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*ファンタシースターII ~還らざる時の終わりに~
【ふぁんたしーすたーつー かえらざるときのおわりに】
|ジャンル|RPG|CENTER:&image(526675_2184_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4680&file=526675_2184_front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4680&file=526675_2184_back.jpg]]|
|対応機種|メガドライブ |~|
|メディア|6MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|セガ・エンタープライゼス|~|
|発売日|1989年3月21日|~|
|定価|8,800円|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()2008年1月29日/700Wiiポイント|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ファンタシースターシリーズリンク>ファンタシースターシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
プラットフォームをメガドライブ(以下MD)に移した『ファンタシースター』旧シリーズの第2作目。「シビアな展開を持つSFストーリー」という作風により、以降のシリーズの方向性を決定づけたともいえる。
//箇条書きのマークが見づらいので除去。また余談的内容は余談項目に移動

**ストーリー
前作『ファンタシースター』から1000年後。マザーブレインと呼ばれる巨大コンピュータによる管理の下、アルゴル太陽系は繁栄を極め、人々は豊かな生活を送っていた。~
そんなあるとき、アルゴル太陽系第2惑星・モタビアの各地でバイオモンスターが大量発生し人々を脅かすようになる。~
州政府のエージェントであるユーシスは、異変を解決すべく、義理の妹ネイを連れて旅に出るのだった。

**評価点
-プラットフォームをMDに移したことによりグラフィックレベルが格段に向上。旧シリーズの戦闘システムの基本がここで確立した。
--テクニックの基本的な命名法則も確立し、アイコンを用いたインタフェースの採用で遊びやすさも向上した。
--敵のアニメーションも大幅に進化。当時のCMでも売りにしていただけあってなかなかにいい動きをしている。また、本作では味方の攻撃グラフィックも追加され、戦闘の見せ方も格段に向上。
---また敵のアニメーション時間も長すぎる敵がほとんどいなくなり、戦闘のテンポも大きく改善された。
--やや慣れが必要だが、セミオート戦闘もなかなか快適。
--音楽担当はBØ。氏の担当したBGMは名曲が多く後のシリーズにもアレンジバージョンが使われるなど評価は高い。
---ただ当時は何がなんでもドラムを刻む性分だったらしく、悲しい局面だろうと別の作品だろうと彼が手がける作品は強調されたドラム音がついてまわる。~
もっともこれに関しては、氏が作曲した有名なタイトルに初期の物が多い事による音源ドライバの洗練度や使い方の習熟度などの事情もあるだろう。この後に発売されたソーサリアンでの氏の担当分ではこの傾向はみられない。

-キャラクターデザインは前作の少女マンガ的な作画からアニメタッチになり、男子プレイヤーに受け入れやすくなっている。

-パーティメンバーは8人に増えかなりバリエーションが豊富に。キャラクターもかなり特徴が分かれており、能力的な個性も強い。
--キャラクター人気はかなり高く、後にMDの『ゲーム図書館』にて[[パーティーメンバー全員のショートストーリーが配信されていた>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2030.html#id_8176fc76]]ほど((後にMEGA-CDの『ゲームのかんづめ』及びPS2の『ファンタシースターコンプリートコレクション』に全て収録されている。))。

-本作から3Dダンジョンを廃し、全て2D画面で行動することになった。その代わり移動画面で二重スクロール機能を駆使し、立体感のあるダンジョンを演出している。
//--しかしながらこの二重スクロールの移動画面が逆に足かせにもなっている。詳細は後述。

-ストーリーは前作の王道系とは異なり、かなり影のあるストーリー展開で進行する。
--ストーリー的には序盤からも鬱展開が頻発し、中盤では怒涛の悲劇的展開の連続、さらに黒幕の意外な正体と絶望感・虚無感にあふれたエンディングは今でもファンの間で語り草。この一抹の寂寥感を残す暗いシナリオはこの後のシリーズでも広く継承された作品が多い。

**問題点
-ダンジョンの難易度が異常なまでに高く、戦闘の難易度も極めて高い。
--構造はそれほど複雑ではないのだが、道幅が広すぎて先が見えない。
--序盤のまだ弱い時期に潜入するダンジョンに全体攻撃を連発する敵が頻出しており、まだダンジョンの難易度は全編通して非常に高い。
--戦闘から逃げられるかどうかは敵固有の逃走確率のみで決まるため、こちらのレベルの恩恵が全くなく、強敵程逃走確率が低い傾向にあるので逃げながら進む戦略も取りにくい。
--画面スクロールがキャラ中心ではなく、ある程度画面端まで行かないとスクロールしない。
---そのため前方の視界が狭くなり、ストレス・難易度上昇要因になっている。
--また移動画面で二重スクロールで天井の配管や濃霧の表現があるが、一部ダンジョンではそれによってダンジョンの通路が見えにくくなっている現象も発生している。
--敵からのダメージ量が表示されない。
--構造のいやらしさ以前にそもそも入り口がわからない(わかりにくい)ダンジョンがある。マルエラツリーのあるウーゾやダムで使うカードのあるコントロールタワーなど、一目で入り口と判るものが無かったり(漠然としたヒントがあるにはあるが)、デゾリス星のクレバスのように注意して見ないと入り口が判りにくかったりする。
---前者は各地に散在する通常のマップパーツそのもので入り口を示すグラフィックはなく、後者は入り口のグラフィックはあるものの周囲に溶け込んでいる。

-移動速度が遅い
--マップの広さが3倍で移動速度が変わらないファミコンのドラゴンクエストと言えばイメージできるだろうか。
--街中では宿泊施設やセーブでの往復でストレスがたまり、ダンジョン内では低くはないエンカウント率が更に高く感じられる。
--ストレスに感じるプレイヤーが多かったためか、~コレクションやリメイク版では移動速度が向上して遊びやすくなっている。

-仲間の参入も問題あり。
--他のRPGのようにイベントがおきて仲間が入るのではなく、ストーリーが進んだ時点で“家にもどると仲間キャラが訪ねてくる”という方式のため。いつ参入してくるかわかりづらい上に、わざわざ最初の街の自宅にもどるハメに。
---基本的には新しい街に行ったあとで自宅に戻ると仲間が訪ねてくる構成になっている。

-また仲間の性能もバランスが悪い。
--バイオモンスターに強いヒューイは前半は使えても後半メカが出没する頃から役立たずになる。逆にメカに強いカインズはバイオモンスターが出没する前半に役立たずのため最初のうちに鍛えておかないと後半ではレベルが低すぎて役立たずになる。
---結果、どんな敵にも安定して強いルドガー・アーミアと後1名(回復役のアンヌか素早さを生かしたアイテム係のシルカ)で鉄板という編成に。
---一応フォローしておくと、終盤に出現する魔物系の敵は対生物専用・対機械専用両方のテクニック共に効果があるので、ヒューイはTPの高さを生かしての全体即死攻撃を利用した雑魚殲滅、カインズは対機械専用の高威力テクニックを利用した高耐久力の敵の対処(ボス相手ならTPが続く限りアーミアより有用)で役に立つ。

**総評
MDの立ち上げ時期に出たRPGとしては水準以上の出来であり、本シリーズの世界観や作風、キャラクター性を確立した一つのマイルストーンとなった作品。グラフィック水準・ストーリー評価も非常に高く、本作登場のパーティメンバーも今なお根強い人気を誇るなど、本作が築き上げた功績は非常に大きい。

それだけに開発期間が短くなった影響でバランス面の調整が不十分となってしまい、難易度面が理不尽になってしまった点が悔やまれる。

**余談
-本作は当初はマークIII/マスターシステムで開発を行っていたが、主力ハードがMDに移行したのに伴い本作の開発はMDに移行することになった。
--それに伴い本作はMD普及の重要な牽引役も担わされ、発売日については絶対死守が命ぜられていた。~
その為ハードウェアの変更が決まってから企画の練り直しやデバッグも含め、わずか半年間という驚異的なハードスケジュールで制作が行われたというエピソードがある。
--このタイトルはRPGに二重スクロールを取り入れた初の作品であることも指摘しておく。

-本作のエンディングの終わりと同時に起きた黒幕との戦いに関しては長らく語られなかったが、近年になって公式に主人公たちの勝利で幕を閉じたことが明かされた。

-本作登場のパーティーメンバーの一人であるネイは、その悲劇的な境遇からシリーズ随一の人気を誇り、以降の作品にも武具の名前や重要なキーワードとして登場し続けることになる。

-バックアップ修復機能が搭載されているといわれているが。ファミコンとは違いMDは端子接触面が非常に安定しているのでデータを消失する者がおらず、未だに満足いく確証は得られていない。

-本作の雑魚敵は必ず1系統につき3種が設定されている(1種類だけ中ボス扱い)が、出現テーブルの設定ミスにより「バンリーダー」と言う敵のみ日本版では出現しない(海外版では出現する)。

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