【ろっくまんえっくすふぁいぶ】
ジャンル | アクション | |
対応機種 |
プレイステーション Windows 2000/XP |
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発売元 | カプコン | |
開発元 |
バリューウェーブ カプコン |
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発売日 |
【PS】2000年11月30日 【Win】2002年5月24日 |
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定価 |
【PS】6,090円 【Win】5,280円 |
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廉価版 |
【PS】PlayStation the Best for Family 2002年7月18日/2,940円 |
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【Win】カプコンPCお得シリーズ 2003年5月30日/1,980円 |
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【Win】みんなわくわくパソコンソフト ソースネクスト発売 2004年4月28日/1,980円 |
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配信 |
ゲームアーカイブス 2014年12月17日/617円(税込) |
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判定 | なし | |
ポイント |
練りこみ不足の新システムと漂う低予算臭 アクションを強制停止させるナビゲーター BGMは高評価 テキストは驚くほど低品質だが、要所要所には燃える展開も |
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ロックマンシリーズリンク |
地球滅亡まで16時間…
『ロックマンXシリーズ』第5作。
前作までは比較的短い期間で発売されていたのに対し、本作はX4から3年以上経過してから発売された。これほどまでにブランクが生じた理由は不明。
また、開発担当もロックマンに長年携わってきた稲船敬二氏を始めとする第二開発部(*1)の面々ではなく、三並達也氏がトップの第三開発部(一部バリューウェーブへの外注)に変更。『X4』でプランナーの一人としてシリーズに参加した経験もある「おおこ」こと大小原宏治氏がディレクターに抜てきされ、開発の指揮を執った。
当時は公にされていなかったが、稲船氏が「これを最終作にしてほしい」とスタッフに伝えていた事から、当初は本作をもってXシリーズ完結となる予定だった。
その為、ストーリーも終末感を強く打ち出した内容となるなど、作品全体を通して「最後」を意識させる要素が多い。
本作には「時間」の概念が存在する。ゲーム開始時の持ち時間は16時間。
各ステージのボスには「レベル」の概念がある。レベルが高いほどボスの体力が増える。高レベルのボスを倒すと、強化パーツを入手できる。
ボスのレベルは、ステージの攻略時間が長くなるほど、ハンターランク(後述)が高いほど上昇する。
プレイヤーのイレギュラーハンターとしての腕前がどの程度であるか表す。従来は設定上の概念であったハンターランクを、システムに一応反映した要素。
ステージクリア時に、プレイ内容に応じてランク付けによる評価がされる。
高レベルのボスを倒すことで入手できる。装備することにより様々な効果を発揮し、戦いを有利に進められる。
各キャラクターに最大4つまで組み合わせて装備できるが、エックスの場合アーマーによってはパーツ装備に制限が掛かる。
エイリアのナビゲートを受けながら専用のステージを進むことで操作方法を学べる、いわゆる初心者用チュートリアル。
最深部のボスを倒すとクリアとなり、タイトル画面に戻る。
これらの問題点はエニグマ作戦とシャトル作戦がそれぞれ独立しているストーリー構成に不備があるため、例えば『最初にエニグマでコロニーにダメージを与えて破壊しやすくし、重ねてシャトルもぶつけてやる』というような、両方の作戦が同時進行するような構成であれば上記のような問題点は起こらなかった。
また一度攻略したステージに入る際も当然時間が経過する為、取り損ねたアイテム、アーマープログラムの再回収を行いにくい。
+ | 莫大な体力 |
+ | 問題のステージについて |
+ | その一例… |
ステージクリア時に評価を受けるが、評価=ハンターランクとなるため、今までストーリー背景上重要であったハンターランクがあっさりと上下してしまう。
本作から自由にキャラの切り替えが可能になったため、ステージに合わせたキャラで攻略していきたいところだが、所々に問題点がある。
+ | ネタバレあり |
+ | ネタバレあり |
全体的にギミカルになったステージ構成や、使いまわしスレスレのオマージュ要素などは批判されやすいものの、それら自体は丁寧に作られている為ある程度の完成度には達している。
また、そこに至るまでの過程や一部EDは雑ではあるが、シリーズのストーリーのキモとなる部分を扱ったこととそれを盛り上げる秀逸なBGMなど光る部分も見られる。
しかし、見せつけるような低予算臭はもはや哀愁すら感じさせるレベル。そんな逆境に負けるまいと多数の新要素を意欲的に取り入れていくという姿勢は評価したいが、それらすらもそこかしこに雑な部分が散見される。
後にディレクターのおおこ氏が「最後を意識して無茶をし過ぎた部分もあった」と反省の弁を述べているようにやりたい事を詰め込み過ぎてまとめきれなかった印象は拭えず、過去作と比較してかなり難のあるゲームになってしまった。
+ | ネタバレあり |
*1 以下、開発部門に関する情報は全て2000年当時の物。
*2 取説によると「機動力にエネルギーを使っているため」とのこと。
*3 「ロックマンX大全書」より。武器セレクト画面での名称は普通にエックスバスター。
*4 前作では「移動専用」「トラップ配置」「専用カーソルを利用してロックオン」など非常に挑戦的な武器が多く面白みや扱い甲斐はあったがその反面、非常に取っ付き辛く、またヘッドパーツに通常特殊武器無限化能力が備わった兼ね合いからか威力がかなり低めに抑えられていた。
*5 三日月斬は空円舞の攻撃範囲を広くしたもの。電刃は同一モーションの龍炎刃と比べて途中で攻撃を中断可能で、セイバー部分だけでなく地面からセイバー部分までも攻撃判定が伸びるようになった。滅閃光は落鳳破に貫通性能が付加されている。
*6 一部の強化パーツがデフォルト装備扱いになる。この状態から普段通り強化パーツを装備することも可能。
*7 今作でもクリア後にコマンドを知る方法があるが、普通はあまりやらない実質裏技のようなものとなっている。
*8 「スタート地点の左上に配置された1UPアイテム」を含め、レーザー地帯までの地形も再現されている。
*9 ステージ上ではプログラムだけを渡し、ハンターベースでそのデータを基にアーマーを開発するという流れである。
*10 プラズマチャージショットを使用しているのに前作のストックチャージショットを使用しているときのグラフィックになっている
*11 具体例を挙げると「月面に居るかのようなゆっくりとした軌道でジャンプするグリズリー」「立派な1対の翼を持ち、滑らかに動いて羽ばたくネクロバットがいるのに一切羽ばたかずに空を飛ぶペガシオン」。地上で立ち止まっている際は翼を閉じ、それ以外の挙動では翼を開いているという違いはあるが。
*12 シグマ製のイレギュラーであり、隙を見てシグマの元から逃走したが、シグマ自身も「たいした戦力にはならない」と判断し、無視していた、という設定。彼の二つ名は「忘れ去られし闇の戦士」だが、本当にただ弱くてどうでもいいので忘れられていたとは誰が予想しただろうか?
*13 後の「アニバーサリーコレクション」では乱数保存により、単純なセーブ&リセットでは同じ結果となる。
*14 一応、ウィングスパイラルを用いた裏技(バグ技)を用いるならばアーマー不要で1回目でも入手可能だが、正規の方法ではない。
*15 実例を挙げるならば、ジャンプが低ければそのまま穴に落ち、かといって高く跳べば穴の上にある地形に引っ掛かって結局穴に落ちてしまう・・・といった具合である。
*16 初代『X』発売当時のある出版社の攻略本では、今作の初期状態と同様のB級ハンターとされ、後年発売された書籍「ロックマンX大全書」では『X2』の時点でA級へ昇格したとの記述があるが、『X2』発売当時の設定では「(戦いを好まない性格が考慮されて)ハンターランクは確定できないまま」とされており、実際『X4』まではエックスのランクに関する記述は無かった。ただし、『X2』の時点で隊長に昇格したと書かれている攻略本はある。
*17 そもそもゼロは前述通り、全てのライフアップを取れないため事実上最大まで強化することは不可能だが。
*18 一応、敵弾を攻撃によって掻き消せるようになるゼロ専用パーツを装備すれば使い道が見出だせないわけでもない。
*19 裏技を使うにしても、黒いゼロよりはアルティメットアーマーを纏ったエックスの方が格段に強い。
*20 この二人の対決に関してはゼロ覚醒ルートの方が正規と考えられるため、非覚醒ルートでも二人を戦わせようとした弊害と思われる。非覚醒ルート用に別のボスを用意すれば強引な展開は避けられただろうが、そうすると何度も主張していたエックスとゼロの対決がバッドエンドルート以外では発生しなくなってしまうため、そうする事もできなかったのだろう。だからと言って強引な展開の言い訳になるわけではないが…
*21 ラスボスのシグマ第一形態撃破直後、シグマのエックスに対しての台詞。味方であり無二の親友であるゼロとも戦ったエックスへの皮肉と取れなくもない所だが…。
*22 没データの中にはシグマの前作ボイスが存在する。
*23 ボイスについては同社の『逆転裁判』のようにスタッフが声を当てているという例もないわけではないが…。
*24 マッコイーンのみデザインの関係上、斜めを向いている。
*25 ボルト・クラーケンが「ほんと暗い」に聞こえたりするなど。
*26 特殊攻撃ボタンはゼットバスター及び特殊武器用のボタンに割り当てられている。
*27 後に発売したWindows版でも海外版と同様の仕様に変更されている。
*28 参考までに『X6』が8.0点、『X7』が6.7点、『X8』が7.3点
*29 氏は「ドラキュラII 呪いの封印」のレビューでもあったようにアクションを中断させてメッセージを表示する仕様を極端に嫌う傾向がある
*30 1998年8月号にて連載終了。その後も同年内にて全てのロックマンのコミカライズは連載終了となってしまった。