発表された。 --対応機種はSwitch/Win(Steam)で2023年5月25日に『アオイシロ HD REMASTER』と同時発売された。

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