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*スティールダイバー 【すてぃーるだいばー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B004J18KX0)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |メディア|3DSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|VITEI|~| |発売日|2011年5月12日|~| |定価|4,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|非常に癖のある操作性&br()メイン以外の2つのモードの完成度がイマイチ&br()慣れれば雰囲気はとてもよくできている|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 潜水艦をテーマにしたアクションゲーム。海外版3DSのローンチタイトルでもある。~ 非常に難産だったことで有名な作品。~ 元々はDS用ゲームとして2004年に発表されたが、その後音沙汰がなく実質開発停止状態に。~ DSiウェア用に作り直されるも、さらにモードが追加されパッケージソフトとして発売されることになった。~ しかし、そこに宮本茂から「これは立体視と相性がいいから3DSのソフトにしよう」と鶴の一声がかかり、3DSソフトに。~ 当初は3月17日の発売が予定されていたが、3月11日の東日本大震災でさらに発売延期。5月12日にようやく日本語版は発売となった。 **ストーリー 時は19XX年、ある軍事国家が弱小国家への侵攻を企てていた。これに対し各国は軍事国家の野望を食い止めるべく、精鋭乗組員を集めた極秘潜水艦部隊を組織する。プレイヤーは後に「STEELDIVER」と呼ばれるようになるその部隊の一員として、潜水艦乗りの誇りを賭けた戦いに身を投じる事となる。 **システム -ゲームは以下の3つのモードが用意されている。 --潜水艦モード ---3種類の潜水艦から一種類を選び、ミッションを攻略していく。実質的なメインモード。 ---「ミッション」と「チャレンジ」の2つのモードに分かれており、ミッションは敵船を掻い潜りながら先に進むアクションステージ、チャレンジは短いステージを的確な操作で進むタイムアタックステージになっている。 --潜望鏡モード ---3DSジャイロ機能を生かして周囲に散らばった敵艦を魚雷で撃沈する。潜水艦モードのボーナスゲームを独立させたもの。 --海戦モード ---2Dのマップ上に自軍と敵軍で分かれ、それぞれ自分の艦隊を動かして姿の見えない相手の艦隊を全滅させる。ターン制のシミュレーションであるが、敵艦を魚雷で攻撃する時だけ潜望鏡モードになる。 ---潜水艦、護衛艦、輸送船の3種の艦種があり、相手の潜水艦か輸送船を撃沈すると勝利。潜水艦は全ての敵を攻撃でき、ソナーで周囲の敵船の位置を把握できる(ただしソナーを使うと自分の位置もバレる)。護衛艦は敵潜水艦に爆雷攻撃をしかけられる。輸送船は攻撃能力が一切ない。 ---簡単に説明すると、[[海戦ゲーム>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%88%A6%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0]]である。 ---このモードのみダウンロードプレイによる2人対戦に対応している。 -選択できる潜水艦は以下の3種。 --ND-01 マナティ ---小型潜水艦。最も耐久力が低いが挙動は素直。一度に発射できる魚雷は一発。唯一傾斜ハンドルが存在しないが、その代わり上方に魚雷を発射できる。 --ND-03 ブルーシャーク ---中型潜水艦。バランスのとれたパラメーター。一度に発射できる魚雷は二発。 --ND-05 サーペント ---大型潜水艦。耐久力は高いが、サイズが大きいため地形に引っかかりやすい。一度に発射できる魚雷は四発。 -潜水艦モードでは、上画面がステージ、下画面が潜水艦の操作パネルとなる。ボタンはポーズに用いるスタートボタン以外に一切使用しない。 --ゲーム自体は単純な2Dアクションであり、左端からスタートして右端にあるゴール(ボスがいる場合もある)にたどり着けばクリア、という至極単純なもの。潜水艦の耐久力が尽きるか制限時間がゼロになるとアウト。 --本作の操作はかなり独特。これがゲーム性の全てを成り立たせていると言っても過言ではない。 ---下画面左下には「出力レバー」。これを左右にスライドさせることで潜水艦の前身・後退を制御する。 ---下画面右上には「深度レバー」。これを上下にスライドさせることで潜水艦の深度を操作する。 ---下画面中央には「傾斜ハンドル」。潜水艦の傾きを調整できる。前述の通りマナティには搭載されていない。またブルーシャークとサーペントでも仕様が異なり、サーペントの方がより大きな角度まで変更できる(その代わり操作量は多くなる)。 ---下画面中央右には魚雷発射ボタンがある。前述のように一度に発射できる数は潜水艦ごとに異なる。使用回数に制限はないが、一度使うと再装填されるまでは使えない。 ---下画面中央左にはマスカーボタンがある。マスカーを使用すると、相手の探知型魚雷や機雷を一時的に無効化できる。ただし、使うたびにエアーが減少しゼロになるとマスカーが使えなくなる(乗員が窒息したりすることはなくマスカーの使用ができなくなるだけ)。 ---他、下画面左上には地形を含めたマップ(敵艦は特定のデカールを装備していないと表示されない)、右下には速度計・深度計がある。 --ダメージを負うと下画面から水漏れが発生することがある。水漏れ中は一切の操作ができない。水漏れ箇所をタッチすると修復できる。 --海面にいると、耐久力とエアーが回復する。 --ステージクリア後は制限時間内に敵船を撃破する潜望鏡モードを用いたボーナスゲームに突入する。敵船を撃破すると「デカール」がもらえる。 ---いわゆる装備品だが、特定の枚数集めないと効果は発揮されない。一度に装備できるデカールは各潜水艦一種類だけ。 -シナリオは一応存在するが、各ミッション選択時に文章で表示されるだけで特にこれと言ってステージ自体には絡んでこない。各潜水艦ごとに異なった艦長もいるが、彼らの個性も希薄。 **問題点 -''とにかく難易度が高い''。 --最大の要因は操作性。上記の操作方法を見ての通り、「潜水艦を動かす」のではなく「潜水艦の操作盤を動かす」ゲームなので、何をするにもワンテンポ遅れるのである。 ---「ぶつかる!」と思った瞬間に操作しても絶対に間に合わない。地形を的確に読んで先読みで操作しないとクリアはおぼつかない。 ---下画面一杯に広がった操作盤も問題。細い通路を進んでいる時など、前身後退と上下動を一度に操作しなければいけないシチュエーションはザラなので、非常に忙しい。ブルーシャークとサーペントはここに潜水艦自体の傾き操作も加わる。おまけにうっかり障害物に激突して水漏れした日には二重三重のミスが重なり艦橋はエライことになる。 --最初のミッションは非常に簡単なのだが、ミッション3の海底火山あたりから難易度が跳ね上がって来る。それでも何度も挑戦すればクリアが見えてくるレベルなのが救いだが…。 ---最初に用意されたミッションを全ての潜水艦でクリアすると、障害物が激増しさらに難易度の上がったエクストラミッションに挑戦できるが、''ノーマルモードを全クリできた人でも最初のミッションでつまずくレベル''。ここまで来ると、試行回数を増やすだけでは到底クリアできなくなるので投げ出す人はここで投げ出す。 ---そしてエクストラミッションをコンプしてなお飽き足らない人のために、「スタッフゴーストの記録に打ち勝つと勲章」というやりこみが用意されているのだが、''エクストラミッションクリアがヌルく見えるほどに難しい''。流石にここまでやりこんだら自慢していいだろう。 --潜水艦の性能差も酷い。初心者はほぼマナティ一択。というかサーペントを選ぶと地獄が見える。 ---マナティは傾斜ハンドルがなく深度レバーだけで傾きを操作できるという一点だけでも非常に操作がしやすく、さらに上方の敵を攻撃するための専用魚雷まである。サイズが小さいので狭いところも通過しやすく入れたりつくせり。またミッション5のボスの巨大戦艦は底の部分に弱点があるので、マナティが一番弱点を狙いやすい。 ---一方サーペントは初心者が使うと、あまりのデカさに持て余し耐久力に物を言わせたごり押しプレイになりがち。「攻撃力が高い」が売りのはずだが、ほとんどの敵は魚雷一発で破壊できるので違いを実感できる場面があまりない。ミッション5ボスに関しては、弱点を上手く狙えれば一気に体力を削り取れるという長所はあるのだが…。 ---ゲーム的にはマナティが初心者向け、サーペントが上級者向けに設定されているので間違いではないが。それでも最終的には全ミッションを全潜水艦でクリアする必要があるので、この使い勝手の差は大きい。 ---また、ほとんど敵が出現しない細い通路を進むことになるミッションモードでは、ブルーシャーク・サーペントは本気で長所が生かせないため、実質マナティ一択。 -ボリュームが薄い。 --ミッションは全7ミッション。それにエクストラミッションが7ミッション。チャレンジが8ミッション。''以上、全22ミッションがこのゲームの全てである''。 ---デカール集めなどやりこみ要素もあるが、結局は同じステージを繰り返しプレイすることになるため飽きは早い。クリアしても記録されるのはクリアタイムだけで評価などがないのもやりこみ甲斐のないところ。 -''潜望鏡モードと海戦モードの完成度が低い。''というか、どう見てもメインモードの一つとしてパッケージ裏で紹介していいレベルではない。 --潜望鏡モードは潜水艦モードのボーナスゲームを敵船の数を増やして独立したモードにした''だけ''。単なるミニゲームである。ステージ数は全3つで、全ステージ最初から選択可能。''クリア特典はなし''。せめて敵船が無限に出現するエンドレスモードを搭載するとか、もう少し工夫のしようはあったと思うのだが…。 ---3DSのジャイロ操作を最大限生かした珍しいゲームとしての価値はあるかもしれない。とりあえず、「ボリュームが異常に薄い」こと以外はまともに遊べるレベルなので海戦モードよりはマシ。 --海戦モードはより酷い。 ---まず味方側の艦隊をマップ上に配置しなければならないのだが、''配置箇所は全くのランダムでプレイヤーからの干渉は不可''。一応好みの配置になるまで何度でもシャッフルできるが、スタッフは海戦ゲームというものを本当に理解しているのだろうか((海戦ゲームの最初の肝がこの艦隊の配置である。))? ---味方陣地・敵陣地に分かれるのは本家と同じだが、なんと艦種のうち「潜水艦」だけは''敵陣地に侵入できてしまう''。実質的に「自陣地に侵入した潜水艦を迎撃するor敵陣地に侵入させた潜水艦を守り切る」の二択しか戦略がない。攻撃に移った潜水艦の位置はモロバレなので余計にその傾向が強い。 ---護衛艦の攻撃は50m、100m、150mの3つの深度から一か所を選び、さらに潜水艦側もこの3つの深度から一か所を選んで爆雷攻撃を回避することになる。''実質護衛艦の攻撃は1/3の確率でしか当たらない''ため効率がやたら悪い。 ---潜水艦側からの攻撃は潜望鏡モードになるが、守る側にできることが全くない。「動き回って魚雷を回避」なんてことは不可能な上、ただ見ているだけなのでテンポも悪い。 -なぜかセーブにかかる時間が妙に長い。 --後述するようにプレイヤーのゴーストを記録しているためと思われる。だが、なぜかゴーストの存在しない潜望鏡モードや海戦モードでも同じように時間がかかる。 ---「ゴーストを記録するかどうか」はプレイヤーの判断に任せてくれても良かったのではないだろうか? どうせゴーストを残したいのは良い記録が出た時だけなのだから、微妙なタイムの時など必要性を感じないだろう。 **評価点 -慣れさえすれば、独特な操作をストレス要因ではなく本作の「味」と受け取ることもできる。 --「何をするにもワンテンポ遅れる」ということは逆に言えばリアルな潜水艦操作を可能な限り再現しているとも言える。敵や障害物の動きは自機に合わせてゆっくりとしており、そういう意味での理不尽さは薄い。潜水艦シミュレーターとしての完成度は地味に侮れないレベル。 --下画面一杯に使ったマルチタスクな操作スタイルも、類例があまりなくユニーク。その分思い通りに動かせたときの達成感は高い。 --タイム更新は非常に熱い。自分のゴーストと競うこともできるので、自身の記録を塗り替えることにもチャレンジできる。 -雰囲気は非常によくできている。 --宮本茂が推薦しただけのことはあり、立体視との相性は非常にいい。奥行きのある海らしさが良く表現されている。 --各ステージはジャングルから海底遺跡、北極海までバリエーション豊か。それぞれに異なったギミックもあり、攻略するのが楽しい。 ---海底遺跡ボスはなんと巨大オウムガイ。ここだけ雰囲気が[[ダライアス]]である。 --BGMはステージごとに違ったものが用意されており、これも好評。 ---ステージスタート時しか流れず、以降はボス戦以外は基本無音なのが残念。もっとも、ソナー音や乗員の通信だけが響く中での運行もこれはこれで雰囲気があるので、意図的にBGMは消しているのだろう。 **総評 癖のあるゲーム性なので、「キビキビとした雰囲気の爽快なアクションゲーム」を求めている人には断じてオススメできない。~ 全体的には「ただ黙々とタイムを塗り替えていくことに喜びを感じる人」向けのゲームである。~ 慣れれば潜水艦を操る感覚はなかなか楽しいので、ボリュームの薄さに目をつむれば十分楽しめる作品だろう。~ **その後 -同じ世界観を使ったFPS『スティールダイバー サブウォーズ』が基本無料で配信された。 --ハードは同じくニンテンドー3DS。正規版へのアップグレードに952円かかる。 **余談 -『[[マリオカート8]]』および『[[マリオカート8 デラックス]]』にそのまんま「スティールダイバー」という名前の潜水艦型のカートが登場した。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』にもそのまんま「スティールダイバー」という名前で、なんと拳銃サイズの潜水艦を手に持って魚雷を発射する射撃アイテムとして登場した。 -『[[スターフォックス ゼロ]]』発売記念ショートアニメ『スターフォックス ゼロ ザ・バトル・ビギンズ』にてグレートフォックスに「スティールダイバーのamiibo」が置いてある。~ もちろん実際には発売されていない。([[参考・外部リンク>https://topics.nintendo.co.jp/c/article/7b805637-2e23-11e6-8360-063b7ac45a6d.html]])
「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 以下は依頼内容です。 -「賛否両論/不安定/スルメ」に抵触する内容 ---- *スティールダイバー 【すてぃーるだいばー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B004J18KX0)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |メディア|3DSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|VITEI|~| |発売日|2011年5月12日|~| |定価|4,571円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|潜水艦の''操作盤を''動かして攻略&br()難易度バランスや自機の性能差も歪&br()メインモード2つの完成度の低さ&br()3DSの立体視との相性抜群&br()雰囲気ゲーとしての秀逸さ&br()慣れれば分かる真の面白さ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 潜水艦の操作盤を操縦することをテーマにしたアクションゲーム。海外版3DSのローンチタイトルでもある。~ 非常に難産だったことで有名な作品。~ 元々はDS用ゲームとして2004年に発表されたが、その後音沙汰がなく実質開発停止状態に。~ DSiウェア用に作り直されるも、さらにモードが追加されパッケージソフトとして発売されることになった。~ しかし、そこに宮本茂から「これは立体視と相性がいいから3DSのソフトにしよう」と鶴の一声がかかり、3DSソフトに。~ 当初は3月17日の発売が予定されていたが、3月11日の東日本大震災でさらに発売延期。5月12日にようやく日本語版は発売となった。 ---- **ストーリー >時は19XX年、ある軍事国家が弱小国家への侵攻を企てていた。これに対し各国は軍事国家の野望を食い止めるべく、精鋭乗組員を集めた極秘潜水艦部隊を組織する。プレイヤーは後に「STEELDIVER」と呼ばれるようになるその部隊の一員として、潜水艦乗りの誇りを賭けた戦いに身を投じる事となる。 ---- **システム ''ゲームモード'' -ゲームは以下の3つのモードが用意されている。 --潜水艦モード ---3種類の潜水艦から一種類を選び、ミッションを攻略していく。実質的なメインモード。 ---「ミッション」と「チャレンジ」の2つのモードに分かれており、ミッションは敵船を掻い潜りながら先に進むアクションステージ、チャレンジは短いステージを的確な操作で進むタイムアタックステージになっている。 --潜望鏡モード ---3DSジャイロ機能を生かして周囲に散らばった敵艦を魚雷で撃沈する。潜水艦モードのボーナスゲームを独立させたもの。 --海戦モード ---2Dのマップ上に自軍と敵軍で分かれ、それぞれ自分の艦隊を動かして姿の見えない相手の艦隊を全滅させる。ターン制のシミュレーションであるが、敵艦を魚雷で攻撃する時だけ潜望鏡モードになる。 ---潜水艦、護衛艦、輸送船の3種の艦種があり、相手の潜水艦か輸送船を撃沈すると勝利。潜水艦は全ての敵を攻撃でき、ソナーで周囲の敵船の位置を把握できる(ただしソナーを使うと自分の位置もバレる)。護衛艦は敵潜水艦に爆雷攻撃をしかけられる。輸送船は攻撃能力が一切ない。 ---簡単に説明すると、[[海戦ゲーム>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%88%A6%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0]]である。 ---このモードのみダウンロードプレイによる2人対戦に対応している。 ''潜水艦'' -選択できる潜水艦は以下の3種。 --ND-01 マナティ ---小型潜水艦。最も耐久力が低いが挙動は素直。一度に発射できる魚雷は一発。唯一傾斜ハンドルが存在しないが、その代わり上方に魚雷を発射できる。 --ND-03 ブルーシャーク ---中型潜水艦。バランスのとれたパラメーター。一度に発射できる魚雷は二発。 --ND-05 サーペント ---大型潜水艦。耐久力は高いが、サイズが大きいため地形に引っかかりやすい。一度に発射できる魚雷は四発。 ''インターフェース'' -潜水艦モードでは、上画面がステージ、下画面が潜水艦の操作パネルとなる。ボタンはポーズに用いるスタートボタン以外に一切使用しない。 --ゲーム自体は単純な2Dアクションであり、左端からスタートして右端にあるゴール(ボスがいる場合もある)にたどり着けばクリア、という至極単純なもの。潜水艦の耐久力が尽きるか制限時間がゼロになるとアウト。 --本作の操作はかなり独特。これがゲーム性の全てを成り立たせていると言っても過言ではない。 ---下画面左下には「出力レバー」。これを左右にスライドさせることで潜水艦の前身・後退を制御する。 ---下画面右上には「深度レバー」。これを上下にスライドさせることで潜水艦の深度を操作する。 ---下画面中央には「傾斜ハンドル」。潜水艦の傾きを調整できる。前述の通りマナティには搭載されていない。またブルーシャークとサーペントでも仕様が異なり、サーペントの方がより大きな角度まで変更できる(その代わり操作量は多くなる)。 ---下画面中央右には魚雷発射ボタンがある。前述のように一度に発射できる数は潜水艦ごとに異なる。使用回数に制限はないが、一度使うと再装填されるまでは使えない。 ---下画面中央左にはマスカーボタンがある。マスカーを使用すると、相手の探知型魚雷や機雷を一時的に無効化できる。ただし、使うたびにエアーが減少しゼロになるとマスカーが使えなくなる(乗員が窒息したりすることはなくマスカーの使用ができなくなるだけ)。 ---他、下画面左上には地形を含めたマップ(敵艦は特定のデカールを装備していないと表示されない)、右下には速度計・深度計がある。 --ダメージを負うと下画面から水漏れが発生することがある。水漏れ中は一切の操作ができない。水漏れ箇所をタッチすると修復できる。 --海面にいると、耐久力とエアーが回復する。 --ステージクリア後は制限時間内に敵船を撃破する潜望鏡モードを用いたボーナスゲームに突入する。敵船を撃破すると「デカール」がもらえる。 ---いわゆる装備品だが、特定の枚数集めないと効果は発揮されない。一度に装備できるデカールは各潜水艦一種類だけ。 ''シナリオ'' -シナリオは一応存在するが、各ミッション選択時に文章で表示されるだけで特にこれと言ってステージ自体には絡んでこない。各潜水艦ごとに異なった艦長もいるが、彼らの個性も希薄。 ---- **問題点 ''とにかく難易度が高い''。 -最大の要因は操作性。上記の操作方法を見ての通り、「潜水艦を動かす」のではなく「潜水艦の操作盤を動かす」ゲームなので、何をするにもワンテンポ遅れるのである。 ---「ぶつかる!」と思った瞬間に操作しても絶対に間に合わない。地形を的確に読んで先読みで操作しないとクリアはおぼつかない。 ---下画面一杯に広がった操作盤も問題。細い通路を進んでいる時など、前身後退と上下動を一度に操作しなければいけないシチュエーションはザラなので、非常に忙しい。ブルーシャークとサーペントはここに潜水艦自体の傾き操作も加わる。おまけにうっかり障害物に激突して水漏れした日には二重三重のミスが重なり艦橋はエライことになる。 --最初のミッションは非常に簡単なのだが、ミッション3の海底火山あたりから難易度が跳ね上がって来る。それでも何度も挑戦すればクリアが見えてくるレベルなのが救いだが…。 ---最初に用意されたミッションを全ての潜水艦でクリアすると、障害物が激増しさらに難易度の上がったエクストラミッションに挑戦できるが、''ノーマルモードを全クリできた人でも最初のミッションでつまずくレベル''。ここまで来ると、試行回数を増やすだけでは到底クリアできなくなるので投げ出す人はここで投げ出す。 ---そしてエクストラミッションをコンプしてなお飽き足らない人のために、「スタッフゴーストの記録に打ち勝つと勲章」というやりこみが用意されているのだが、''エクストラミッションクリアがヌルく見えるほどに難しい''。流石にここまでやりこんだら自慢していいだろう。 --潜水艦の性能差も酷い。初心者はほぼマナティ一択。というかサーペントを選ぶと地獄が見える。 ---マナティは傾斜ハンドルがなく深度レバーだけで傾きを操作できるという一点だけでも非常に操作がしやすく、さらに上方の敵を攻撃するための専用魚雷まである。サイズが小さいので狭いところも通過しやすく入れたりつくせり。またミッション5のボスの巨大戦艦は底の部分に弱点があるので、マナティが一番弱点を狙いやすい。 ---一方サーペントは初心者が使うと、あまりのデカさに持て余し耐久力に物を言わせたごり押しプレイになりがち。「攻撃力が高い」が売りのはずだが、ほとんどの敵は魚雷一発で破壊できるので違いを実感できる場面があまりない。ミッション5ボスに関しては、弱点を上手く狙えれば一気に体力を削り取れるという長所はあるのだが…。 ---ゲーム的にはマナティが初心者向け、サーペントが上級者向けに設定されているので間違いではないが。それでも最終的には全ミッションを全潜水艦でクリアする必要があるので、この使い勝手の差は大きい。 ---また、ほとんど敵が出現しない細い通路を進むことになるミッションモードでは、ブルーシャーク・サーペントは本気で長所が生かせないため、実質マナティ一択。 ''ボリュームが薄い'' -ミッションは全7ミッション。それにエクストラミッションが7ミッション。チャレンジが8ミッション。''以上、全22ミッションがこのゲームの全てである''。 ---デカール集めなどやりこみ要素もあるが、結局は同じステージを繰り返しプレイすることになるため飽きは早い。クリアしても記録されるのはクリアタイムだけで評価などがないのもやりこみ甲斐のないところ。 ''2つのメインモードの完成度の低さ'' -''潜望鏡モードと海戦モードの完成度が低い。''というか、どう見てもメインモードの一つとしてパッケージ裏で紹介していいレベルではない。 --潜望鏡モードは潜水艦モードのボーナスゲームを敵船の数を増やして独立したモードにした''だけ''。単なるミニゲームである。ステージ数は全3つで、全ステージ最初から選択可能。''クリア特典はなし''。せめて敵船が無限に出現するエンドレスモードを搭載するとか、もう少し工夫のしようはあったと思うのだが…。 ---3DSのジャイロ操作を最大限生かした珍しいゲームとしての価値はあるかもしれない。とりあえず、「ボリュームが異常に薄い」こと以外はまともに遊べるレベルなので海戦モードよりはマシ。 -海戦モードはより酷い。 --まず味方側の艦隊をマップ上に配置しなければならないのだが、''配置箇所は全くのランダムでプレイヤーからの干渉は不可''。一応好みの配置になるまで何度でもシャッフルできるが、スタッフは海戦ゲームというものを本当に理解しているのだろうか? ---海戦ゲームの最初の肝がこの艦隊の配置である。 --味方陣地・敵陣地に分かれるのは本家と同じだが、なんと艦種のうち「潜水艦」だけは''敵陣地に侵入できてしまう''。実質的に「自陣地に侵入した潜水艦を迎撃するor敵陣地に侵入させた潜水艦を守り切る」の二択しか戦略がない。攻撃に移った潜水艦の位置はモロバレなので余計にその傾向が強い。 ---護衛艦の攻撃は50m、100m、150mの3つの深度から一か所を選び、さらに潜水艦側もこの3つの深度から一か所を選んで爆雷攻撃を回避することになる。''実質護衛艦の攻撃は1/3の確率でしか当たらない''ため効率がやたら悪い。 ---潜水艦側からの攻撃は潜望鏡モードになるが、守る側にできることが全くない。「動き回って魚雷を回避」なんてことは不可能な上、ただ見ているだけなのでテンポも悪い。 ''その他'' -なぜかセーブにかかる時間が妙に長い。 --後述するようにプレイヤーのゴーストを記録しているためと思われる。だが、なぜかゴーストの存在しない潜望鏡モードや海戦モードでも同じように時間がかかる。 ---「ゴーストを記録するかどうか」はプレイヤーの判断に任せてくれても良かったのではないだろうか? どうせゴーストを残したいのは良い記録が出た時だけなのだから、微妙なタイムの時など必要性を感じないだろう。 ---- **評価点 ''理解できれば良作になり得る内容'' -慣れさえすれば、独特な操作をストレス要因ではなく本作の「味」と受け取ることもできる。 --「何をするにもワンテンポ遅れる」ということは逆に言えばリアルな潜水艦操作を可能な限り再現しているとも言える。敵や障害物の動きは自機に合わせてゆっくりとしており、そういう意味での理不尽さは薄い。潜水艦シミュレーターとしての完成度は地味に侮れないレベル。 --下画面一杯に使ったマルチタスクな操作スタイルも、類例があまりなくユニーク。その分思い通りに動かせたときの達成感は高い。 --タイム更新は非常に熱い。自分のゴーストと競うこともできるので、自身の記録を塗り替えることにもチャレンジできる。 ''雰囲気は非常によくできている'' -宮本茂が推薦しただけのことはあり、立体視との相性は非常にいい。奥行きのある海らしさが良く表現されている。 --各ステージはジャングルから海底遺跡、北極海までバリエーション豊か。それぞれに異なったギミックもあり、攻略するのが楽しい。 ---海底遺跡ボスはなんと巨大オウムガイ。ここだけ雰囲気が[[ダライアス]]である。 --BGMはステージごとに違ったものが用意されており、これも好評。 ---ステージスタート時しか流れず、以降はボス戦以外は基本無音なのが残念。もっとも、ソナー音や乗員の通信だけが響く中での運行もこれはこれで雰囲気があるので、意図的にBGMは消しているのだろう。 ---- **総評 癖のあるゲーム性なので、「キビキビとした雰囲気の爽快なアクションゲーム」を求めている人には断じてオススメできない。~ 全体的には「ただ黙々とタイムを塗り替えていくことに喜びを感じる人」向けのゲームである。~ 慣れれば潜水艦を操る感覚はなかなか楽しいので、ボリュームの薄さに目をつむれば十分楽しめる作品だろう。~ ---- **その後 -同じ世界観を使ったFPS『スティールダイバー サブウォーズ』が基本無料で配信された。 --ハードは同じくニンテンドー3DS。正規版へのアップグレードに952円かかる。 **余談 -発売後の2012年5月頃には、ガチャポン形式の組み立てキットとして『任天堂 メカニックキットコレクション』が発売され、本作からは「マナティ&ブルーシャーク」「サーペント」がラインナップ入りしていた。~ 他には『[[スターフォックス64 3D>スターフォックス64]]』の機体が収録されており、任天堂作品のメカとして共に貴重な立体化を果たしている。 -『[[マリオカート8]]』および『[[マリオカート8 デラックス]]』にそのまんま「スティールダイバー」という名前の潜水艦型のカートが登場した。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にもそのまんま「スティールダイバー」という名前で、なんと拳銃サイズの潜水艦を手に持って魚雷を発射する射撃アイテムとして登場した。 -上記の縁や製作スタッフの繋がりからか、『[[スターフォックス ゼロ]]』発売記念ショートアニメ『スターフォックス ゼロ ザ・バトル・ビギンズ』のグレートフォックス内には「スティールダイバーのamiibo」が置いてあったりする。~ もちろん実際には発売されていない。([[参考・外部リンク>https://topics.nintendo.co.jp/c/article/7b805637-2e23-11e6-8360-063b7ac45a6d.html]])

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