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【えすでぃーがんだむわーるど がちゃぽんせんしふぁいぶ ばとる おぶ ゆにばーさる せんちゅりー】
ジャンル | ウォー・シミュレーション | |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
発売元 | ユタカ | |
開発元 | ゲームアーツ | |
発売日 | 1992年12月21日 | |
定価 | 6,800円 | |
SDガンダムシリーズリンク |
SDガンダムのウォーシミュレーションゲーム第5作で、ガチャポン戦士シリーズ最終作。
過去シリーズとは全く別物で、詳しくは後述するが『ギレンの野望』シリーズのプロトタイプ的な内容である。
シリーズ新規参戦としては「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」がある。
1~4人で遊べる戦略SLGとなっていて、各ガンダム作品を擬似再現しているシナリオと、完全フリーで遊べるシナリオが用意されている。ここではフリーシナリオについて記載していく。
まずプレイヤーが選べるのは「自軍の勢力(連邦、ジオン、エゥーゴ、ティターンズ等)」、「初期配置の場所」、「資金」、「MS開発技術」、「MS開発系譜(連邦系、ジオン系等)」、「ハンディキャップ」
これらは自由に設定が出来る。連邦チームだが、使う機体はジオン系という設定も勿論可能。プレイヤー同士の対戦であれば、実力や地勢も考慮して設定してあげよう。
ゲームの流れとしては、まず部隊を作ることから始まる。部隊を作るには「旗艦」「戦闘艦」「量産MS」の3種類が必要になる。ガンダムなど1対1の戦闘を担当する「試作MS」は無くても部隊は成立する。
部隊編成とパイロットの配置が終わったら軍を動かして拠点の制圧。拠点には守備力があり、これを0にすることで制圧が可能となる。作中で栄えた都市を占拠すれば大きな資金を得られるが、軍事拠点だった場所は収入が少ない。得た収入を元に、部隊の再編成や戦艦、MS開発を行っていく。
どこの勢力にも属していない地域の制圧が最初の仕事になるが、間もなく他勢力との陣取り合戦が始まる。他勢力がいる場合は制圧が行えない。
戦闘の流れとしては、まず試作MS同士の一騎打ちが始まる。大差をつけて勝った(HPが多く残った)側は、敵部隊に対して先制の一打を加えられる。
次に旗艦、戦闘艦、量産MSによる戦闘が行われることで戦闘は終了。旗艦撃破や部隊の成立条件である戦闘艦や量産MSが無くなると戦闘不能になり、自軍の領地まで撤退しないと再編成が不可能になる。
全滅した場合は本拠地まで戻されるのだが、旗艦だけ残った場合はある意味最悪。1歩1歩自軍領地まで逃げ帰らないといけない。この状態で退路を断たれたりすると、部隊としての条件を満たしてないので戦闘すら出来ず、全滅して本拠地に強制撤退も出来なくなるため、一部隊使えなくなったのと同じになる。ハメ手に近いものなので、やるならば対CPUだけにしておこう。
戦闘を行いながら資金を得て新たな機体を開発したり、パイロットを育成したりする。 それなりに戦闘バランスは考えているようで、勢力によって得意とする系統が違ったりする。例えば連邦系はガンダムを始めとした試作MSが強く、ジオン系は量産MS(ザクから始まって最終的にはギラ・ドーガ)が連邦系より勝るため艦隊戦で強い、といった感じ。
パイロットは戦闘をこなすことで成長することもある。パラメータについては以下のとおり。
NT・・・ニュータイプ能力。これが高いと成長する可能性が高い。ゲームバランスの関係か、明らかにオールドタイプだったキャラにもついていたりする。サイコミュ兵器の扱いとは無関係。低確率だがこのレベルが上がることもある。
PL・・・MS操縦技術。これが高いと戦闘で勝ちやすいが、MSの性能差が大きすぎればさすがに無理。
CL・・・部隊指揮能力。これが高いと部隊戦闘で被害を抑えやすいが、PLと同じく艦の性能差をフォローするまでには至らない。
なお、戦闘をすることで成長もするが、怪我をして入院することもある。この怪我が非常に厄介(詳しくは後述の「問題点」で)。
各勢力のパイロット能力や編成もイマイチ。特に「ライバル」チームの戦闘力は異常で、他チームより頭1つ抜き出ている。
逆に「ヒーロー」チームは悲惨で、リーダー格のジュドーの能力値が悪い上に、艦長を担当できる人材が0という可哀想なチームである。もう少し何とかならなかったのか。
シリーズがここで終了したのもある意味納得、といった出来である。あまり練りこまれていないため、すぐに飽きてしまう。
パイロットの成長がもっと面白ければ違う楽しみ方を見出せたのかもしれないが、頻繁に離脱するこのゲームではそれすら楽しめない。カタルシスを得られない。
ボードゲームとして友達と遊ぶならば、明確にレギュレーションを設定しよう(収入の大きい都市に近い緑軍は資金0から、赤軍はハンディ付きなど)。そうしないととても楽しめるゲームではない。
もしくはCPUをいじめまくってレベル上げをして、アムロより強くなったセイラさんを見てうっとり悦に浸るなどといった倒錯的な楽しみ方をするしかないだろう。
結果的にではあるが、冒頭で述べた『ギレンの野望』のプロトタイプ的な形になったことについては評価されるべきであろう。
戦艦とMSの旗艦、戦闘艦、試作MS、量産MSといった区分けの概念は当時非常に珍しいものであった。このゲームが無ければ『ギレンの野望』は無かったということは流石にありえないが、こういうゲームもあったという実績があればこそ、ギレンのようなゲームも生み出せた・・・のかもしれない。