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ロックマン9 野望の復活!! - (2022/10/10 (月) 13:18:37) の編集履歴(バックアップ)
ロックマン9 野望の復活!!
【ろっくまんないん やぼうのふっかつ】
ジャンル
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横スクロールアクション
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対応機種
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Wii(Wiiウェア) プレイステーション3(PlayStation Network) Xbox360(XboxLIVE ARCADE)
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発売元
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カプコン
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開発元
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インティ・クリエイツ
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発売日
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【Wii】2008年9月24日 【PS3/360】2009年6月24日
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定価
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1,000円
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備考
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2019年1月31日にWiiウェアの購入期間は終了済み
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判定
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良作
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ポイント
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「ファミコンロックマン」が骨太仕様で復活 「ブランクを経た過去の名作は失敗する」定説を覆す 人気の影響で続編製作&他社も一部追随 このときも!このときも!このときも!
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ロックマンシリーズ
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概要
『Wiiウェア』のダウンロード専用コンテンツとして提供された作品で、『ロックマン』シリーズ第10作目(ロックマン&フォルテ含)。
「長い年月を経た後、思い出したように出た続編にロクなものはない」という定説を覆した、驚くほどいつものロックマン。
かつてのファミコンロックマンと同様の内容でよく作り込まれた内容でありながら、1,000円という低価格で提供された。
これらの要素もあり、Wiiウェアのランキングでは永らく常連となった他、後に『PS3』でも展開された。
本作の成功を受けて同路線の続編の製作が行われたのも大きいが、他社もこういったリバイバル路線に追随するなどゲーム業界氷河期に一石を投じた。
プロローグ
ロックマンの度重なる活躍により平和を取り戻した世界だったが、ある日世界中でロボットが暴れだし、再び混乱が訪れた。
誰もがまたDr.ワイリーの仕業だと思ったが、なんと暴れているロボットの製作者はDr.ライトであることが判明。
同時に流れたワイリーの証言でライトが世界征服をほのめかしていたことが伝えられ、ライト研究所に抗議が殺到する。
ロックマンはライトの汚名返上のため、暴れているロボットを止めに再び立ち上がるのだった。(Wikipediaより)
特徴・評価点
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最新ハードで、まさかのFC風デザイン
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パレットアニメはもちろん、スプライトのチラツキや同時発音制限まで再現するという力の入れよう。
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シンプルなグラフィックのおかげで、敵弾が隠れて見えない・判定が分かりづらい、といったことが起こりにくい。
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BGMももちろんFC風。曲調はFC6作品の雰囲気を上手く継いでおり、「これぞロックマン」という良い意味でステレオタイプな良曲揃い。
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賛否あったステージセレクトの制限は、『6』以前同様に最初から8ステージ選ぶことが出来る仕様に戻った。
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死んで覚えろ! 時代錯誤(褒め言葉)のストイックな難易度
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少ない敵や弾でプレイヤーを的確に殺しに来る、インティらしいしっかりとした意図を感じるレベルデザイン。
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タイムアタック搭載の影響もあってか、シリーズ中でも特にパターン色の強い味付けをされている。
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チャージショットとスライディングの廃止
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これにともないボスの無敵時間が減少。バシバシとリズミカルに撃ち込むゲーム性が復活した。
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シリーズのいいとこ取り+αの、ロックマン史上最も軽快な操作性
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梯子の速度上昇、空中制御の改良、振り向きラグ改善など、細かいながら地味に効いてくる所を上手くチューニングしている。
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本編をブルースでプレイできる「ブルースモード」
※有料DLC
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本編では初めてのプレイアブル化(一応、パワーバトルでも操作できたが)。
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ブルースはチャージショットとスライディングが可能でシールドを装備。
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そのかわりロックマンよりも基本性能を低く設定し、よりピーキーなバランスにされている。
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「ヒーローモード」「スーパーヒーローモード」
※有料DLC
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平たく言えば本編をさらに難しくしたモード。敵の総数が増えたり仕掛けが難しくなったりと、より難易度の高い状態でプレイできる。
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無限に続くステージをひたすら攻略する「エンドレスアタック」
※有料DLC
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旧作をモチーフにした地形などのファンサービスもある。
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古典的アクションゲームとして理想的なプレイ時間
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慣れれば一周1時間以内で終了するので、繰り返しのプレイも苦にならない。
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シビアながらサクサク進むステージは、良質のアーケードゲームをプレイしているよう。
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歴代最強と言ってもいいほど高性能・強力でバランスの取れた特殊武器
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特に敵を倒しつつアイテムを拾ってくれる「ホーネットチェイサー」や、耐久が高く飛び道具としても使用可能なバリア武器「ジュエルサテライト」が強力。
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それでいて、突き詰めればクセのある特殊武器が性能を発揮したり等、どれか一辺倒にはならない良バランス。
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チャージ廃止と相まって、道中での使用頻度UP。シリーズで最も特殊武器が重要なゲームに仕上がっている。
+
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本作のボスと特殊武器
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コンクリートマン
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コンクリートショット: 当たった敵を固めてブロックに変える弾を発射。ブロックは一定時間残り、消えるまで足場になる
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トルネードマン
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トルネードブロー: 画面下から真上に4連の竜巻を打ち上げる。プロペラ付き足場を押し上げる事も出来る
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スプラッシュウーマン
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レーザートライデント: 三又槍型のレーザーを撃つ。効かない敵などにも弾かれず貫通し、特定のブロックも破壊できる
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プラグマン
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プラグボール: 床を這うプラズマ弾を放つ
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ジュエルマン
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ジュエルサテライト: ダイヤモンドを自分の周囲に回転させる。追加入力で進行方向に発射。敵に当たると消滅。一部の敵弾は弾き返せる
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ホーネットマン
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ホーネットチェイサー: 追尾式の蜂型メカを放つ。アイテムにも反応しロックマンの元に運んできてくれる
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マグママン
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マグマバズーカ: 3wayのマグマ弾を撃つ。チャージも可能
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ギャラクシーマン
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ブラックホールボム: 発射後にボタンで爆発させる事により、敵や敵弾を吸い込むブラックホールと化す弾を発射
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ショップも引き継がれており、ネジを集めてアイテムを購入することができる。
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購入できるのはE缶やM缶などお馴染みのアイテム。これを利用すれば難易度もグッと下がる。
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またロックマンのヘルメットを外すことができたり、ロールちゃんの衣装を『ロックマン8 メタルヒーローズ』の物にできるなどのファンサービスも用意されている。
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しかしどちらも、ゲーム的には完全なハズレ(オマケ)アイテム。
メット無しロックはダメージが増えるだけ、『8』衣装ロールちゃんはネジを多く消費する割にゲーム上のメリットは無い。
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武器が地形を貫通するようになった。
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ロックマンX5以降、ゼロシリーズやゼクスシリーズを含めて地形を貫通しないものが多かったが、今作では昔の仕様に戻された。
賛否両論点
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FCデザインへの回帰という点も含め、『2』の人気を意識しすぎた要素が目立つ。
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一部BGM・SEを『2』から流用、『2』のBGMにあえて似せたと思われる曲がある。
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チャージ、スライディングの廃止も『2』を意識していると言われる。
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ただし、チャージと特殊武器のジレンマは過去作の時点でも言われていたことではある。
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特徴・評価点の項目にもある通り、チャージ武器の廃止に伴い『4』以降顕著であったボスの無敵時間は減少しているが、『2』のアトミックファイヤーのようにチャージ可能な特殊武器は存在する。
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8から更に進化したグラフィックを期待していた声も多い。
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また、力の入ったFCデザイン再現とあるが、本当に細かいところは案外おざなりで気になる人は気になる。
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ギミック重視かつ即死の多いステージ構成
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水を燃料としたリフト、振り子リフト、乗るとロックが縦回転するリフト、レーザービーム風マグマなどの仕掛けが多く、更にそれらのギミックには必ず即死が付いて回る。
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数が多いだけでなく配置も非常にいやらしいため、解法が分からないとストレス。針の穴に糸を通すかのような精密な操作を求められる場面も多い。
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ごく一部のギミックはこれに加えて慣れるとテンポが悪く感じられるものもあり、初心者に厳しく上級者には退屈な場面も見られる。
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すべてがそうではないが、簡単な仕掛けから徐々に難易度が上げられていたり、じっくり動きを見てからギミックに臨むことが可能だったりなど、初見殺しにはそれなりに配慮がある。
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これらは上記にも記述がある通り『2』を中心とした旧作を意識したステージ構成やタイムアタックを意識した作りによる「死んで覚える」「パターン色の強いバランス」「繰り返しプレイによりミスなくプレイできるようになる快感」を再現したものがほとんどであり、好意的に受け止めているプレイヤーも多い。
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次作では即死が抑えられ、その代わりに「複数の敵やギミックからなぶり殺しにされる」「そこそこのアドリブ力が問われる」ような対極のバランスとなっており、どちらが良いかは好みの問題だろう。
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一応トゲ死と落下死は無効化するアイテムをいつでも購入できる。
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近年のゲームとしては一周が短くボリューム不足。
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一応、1,000円という価格を鑑みれば妥当な域か。
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FC版ロックマンを意識して作られているので、その点から見れば同じようなボリュームである。やり込み要素もある分遊びの幅は広がっている。
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特殊武器が便利すぎてロックバスターがあまり役に立たない。
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ロックバスター一辺倒の攻略が難しいバランスとも言える。
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上記にも少しあるが、ロックバスターが強すぎても「特殊武器が(いくら強くても)霞む」という意見が出てしまうため、ここはもう好みの問題でしかない。
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ジュエルマンの特殊武器「ジュエルサテライト」の性能。
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一言で言えば「歴代最強のバリア武器」。歴代のバリア武器の性能のいいとこ取りと言える。
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どれだけ高性能かと言うと「耐久力が高い(敵の通常弾程度じゃ何発でも壊れない)」「耐久力が低い敵なら体当たりで倒せる(しかもバリアは消えない)」「『5』のスタークラッシュのように攻撃ボタンで任意に左右に飛ばせる」「相手の射撃武器の大半を跳ね返す」と何もかも優れている。
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1発あたりのEN消費量は大きめだが、その1発分の耐久力を考慮すれば燃費も悪くないといえる。
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上記の性能の関係で、ワイリーステージ1の序盤では初見ではかなり苦戦するが、この武器を使うだけで途端に難易度が下がってしまうほど。
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耐久力の高い敵や防御態勢を取る敵には即解除させられるので、1発のEN消費の大きさも相まってこれ一辺倒で攻略することはできないバランスにはなっている。
問題点
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ワイリーステージ1の一部ギミックが事前ヒントが非常に少なく解法が解りづらい。
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特にレーザービーム風マグマ地帯を上へ登っていく箇所は、とある特殊武器を使用して登っていくのが正攻法だが、マグママンステージの段階でこの解法のヒントになるようなポイントがほぼ皆無のため、どう攻略していいかわからず行き詰ってしまったプレイヤーも少なくない。
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一応タイミングはシビアだがラッシュコイルやジェットを利用して登ることも出来るが、上記の方法がわからずこちらが正攻法だと思っていたプレイヤーも存在するほど。
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武器変更がポーズメニューからしかできない
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「ファミコンのボタン数の少なさまで再現した」と言えなくもないが、現環境の新作としては面倒な仕様ではある。
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メインモードのセーブデータを8個残せるのは良いものの、個別・単体での削除ができない。
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そのため、一度セーブしてしまうとその箇所をNO SAVE状態に戻せない。
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上書きすればいいのでそこまで気にする部分ではないが、一度間違えるとセーブデータを初期化する以外に元に戻す方法はない。
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セーブがステージクリア時・ゲームオーバー時しかできない
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クリア済みステージからの脱出方法もボス部屋到達のみ。前作までにはあったEXITアイテムはない。
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なのでネジや残機を稼いでセーブ、E缶を買い占めた状態でセーブ、などをしたい場合でもイチイチステージクリアする必要があり面倒。
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特に買い物が終わってからセーブできないのは不便。
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『7』に初登場し、以降のロックマンシリーズで活躍したフォルテが登場しない。
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最後の最後で「フォルテの設計図らしきもの」が出てくるだけという扱いである。
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タイムアタックなどチャレンジ系のモードにて、即リトライ出来るオプションがなく、やり直すにはわざと1ミスせざるを得ないため非常に面倒。
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これは続編でも変わっていないため意図的なものかもしれない。それでも面倒なことに変わりはないのだが。
総評
過去作に引きずられている感はあるものの、作りはとにかく高水準。
特に軽快な操作性と強力な武器のもとノンストップで駆け抜ける快感は、2DACT全体で見てもハイレベル。
「現代においてもレトログラフィックは通用する」という認識に箔をつけた作品の一つとも言える作品であり、じわじわと業界にも影響を与えた。
2DACT好き、あるいはガチゲーが好きなら、是非プレイして欲しい一作。
難易度は高いが決して理不尽ではない、制作者の意図をしっかり感じられるステージやボスを堪能できるはず。
余談
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通算9度目(ロクフォルを入れると10度目?)なのでもはやプレイする前に分かると思うが、やっぱり黒幕はワ(ry
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オープニングからしてすでに怪しすぎるので黒幕らしさはないが。
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ちなみに、エンディングでは歴代シリーズでの土下座シーンが総集合する。ナンバリング作品のほか外伝作品である『ロックマン&フォルテ』の土下座シーンも登場し、時系列的には『8』の後(本作の前)であることが判明した。
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土下座シーンで見られるロックマンの色は各最終戦での弱点武器で統一されている。
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そして『7』『8』『フォルテ』の土下座シーンもFC風デザインに書き下ろされている。こちらのデザインでプレイしてみたいと思ったユーザーもいるのでは?
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上記の通り、映像で過去の土下座シーンを「このときも!このときも!」と9回分突きつけているため、撮影していた事実とともに「ロックマン意外と性格悪い説」が浮上することに…。
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BGMの評価が非常に高いのだが、ゲームが1,000円でサントラが2,500円、と割高感が否めない。
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ロックマンといえば海外版の衝撃的なパッケージデザインで有名だが、前作までは日米で共通デザインになるようになっていたのに今作がFC版への回帰という内容に合わせたのか海外用のイメージイラストまでもがまさかの回帰(参考画像)。スタッフの悪ノリが窺える。
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本作の事件は表向きには「ライト博士が起こしている」という事になっているため、8大ボスの部屋の前のマークはいつもの「W」ではなく「R」。
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本作ではシリーズで初めて女性ボスが登場したが、スタッフインタビューによると女性ボスは最初ホーネットマンのポジションで開発が進められていた。
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しかしいざドット絵に起こしてみると
どう見ても只のコスプレお姉さんにしか見えなかった
為、没となったらしい。
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代わりに登場したスプラッシュウーマンの位置にはオーシャンマンというホタテの殻が特徴的な男性ボスがいたが、お蔵入りとなったとのこと。
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ちなみに名称は「ハニーウーマン」。オーシャンマン共々、下記クラシックスコレクション2内の開発中の設定画で姿を見ることができる。
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スプラッシュウーマンとプラグマンのデザインは稲船氏本人であり、この面でも回帰といえる。
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かつては携帯アプリ版も配信していた。
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ゲームオーバーが実質ノーリスクになっていたり、弱点武器のダメージ量が変更されていたり、即死トゲが減らされていたりと、かなり遊びやすい調整になっていた。
それでもシリーズ相応の遊びごたえはあり、コンシューマ版で指摘されていた即死の多さにフォローが入ったため、良好なバランスに仕上がっている。
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ちなみに、何故か次回作の方は配信されなかった。