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シャドウゲイト64 Trials of The Four Tower」を以下のとおり復元します。
*シャドウゲイト64 Trials of The Four Tower
【しゃどうげいとろくよん とらいあるず おぶ ざ ふぉー たわー】
|ジャンル|アドベンチャー|&image(198608_14185_front.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000JLPC/ggmatome-22/ref=nosim,height=160)|
|対応機種|ニンテンドウ64|~|
|発売元|ケムコ|~|
|開発元|TNS|~|
|発売日|1999年8月13日|~|
|定価|6,980円|~|
|ポイント|わりと普通の3DAVG&br死亡ポエムは健在|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-FCの迷作アドベンチャーゲーム『[[シャドウゲイト]]』の続編。移植ではない新作であり、前作の舞台であったシャドウゲイト城の跡地が舞台となっている。
--長い時が経ち、魔王ワーロックが封印された城も廃墟と化し、盗賊団の根城となっていた。その盗賊団に捕まって連れて来られたハーフリング族((『指輪物語』で言う所の「ホビット族」と全く同じ特徴を持つ種族。「ホビット族」とは、『指輪物語』で有名な小説家J.R.R.トールキン氏が創出した種族で、指輪物語の前日談にあたる『ホビットの冒険』で初登場した。世界初のTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』にもそのままの名称と種族の特徴で登場したが、作者の遺族からの抗議受けたため、その代替として生み出されたのが「ハーフリング族」である。今現在では、ホビット族とハーフリング族はそれぞれ独立した種族として認識されているらしい。))の主人公「ディル」が、なりゆきで魔王復活阻止のために城内の塔を探索するという展開でストーリーが進む。
--また、''真の勇者''であるところの前作主人公「ジェイル」(本名が判明したのは本作)の偉業は伝説となり、本作の世界観の基礎を支えている。

**特徴
-コマンド選択式だった前作とは違い、3Dマップを主観視点で移動・探索するタイプのアドベンチャーゲームになった。左右旋回と視点の上下移動を組み合わせて周囲を調べ周り、アイテムを手に入れたり仕掛けを動かしたりして謎解きを行う。
--システム面は大きく変わったが、ゲームの舞台にプレイヤーキャラが放り出された後はろくなナビがなく、ノーヒント手探り状態で進めなければならない不親切ADVである点は前作と似ている。

-主人公がすぐ死ぬ。
--今回の死因は高所で足を踏み外したり見張りの視界に入ったりなどといった移動操作ミスによるものが多く、時に「あーっ」というやや適当な悲鳴をあげてゲームオーバーとなる。その際は、セーブした場所からやり直し。
---ちなみに前作では、ペナルティがあまり無いのをいい事に「本を取ったら落とし穴が!」「はしごを降りようとしたら途中で切れていて足が滑った!」「井戸を調べようとして手がs」といった、プレイヤーが悪いとも言いがたい理不尽死が散見されたものだった。
--死に際には、無残な姿を晒す主人公の一枚絵とともに、画面いっぱいに詩的メッセージが表示される。死亡頻度やパターンは前作ほど多くはないが、例えば同じ「足を踏み外す」事での死でも場所によってメッセージが異なるなど、凝っている。無駄に。

#region(例:旅人ディルの辞世の句)
~
・牢を脱出した後の地下通路で水に落ちる
>  ディルの冒険は、ここに終幕を迎えた。~
  それはなんともみじめで、~
  あっけない幕切れであった。~
  唯一の観客は、水底に横たわる白骨死体。~
  水路の深みにはまり、~
  沈んでいくディルの目には、~
  肉のそげ落ちたその手が、~
  手を振っているかのように見えた。

~
・礼拝堂で吹き抜けの通路から足を踏み外す
>  「足元に注意しないと、転ぶわよ!」
>
>  はたしてディルは、幼い頃に耳にした母の~
  言葉を思い出したであろうか?
>
>  答えは否…である。~
  礼拝堂に横たわるディルの姿を見つけた者~
  は、きっと、こう思うであろう。
>
>  聖なる場所における死が、清らかで安らか~
  であるとは限らないらしい…と。

-ディルのその後がとても無残なものである事を暗に示す、馬鹿丁寧かつエグい演出である。移動操作をちょっと誤っただけなのに…。

#endregion

-FCのケムコ洋ゲー移植三部作と違い、ダミーアイテムの類はない。また、必要なアイテムが全く関係のない遠隔地で手に入るといった意地悪な謎解きもない。そういう意味での難易度は少し下がったと言える、かもしれない。
--ただし、時代的にテクスチャが粗い関係で小さいアイテム(鍵など)が見辛かったり、それがまた部屋の隅っこの物陰といった見落としやすい場所にあったり、といった意味での理不尽さはある。
---本作中で最もプレイヤーの意表を付く謎解きは、「水路管制室で使用するレバーの在り処」だろう。そこに至る少し前に訪れる民家にあるのだが、一見ベッドの柱みたいな顔して背景と同化しているただの木の棒が、まさかゲーム進行に必要なキーアイテムだとは、初見ではそうそう気付けない。
--代わりにといってはなんだが書物などの読み物が配置されていて、本作の世界観に関する細かい情報を得られる。FC対応だった前作とは比較にならないほど、シナリオの掘り下げは深まった。

**総評
ゲーム自体の作りは古典的なものだったが、独特のケムコ節やおバカな即死要素からバカゲーと呼ばれた、前作『シャドウゲイト』。本作はそれと比べるとバカゲー要素がなりを潜め、正統派ファンタジーである世界観や背景設定がしっかりと描かれる事によって、わりと普通の3Dアドベンチャーになった。もっとも、死亡演出が斜め上に凝っている事やラスボスのあっけなさといった前作譲りの特徴は、ファンサービスなのか素なのか迷うところである。~
視点をあちこち走らせながら3Dマップを歩き回るゲーム性は3D酔いに弱い人にはキツいものがあるが、努力とひらめきで謎解きをするというAVGの普遍的な面白さがあるので、プレイして損をするゲームではない。ただ、人に勧められるほど特別秀でた点も無い。可も不可もない佳作と言ったところだろう。

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