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アトラク=ナクア - (2017/01/23 (月) 18:58:08) の最新版との変更点

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*アトラク=ナクア 【あとらくなくあ】 |ジャンル|ノベルアドベンチャー|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/51E1M36xgfL.jpg,height=160)| |対応機種|Windows 95~2000|~| |発売・開発元|アリスソフト|~| |発売日|2000年9月14日|~| |定価|2,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |備考|原作は『ALICEの館4・5・6(1997年12月18日発売)』に収録&br;CD-DA対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ALICE SOFT作品リンク>ALICE SOFT/チャンピオンソフト作品]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 -元々はアリスソフトのファンディスクパッケージ『アリスの館4・5・6』に収録されていた作品の一つ((他に、パーティーゲーム『人間狩り』、ロボットRPG『零式』、かつてフルプライス販売されていた旧作6点(同社代表作『ランス1~3』含む)のエミュレート版、他オマケが収録されていた。))。 --しかしその完成度の高さから伝説のゲームと称され、後に廉価版として単独販売された経緯を持つ。 --なお、廉価版ではソフ倫の新規定(18歳以下、近親相姦の直接的な表現は×)によって表記や一部設定が変わってしまっているところがあるものの、話の内容は全く同じなので安心して楽しめる。 **ストーリー 女郎蜘蛛である主人公・比良坂初音(ひらさか はつね)は、宿敵である銀(シロガネ)との戦いで傷ついた体を癒し、再び銀と対決するため、とある学園に巣を張った。女生徒の一人として潜り込み、妖しの力によって人心を惑わせ、弄び、精を吸い、喰らってゆく為に。 そこで初音は不良達に輪姦されていたおとなしく気の弱い少女、深山奏子(みやま かなこ)と出会う。彼女を気まぐれで助けた初音に、奏子は想いを寄せていく。 人を喰らう初音と、それを妨害する銀。邪悪な存在である初音と、聖職者を務める銀。一見、類型的な善悪対立の構図を匂わせる物語は、両者の全容が次第に明らかとなるにつれ、意外な展開を見せ始める。 **評価点 -シナリオの質は元がファンディスクパッケージのゲームでありながらアダルトゲーム界屈指の完成度。 --ジャンル的には学園伝奇+百合モノであるが、10年以上たった今でもノベルゲーム最高峰との呼び声が高い。 ---百合・陵辱・グロ要素など人によってはとっつきにくい要素もあることはあるが、それをものともしない完成度はさすがの一言。 ---遥か太古から続く想い、はかなくも激しく愛し合い、また新たに芽生える愛情と憎悪が巧みに折り込まれた内容を短編ながら無理なく盛り込んだ内容は圧巻。それゆえに伝奇小説としても高い完成度を誇る。 --また本作が発売された1997年当時は初音と奏子との関係に代表される百合関係の繊細な心理描写に重きを置いた作品は非常に稀であったため、本作は百合系ゲームの先駆けとの評価もある。 -BGMの完成度も折り紙つき。和風かつアコースティック、退廃的で耽美な音楽は本作の雰囲気にぴったりとマッチしており、今なおその完成度はトップクラス。 -システム的には進行によって視点が変わっていくこと以外は特に真新しい要素はないが、目立ったバグもない。 --一度エンディングを迎えてしまえば、各登場人物の状態を開始時に設定して章を選択してのプレイが可能になるので繰り返しプレイもしやすい。 **難点 -やはり元々がファンディスク収録作のひとつに過ぎない事もあってかボリューム面では大きく見劣りするのがネック。 --ボリューム的には数時間で全てのパターンを見る事も容易であり、フルプライスのソフトに比べると物足りないのも事実。 --贄にした、もしくは死亡した人数によるエンディングへの影響はなく、基本的には一本道の展開。エンディングも2つだけ。 -終盤の展開がやや駆け足になっている。 -セーブデータが3箇所しかない。 **総評 ファンディスクパッケージのビジュアルノベルとは思えないほどの完成度を誇り、ボリュームは少ないながらも今なおビジュアルノベルの最高傑作の一つとして数えられる逸品。~ 現在は廉価版ということもあって入手はしやすく、シナリオの密度も高いので、お手軽に完成度の高いノベルゲーを楽しみたいのならお勧め。 **余談 -本作のタイトルはクトゥルフ神話の邪神「アトラク=ナクア」から来ているが、本作とクトゥルフ神話に直接の関連性はない((本作のモチーフとなった作品は高橋葉介の漫画『夢幻紳士怪奇編』の1エピソードからとられている。))。 -本作が発売された1997年当時はLeafの『痕』や『[[雫]]』の大ヒットの影響でビジュアルノベルが氾濫する中にあってアリスソフトは同ジャンルには慎重な姿勢を見せていたが、ファンディスクパッケージの作品でありながら突如これだけの完成度を持った作品を世に出したことでもインパクトは大きかった。 --実際、当初はSLG要素を持つ作品になる予定であった。また、同社の『DiaboLiQuE』と本作のどちらかを単品発売し、もう一方を『アリスの館4・5・6』に収録という形で企画された経緯も持っている。 --なお、2017年現在においても、アリスソフトにおいて純粋なビジュアルノベルに属するジャンルの作品は本作のみである。 -主人公の比良坂初音はアリスソフトのヒロインの中でも屈指の人気を誇り、その人気の高さゆえに彼女は同社の他の作品にもしばしばゲスト出演しており、さらに同社のCD『アリスボーカルコレクション』では数多のアリスヒロインを押しのけてジャケットイラストに抜擢されている。 --ちなみに前述の『痕』の登場人物の柏木初音とは名前以外にも発売時期も比較的近かったせいか、時折二次創作等でネタにされる。 --また、彼女のキャラクターは後の百合系ゲームやクトゥルフ神話創作等各方面で今なお多大な影響を与えている。 ---特に蜘蛛やクトゥルフ神話の邪神「アトラク=ナクア」の擬人化では彼女がモチーフとなるケースが多い((代表的な例としては『怪物王女』の南久阿、『這いよれ! ニャル子さん』の銀アト子など。))。 //検索用 -ATLACH=NACHA-
*アトラク=ナクア 【あとらくなくあ】 |ジャンル|ノベルアドベンチャー|&amazon(B00008HUMF)| |対応機種|Windows 95~2000|~| |発売・開発元|アリスソフト|~| |発売日|2000年9月14日|~| |定価|2,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |備考|原作は『ALICEの館4・5・6(''1997年12月18日発売'')』に収録&br;CD-DA対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ALICE SOFT作品リンク>ALICE SOFT/チャンピオンソフト作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -元々はアリスソフトのファンディスクパッケージ『アリスの館4・5・6』に収録されていた作品の一つ((他に、パーティーゲーム『人間狩り』、ロボットRPG『零式』、かつてフルプライス販売されていた旧作6点(同社代表作『ランス1~3』含む)のエミュレート版、他オマケが収録されていた。))。 --しかしその完成度の高さから伝説のゲームと称され、後に廉価版として単独販売された経緯を持つ。 --なお、廉価版ではソフ倫の新規定(18歳以下、近親相姦の直接的な表現は×)によって表記や一部設定が変わってしまっているところがあるものの、話の内容は全く同じなので安心して楽しめる。 **ストーリー 女郎蜘蛛である主人公・比良坂初音(ひらさか・はつね)は、宿敵である銀(シロガネ)との戦いで傷ついた体を癒し、再び銀と対決するため、とある学園に巣を張った。女生徒の一人として潜り込み、妖しの力によって人心を惑わせ、弄び、精を吸い、喰らってゆく為に。 そこで初音は不良達に輪姦されていたおとなしく気の弱い少女、深山奏子(みやま・かなこ)と出会う。彼女を気まぐれで助けた初音に、奏子は想いを寄せていく。 人を喰らう初音と、それを妨害する銀。邪悪な存在である初音と、聖職者を務める銀。一見、類型的な善悪対立の構図を匂わせる物語は、両者の全容が次第に明らかとなるにつれ、意外な展開を見せ始める。 **評価点 -シナリオの質は元がファンディスクパッケージのゲームでありながらアダルトゲーム界屈指の完成度。 --ジャンル的には学園伝奇+百合モノであるが、10年以上たった今でもノベルゲーム最高峰との呼び声が高い。 ---百合・近親相姦・陵辱・グロ要素など人によってはとっつきにくい要素もあることはあるが、それをものともしない完成度はさすがの一言。 ---遥か太古から続く想い、はかなくも激しく愛し合い、また新たに芽生える愛情と憎悪が巧みに折り込まれた内容を短編ながら無理なく盛り込んだ内容は圧巻。それゆえに伝奇小説としても高い完成度を誇る。 --また本作が発売された1997年当時は初音と奏子との関係に代表される百合関係の繊細な心理描写に重きを置いた作品は非常に稀であったため、本作は百合系ゲームの先駆けとの評価もある。 -BGMの完成度も折り紙つき。和風かつアコースティック、退廃的で耽美な音楽は本作の雰囲気にぴったりとマッチしており、今なおその完成度はトップクラス。 -システム的には進行によって視点が変わっていくこと以外は特に真新しい要素はないが、目立ったバグもない。 --一度エンディングを迎えてしまえば、各登場人物の状態を開始時に設定して章を選択してのプレイが可能になるので、繰り返しプレイもしやすい。 **難点 -やはり元々がファンディスク収録作のひとつに過ぎない事もあってかボリューム面では大きく見劣りするのがネック。 --ボリューム的には数時間で全てのパターンを見る事も容易であり、フルプライスのソフトに比べると物足りないのも事実。 --贄にした、もしくは死亡した人数によるエンディングへの影響はなく、基本的には一本道の展開。エンディングも2つだけ。 --終盤の展開がやや駆け足になっている。 -人間の銀の方に感情移入してしまった人からすると、女郎蜘蛛の初音の行動に納得が行かない部分もある。 -セーブデータが3箇所しかない。 **総評 ファンディスクパッケージのビジュアルノベルとは思えないほどの完成度を誇り、ボリュームは少ないながらも今なおビジュアルノベルの最高傑作の一つとして数えられる逸品。~ 現在は廉価版ということもあって入手はしやすく、シナリオの密度も高いので、お手軽に完成度の高いノベルゲーを楽しみたいのならお勧め。 ---- **余談 -本作のタイトルはクトゥルフ神話の邪神「アトラク=ナクア」から来ているが、本作とクトゥルフ神話に直接の関連性はない((本作マニュアルにもその旨が記載されている。))((本作のモチーフとなった作品は高橋葉介の漫画『夢幻紳士怪奇編』の1エピソードからとられている。))。 -本作が発売された1997年当時はLeafの『痕』や『[[雫]]』の大ヒットの影響でビジュアルノベルが氾濫する中にあってアリスソフトは同ジャンルには慎重な姿勢を見せていたが、ファンディスクパッケージの作品でありながら突如これだけの完成度を持った作品を世に出したことでもインパクトは大きかった。 --実際、当初はSLG要素を持つ作品になる予定であった。また、同社の『DiaboLiQuE』と本作のどちらかを単品発売し、もう一方を『アリスの館4・5・6』に収録という形で企画された経緯も持っている。 --なお、2017年現在においても、アリスソフトにおいて純粋なビジュアルノベルに属するジャンルの作品は本作のみである。 -主人公の比良坂初音はアリスソフトのヒロインの中でも屈指の人気を誇り、その人気の高さゆえに彼女は同社の他の作品にもしばしばゲスト出演しており、さらに同社のCD『アリスボーカルコレクション』では数多のアリスヒロインを押しのけてジャケットイラストに抜擢されている。 --ちなみに前述の『痕』のヒロインの一人''柏木初音''((「かしわぎ・はつね」と読む。実は“乳首丸観えのシーンがあの『電撃プレイステーション』に掲載された”事が在る。))とは名前以外に発売時期も比較的近かったせいか、時折二次創作等でネタにされる。 ---世界的に有名なあの『[[ボーカロイド>SEGA feat. HATSUNE MIKU Projectシリーズ]]』が登場するまで「初音」と言えば専ら『痕』のヒロインか本作の主人公の事だった。特に『痕』の方は「''元祖初音''ちゃん」と言われる事も。 --また、彼女のキャラクターは後の百合系ゲームやクトゥルフ神話創作等各方面で今なお多大な影響を与えている。 ---特に怪物蜘蛛やクトゥルフ神話の邪神の擬人化では彼女がモチーフとなるケースも多い((代表的な例として前者は『怪物王女』の南久阿、後者は『這いよれ!ニャル子さん』の銀アト子など。))。 //検索用 -ATLACH=NACHA-

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