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HALO - (2019/05/11 (土) 21:48:14) の編集履歴(バックアップ)


HALO / HALO2

このページでは所謂『ヘイロー・トリロジー』のうち、初代Xboxでリリースされた初期2作品を取り扱います。



HALO / Halo:Combat Evolved

【へいろー】 / 【へいろー:こんばっとえぼるぶど】

ジャンル FPS
対応機種 Xbox、Windows、Mac OS X
メディア 【Xbox】DVD-ROM
【Win/Mac】CD-ROM
開発元 バンジースタジオ
発売元 マイクロソフト
発売日 【Xbox】2002年4月24日
【Win】2003年11月14日
【Mac】2004年9月17日
定価 【Xbox】7,140円
判定 良作
HALOシリーズ

※データは全て日本語版です。


ストーリー

現在より遙かな未来。

人類の存在を「神を冒涜するもの」として一方的に攻撃する異星人連合・コヴナント。30余年もの間続いた戦いの末に、人類は重要拠点であった惑星リーチを失う。コヴナントの技術を吸収し、対コヴナント戦力として育成された強化人間からなる機甲部隊「スパルタン-II」は幾多の戦線で多大な戦果を上げるも、その殆どがリーチの熾烈な戦いの中で斃れ、唯一の生き残りである「マスターチーフ」ことジョン-117は、巡洋艦ピラー・オブ・オータムに乗り込み、リーチを脱出した。

オータムのキース艦長はコヴナントの注意を地球から逸らす為、行き先の分からないブラインドワープを敢行する。宇宙空間に浮かぶ巨大なリング状構造物の近くにワープアウトしたオータムは、そこでコヴナント艦隊に補足され、致命的な打撃を受ける。
追い詰められるオータムの中で、キース艦長はマスターチーフを冷凍睡眠から覚醒させ、オータムの高性能AI・コルタナを伴ってオータムから脱出せよという命令を下す。高度な知性と艦艇の運用機能を持つだけにとどまらず、地球の位置を含むありとあらゆる情報を有しているコルタナを奪取されることは、人類の滅亡を意味していた。

一か八か、環状惑星「HALO」に降り立ったマスターチーフとその仲間は、そこで全宇宙の運命を左右する思いがけない発見をするのであった。


概要

裏切りあり大脱出ありの映画顔負けのシナリオ・奥深い設定・広大な世界を描き出す美麗なビジュアル・それまでのFPSではあまり無かった独特のシステムによって熱烈なファンを多数獲得し、これまでに500万本を売り上げたXboxの看板タイトル。この後続くシリーズ二作と合わせて「ヘイロー・トリロジー」とも呼称され、外伝作品も含めたシリーズ総売り上げは3600万本に達している。


長所

当時最高峰のグラフィック

  • CMや実機映像で惹かれた人も多いのではないだろうか。オブジェクトもさることながら、武器の発射エフェクト、物体のテクスチャ、残る弾痕… 「HALO」のありとあらゆる気候を再現しつつ、キャラクターの個性をきっちり表現しているのは見事としか言いようがない。

シーンとマッチしたBGM

  • 普段はBGM無しでゲームが進むが、物語の展開に合わせて曲が流れだす演出が随所に仕込まれており、プレイヤーの気分を盛り上げたり引き締めたり恐怖に陥れる。
  • 特徴的なメインテーマは高揚感のある勇ましい曲で、後のシリーズでは常にアレンジされながら使われる名曲となった。

簡単かつ奥深い操作性・システム

  • コントローラーのボタン配置は無理無く行われており、少し練習すればすぐに慣れる事が出来る。
  • プレイヤーの体力は「一定時間で回復するエネルギーシールド & 回復アイテムをとるまで回復しない体力」の二段構成。シールドが無くなって初めて体力が減少していくため、適度に身を隠しながら戦えば初心者でもノーダメージクリアを狙える。もちろん強力な砲撃や爆発を喰らうと即死するため、警戒を怠ってはいけない。
    • これらは当時のFPSとしてもかなり甘めの調整。同時に分かりやすいものであったため、初心者救済機能として上手く働いている。
  • 本シリーズでは武器は一度に2つ、グレネードは2種類4個ずつしか持つ事が出来ない。どれを持ってどれを捨てるかの駆け引きが大きな戦略性をもたらした。
    • 武器は地球側とコヴナント側のそれぞれが登場する。大幅に異なる特性を武器を使い分けることも重要で、これもプレイの幅を広げた。
  • 上記の様に難易度はシリーズ他作品に比べて若干低め。それでも最高難易度のレジェンドは十分歯ごたえがある。
  • 幾つかの乗り物が登場するのも特徴。ジープやホバーカー、戦闘機にも乗る事が出来る。
  • 当時はまだXBOXLIVEは無かったが、システムリンクや非公式ツールでの通信対戦もできたところも見逃せない。

壮大なストーリーと優れた演出

  • あらゆるシューティングの共通事項となっている感がある「絶望的状況からのスタート」から始まり、未知の惑星での死闘、古代人の遺した遺跡、人類・コヴナントを区別なく襲う寄生生物の脅威、そして待ちうける終局と、終始プレイヤーを捉えて離さない映画的シナリオが展開する。
  • 多彩なロケーションもストーリーを彩る。HALO不時着後、地表からリング状の地表を見上げて感動した人も多いのではないだろうか。

短所

  • 3Dゲームの常として、酔う人はとことん酔う。慣れの問題といえる。
  • 一部暗すぎて次に進む方向が分かりづらいMAPがある。
  • モーションキャプチャーを使っていないのか、人間の3Dモデリングの動きがオーバーかつぎこちない。
  • 武器の数はあまり多くない。
    • 地球製ハンドガンが突出して高性能すぎ(ヘッドショット判定あり、二倍ズーム可能、照準及び着弾点のずれが殆どない)、一方で多くのステージの初期装備である地球製アサルトライフルの使えなさが目立つ(ヘッドショット判定なし、単発低火力、集弾性最悪)。
  • NPCの思考ルーチンが賢くない。
    • 味方が持ってくる武器の大半は前述のアサルトライフル。その上フルオートなのにあえて三点バーストで突撃していく。ファンから「そりゃ海兵隊も負ける」などとネタにされている。
  • 細かい事言ったらキリがない多数の矛盾点
    • 映画『インデペンデンス・デイ』の様に全く異なる文明のコンピューターにハッキングできるコルタナ、オータムの構造、死んだはずのジョンソン軍曹*1など。
      • 後に製作された本作の前日譚である『HALO REACH』では、コルタナの高性能さの説明がある程度なされている。
      • ジョンソン軍曹は公式の説明がある部分より以前に確実に数回死んでいるが特に何の説明も無く復活している。また最高難易度をクリアした際に追加されるムービーで確実に死んでいるはずなのに次回作に出演していたりする。死ななかった説明をしている公式小説でも後々「でもそれじゃ死んでなきゃおかしいよね?」な展開になっているらしい。

総評

XBOXのキラータイトルとして発売されたHALOは、それまでのFPSに比べ簡略化しつつも奥の深い戦略性の向上等が手伝って不動の人気タイトルとなった。
日本では馴染みがないが本作発売以前は「FPSはPCのゲームでマウスとキーボードで遊ぶもの」という認識が強く、家庭用ゲーム機のゲームパッドでFPSを遊ぶというスタイルの普及に貢献した。
今でもXboxLiveでDL版が低価格で配信されており、更に続編の『2』とXbox360で初代Xboxのゲームを遊べるようにするアップデートディスクの同梱版が発売されている。ぜひともこの超大作をプレイして見てほしい。

その他

後にPC版『Halo: Combat Evolved』が発売。本作は本来PC用として開発されていたこともあって、幾つかの追加MAP・武器が実装されている。


HALO2

【へいろー つー】

ジャンル FPS
Xbox版

Windows版
対応機種 Xbox、Windows
開発元 バンジースタジオ
発売元 マイクロソフト
発売日 2004年11月11日
定価 7,140円
判定 良作

ストーリー(2)

巡洋艦ピラー・オブ・オータムの自爆によって破壊された環状惑星「HALO」。それから暫く後、コブナントの宇宙都市・ハイチャリティでは、HALO確保に失敗したサンヘイリ族の艦隊司令官ゼル・ヴァダムがその責を問われていた。
コブナントの宗教上非常に重要な意味をもつHALO。その破壊を許したヴァダムは「異端者」の烙印を押される事になる。
いずれ訪れる「大いなる旅立ち」。コブナントの指導者・真実の預言者が説くそれはコブナントに救済をもたらすという最終到達点。異端となったヴァダムは、その旅立ちに参加できなくなるという事実上の死刑宣告を下されたのである。

同刻、地球軌道上の軍事ステーション・カイロでは、奇跡的な帰還をとげたマスターチーフと不死身のジョンソン軍曹、そしてキース艦長の代理人、実娘ミランダ中佐の授賞式が取り行われていた。
だがその時、コルタナがコブナント艦隊の襲来を報告する。遂に地球の存在が彼らの知るところとなってしまったのだ。
マスターチーフ達はカイロに乗り込んできた敵軍を掃討し、来襲した敵を討伐すべく地上へと降下していく。

やがてマスターチーフは戦闘の末、新たな敵地へと赴く事になる。一方その頃、コブナント上層部は異端のゼル・ヴァダムを呼び戻し、コブナントから離反しようとしている「真の異端者」を粛清させるべく、命と引き換えにあらゆる困難を切り開く勇者「アービター(調停者)」の役目を与え、死地へ送り出した。
マスターチーフとアービター。二人の戦士の運命はやがて絡み合い、そして……。

概要(2)

HALOシリーズ待望の2作目。小型武器なら両手持ちが可能となり、グラフィックやBGMもパワーアップ。
二人の主人公のそれぞれのストーリーが時系列に沿って展開するので、初回プレイでこの壮大なストーリーを完全に理解するのは不可能。
基本事項の変更はマスターチーフの体力の廃止などいくつかある。


長所(2)

  • 両手持ちの爽快感は言葉に表せない。サブマシンガンのフルオートはとても楽しい。威力は置いておくとして。
  • コブナント側のシナリオの追加。これで彼らの掘り下げが行われたおかげでどの様な理由で人間を襲っているのかが分かるようになった。
    • これにより以前から一部で人気のあった敵の一人「グラント」がますます可愛らしくなった。
    • 特に前回は適当な翻訳(素のままかもしれない)であったが今回は狙って可愛らしい声で吹き替えられており、これ以上グラントを殺すのは辛いと思う人もいたとか。
  • 新しい敵種族が加わりストーリーに絡んで来るようになった。
  • コルタナが綺麗になった。前作はいかにもコンピューターグラフィックで書かれた二次元絵を立体に投射してますよというデザインだったが、今回からは有機的な裸の女性のデザインになっている。はっきり言って別人にしか見えない。
  • NPCの思考ルーチンが向上し、仲間の武器を交換できるようになった。これによりある程度味方の補強、もしくは自分の武装の強化が可能になった。
    • そしてNPCがよく喋る。例えばNPCに強い武器を渡して交換したら「アービター(コヴナント側の主人公)は気前が良いな!(byコヴナントのエリート)」「一生大切にするよ!(byコヴナントのグラント)」等感謝の台詞を喋る。一方で弱い武器を渡した場合は「おい・・・俺達は親友じゃなかったのかよ?(by海兵隊員)」等と不満を漏らす。
    • ダメージを受けた際や敵を倒した際等にも喋り、戦闘中の臨場感を上げてくれる。
  • XBOXLIVEでのスムーズな通信対戦は白熱したものになりやすく、NPCとの戦いとは異なる面白さがある。
  • 前作では存在しなかったボスが現れた。
    • 特定のステージで戦う彼らは通常のコブナントと違い特殊な能力を持っている。ザコ戦しかないと前作に不満を持っていたユーザーからの評価は良かった。

短所(2)

  • ストーリーの投げっぱなし感がひどい
    • 地球が舞台と宣伝しておきながら地球で戦うのは2ステージ程度でやっぱりワープしてHALOに行くという展開、続編ありきで作ってる感アリアリのエンディング等。
    • スタッフ曰く、時間が足りなかったのとHALOブランドにかかる期待が大きすぎたという点があったらしい。一話完結で終わっていた前作に比べて多くの批判があった。
  • エンディング直前の誤訳
    • マスターチーフが敵の宇宙船に掴まって地球に帰ってきた際の応答「ケリをつけてきました」は、「今からケリをつけようとしているところ」である筈なのにそこで言った物だから、プレイヤーを混乱させた。
      • 本来の語は、訳し方によっては「ケリをつけにきました」ともなる。*2
  • 通信対戦でのラグ
    • 他国の人間とのラグはいかんともしがたいレベルになっていた。現在ですら海外ユーザーとの通信対戦ではラグが死活問題になってるのに当時で海外のユーザーと通信対戦出来るだけでも大した物だが……。
  • PC版の(時代的な)悪評
    • PC版はまさかの『Windows Vista専用』。
      • 発売当時のパソコン(のOS)は、あまりにもひどいVistaが最新版であり、前世代のXPやその前の2000*3を使い続ける人が多かった。それなのにこの有様。ゲームPCにVistaがありえないと言われていた時期だけに大ブーイングであった。
      • Vista専用にしたのは、おそらくゲームエンジンがDirectX9に対応できないという理由だと思われるが…。
    • マッチングに使われていたGame for Windows Liveもトコトン出来が悪かった。
    • おまけにPCだからマウスが使えて楽になるか…と言われると全くそんなことは無く、むしろパッドの方がエイムアシストが効くなど優遇されていた。当時PC版を使って行われた大会でも上位陣が揃ってパッドだった。

総評(2)

基本的なシステムを向上させて操作性も良くなり、敵がどのような存在なのかの掘り下げも行われる等、大作の続編としては悪くない出来になっている。しかしストーリーその物の完結はできず、完全に次回作へ持ち越す流れを作ってしまった事は評価できないという声が多い。


余談

  • 主人公のマスターチーフはスパルタンの正式アーマーを着込んだ、言ってしまえばそこらのモブ兵と大差の無い地味なデザインである。しかし本国アメリカでは知らない人はいないほどに有名であり、日本で言えばマリオやソニック並みの存在となっている。ニューヨーク証券取引所の終了の鐘を鳴らす役を担ったことからもそれが伺えよう。
  • また、コルタナはその言動で思わぬ人気が出てしまい、2015年以降、Windows10のパーソナルアシスタント「Cortana」として、PC利用者を常にアシストするという大役を任されるようになった。