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ダブルドラゴン - (2016/01/16 (土) 14:25:52) の編集履歴(バックアップ)


ここでは、『ダブルドラゴン』と続編『ダブルドラゴンII・ザ・リベンジ』を紹介する。



ダブルドラゴン

【だぶるどらごん】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
販売・開発元 テクノスジャパン
稼動開始日 1987年
プレイ人数 1~2人(同時プレイ可)
判定 良作
ダブルドラゴンシリーズリンク

概要

前年に稼動されたアーケード版『熱血硬派くにおくん』の流れを受け継ぎつつ、ベルトスクロールアクションというジャンルを確立したゲーム。

  • ちなみに題名は『双截龍』と書いて『ダブルドラゴン』と読む。

ストーリー

功夫道場を営む、双截拳使いの双子の兄弟ビリー・リーとジミー・リー。
誘拐されたマリアンを救出するため、暴力組織「ブラック・ウォリアーズ」 の本拠地へと殴り込む。

特徴

  • いわゆるベルトスクロールアクション。奥行きのある横スクロールのゲームである。しかも2人同時プレイが可能。
    • 全4面だが、ステージ3は前半の森林地帯と後半の敵のアジトの入り口に分かれているので実質的には全5面。本作はステージ1からステージ3までステージが途切れることなく繋がっている。
  • 8方向レバー+3ボタン(パンチ、ジャンプ、キック)でプレイヤーキャラクターであるリー兄弟を操作する。
    • パンチもしくはキックで通常攻撃。
      • パンチ2発を相手に当てると、相手がかがんで隙ができ、様々な追い打ちをかけることが可能。
      • キックだと1発で相手がかがみ、同様に追い打ち可能。但しキックは避けられてしまうことがある。
    • ジャンプは障害物や穴を飛び越えるのに使用。また、ジャンプ中にパンチもしくはキックボタンを押すと飛び蹴りを出せる。
      • 但し本作の飛び蹴りは、後のベルトアクション等で一般的となった操作(自分の向いている側に蹴りが出る)とは違い、ボタンにより向きが固定される(パンチボタンだと左に、キックボタンだと右に蹴りが出る)。
    • その他、ボタンとレバーの組み合わせにより、肘打ち(背後攻撃)やソバット等の技で攻撃できる。
  • 道中では金属バットやナイフ、ムチ等といった武器が入手でき、それらを手にして攻撃することも出来る。
    • また落ちているドラム缶や岩は、持ち上げて投げつけたり、蹴り飛ばして転がしたりできる。
    • 敵にも武器を使ってくる者がいる。ダウンさせると落とすので奪い取れ。

評価点

  • 殴る蹴るの爽快感
    • 本作は「暴力表現」にかなり力を入れてあり、豊富な攻撃方法で相手を叩きのめすことが出来る。
      • 「髪を掴んで膝蹴り」と「背負い投げでぶん投げる」という追い打ち攻撃が可能。どう敵をひるませて、その敵にどう追い打ちを加えるかが、本作を楽しむポイント。
      • 武器もまた「金属バットをフルスイング」「投げられたナイフを叩き落して投げ返す」「火のついたダイナマイトを投げ返す」などなど…。
      • ステージによっては地形もまた武器となる。ベルトコンベアに巻き込んだり剣山に突き落としたり…。
  • 優れたBGMが多い。
    • 特にタイトル画面の曲は、後の『ダウンタウン熱血物語』でダブルドラゴン兄弟(りゅういち・りゅうじ)とのバトルのシーンでも使われている他、数多くのシリーズ作品にも使用される名曲である。
    • ステージ1のBGMも良曲で、後の『熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲』(3DS)でも使用されている。
  • 爽快感あるSE。
    • 敵に打撃を与えた時の「バギィッ!」という音、バットのスイング音なども妙に生々しい。

問題点

  • 最終面のトラップが難しい。
    • 最終面の前半には「せり出してくる石壁」と「槍を突き出してくる彫像」のトラップが存在しており、いずれも体力の3/5以上奪われた挙句大きく押し戻される。
      • このうち石は飛び出し方にムラがあって何とか避けられるものの、槍は近づくと間断なく突いてくるため、祈りながら像の手前を通過するしかなかったりする(一応、ジャンプしながら通過すれば多少当たりにくくなる)。
  • ウィリー(ラストボス)の機関銃の弾丸の威力は一撃必殺という極悪仕様。つまり食らった時点で体力満タンでも1人ミスとなる。
    • しかもウィリーは機関銃で小突いたり、後ろ蹴りを繰り出すことがあるので、これらの打撃を食らった後で撃たれたら精神的ダメージが大きくなる。
  • 2人プレイ時ではウィリーを倒した後、マリアン(ヒロイン)を賭けてプレイヤー同士が対決するという超展開。
    • しかも「一方が死んで、生き残った方がヒロインのキスを受ける」か「両者が時間切れなどで同時に死んでバッドエンド」の二択である。

総評

多彩な方法で相手を叩きのめす、バイオレンスな爽快感が人気を集めた作品。
ベルトスクロールアクションのジャンルを確立した一作である。

余談

  • 当時としては過激な暴力描写のために、一部のファンからは「発禁になるのでは」と噂されたりもした。
    • 実際にアメリカの一部の州で稼動禁止の措置が取られたこともある。
      • ただアメリカでは大いに人気を博し、1994年には実写映画まで制作されている(日本では正式公開されず)。
  • 多彩な攻撃方法があるにも関わらず、実際は「肘打ち」が強力で、これだけで最後まで進めてしまう。
    • 本作をより楽しむのであればいろんな技を試してみるべきだろう。
    • ちなみに肘打ちを使用禁止にすると、かなり難易度が上昇する。通な方は是非試して欲しい。

家庭用移植

  • 本作はFC、GB、セガ・マークIII、GBA、ジェネシス(海外版MD)、Atari Lynx、XboxLive、PS4に移植されている。
    • FC版とGB版はアレンジが加えられた移植となっており、新たな敵やトラップが追加されている。さらに前者ではマウントポジション攻撃やレベル制が導入されている。肘打ちがやや弱体化されたほか、特にアボボ(中ボスの大男)は非常に強い。
      • さらにFC版とGB版はアクションモードとVSモードといった2つのモードが用意されている。前者はAC版のように2人同時プレイが出来なくなったが、後者のFC版はビリー(主人公)以外のキャラクターを選択することが可能*1
      • FC版とGB版はバーチャルコンソールとして、前者はWiiで後者は3DSでそれぞれ配信中。
    • セガ・マークIII版はFC版準拠のキャラクターデザインだが、AC版と同様に2人同時プレイが可能。
    • GBA版は初代をベースに様々な要素を加えたアレンジ移植となっている。詳しくは『ダブルドラゴンアドバンス?』参照。
    • ジェネシス版とAtari Lynx版、XboxLive版はAC版ベースの移植となっているが、ともに処理落ちがなくなりゲームスピードが速くなっている。またジェネシス版ではリンダ(女ザコ)の髪型と服の色がAC版と違う。
      • ジェネシス版はセガから承諾されてない非公式ソフトであり、XboxLive版は現在は配信終了となっている。
    • PS4版は「アーケードアーカイブス」の作品としてダウンロード販売が行われている。こちらはAC版の完全移植となる。

ダブルドラゴンII・ザ・リベンジ

【だぶるどらごんつー・ざ・りべんじ】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
販売・開発元 テクノスジャパン
稼動開始日 1989年3月
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
判定 良作

概要(II)

上記『ダブルドラゴン』から2年後に発売された続編。
前作で助けた「マリアン」が早々オープニングデモで前作のラストボス「ウィリー」に殺害されて、「リー兄弟」が復讐へ赴くストーリーとなっている。

前作からの変更点(II)

  • 技の出し方が「左攻撃・ジャンプ・右攻撃」という業務用『熱血硬派くにおくん』方式に変化した(要するに進行方向に向いてる時はパンチ、逆方向に向いている時はバックキックが出る)。
    • 操作系の変更が行われた為、「前蹴り」や「ヘッドバット」は使えなくなった。
      代わりにジャンプ中に攻撃ボタンを押す事で新必殺技の「旋風脚」が放てるようになった。

評価点(II)

  • 敵のアルゴリズムの強化
    • ファミコン版の前作では敵は1種類の武器しか使ってこなかったが、今作では一人の敵が複数の武器を使うようになった。
      それに伴い、地面に落ちた武器の争奪が激しくなり、武器の重要性が増した。
      • プレイヤーが不利になるようないやらしい強化ではなく、より人間っぽい動きに進歩したといえる。
    • 「ウィリアムス」が側転で素早く移動するなど、アクションが追加されたものもいる。
      • 「リンダ」が肘打ちをしたり、全てのザコがバックキックを使用するようになった。
  • 難易度調整
    • 前作の最終ステージでは「突然出てくる石柱に当たると体力がほとんど削られる」や「ボスのマシンガンで即死」といった尖った難易度調整がなされていたが、
      本作では同様の仕掛けは登場するもののダメージは抑えられており、ストレスは少なくなっている。
      • ただし、プレイヤーの投げ技が通用しない巨大な敵が増えたり、後述の「チン・タイメイ」等の強力な敵が多数追加されており、こちらで難易度の調整が図られている。
    • 前作で猛威を振るった「肘打ち」に調整が加えられており、全く使えないほどではないが肘打ち一本でラストまでいけるほど甘い作りにはなっていない。
      • 代わりになる攻撃方法として「敵に背を向けてバックキック→敵のほうを振り向いてアッパー」があるが、敵のジャンプキックで潰される事もある為、「肘打ち」ほど万能ではない。
      • しかし、「バックキック」は判定が強く、確実に敵をひるませるので、様々なコンボの起点になる。
        慣れてくると「バックキック→髪つかみキック→背負い投げ」、「バックキック→まわし蹴り」等の連続技が面白いように決まる。
  • 操作性の向上。
    • 移動速度の上昇など、全体的に操作が快適になり、動かしやすくなっている。
      • 敵より早く動ける事が多いので有利な位置取りがしやすく、爽快感の向上に繋がっている。
  • 演出とBGMはかなり良好。
    • ボイスが増加され、敵によってやられボイスが異なる。
  • 前作と比ると新しい要素が追加された。
    • オカルト要素が含まれるようになった。倒されると断末魔の悲鳴とともに鎧を残して消滅し、消滅したかに見せかけて一度復活してくるものもいる敵キャラクター「ブルノフ」はその典型例。
    • さらに東洋的要素も含まれていて、ファミコン版の前作のオリジナル敵キャラクター「チン・タイメイ」が棒術使いとしてアーケード版にも登場し、敵のアジトの門や最終ステージのデザインも中華風になっている。
      • 「チン・タイメイ」は攻撃力とリーチでプレイヤーを上回り、かつ巨体キャラクターなので投げも効かないという有様で
        最終ステージでは一緒に出てくる前作の最強の中ボス格の「ジェフ」が箸休めに思えるほどの難敵である。

賛否が分かれる点(II)

  • 一作目で救出したヒロイン「マリアン」がいきなり一作目のラストボス「ウィリー」に射殺されるという衝撃のプロローグ。
  • 敵キャラクターのデザインが前作に比べやや色物じみている。ロン毛になった「アボボ」や眼帯ヒゲ親父になった「ローパー」、
    唯一の女ザコの「リンダ」に至っては何故かモヒカンヘアーになり、より世紀末な雰囲気を醸し出している。
    • 同様に2Pキャラクターの「ジミー・リー」は白ずくめの衣装になっている(FC版やPCE版では前作同様に赤に戻っている)。
  • アーケード版で一作目から続投している敵キャラクターのうち、「ジェフ」と「ウィリー」は前作と色が違うだけ。
    • そのためファミコン版では「ジェフ」と「ウィリー」はリストラされて、代わりにクンフー使いの「右腕」とそのままな「忍者」と新たなラストボスの「謎の格闘家」が追加された。
+ ネタバレ
  • 「マリアン」を射殺した「ウィリー」を倒すと急に画面が暗くなり、不気味なBGMとともに「リー兄弟」の影から幻影があらわれる。
    幻影は兄弟の技のほか、気弾を飛ばしたり、不気味な笑みを浮かべながら影に入り込んで攻撃し兄弟を苦しめる。
    幻影を倒すと不気味な笑い声とともに消滅し、兄弟は開いた奥の扉へ進む。
    その後、「リー兄弟」と生きていた頃の「マリアン」の写真*2が表示され、写真の中の「マリアン」が涙を流して終了となる。
    直前に兄弟で殺し合いこそしたが無事に「マリアン」を救出してハッピーエンドとなった前作に比べると
    随分と後味の悪いものであり、その後の主人公達がどうなったかのフォローは一切ない
    今作では殺し合いは無くなったものの、後味の悪さでは前作を上回っている。
    当時としてもこのエンディングは賛否両論であったが、この後のシリーズはオカルト要素をさらに強めていくことになる…。

問題点(II)

  • 技の出し方が「左攻撃・ジャンプ・右攻撃」という方式のため、技を出す際にはプレイヤーキャラクターの向いている方向に気を付けなければならない。
  • 「旋風脚」の使い勝手が微妙
    • 威力はそこそこあるものの、敵のジャンプキックやパンチであっさり潰されたり、出し終わるまで当たらない所で待ち伏せされる事*3が多く、うまく決める事が難しい。
      • また、出し方にも癖があり、ジャンプし始めてから頂点に到達するまでの僅かなタイミングで攻撃ボタンを押す必要がある。頂点に達してしまうと出なかったりとコツがいる。
  • アーケード版で追加された一部のボス格の敵は理不尽に強すぎる。
    • 特にステージ2のボスの某殺人アンドロイドと瓜二つな風貌の巨漢「アボレ」とステージ3のボスの「チン・タイメイ」は、前作の中ボス格である「アボボ」や「ジェフ」がマシに思えるくらい強い。
  • アーケード版のステージの構成は前作のステージを手直ししただけの代物。
    • 特にステージ2は最初の場面以外は前作の同ステージのグラフィックを書き直しただけである。
    • その後もどこかで見た構成がゲームの最後まで続く。目新しい仕掛けはステージ3の耕運機とステージ4の爆発する鉄球ぐらいしか存在しない。
  • アーケード版では振り回し系の武器である「チェーンハンマー」か「シャベル」を持ってしまうと通常攻撃は進行方向に武器を振り回すだけになり、バックキックが使用できなくなる。
    • しかもザコ敵は「シャベル」を振り回せるだけでなく投げつける事も可能なので、投げつけることの出来ないプレイヤーはますます不利である。
    • そのため、ファミコン版で「シャベル」と入れ替わりに登場する「鉄パイプ」はプレイヤーも投げつけることが可能になった。

総評(II)

元々は海外で先行発売するために作られており、キャラクターやマップパターンなどは前作の使いまわしが大多数であった。
「肘打ち一本でクリア」、「最終面の尖った難易度」といった前作の粗は概ね修正されており、
よく練られた敵のアルゴリズムをかいくぐって様々な技を決める、爽快感あふれるベルトアクションに仕上がっている。
しかし、最初のステージを除いてはほぼ全てが前作の流用なので手堅い作品ではあったが新鮮味に欠ける点は否めず、
そのため国内では今ひとつマイナーな評価で終わってしまった。

家庭用移植(II)

  • 本作はFC・PCE・MD・GB(日本未発売)に移植されている。
    • FC版は前作同様アレンジが加えられているが、さらなる新必殺技「ハイパーアッパー」と「真空飛び膝蹴り」が追加されたり、ステージ構成がAC版から大幅に変更されており、移植と言うよりもリメイクと言ったほうが正しい。
      • FC版の前作はアクションモードでの2人同時プレイが不可だったが、今作は2人同時プレイ可能。さらにレベル制が廃止されて最初から強力な技が使用可能。
      • シリーズの中では唯一AC版とFC版の内容の差が最も少ない。
      • FC版ラストボスの登場シーンは当時としては突出した良好な演出である。
    • PCE版はSUPER CDROM2専用ソフトとなっているが、基本FC版ベースの移植となっている。また豪華声優陣によるボイス付きのビジュアルシーンも追加されている。
    • GB版もAC移植ではなく、『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』のキャラクター・BGM差し替え版となっている。
    • 一方、MD版は唯一のAC基準の移植となっている。