ロックマン クラシックス コレクション2
【ろっくまん くらしっくす これくしょんつー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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プレイステーション4 Xbox One Windows 7 Nintendo Switch
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メディア
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【PS4】BD-ROM/ダウンロード併売 【One/Win/Switch】ダウンロード専売ソフト
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発売元
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カプコン
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開発元
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ナウプロダクション、バレット
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発売日
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【PS4/One/Win】2017年8月10日 【Switch】2018年5月24日
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価格
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パッケージ版 【PS4】2,990円 ダウンロード版 【PS4/Win/Switch】2,769円 【One】2,780円(全て税別)
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周辺機器
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【Switch】amiibo対応
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判定
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良作
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ロックマンシリーズ
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概要
本家『ロックマンシリーズ』のナンバリング作品を収録したオムニバス移植。
前作に収録されなかった『7』~『10』を収録し、前作同様にチャレンジモードなどを追加している。
基本的な追加要素は前作と同様だが、様々な点がブラッシュアップされた出来となっている。
収録タイトル
各タイトルの評価については個別ページを参照のこと。
評価点
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プレイ面での移植度は高い
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後述のような問題点や非常に細かい部分で違いがあるが、ゲームプレイ自体はオリジナルと比較してもあまり違和感はなく、良好に遊べる。
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『8』はオリジナル版がディスクメディアだったためロード時間があったが、今作ではほとんどのロードがなくなり快適にプレイ出来るようになっている。セーブも高速で行えるためテンポが良くなった。
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『9』『10』はオリジナル版にあったDLCも全て収録。当初はロックされているが、一度ゲームをクリアすると解禁されるため、DLCあり/なしの両方の状態を楽しむことが出来る。
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発売日に配信された公式生放送にてクリアしなくても最初からDLCを使える隠しコマンドも公開された。
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前作同様、タイトル画面のオプションで言語を選択すれば海外版『MEGA MAN』としても遊べる。
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新たなオプションとして、初心者向けにダメージを半減する「防御力アップモード」が追加された。
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ただし、このモードがONの状態でもトゲに当たれば一撃死のままなので、ボス戦などが若干楽になる程度。
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中断セーブにオートセーブオプションが追加された。ステージ開始時や中間地点、ボス前などで自動セーブされるようになる。OFFにする事も出来るので、ラスボス直前のデータをとっておく事なども可能。
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タイムアタックの熱いチャレンジモード
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前作からテンポがさらに良くなり、タイムアタックが非常に楽しくなった。チャレンジ数も70以上に増えている。『9』『10』のチャレンジ要素もここに集約されており、実際のチャレンジ数は100以上で遊びごたえがある。
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ボスラッシュチャレンジは前作と違ってゲーム中のボスラッシュ面をプレイするようになり、自由な順番で攻略出来るようになった。
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今作では後述のようにデータベースモードがなくなったが、ボス戦を練習したい場合も問題ないように配慮されていると言える。
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もちろんオンラインランキングとリプレイにも対応。上位プレイヤーは今作でもスーパープレイを見せてくれている。(Switch版はオンラインリプレイ未対応)
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ただし『9』『10』のオリジナル版にあったステージ単体タイムアタックのオンラインランキングは残念ながら削除されてしまった。
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『クラコレ1』と同様、Switch版はロックマンのamiiboを読み取ることで専用の新規ステージをプレイすることができる。
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前作で批判されたインターフェースを改善
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前作ではデザインが味気ない、反応が遅いなど複数の問題があったが、今作では軒並み改善されており快適に操作出来るようになっている。
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画面の余白部分を埋める壁紙は前作は各作品一種類だったが、今作では作品ごとにボス集合・特殊武器集合・ゲーム中のボス選択画面・全作共通の4種類が用意され、好きな壁紙を設定可能になった。
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今回もギャラリーモード(ミュージアム)は充実している
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特に『9』『10』は新しいタイトルのため資料も豊富に残っており、見ごたえがある。
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『10』に登場するため、エンカー、パンク、バラードと各特殊武器の絵もワールドシリーズの物が特別収録されている。
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BGMギャラリーでは、ループするBGMはゲーム中同様にループしたままになり、無音になるのは一部のBGMのみとなった。
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イラストギャラリーはサムネイル表示になり、選びやすくなった。反面どういう画像なのか選ぶまでわからなくなった、分類別にジャンプすることが出来なくなった、という欠点も。
賛否両論点
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中断セーブの仕様
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どこで中断セーブを行ったかに関わらず、ロード時は必ずチェックポイントから再開するようになった。
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そのため、苦手な地点やボス戦などでセーブ・ロードを繰り返してコツコツ進めるようなプレイは不可能。
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ただし、セーブ・ロードの繰り返しでゴリ押すようなスタイルでは本来のゲームバランスを損ねてしまうため、それを尊重するという意味では一概に問題点とはいえないだろう。
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なお、上記とは異なり明確に仕様の欠陥と考えられるものもあるため、それらについては「問題点」の後で後述する。
問題点
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一部細かい部分の再現度が低い
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『7』は最初から8ボス全てと戦えるパスワードなど、一部のパスワードが使用出来ない。
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ただしこれについては中断時に正常なパスワードが出力されない、バグ技に近いものであるため、再現できないのはやむを得ないところ。
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『7』のエンディングでワイリーの城が爆発するシーン、オリジナル版では一瞬白く光る演出の後に城が炎上するのだが、今作では光る演出がなくなり城がいきなり炎上するためオリジナル経験者は若干の違和感を覚える。
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『8』はスタートボタン押しっぱなしで会話の高速スキップが可能なのだが、何故かこの機能が再現されていない。
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結果、テキスト送りが手動でしかできなくなり、いちいちボタンを押さなければならなくなってしまった。
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『8』は原作よりチェックポイントが増えており、それ自体に問題はないのだが、これによってアクアマンステージのネジを1回で全て入手することが不可能になってしまった。
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一方で移植前から残ってた致命的すぎるワイリーステージのセーブ関連は修正されないまま。
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ゲーム開始時、なぜかいきなりタイトル画面を表示するように変更されているため、OPデモを見るためには、リセットする必要がある。
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特に『8』はプレイ映像とメーカーロゴの終了まで待つ必要があるため、OPアニメを見られるまでかなり時間がかかるようになってしまった。
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中断セーブの仕様の問題点
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ロード時に強制的にチェックポイントから再開されるのは「賛否両論点」にある通りだが、それとは別にライフ残量までセーブされるという仕様がある。
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トライ&エラーを繰り返して進もうにも、ライフが少ない状態でセーブされてしまったがためにジリ貧になり、最終的に「詰み」に近い状況に陥る…という状況にもなりかねない。
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ステージセレクト画面でのセーブは不可能で、特にステージの出入りでのみセーブされる『7』では歯痒い思いをすることに。
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ステージ攻略後、次のステージを選ぶ前に中断した場合、武器解説のデモを見直さなければならない。
一応、クリア済みのステージに入って即脱出すればデモを繰り返し見ることは避けられるのだが、それでもわざわざステージを出入りする手間がかかることに変わりはない。
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前作にあった複数タイトルをまたいだチャレンジがなくなった
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グラフィックやシステム上の問題があるからと思われるが、各タイトルをいかに熟知しているかを競える内容だっただけに残念である。
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また、総数は増えたが『9』『10』は同じチャレンジのキャラ違いばかりのため、水増し感がある。
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セガサターン版『8』の要素は一切採用されていない
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発売前の時点でPS版準拠と明言されてはいたが、せめてBGMギャラリーでSS版テングマンステージの曲やボイステストを入れて欲しかったところである。
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データベースモードがなくなった
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攻略資料として有用で、ボスとの練習も出来ただけに残念な点である。もっとも、前作のデータベースはPS版の流用であったが。
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ボスへの挑戦自体はギャラリーモードから挑戦する形になっている。また、前述のようにボスラッシュチャレンジがボスラッシュ面の流用なのでボス戦の練習自体は可能。さらに、『10』は本編を進めていけば難易度別に挑戦可能になる。
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本作をダウンロード販売で購入するとなぜか前作も購入した扱いになり、前作をダウンロードで購入できない不具合がある。
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アップデートで修正済みの問題点
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『8』のワイリー戦前のイベントで流れるBGMがワイリータワーMAP表示時の曲になっている(本来はOPステージでワイリーが登場する時の曲が流れる)。
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Switch版では修正済み。他機種も2018年6月19日のアップデートで修正された。
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海外版『7』において、「LICENSED BY NINTENDO」という表記が削除されていない。
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現行バージョンではいずれの機種においても削除済みとなっている。
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総評
FC時代の8bitタイトルのみを収録した前作に続き、収録タイトル数こそ減ったもののバリエーション豊富で収録ボリュームも負けていない。
移植度の面では甘いところもあるが、プレイ面の面白さは失われておらず、16bit時代以降のロックマンを十分楽しめる内容に仕上がっている。
競争要素のあるチャレンジモードとファンには嬉しいギャラリーモードも収録され、オムニバスソフトとしても十分なクオリティを持っている良作と言えよう。
前作と合わせれば初代ナンバリングシリーズをコンプリート出来るので、今からロックマンを始めるプレイヤーにもオススメの一本である。
余談
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未収録タイトルについて
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初めに述べたように、本作はナンバリング作品を1つにまとめたタイトルであるため、『ロックマン&フォルテ』を始めとする外伝作品は収録されていない。
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特に『ロクフォル』については、「ナンバリングタイトルではない」「SFC(SNES)版が海外未発売」といった事情があるものと考えられるが、実際のところは不明。
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本作がE3にて発表された際に『ロクフォル』未収録についてはファンの間で物議を醸した。特に『9』には当作品を踏まえた描写もあるため、本作から入った人は混乱してしまう可能性もある。
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このため、『ロックマン&フォルテ』やワールドシリーズなどの外伝作を収録した『クラシックス コレクション3』の発売を望む声も多い。
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『8』が任天堂ハードでもプレイできるようになったため、本作のSwitch移植及び『ロックマン11』の発売に伴い、『ロクフォル』を含む本編シリーズ全てが任天堂ハードに集結する事になった。
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『7』原作のジャンクマンステージ冒頭ではファミコンのような機械が吊るされていたのだが、本作への移植にあたってその存在が消されてしまっている。
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絵面的に寂しくなっているのは残念だが、任天堂以外のハードでの移植が展開されている以上致し方ないところではあるだろう。
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『8』にて収録されていたアニメーションムービーやカプコンロゴの画質は本作もPS版のMotionJPEGムービーをそのまま再エンコードしたような画質でリマスターなどは行われていない。
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当時放映されていたTVCMなどのカットではフィルムソースと思われる高フレームレートの綺麗な画質で流れていたため、当時のフィルムが無くリマスターを行おうにも出来なかった可能性が考えられる。
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ミュージアムの『8』の項目に設定資料として何故か『ロックマン11』の設定画が1枚ある。
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他の設定画と比べても絵柄が異なっており、当時からあったものとは考えづらい。かといって『11』の発表は本作発売から4ヶ月後のため新作宣伝のためとも考えられない。
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新作発表に先駆けた所謂「匂わせ」の可能性が考えられるが、詳細は謎である。
最終更新:2025年02月23日 20:09