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ゼルダの伝説 風のタクト」を以下のとおり復元します。
*ゼルダの伝説 風のタクト
【ぜるだのでんせつ かぜのたくと】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61VQ8K621KL.jpg,height=160)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|
|開発・発売元|任天堂|~|
|発売日|2002年12月13日|~|
|定価|6,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ関連リンク>ゼルダの伝説シリーズ]]''|

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#contents()
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**プロローグ
#blockquote(){
人々の間ではこんな伝説が語り継がれている。

遠い昔、神々の力が眠ると言われた王国があったが悪しき者に目をつけられ、闇に包まれた。~
王国が滅びようとする時、緑の衣をまとい、退魔の剣を装備した青年が現れ悪しき者を封印し、王国に光を取り戻した。~
人々は時を越えて現れた若者を「時の勇者」と呼び、活躍は後世に語り継がれた。~
しかし、時の勇者の活躍が伝説として語り継がれるようになった頃、王国に再び悪しき者が蘇り、災いをひきおこした。~
人々は時の勇者が再び現れてくれることを祈っていたが、勇者が現れることはなかった。

その後、王国がどうなったのかを知る者はいない、と。

伝説は残り、国としての記憶が消えた頃、ある島では時の勇者と同じ年になったら緑の衣を着て成長を祝うという風習が残っている。~
あの伝説の若者のように、勇気のある若者になれ。という願いをこめて…}

**概要
ゲームキューブ初のゼルダの伝説シリーズ。大海原とそこに点在する島々が舞台となる。~
プロローグを読んで解る方もいるかもしれないが、ストーリーは過去作とリンクしている部分が多い。((本作は時のオカリナのエンディングにおいて、時の勇者が7年前の過去に去って姿を消してから数百年余りが経った頃のハイラルが舞台。つまりリンクがいなくなったハイラルの未来の物語である。各シリーズごとの明確な時系列が公式に明かされない中で、明言された数少ない作品。戦いから帰還したこどもリンクの進言により7年前のハイラルにおいてガノンドロフが未然に処刑されたことで歴史が分岐して平行世界が生じており、ガノンドロフが処刑されてから数百年が経過した後のハイラルが『トワイライトプリンセス』の舞台となる。))~
もちろん、過去作を知らなくても楽しめるが、知っているとより世界観が深まり、楽しめるかもしれない。

主人公はプロロ島に住む少年で、彼の誕生日にさらわれてしまう妹を助けに冒険へ出かける。~
「言葉を喋る船」や様々な人々と出会い、主人公は大海原を渡り冒険をしていく。~
冒険やダンジョンの謎解き、敵をロックオンする「L注目」などの基本要素はそれまでのシリーズの物を踏襲している。~
しかし、前作までと比べ大きな変化が幾つかあり、その点を評価がする人もいる一方、否定する人もいる。~
以前のゼルダ作品よりもプレイヤー賛否両論がハッキリ分かれているのも今作(および関連作)の特徴。

//折り返しが気になるので文章をコンパクトに。以下原文
//ゲームの基本的な部分、つまり、冒険やダンジョンの謎解き、敵をロックオンする「L注目」などのゲームスタイル・システムはそれまでのシリーズの物を踏襲している。
//しかし、今までのゼルダの伝説シリーズと比べて大きな変化が幾つかあったため、このゲームへの評価が高い人もいる一方で、低い人もいる。
//つまり、賛否両論であるということも事実である。
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**ゲームの特徴
-世界観はかつてのシリーズの西洋風だったものから、東洋的な色合いが濃いものへ変わった。

-世界には広大な平原などは無く、広大な大海原が広がる。基本的な移動は帆船で行い、点在する島々にダンジョンや様々な種族の居住地がある。
--海は非常に広く、島々は遠くからはシルエットのみで表され、だんだん近づいていくと島の姿が見えてくるようになる。序盤で帆船を手に入れて初めて大海原へ出航する時は開放感にあふれている。

-グラフィックの変化
--グラフィックが以前の3Dゼルダとは異なり、ゼルダシリーズでも初のトゥーンレンダリングという技法で描かれている。トゥーンレンダリングとは簡単に言うと、2次元の手書きやイラスト風の絵を3D化する技術のことで、「アニメ調の3Dグラフィック」と考えてもらえば良いと思う。いわゆる「猫目(またはトゥーン)リンク」の誕生である。
//ゲスト出演(スマブラ、ゼルダ無双にて)時「トゥーンリンク」と呼ばれるため追記
--その技法ならでは独特な表現が風から爆発の表現まで、細部に渡ってなされており、写実的なリアルさを見て感じるよりも、「触れるアニメ」「動かせるアニメ」といわれるようにキャラクターを動かしてリアルさを感じることができる。

-戦闘システムは基本的に従来と同じだが、攻撃が入る時の効果音や、攻撃を被弾する直前に発動させることができるカウンター攻撃なども盛り込まれている。

-モーションも細部に凝っており、敵キャラクターは色々なアイテムを使用することで、集団戦になるとフレインドリーファイアもするなど様々な反応を示してくれる。
--武器を持った敵は攻撃されると武器を落とすが、他の武器を見つけて攻撃したり、無ければ素手で戦ってくる。敵の落とした武器はもちろん主人公も利用が可能。
--氷の矢を雑魚敵に射ち凍り漬けにしてから、ハンマーで叩いて木っ端微塵なんてことも可能。
---このゲームの開発は主人公と敵キャラの1つ、モリブリンの2体だけの世界から始まり、この2体にできることを他のキャラクターに応用していくことでゲームの基礎ができたために豊富なモーションが生まれたとのこと。
--特に、主人公は自ら語ることはないのだが、豊富な表情で「気持ち」が表現されている。喜んだり悲しんだり。気になる物があるとき(ダンジョンの仕掛けなど)はその方向へ表情が注目したりもする。

-BGMはゼルダシリーズを通じて担当している近藤浩治氏を含め4人が担当。
--あるときは古風に、あるとき壮大に、などBGMは場面に上手く合わせられている。全体的にオーケストラというよりは、笛や打楽器、弦楽器を中心とした民族音楽なBGMが多い。過去作のBGMも含まれていて、とくに「ハイラル城」のBGMは「おっ」と思った方もいるのではないだろうか?
---ちなみに、『大乱闘スマッシュブラザーズX』に「竜の島」「モルド=ゲイラ戦」「大海原」の三曲が使われている。

**細かな特徴
-「風のタクト」の名が示すように、主人公はタクト(指揮棒)を利用して旅をする。タクトは『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』でいうオカリナであり、昼夜を変えたり、ダンジョンの謎解きなど様々な場面で使うこととなる。
-序盤で主人公は喋る船と出会い、彼が案内人となって冒険をする。船に帆をつけ、風が吹く方向へ船を動かしていく。風を操るのはもちろんタクト。
--ストーリー中盤までは行動が制限されているが、2番目のダンジョン攻略後にほぼ自由に動けるようになる。大海原には島が合計49あり、たいていは無人島なのだが、たいていは洞窟やアイテムなどがあり、''やりこみ要素が非常に多い''。
--人の住む島でミニゲームしたり、別荘の島を手に入れパズルに興じたり、潜水艦の中で雑魚敵と戯れたり、ミニ戦艦のいる要塞を破壊したり。島によって特徴がかなり様々であり、楽しむことができる。

-海でのお宝探し
--宝のマップという物があり、それを利用して海底からお宝を引き揚げるというもの。お宝は1ルピーから色々。

-''チンクル。35歳。独身。''
--妖精さんを探し続けて35歳になってしまったオジサン。いつもは弟2人と赤の他人1人で同じ格好で暮らしている。
--今作ではストーリーに関わる上に、ゲームボーイアドバンスとゲームキューブを繋ぐことで一緒に旅をすることもできる。
---初登場は『ムジュラの仮面』であるが、今作で可愛らしくなった彼はスピンオフ作にて2作品も主演を務める程にまで出世することとなる。''「チンクル~チンクル~クルリンッパ!!」''
//ニンテンドーDSの『バラ色ルッピーランド』と『恋のバルーントリップ』

-やりこみ要素として、「フィギュア」というものがある。
--これはゲーム中に手に入る「写し絵の箱DX」というカメラのような物でゲーム内キャラクターを撮影し、ある所へ持って行くと、そのキャラクターのフィギュアを作ってもらえるというもの。
--ゲーム内の''全て''のキャラクターをフィギュアにできる。すなわち、主人公から''雑魚敵''まで。もちろん、ボスも対象である。ゼルダシリーズ中でも最大級の平均ボスサイズである今作で、''巨大なボス相手にシャッターチャンスを求めてカメラを片手に走る''主人公とはいかがなものか。なかなかシュールな図である。
---ゲーム中に一度しか出てこないキャラクターも多く、1周目で全てを揃えるというのはまず不可能。そのために、ゲームクリア後の2周目でもフィギュアのデータと写し絵の箱は引き継がれて、収集を継続することができる。

-2周目について少し触れたが、他にも2周目プレイでは1周目と少し異なる部分が用意されており、十分楽しむことができる。

**問題点
-トゥーン調のグラフィックは独特な表現で作りこまれており、評価も高い。しかし、64時代の写実的なゼルダに印象が強い人も多く、批判もある。
//「一部」と言うほど少なくはないと思われる。
--特にリアルゼルダ志向の強い海外ではトゥーン調の絵はゼルダの伝説には合わないとして、酷く嫌うプレイヤーも存在する。海外で行われた本シリーズの嫌いなキャラランキングでは本作の主人公の猫目リンクが同じく海外で嫌われているチンクルと共に上位にランクインされているなど、海外では風当たりが強い。
--発売前にイベントなどで64のリアル路線でのゼルダの映像が発表されていた事も批判が大きくなる原因となった。
---ちなみに、スタッフ間では64の時から既に写実的路線のゼルダに疑問を感じている人もいたらしい。

-カメラ操作がリバース固定。
--後発のアクションゲームやFPSでいうところのリバース操作(スティックを右に倒すとカメラアングルは左に動く)に固定されており、最近のアクションゲームに慣れた人にはストレスを感じる操作となる場合がある。

-幸せのペンダントの存在価値が薄い。
--幸せのペンダントは[[ドラゴンクエストシリーズ]]で言う「小さなメダル」に相当する収集アイテムであり、各ダンジョンの宝箱の中などに潜んでいる。
--ところが「小さなメダル」と大きく違うのは、出現率の高い雑魚敵から簡単に強奪が可能であり、フィールドやダンジョンをくまなく探索してまで集めるほどのアイテムではないということである。
---一応シナリオクリアには20枚必要なのだが、60枚集めてようやくもう1つのアイテムが手に入るくらいで、後は集めても何もないと言って良い。よって、仕掛けを解いて宝箱を開けたら幸せのペンダントでガッカリさせられるだけのアイテムとなっている。

-大海原での移動は最初はワクワク感あふれる物なのだが、慣れてくると「時間の掛かる移動」であり、ダルく感じる。
--ワープ機能なる物があるのだが、このワープができるのは49島の中の主要な9島(その内1つは移動用ではない為、実質8つ)であり、そうではない島々には船で移動するしかない。
--一応、救済処置なのか航海中にもギミックがある。ルピー(金)の乗ったタルが浮かんだり、敵が出てきたりする。まあ、移動中は暇になる事に大して変わりは無いが。
---ちなみにこの敵、サメや巨大なタコや何か飛んでる奴が出てくるのだが、飛んでる敵は集団でかなりの数登場する。ダメージを受けると船からたたき落とされ数が多いと移動するにせよサルベージするにせよ非常に鬱陶しい。倒すときも過去のシリーズの騎乗から弓を射つように移動しながら攻撃もできず、攻撃の度に航行を止められる。

-最大の欠点はストーリーは前半から中盤まではイベントやダンジョンなどが密度の高く完成度が高いのだが、終盤はスカスカさが目立つということ。ストーリーだけ追うと短いと感じる人もいる。
--これは、制作期間の時間切れのために終盤のダンジョン2つがカットされて、代わりに「トライフォースのかけら集め」という、言ってみれば「大海原全体での宝探し」という内容になったためである。

-「トライフォースのかけら集め」とは文字通り「かけら」を探すのだが、これがまた面倒で本作最大の汚点と言われている部分である。
--「かけら」は全部で8つあるのだが、大海原のどこかの島×8にそのかけらのある地図が隠されていて、その8つの島々に移動して、内部を攻略することで入手できる。
--「針岩の島」のみは例外で、この島のそばにいる黄金の戦艦を倒して得られるのは普通の宝の地図で、これを頼りに「さめ島→再び針岩の島→東の妖精島→大地の島」と宝の地図のイタチゴッコが続いてようやくトライフォースのかけらの地図が手に入る。
--更に手に入れたトライフォースのかけらの地図はある人物に解読して貰わないと使用が不可。その解読には398ルピー×8が掛かり、解読された地図を見て8箇所にある「かけら」を入手するという流れ。当然解読された場所がわからないと虱潰しに探すことに。これが海での移動の長さも相まって、非常に面倒である。ちなみに初期の財布で持てるルピーは200しかないので、財布のグレードを上げないと解読依頼をすることもできない。
---幸い財布をグレードアップしてくれる妖精はストーリー上必ず再訪するプロロ島にもいるため、ばあちゃんを回復させるのに必要な妖精を手に入れるのと同時に行うことが多く、グレードアップし忘れるという事はほぼ起こりえないようになっている。

-ゲームボーイアドバンスとの連動機能を利用することで「ナックル」というキャラクターが出現するのだが、このキャラクターがフィギュアのコンプリート条件に含まれていない。
--それ自体は連動機能が使えないプレイヤーへの配慮と受け取れるのだが、問題はコンプリートしてから出現させた場合。フィギュアをコンプリートするとニテン堂の店主が居なくなってしまうため、ナックルのフィギュアが作れなくなってしまうのである。

**総評
トゥーンレンダリングによるグラフィック、大海原を中心とした舞台、世界観の変更などこれまでのゼルダシリーズとは一線を画す。~
グラフィックの独特の表現、作りこみの細かさは素晴らしく、やりこみ要素も多い。~
しかし、後半がスカスカだったりかけら集め等の作業感の強い要素などの問題点も散見される。~
新システムも粗の多い部分が目立つ。~
全体的な出来は良かっただけに痒い所に手が届かなかった惜しい作品といえる。~

発売前は新たなゼルダの幕開けとしてかなり注目されていた。~
ゲーム雑誌などでも連日一面を飾るなど非常に力を入れていた作品であった事が伺える。~
だが、蓋を開けてみると従来のゼルダファンからは不評で特に海外ではゼルダ屈指の駄作と評される事もあるなど酷評が凄まじく吹き荒れる事になった。~
これは時のオカリナの後継作として期待されていた事、元々本シリーズがリアル路線のゲームとして売りだしていた事、アニメ調のグラフィッグやコミカルな世界観がゼルダらしくないと評価されてしまった事が主な理由である。~
売り上げも著しくなく当時の評判があまり良くなかった事もあり本作を同じく低評価が多かった[[マリオシリーズ]]の[[スーパーマリオサンシャイン]]と共に「GCの不振の象徴」と意見する者もいるなど否定的な意見が多かった。~

しかし、本シリーズを本作から始めたプレイヤーや元々のシリアスな雰囲気が苦手だったプレイヤーからはおおむね高評価で猫目リンクやガノントロフやゼルダ姫等のコミカルにデフォルメされたシリーズのレギュラーキャラクター達の方がリアルなキャラクター達よりも好きという声もあり発売当初から一定の評価はあった。~
また、マリオやポケモン等と比べると今までは作品の性質上児童誌ではコミカライズがしにくかったが本作のコミカルな物語が子供達に受けたのか冒険漫画やギャグ漫画などが連載されるようになりより多くの年齢層のファンを獲得する事に成功した。~

以上の事から本作はゼルダシリーズの中でも特に賛否が別れた作品となった。

**余談
-このソフトの発売時、予約・購入特典として非売品ディスク『ゼルダの伝説 時のオカリナGC』が配布された。このディスクにはバージョンの異なる2つの『時のオカリナ』とその他のゲームキューブソフトの宣伝映像が収録されている。
--そのため、数量の限られた特典を手に入れたいとするファンから問い合わせが殺到した((この問い合わせの影響か、当初は「数量限定の早期予約特典」であったのが「予約購入者全員への購入特典」に変更された。))。それと同時に特典の無い通常版の『風のタクト』の値崩れが激しく投げ売りされている光景も見られた。
---また、ニンテンドーDSで本作の続編が2つ発売されたがどれも値崩れを起こしている。
--なおソフトはケースではなく、説明書のポケットにディスクが仕舞われていた。その為か、後々クラブニンテンドーにてポイント交換で配布されたゼルダコレクションはディスク1枚にも関わらず、ディスク2枚のゲームと同じケースが使われていた。

-本作の賛否両論を受けてか、続編では再びリアル路線へ戻り、現在Wii以降の次世代機ではトゥーンリンクが主役のゼルダ本編は「風のタクトHD」以外、発売されていない。
//このトゥーン調の絵を使ったゼルダの続編は据え置き機では下記のHD版を除き発売されていない。
--GCには「四つの剣+」にてトゥーンリンクや本作の登場人物が登場するがシナリオの繋がりは薄い
--また据え置き型のゲームにゲスト出演することは多く、プレイアブルになるこも珍しくない。
//スマブラ、ニンテンドーランド(厳密には仮装したMii)、ゼルダ無双など

-本作における独特なアニメ絵タッチのアートワークは携帯機でのゼルダシリーズにおける標準のデザインとして採用された。
--[[大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]では「X」から本作のリンクがプレイアブルキャラクターとして登場するようになった。通常のリンクと区別する関係で名前は「トゥーンリンク」となっている。
//ゼルダ無双でもトゥーンリンク名義でテトラと共に登場するので、公式名称となっている可能性が高い
--通常のリンクと比べて動きが速く、剣のリーチが短い、体術を殆ど使わない((リンク空中Nで蹴りをするが、トゥーンは剣を前後に振り回す。ちなみにDXの子供リンクはコンパチなこともあってリンクと同じく蹴り。))という相違点がある。

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*ゼルダの伝説 風のタクト HD
【ぜるだのでんせつ かぜのたくと えいちでぃー】

※オリジナルと違う部分のみ記載。
|対応機種|Wii U|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/81kCfglTzZL._SL1500_.jpg,height=160)|
|発売日|2013年9月26日|~|
|定価|5,700円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//「見出しと表」の構成部分はそこへの直リンクを張られる場合があるため、ダブってしまいますが分類をつけます。

**概要(HD)
Wii Uに移り、フルHD(1080p)で描画されたリメイク版。アスペクト比も16:9に変更されている。~
画質だけではなく、ゲームキューブ版が持つ問題点の多くに改善・修正がなされており、痒いところに手が届くリメイクとなっている。

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**主な追加要素と変更点(HD)
-タイトル通りのHD化及び、Wii Uへの対応。
--元々は「Wii UのHD画質はどんな感じか」ということでシリーズ作品をHDで描写してみたところ、『風のタクト』が圧倒的な存在感を放った((「社長が訊く『ゼルダの伝説風のタクトHD』 4.考古学」より))映像となったところから始まっている。
---その言葉に嘘はなく、空や海の美しさはGC版をはるかに上回っている。光と影の明暗がはっきりしたり、海の波の様子が変わるなど、現代の水準でも魅力的といえる映像を実現している。
--Wii U GamePadにより実質的な2画面プレイが可能で、歩きながらアイテムを持ち替えたり、航海を続けながら海図を見たりできる。もちろん従来通りポーズもできる。
--また、Padを傾けることで直感的に弓矢などの狙いを定めることもできる。
-BGMも曲そのものはGC版と同じだが、WiiUにあわせて音を始めとして全て打ち込み直されており、透明度と迫力が増している。
--原典から大きくイメージが変わった曲こそ無いが、比べて聴けば一発で分かるレベルで音が綺麗になっている。

-Miiverseとの連携。
--GBAとの連動であった「チンクルシーバー」に代わり、「チンクルボトル」が登場。メッセージを自由に書き、ゲーム中で撮影した写し絵と共にボトルメールの感覚で海に流せる。流されたボトルは、他のユーザーのゲームに登場し、海に浮かんでいたり砂浜に打ち上げられていたりする。
--これだけでは効率重視のプレイヤーには無視されがちな要素に見えるが、「写し絵を付けられる」という点が重要である。この写し絵は前述のフィギュア製作に利用できるため、倒すともう撮影できないボスや、多額のルピーを払わないと手に入らない写し絵を受け取れる可能性もあるので、見かけたら拾っておいて損はない。
--他人のプレイや攻略情報を読んでいるだけで楽しい、という人もいるだろう。

-航海スピード及び後半の展開の改善。
--船のスピードが2倍になる上、常に追い風が吹くようになる「快速の帆」が追加。
---普通の帆のほうが小回りが効き、任意に切り替え可能。
---サブイベントで入手できるため、そのイベントの存在を知らない人は入手せずクリアしてしまう可能性はある。
--また、航海中は爆弾樽以外で船から振り落とされることがなくなった。
--「トライフォースのマップ」が8枚から3枚に減少。残り5つはかけらが直接手に入る上、マップを見つけてサルベージしたらまたマップ……というたらい回しもなくなっている。

-各種演出の簡略化や仕様変更。
--タクトを振る演出や、かぎづめロープを引っ掛ける演出など、細かな部分が簡略化されており、テンポの向上につながっている。
--写し絵の箱に保存できる枚数が3枚から12枚に増加した上、キャラクターを撮影した際にフィギュア化の可否がその場でわかるようになった。
--さらに、ニテン堂店主は最大12個のフィギュアを一度に作ってくれるようになった。
---これらにより、ニテン堂への往復回数が大幅に減った。
--ムービーは海外版風タクのものを元にしているため、一部演出が国内GC版と異なる。
--ダメージ2倍&回復ハート出現なしの辛口モードが追加。1周目から任意で切り替えることができる。同データでも途中で切り替え可。

-バグの修正。とはいえ元から致命的なバグはない。
--一部のバグ技はやり方は変わったがHD版でもできるものもある。ただし実行してもゲーム上特に利点はない。

**問題点(HD)
-チンクルシーバーの削除。
--GC版では各地のダンジョンにてアイテム「チンクルシーバー」によって得たヒントを基に、何もないくぼみなど怪しい場所で爆弾を使うと「チンクル像」が手に入り、5つ全てを集めるとチンクルの弟「ナックル」が出現するというイベントがある。
--このイベントはHD版でもあるのだが、GC版ではチンクルシーバーによってヒントが得られたのに対し、HD版では全くのノーヒントである。
--これだけならまだいいのだが、ナックルのフィギュアはフィギュアコンプに必須となったため、攻略情報がなければ完全な収集プレイはほぼ不可能といえるだろう。
--代わりの機能であるMiiverseで情報を交換してくれということなのだろうか。幸いにも、GC版から位置は変更されていない。

-ダンジョン等の大きな追加要素はなし。
--本作そのものの問題点ではないが、GC版で入れることができなかった2つのダンジョンが本作で収録されるのでは?と期待されていただけに残念がる声は少なくなかった。
--没ダンジョンの仕掛けをシリーズの後発作品で既に使用している為、改めて拾う必要性がなくなったというのが理由とのこと。

**まとめ(HD)
-総合的には、GC版の問題点の多くを解消した良リメイクであると言える。ただし、ボリューム面では大きな追加要素はないので、クリア済みの人をもう一度買わせる程のパワーがあるかは微妙な所。~
風のタクトをプレイしたことがない人、或はGC版を途中で諦めてしまった人には迷わずお勧めできる作品と言えるだろう。

復元してよろしいですか?