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ぷちえゔぁ」を以下のとおり復元します。
*ぷちえゔぁ
【ぷちえゔぁ】
|ジャンル|''まったりほんわか''|&amazon(B0013DBABG,height=160)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|ベック(芝村組)|~|
|発売日|2008年3月20日|~|
|定価|5,040円(税込)&br;※通常版/特典付き共通&br;特典は特製スクールカレンダー|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|&color(blue){''2008年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点''}&br()対象層が明らかにミスマッチ&br()商業作品というよりただのFlashゲー&br()キャラの可愛さだけが取り柄&br()違和感だらけのボイス|~|
|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
|>|>|CENTER:''[[新世紀エヴァンゲリオンゲームリンク>新世紀エヴァンゲリオンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『新世紀エヴァンゲリオン』の公式スピンオフ作品である『ぷちえゔぁ ~EVANGELION@SCHOOL~』のゲーム化作品。これは、エヴァのキャラクターを二等身半のチビキャラにデフォルメし、TVシリーズで一度行われたネタをもとに学園物として再構築されたギャグ要素の強い作品である。~
バンダイチャンネルで公開されたアニメ作品や、『月刊少年エース』などに掲載された漫画作品などがある。ちなみに角川系列では、『涼宮ハルヒの憂鬱』に対する『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』など、このような公式スピンオフが連載される例が他にもある。~
あくまで『ぷちえゔぁ』のゲームなので、ほんわか和ませ系のゆるい雰囲気を持つキャラゲーになっている。


**ゲーム内容
-操作はほぼ全てタッチペンで行われ、補助的に十字ボタンとスタートボタン(ポーズ用)が使われる。
-4月から3月までの12ヶ月それぞれに各4話のステージが用意されており、それぞれでストーリー付きのミニゲームを行う。最初の4月のみ、オープニングで1話使っているため全3話となっている。よって全47話、ミニゲームも47個である。
-最後の3月第4話をクリアするとエンディング。各ステージはクリアできなくても、3回失敗した場合は先に進める。
-各ステージを好成績でクリアすることで固有の「おたから」と呼ばれるアイテムを最大2~3個入手でき、コレクションできる。

**問題点
''ゲーム全体に渡るチープさ''
-ミニゲームが''低年齢層向けFlashゲームレベルの寄せ集め''。
--原作エヴァ世代はとうにいい大人になっているし、作品自体子供向けとは到底言えない。『ぷちえゔぁ』にしたって、幼児が触れるほど低年齢層向けの作品ではないはずだが…
--「逃げちゃだめだ」「歌はいいねえ」など、エヴァの有名セリフも(半ば無理矢理に)出てくる。一体このゲームは誰をターゲットにして作っているのだろうか。
--ボリューム的にも、「おたから」に拘らず進めて2時間、コンプリートまでせいぜい5時間といったところ。

-ミニゲームの内容を紹介。カッコ内は収録個数。
--''タッチアドベンチャー''(10回):画面上のキャラクターや物体をタッチペンで囲み選択することで、会話を進めていくミニゲーム。
---説明役のミサトからある程度の指示は出るものの、どのキャラクターを選択すれば話が進むかはほとんど運任せである。
---クリアだけなら楽だが、「おたから」を集めようとすると最短手順を覚えるだけの記憶ゲームとなる。
--''タッチアクション''(14回):シンジ達がひたすらゴールに向かって歩いていくor走っていく。障害物に当たるとしばらく動きが止まってしまうので、タッチやスライドで除去するミニゲーム。
---ステージによっては追ってくる敵の妨害やシンジの加速などの要素があるため完全に単調にはなっていないものの、基本は同じ。ベタな作りや収録個数の多さもあり、ダレること必至。
--''タッチパズル''(11回):配置を入れ替えるミニゲーム。ギミックを正しく配置して設置物を動かすステージや、計算式や四字熟語を正しく並べ変えるステージがある。
---設置物を動かすステージは、やや頭は使うものの難易度は高くなく幼稚さが漂う。計算式や四字熟語の並べ替えはさらに酷く、問題が小学生低学年程度のレベル。
--''ハートにタッチ!''(7回):キャラクターとの会話の返答を4択で10問答えるミニゲーム。10問それぞれで配点は異なり、合計100点満点のうち80点取ればクリア…相手の性格や原作ネタから若干は答えが推測できるが、''少なからずただの運ゲーである。''

#region(問題の例)
-(アスカとプールへ。なぜか黙りこくるアスカ)
--Q:む……
--(選択肢)「……」「暑いねえ」「な、何かしゃべろうよ」「なんできげん悪いの?」
---A:「なんできげん悪いの?」5点、「な、何かしゃべろうよ」4点、「……」3点、「暑いねえ」0点
-(父・ゲンドウと二人きり)
--Q:……
--(選択肢)「テレビ、面白くないね」「(テレビをねっしんに見る)」「おなかすいたね」「……」
---A:「(テレビをねっしんに見る)」5点、「……」4点、「テレビ、面白くないね」3点、「おなかすいたね」0点
#endregion

---「おたから」をコンプリートしたい場合は満点の100点が必要なので、間違えてはそれを覚えてやり直し、の繰り返しを強要される。
--''たくさんタッチ!''(5回):''ひたすらタッチペンで連打するだけ。''もはやミニゲームと呼んでいいか怪しいレベルである。最終面もこれ。

-「おたから」の取得について不親切な点が多い。
--ステージによって2つ入手できる場合と3つ入手できる場合があるのだが、そのステージがどちらなのかは一切表示されていない。
---コレクションページの歯抜け状況を見ればだいたい推測は可能ではあるが、それでも完全な断定はできない。
--好成績を残して「おたから」を全て取得しても、特にストーリー内容は変わらない。
--ステージ選択画面において、クリア成績に応じて各ステージに最大3つの星マークがつく。しかし、星の数と「おたから」の取得数は直接連動していない。
---2つしか入手していないのに星が3つ付く場合や、その逆の場合も起こり得る。結果、星の数は「おたから」の取得に関してあまり参考にはならない。
--「おたから」自体ネタ的に面白い訳でもないので、最初からコンプリートする気になるかどうか微妙なところではある。

-ゲーム冒頭でキャラクターや世界観の説明が一切されない。
--オープニング映像はキャラと名前が出るだけで、20秒余りで終わる。説明書のキャラ説明もおざなり。
--エヴァを知っていればキャラにさほど混乱はしないだろうが、それにしたって『ぷちえゔぁ』の世界観の説明がゲーム内で全くないまま始まるのはいかがなものか。

-ゲーム内のムービーは、何かの日常系マンガに出てきそうなありがちなネタで、内容は決して面白いと言えるほどのものではない。

-綾波ではなくアスカのみが正ヒロインとして扱われており、シンジもアスカのほうにより恋愛感情を持っているという描写について好みは分かれる。
--あくまでスピンオフなので製作側の意図の範疇ではあるが、原作では明確な差がなかったヒロイン2人の扱いが割れているのは否めない。

''意味不明なボイス''
-シンジやアスカ、綾波らキャラクターのセリフ全てにボイスが付いているのだが、これが意味不明極まりない。
--ボイスは「あっ」「うん」「うふっ」などと聞こえるごく短いボイスのみで、''まともに感情や意味をなす言葉はろくに喋ってくれない''ためほとんど用をなしていない。
--ボイスはキャラクターやセリフとろくに合っておらず、出来の悪いアクションゲームのダメージボイスのような音声からは意図がさっぱり読めない。
--そもそも音質の悪さからかくぐもっているものも多々あり、ボイスというよりは「''なんだかよくわからない声が一瞬聞こえる''」といった有様であることも多い。
--スタッフロールによればボイスはならはしみき氏と宮田浩徳氏が当てているらしいのだが、この両名は''メインキャラクターにおける元々の声優ではないし、そもそもエヴァへの出演経験自体全くない''。
---スピンオフだからといって原作と同じ声優を当てなければならないという道理はないが、それにしたってもうちょっとまともな声の当て方があるだろう。
---そもそも、聞いていて両氏の声だと判別できるかどうかは非常に怪しい。二人ともベテラン声優なのに、明らかに無駄遣いである。これだったら、いっそ電子音か無音のほうがいくぶんマシであろう。

-オプションは「手書きで設定したプレイヤー名の変更」と「データ消去」の2つだけと、「オプション」の体を完全に成していない。

**評価点
-シナリオは適当だがキャラクターの設定やビジュアルにはそれほど問題はなく、女の子キャラはどれもそれなりにはかわいい。シンジもかわいい。とは言え、これは元々の『ぷちえゔぁ』という企画、ひいては原作エヴァの功績であり、本作が生み出した功績ではないだろう。

**総評
とにかく、まずフルプライスのゲームとしては明らかにボリュームが足らない。~
47個という個数だけで言えばまだマシにも思えるが、1分もかからずに終わるようなゲームが大まかに分けてたったの全5種、拡大解釈しても10種もないようなバリエーションの少なさである。~
ストーリーにしろミニゲームにしろほとんど手が掛かっているようには見えず、先に進むことによる達成感や緊張感を感じさせる作りにはなっていない。

ちなみに開発者インタビュー内では、DSということである程度ライトな層を対象にしたかったらしく、「電車の中で1話ずつプレイするようなプレイスタイルを想定」とか、~
「たまに詰まって頭の中で試行錯誤して解法を見つけるようなゲーム」などという主旨の発言がされている。~
それにしては、''公衆の面前でやるのはどうかという連打ゲーや、解法なんてほとんどないような運が大部分を占めるゲーム''が多数混じっていたりするのだが…

**余談
-ゲームデザインはあの''芝村裕吏''氏。
-2ちゃんねるエヴァ板では「4500円のカレンダーを買ったらDSのゲームがついてきて得した」とまで言われる始末。
-『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009年公開)で登場する新キャラクターの「真希波・マリ・イラストリアス」がこのゲーム内で先行登場している((本作の時点ではまだフルネームは公開されておらず、名前は「マリ」しかわからなかった。))。
--ストーリー内にたまに紛れ込んでいるモブキャラという位置づけになっているため、特にセリフや活躍の場はない。
-値崩れした結果、販売から1ヶ月も経たないうちに特典付きがワゴン置き場で売られているのが確認されてしまっている。
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