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ロックマンX3 - (2022/09/18 (日) 12:52:17) の編集履歴(バックアップ)


本項目ではスーパーファミコンソフト『ロックマンX3』と、その移植版であるSS/PS/Win版の紹介をしています。



ロックマンX3

【ろっくまんえっくすすりー】

ジャンル アクション
高解像度で見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
開発元 水口エンジニアリング
発売日 1995年12月1日
定価 10,094円(税込)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2014年10月8日/823円(税込)
【New3DS】2016年11月21日/823円(税込)
判定 良作
ポイント ゼロの初プレイアブル化
多くのシリーズ良作を手掛けたメーカー開発の外注作品
新要素は豊富だがやや練りこみ不足
内容自体は正統進化で十分遊べる
ロックマンシリーズリンク


イレギュラーハンター エックス&ゼロ 出動!!



概要

『ロックマンX』シリーズ第3作。基本的な仕様は前作に準じている。スーパーファミコン最後のシリーズ作品であり、また初めて他機種へ移植された作品でもある。

ロックマンXシリーズでは唯一の外注作品であり、そのためか前二作と比べて若干イメージと違う部分も散見されるが、外注先は稲船氏も認めた良作「ロックマンワールド」シリーズ等を手掛けてきた実績がある。


ストーリー

エックスは前作の戦いを経てイレギュラーハンターに復帰したゼロと共に、未だ増え続けるイレギュラーの掃討作業に従事していた。

そんな中、天才科学者レプリロイド・ドップラー博士は、レプリロイドのイレギュラー化の原因が
コンピュータウィルス『シグマウィルス』であることを突き止め、抗体ワクチンの開発によって
イレギュラー発生の減少に寄与することとなった。

それから数か月後。
人間とレプリロイドの共生を目指す平和都市「ドッペルタウン」建設を指揮していたドップラー博士であったが、
突如豹変し、ドッペルタウンへ招かれ抗体ワクチンを注入されたはずの特Aクラスのレプリロイドたちとともに人類に反旗を翻した。
イレギュラーハンター本部はドップラー博士をイレギュラーと認定し掃討命令を下す。

しかし、出撃から数時間後…突如ドップラー軍がイレギュラーハンター本部を強襲する事態が発生する。

こうして、エックスとゼロは三度目の戦いに身を投じることになるのであった。


特徴

  • X1』から登場している人気キャラクター「ゼロ」に交代してステージをプレイ可能。
    • ステージ道中にスタートボタンでメニュー画面を開き、Rボタンを押すことでゼロ通信モニターが出現、
      応答しないタイミングもあるものの、ここで更にスタートボタンを押すことで、1ステージ中に1度だけゼロへ交代が可能。
    • 同じ操作でゼロからエックスへ再度交代もできる。
    • 幾つかの条件付きとはいえ、ゼロを操作可能になったのは本作が初。
  • ライドアーマーが収集要素の1つとなり、ステージ内の転送機から任意で呼び出せる。
    • 『X1』の性能に近い基本型「キメラ」、攻撃力とリーチを強化した「カンガルー」、飛行能力と飛び道具を持つ「ホーク」、水中特化仕様の「フロッグ」の4機を使用可能。
    • キメラ以外の3機はキメラのカスタムパーツであるため、キメラを入手(特定のステージ内で敵に捕らえられているキメラを解放し乗り込む)しなければ呼び出せない。しかし、3機用の各カスタムパーツ自体はキメラを解放する前から入手することは可能。
    • 敵からの攻撃により、現在搭乗中のライドアーマーが大破してしまうと、そのステージ内ではライドアーマー自体を使用できなくなる*1。なお、フロッグ以外のアーマーで水中に入るとそれだけで大破してしまう。
  • 従来通りの強化アーマーパーツ4部位分に加えて、各パーツに新機能を追加する「強化チップ」が登場。
    • 前二作同様の パーツを封じた青カプセル の他に、 チップを封じた赤カプセル が別途用意されており、結果8ボスステージの全てでなんらかのカプセルが配置される形となった。
    • ただしチップは原則として4種類のうち1つしか入手できない。
    • 頭、腕、胴、足の4チップの効果を全て併せ持った「ハイパーチップ」も隠し要素として存在するが、入手場所の関係でパスワードに記録することができず、コンティニューすると失ってしまう。
  • 新アクション
    • 今作のフットパーツの能力「ヴァリアブルエアダッシュ」により、前作同様の空中の横エアダッシュと共に、空中で上方へのエアダッシュも可能となった。
      前述の強化チップ「フットチップ」を取得すれば、「二段エアダッシュ」*2も解禁される。
    • アームパーツ取得後の強化チャージショットは「クロスチャージショット」。
      • 3,4段階のチャージができるようになる。前作同様に2発連続でチャージショットを発射するスタイルとなっている。
      • 最大チャージのショットは特殊な性質を持ち、1発目の低速チャージショットに、2発目の通常チャージショットを重ねることで、上下に膨らむ5列の拡散ショットへ変化し広範囲を攻撃できる。
    • 今作のチャージ版特殊武器は、弾を頭上に撃ち上げたり、拳を地面に叩きつけたりといったモーションが追加され、更にバリエーション豊かになった。
  • 新たなステージ乱入ボス
    • 前作のカウンターハンターに続く「ステージ乱入ボス」として、VAVA MK-IIと、ナイトメアポリスと呼ばれるドップラーの側近のヴァジュリーラFF、マンダレーラBBの計3体が登場する。
    • この3体は、弱点の特殊武器でトドメを刺したかどうかで展開が分岐し、弱点以外の攻撃で倒した場合は「逃走」扱いとなり、後のステージで再登場となる。
      • 弱点武器で仕留める事に成功した場合は「討伐成功」となり、その場で爆散。後のステージには代わりのスペシャルボスが配置される。
      • 後述の「ビームサーベル」を入手するためには、乱入ボスの1体であるVAVA MK-IIを弱点武器で破壊することが1つの条件となる。
  • 『X1』同様、特定のステージをクリアすることで別のステージ内に変化が起きるという仕様が復活した。
    • 全体的に広々としたオーソドックスな地形が多く、この点も『X1』と共通。
  • ボス決定デモはXシリーズもといロックマンシリーズ作中において唯一スキップ可能。

評価点

ストーリー関連

  • シリーズの方向性を決定づけたストーリー描写。
    • 本作で提示された「シグマの正体はプログラムウィルスで、レプリロイドがウィルスに感染するとイレギュラー化してしまう」という設定は、後の作品でも重要なファクターとして受け継がれている。
    • 過去作の8大ボスは自らの意思でシグマに加担した元イレギュラーハンターが主であったのに対し、本作では「本来非戦闘分野で活躍する善良なレプリロイドがシグマウィルスに侵され凶暴化してしまった」というボスが殆どであり、これまでとは比べ物にならない悲壮感が漂っている。同時に、本家シリーズと比べ暗くシリアスなXシリーズの雰囲気をより一層際立たせており、後の作品においても悲劇性を重視したストーリーが展開されるようになった。
      • また、本作以降の8大ボスの構成では「敵に寝返った元イレギュラーハンター」は少数派となっていった*3
  • ゼロのプレイアブル化
    • 後述する制限要素の多さなどの問題はあるものの、それでも多くのプレイヤーから歓迎された。
    • 初期状態のエックスの16ライフを大きく凌駕する28ライフを有する。その上4段階のバスターチャージが可能であり、前作の終盤に披露した、ゼロ専用チャージショット「ハイパーゼロブラスター」と「ビームサーベル」による3連撃が再現可能と、序盤では即戦力として機能する。
    • 特に最後に放つビームサーベルの一撃は強力無比。
      • ただし、今作では8ボス由来の特殊武器の使用や、サブタンクによるライフ回復は出来ず、ボス部屋への入場もできない。
    • 今作では気軽にライドアーマーに乗り込むことが出来ない為、その部分を補完するような意味合いも含められている。
  • VAVAが復活した。
    • 『X1』でエックスに敗れたということで、彼への憎悪を感じさせる台詞が多い。エックスとはまた違った意味で人間臭いキャラとして描かれている。
    • 対VAVA戦では、ライドアーマーと本体の2連戦。実質2形態であり、それぞれで全く別の戦法が必要になる。ドップラーステージでは、新たな攻撃パターンが追加される。
      • 初戦ではX1に比べて早い段階で戦うためか、動きがかなり遅くなっているが、ドップラーステージではX1の時よりもさらに速い動きになっている。

ゲーム性

  • ダッシュ関連のアクションが強化された。
    • ヴァリアブルエアダッシュによって、上方向への移動能力が大きく向上する。このため、疑似的に2段ジャンプやホバリングのようなアクションが可能。
    • 強化チップによって、さらにエックスの移動能力が向上する。
      • ダッシュジャンプした後、さらにエアダッシュができ、飛距離も伸びる。より軽快な動きが可能。
      • いわゆる「ねずみ返し」をダッシュジャンプなどと組み合わせることで簡単に突破できるようになる。
      • 各エアダッシュを連続で使うことで、空中に留まれる時間が延び、敵の攻撃をやり過ごしやすくなる。
  • シリーズで最も多くのライドアーマーを使用可能。
    • それぞれのライドアーマーの個性がはっきりしており、一部アーマーはパワーアップチップの入手に必須となっている。
    • また、1つの作品で複数のライドアーマーを使えるようになったのはシリーズ初。
  • 特殊武器の使い勝手の良さは健在である
    • 仕様がわかりづらく、使い所が局所的過ぎる「パラスティックボム(通常版)」「バグホール」など、使いにくい物も確かに存在するが、
      それ以外はクセも少なく使いやすいものがそろっており、後述のクロスチャージショットの問題点を十二分に補ってくれる。
    • 威力が高く、通常、チャージ版含めて広範囲を攻撃可能な「スピニングブレード」
      前方の広範囲に複数の弾をバラまく「レイスプラッシャー」
      敵に当てるとライフエネルギー回復アイテムが出やすく威力も高い上、チャージ版では氷の盾を作成出来るほか、水中では大きな氷の塊を足場として使用できる「フロストシールド」
      エックスの周りに三角形の電撃バリアーを張ることができる「トライアードサンダー」
      以上はX3における特殊武器の4強である。
    • また「アシッドラッシュ」は強い武器ではないが、武器エネルギー回復を出しやすいという特性があり
      チャージ版を惜しみなく活用してメインとして使い続けるほか、上記の強力な武器のエネルギー補充用としても力を発揮する。
    • ただの攻撃手段ではなくギミックの動作もさることながら、アイテムドロップと言う新しい付加価値も打ち出している。
  • ドップラーステージでは、8ボスステージにて乱入ボスを破壊できたかどうかでボスが変化する。
    • このような仕掛けは周回プレイを誘う要素となっている。前作のゼロ絡みのシステムの発展とも言え、2周目以降に新鮮な感覚でドップラーステージに挑むことができる。
    • ドップラーステージ2に至っては地形こそ同じだが、グラフィックが綺麗になる・最後の縦長エリア以外のザコ敵が変わる・中ボスが登場、などの変更によりほぼ別ステージと化している。
  • 8ボスの紹介デモンストレーションがスキップ可能。
    • Xシリーズひいては本家ロックマンシリーズでもおなじみの演出ではあるが、周回プレイにおいてはテンポを損ない煩わしく感じることもあるため、意外に便利な機能である。
    • なお、このデモがスキップ可能なのはシリーズ通じて本作のみ。デメリットは特にないはずなのだが、以降の作品で採用されなかった理由は不明。
  • 『X2』では撃破したボスのアイコンは砂嵐に変化していたが、誰を撃破したのか分かりづらかった。それに対し、本作ではボスの顔グラをモノクロにしたアイコンになったので分かりやすい。
  • 隠し要素が豊富
    • ハイパーチップ
      • 本作に登場する4種の強化チップは、獲得できるのは1種のみであり、どれか1つを入手すると、他の3種のチップは消滅してしまう。…のが通常の仕様だが、4種のチップの機能拡張を全て備えた「ハイパーチップ」を封じた5つ目の赤カプセルが存在し、これ取得すれば実質的に全てのチップをコンプリートした状態にすることが可能となっている。
      • 入手するとアーマーが金色に輝き、フルアーマー状態からさらに強くなったことが一目瞭然となる。
      • 体力全快+フル装備状態+チップ未入手という条件を満たした状態で、前作の昇竜拳を思い出させるような隠し部屋にカプセルが出現する。入手時期は8ボス撃破以降になるがそれでも攻略上活用できる場面は多い。
    • ビームサーベル
      • 特定の条件を満たすとドップラーステージ2でイベントが発生し、ゼロの戦線離脱と引き換えに、ゼロのバスターフルチャージ攻撃「ビームサーベル」をエックスが使えるようになる。複数のイベント発生条件が重なるために自力発見は難しいが手間に見合った強烈な性能を有する。
      • ゼロの活動範囲では、基本的に相手が雑魚のみだったため実感しにくかったが、「一撃でボスエネルギーゲージの半分が消し飛ぶ」破壊力のままボス戦時の使用が解禁され、驚異的な威力の高さを存分に発揮できる。
      • 特別なコマンドの入力が求められることがなく、最大までバスターをチャージするだけで発動条件を満たすため、前二作の「波動拳」や「昇龍拳」から比べると運用方法は極めてシンプル。また、ライフエネルギー残量に関係なく使用できる。
      • ただ、アームパーツを入手すると、ビームサーベルを使用するのに必要なチャージ時間が延びるという欠点がある。その代わり、衝撃波を飛ばして遠距離攻撃が可能になる。しかもこの衝撃波は、ボスエネルギーゲージの2/3を奪うことができ、直接斬るよりも威力が高い。チャージ時間を犠牲にする一方で射程を延ばし、より使いやすくする形を取っている。
      • 以上のことから、規格外の威力を持ちながら運用しやすい隠し武器と言える。最終ステージ後半において、簡単な操作でボスを次々秒殺できるようになるのは非常に爽快。
    • 前述の、乱入ボスとの戦闘結果次第で変わるステージ内容もこれに含まれる。特に、ゼロが使用可能な状態かどうかで、エンディングの内容が若干変化する。
+ ネタバレ
  • シグマ戦終了後、ウィルス状態のシグマによってエックスは追い詰められる。
    • しかし、テーマ曲と共にゼロが颯爽と現れ、シグマウィルス用の抗体ウィルスを組み込んだビームサーベルでシグマを撃退する。
    • ゼロが戦線離脱している場合は、こちらもテーマ曲と共にドップラー*4が現れ、抗体ウィルスを纏ってシグマに突撃し、エックスや犠牲となったレプリロイド達に謝罪しながら、罪滅ぼしとしてシグマを巻き込んで自爆する。
      • それぞれで路線は異なりながらも熱い展開となっている。
  • 上記のビームサーベルやステージ・ボス・EDの変化など周回プレイを誘う要素が多く、ここはSFCの3作で一番優れていると言っていい。

賛否両論点

  • BGMについて
    • 作曲者は前作の岩井由紀氏*5から、『悪魔城ドラキュラ』や『メダロットシリーズ』で有名な山下絹代氏へと交代している。
      • 全体的に、ディストーションギターを多用したヘビィロック風になっているのが特徴で、暗く重い雰囲気でありながらノリの良さを備えており、場面や背景としっかりマッチしている。一方で賛否が割れるのもまさにそこであり、「似たようなメロディ・音質」「音質が全体的に重い」「単調なリズム」は決して的外れという訳ではない。プレイヤーの好み次第で評価が大きく変わりやすい作風と言える。
      • 勇壮感に満ち溢れているゼロのテーマ、哀愁漂う曲調が背景の夕日のイメージと合致したビートブードステージ、躍動感と疾走感のあるメロディーのドップラーステージ1など印象に残りやすいBGMも揃っており、サウンドの品質は十分に高い。
    • なお、プレイステーション、セガサターン、Windows版のアレンジ曲の評価も賛否両論である。詳細は後述。
  • クロスチャージショットの仕様
    • 3段階目以降のチャージ1発目はその速度のせいで、遠距離や素早い相手に単発で当てづらい。クロスさせると一度後退してから前進するため、相手に着弾するまで時間がかかり、利用できるシーンが限られる上、処理落ちもしやすい。このショットにおける広範囲攻撃を前提としたかのような敵配置が存在する。
      • 元のチャージからの威力の上昇が、前作のダブルチャージショットと比べて控えめ。いっそアームパーツ無しのほうが使いやすいと感じられるが、アームパーツの特徴である「特殊武器のチャージ」は健在で、これがないと入手できないアイテムがシリーズの例に漏れず存在するため、結局のところアイテム入手のためには必要不可欠となる。
      • さらに前述のとおり、アームパーツ無しではビームサーベルによる衝撃波が出ないため、ほぼ接近戦用の武器になってしまう上に威力も下がってしまう。その代わりチャージ時間はアームパーツ無しの時と変わらず、かなり短い間隔で振るうことができるため、一長一短ではある。
    • しかし、あくまで使いにくい(アームパーツ無しから大きく戦術が変わる)のであって使えないわけでなく、最大チャージのクロスチャージショットは一度その場に留まり拡散する特性上、掻き消せる敵の弾に対するバリアとして活用できるため、ホーネックやシーフォース、ラスボスなど弾幕が激しい敵に対しては非常に有用になっている。
      • アームパーツ無しのチャージショットでは一発で消せない弾もあるため、そうした場面では力不足になりがち。
      • 壁を滑りながら撃てば地上より素早くクロスさせられるので敵の弾をより防ぎやすくなる。
      • 弾速が遅く威力の高い中心のショットにダッシュジャンプ等で追随することで敵を倒しながら強行突破ができるなど、防御面では非常に利用価値がある。
      • 本末転倒ではあるが、あえてクロスさせずに一発ずつ当てると、総合的な威力はクロスチャージショットより高くなるため、体力の高めのザコ敵には至近距離から2連射すると一回で倒せる。またボス戦では前作のように2連射しても連続ヒットしなくなってしまったが、少し間をあけて1発ずつ当てればやはり高いダメージを与えられる。
      • 相手や状況に合わせて、上記3つのテクニックを使いこなすことが出来れば、近距離では強力なダブルチャージショット、遠距離では防御を兼ねた広範囲攻撃(クロスチャージショット)となり、このアームパーツでも戦い抜くことが可能である。
      • 後述にあるがSS/PS/Win版では処理落ちが改善されている。
  • 「あくまでサポートキャラ」というゼロの立ち位置、仕様
    • せっかく本作より操作可能となったものの、操作性、ゲームシステム上の立ち位置などから非常に扱いづらい。
      • エックスより体が一回り大きいためやや被弾しやすい。また、当たり判定の大きさ故に動作が遅いと感じやすい。
      • OPステージを除いて、ゼロ操作中に1度でもミスしてしまうと、そのデータではゼロが戦線離脱してしまい使用不可能になる。ゼロが関わる一部イベントも発生しなくなるため、それらのイベントを見たい場合は、エックス以上に慎重なプレイを要求されることになる。
      • ライフエネルギー以外のアイテムやパーツを入手出来ない。自己強化は勿論、エックスへの受け渡しも不可能。
      • 一部除く中ボス、ボス(乱入ボス含む)とは戦えず、ボス部屋手前で強制的にエックスと交代してしまう。
    • 一方でゼロの体力の初期値は非常に高く、火力などを含め数値的には初期のエックスを上回っている部分は多い。
      • 後続作と違い本作ではバスター中心であり、特にチャージショットの最終弾として放つサーベル攻撃は、近接用であることや最後の一撃であるためか、火力が非常に高い。
      • ライフが多く、さらに瀕死になったらエックスと交代すれば良いことから、ゼロの死因の殆どはトゲトラップや落下死だと思われる為、ビートブートステージ等、比較的それらの少ないステージであれば十分に腕を振るうことが出来る。
      • 次作以降ではゼロが正式にプレイヤーキャラクターに昇格したため、これらの欠点は解消された。
  • パーツ集めの順序の自由度が低く、初見では中々カプセルまで手が届かない。
    • 本作のカプセルは、『フット以外の3パーツそれぞれが別々の特殊武器を必要とする障害物で封鎖』されており、更にヘッドとボディのキー武器はチャージ版での披露が要求される。
    • 結果フット→アーム→他2部位という順番指定も存在し、初見プレイでは思うようにエックスの強化が進まないケースが多い。
    • そして厄介な要素として乱入ボス「ナイトメアポリス」の2体の存在が挙げられる。
      詳しくは後述されるが、X2の「カウンターハンター」と異なり遭遇を回避する手段が存在せず、どうしても戦って倒す事が要求される上に高い戦闘力を誇る。
    • このためパーツの早期獲得の重要度は前作よりも遥かに高い。にもかかわらず強化が不十分な状態で乱入ボスと対峙することが多いため、歯ごたえがあると捉えるか厳しい要素と捉えるか好みが分かれるところである。
  • ハイパーチップ入手後の外観。
    • 黄金色で通常パーツとの差別化とともにレア感を醸し出したかったのかもしれないが、グラフィック上はのっぺりした黄色でしかないこともあり、「ダサい」「イメージに合わない」という意見もある。
    • 次作以降導入された隠しアーマー「アルティメットアーマー」は濃い紫を基調とした全く別のデザインとなっており、こちらは概ね好評。

問題点

ボス関連

  • ボスの行動パターン
    • 攻撃方法が多彩であった前作のボスキャラ達と比べてパターンが少なく、特に突進やジャンプを多用するボスが非常に多い。
      • パターンは少なめだが突進やジャンプ以外に、エックスを足止めするような仕掛け(フェイント、2択、アクション制限、場に残り続けるトラップなど)を必ず持っていることなどから、見た目は単調ながらどこか本家ロックマンのボス的な「いやらしさ」があり*6どれも確実に避けづらい。そのためやりごたえが損なわれているというわけではない。
    • エレキテル・ナマズロスの後半の攻撃パターンには「発電所の電気を収束して充電→散弾で電撃を撒く→突進」というものがある。この電撃を飛ばす軌道はランダム性が強く、運が悪いと回避できない。*7しかも、充電から突進まで無敵状態で、後半は常時このパターンのため、弱点武器を使わないと時間がかかる。
    • オープニングステージに登場するマックやマオー・ザ・ジャイアントは完全にゴリ押し前提の作りになっており、ほぼ回避し切ることを想定して作られていない。
  • 中ボス・大ボス戦の演出面が全体的に劣化した。
    • 一部の中ボス部屋の先では中間復活地点が設定されておらず、大ボス部屋に到達する前にミスした場合は再度同じ中ボスの撃破を要求される。
    • ボス戦開始直前の「ボス出現演出」についても、二作のボスそれぞれの特色が表現された出現演出と比べ、今作は「無音で画面上からただ降りて来るだけ」のボスが大半を占めるためかなり味気ない。
    • 火だるまになったり氷漬けになったりといった、ボスに弱点武器を当てた際の専用リアクション・エフェクトもなくなった。単に怯んで動きが止まるか大きく仰け反るばかりになっており、それらしいのはチャージ版で落下するホーネックくらいである。
    • ボスが戦闘中に発するSE(効果音)も前二作に比べて大幅に少なく、攻撃は激しいのに無音であることが多い。
      • また逆に、シャイニング・タイガードの尻尾から発射する光弾には放屁のようなSEが流れ、なんとも間の抜けた印象を受ける。
  • ボス撃破時演出の仕様変更により迫力に乏しい
    • 前二作ではボスにトドメを刺した際は、攻撃ヒットSEと共に一瞬画面が静止し戦闘BGMが止まる。といういわゆる「ヒットストップ」演出で、迫力とテンポの両面で優れていたのだが、
      本作はトドメの一撃ではヒットSEが鳴らず、ヒットストップも無くBGMもフェードアウト、 更にはトドメ時にエックスが空中にいた場合は、発射モーションから強制的に普通落下モーションとなるため、撃破した瞬間の爽快感に乏しくプレイヤー視点では爆散開始するまでの間「やったか!?」といった心境となるだろう。
      • なお次作以降もトドメ時ヒットストップは無いままだが、ハードの変更もあり、爆散する直前に相手が数秒点滅し爆発量も増えたため演出面は補強された。
  • ナイトメアポリスはステージの本道に乱入するため、ゲームテンポが損なわれている。
    • 特にヴァジュリーラFFは攻撃パターンこそ単純だが、強化が整わない序盤に出現するため、慣れるまでは辛い。
    • 前作のカウンターハンターと違い、どうしても部屋を通過する仕様になっており戦闘を避ける方法はない。出現するかどうかも実際にそこまで行ってみないと分からない。
    • ステージ中に専用の戦闘部屋が用意されているため、必ずゲート開閉演出を見せられて、何も無い部屋を通過しなければならない。ゼロを操作していた場合、誰もいなくてもエックスへの交代を強いられる。
    • VAVAは前作の乱入ボスと同様に、ステージの脇道に行かないと出現しないため、このような問題は起こらない。しかし、こちらは入り口がいかにも興味を誘うカプセルだったり、とあるステージでは一度進むと戻れないような場所に設置してある上に、一度入るとしばらく戻れない、VAVAを退けた後に制限時間付きの脱出が必要など、ナイトメアポリスの2体と比べると乱入というよりもブービートラップ的な側面が強くなっている。
  • ラスボス撃破後
    • 今作ではラスボス撃破からエンディング開始までの間に、短いながらも消耗したままの状態で手動での退避が必要になる。ダメージを受ける/ミスになる要素も含まれ、ここでやられてしまうと再度ラスボスを倒さなければならなくなってしまう。

パーツ関連

  • フットパーツの入手が難しい
    • フローズンバッファリオステージの終盤、本作攻略の重要アイテムでありながらカプセル部屋の場所は目立たず、しかもかなりシビアなダッシュジャンプが要求される。何度もトライする事になるが、その際は氷の坂道や何度も復活する雑魚キャラに難儀するのも厳しく元の場所に戻るのも苦労する。
    • やや裏技的だが、ダッシュジャンプとキャラ交代を使いダッシュジャンプの飛距離を伸ばすテクニックがあるためどうしても上手くいかない場合はこのテクニックを用いてみるのも手*8
  • ヘッドパーツの能力「アイテムサーチ」の性能
    • 8ステージ開始時に簡易マップが必ず表示されるようになり、その間は操作不能になる。そのため、ステージ開始時に待ち時間が発生してしまいゲームテンポが崩れる点が最大の問題。
    • 簡易マップもわかりづらく、表示されるのはステージ開始のみで、再呼び出し不可のため不便。現在地の確認も出来ないので後半にあるアイテムの位置関係は分かりづらい。せめて、任意のタイミングで表示できる仕様ならばよかったのだが。
    • パーツ入手に必要なアイテムや武器の都合上、ヘッドパーツの入手は最後部になるため、活躍期間が短い。
      • 本作のヘッドパーツの機能はアイテムの設置個所そのものを知らせる機能なため活動期間の短さはやむを得ない。しかしそれ故にアイテムの入手方法が「アイテムトレーサー」のあった前作よりも難解になってしまっている。
    • ステージ選択画面で表示される、各ステージのアイテムの有無が分かる機能は便利なので、どちらかというと初回プレイ用・取りこぼし防止用である。
  • ボディパーツの能力。
    • 前作では、「激化するイレギュラーの攻撃を軽減するのは不可能に近いため、そのエネルギーを蓄積して攻撃に利用した方が得策」という設定で、ギガクラッシュの能力になったのだが、今作ではまたダメージ軽減能力に逆戻りしている。だったら前作の設定は何だったのか?
  • ボディチップに関してプログラムミスがある
    • 本来はディフェンスシールド展開時のダメージを3/4から1/2にして、アーマー自体の軽減と併せて被ダメージを1/4に抑えてくれるものである。
    • しかし、ダメージを1/4に軽減できるのはシールド展開後の最初の一度だけ。二度目以降の全ての被ダメージはシールドを展開していない状態と同じになり、本来の性能を発揮できなくなる。

その他

  • ライドアーマーシステムの不備
    • 今作では、他作品のようにステージ途中にライドアーマーに搭乗した敵が出てこないため、ライドアーマー同士の格闘戦はない。
    • 転送装置を使ってライドアーマーを呼び出し、ライドアーマーのチップでもって基本形である「キメラ」をフォルムチェンジするという仕様なので、ライドアーマーのチップがあっても「キメラ」を解放しないといつまでたっても使用不可能。
      • 「キメラ」そのものの解放やライドアーマーの他チップの入手には基本的に特殊武器やパーツ必要*9な為、すべてを利用出来るのはかなり後になってしまう。
    • アイテム収集に「ホーク」の飛行能力が必須な箇所や、「フロッグ」でしか破壊できないギミックなどが存在する中、「カンガルー」に関しては、このアーマーでしか出来ないということがなく、やや不憫である*10
    • そもそも、フロッグは、破壊できるギミックは1ヶ所だけ。移動は常に小ジャンプなので遅く、Aボタンの連続ジャンプも使い勝手がいいとは言いづらく、アーマーの中で最も使いづらい。水中とはいえ、無い方が進みやすいくらい。
    • これらの欠点が考慮されたのか、『X4』以降は各ステージに適応したライドアーマーの内、ステージ道中に配置されているものに乗り込む形に戻った。
  • パスワードが昇順でしか打てず、降順では打てなくなってしまった
    • 数字が行き過ぎてしまったときのフォローがかなり面倒。
    • SS/PS/Win版では改善されているが、SS/PS/Win版ではメモリーカード等へのセーブ機能がある為あまり意味がない。

総評

根本的なシステムが前二作から変わっているわけではなく、アクションゲームとしては十分に佳作~良作の部類に入る出来である。
やや粗は目立ったものの、ゼロのプレイアブル化、4種のライドアーマー、乱入ボスを倒すか否かによる展開の変化など、新要素を多数盛り込んだ意欲作と言える。


余談

  • OPステージの中ボス「マック」は一部の層に人気がある。
    • 異様なまでの斜めポーズ、ロ○コップを彷彿とさせるバイザー+顔半分と言う外見、とあるやりこみプレーヤーをして「回避難度はナイトメアマザー以上」とまで言わしめた激しい弾幕攻撃、エックスが出会い頭に放った「きみは ゆくえふめいに なっていた マックじゃないか。」という、唐突かつ妙に説明口調な台詞が人気の一因。
    • もっとも、そのあとゼロと戦闘になり会話も無く斬り殺されるのみなのだが、それもまた彼の特性を強めている。
  • ナイトメアポリスの2体は、ドップラーからエックスを「なるべく生け捕りで捕獲しろ」と命令されているのだが、実際にヴァジュリーラがエックスと対峙した際の台詞は「はかせのめいれいだ、きえてもらう」である。ちゃんと話を聞け!
    • もっとも、相方のマンダレーラも撤退時に捕獲する気がないような台詞を残すため、どっちもどっちである。
  • 岩本佳浩氏の漫画版は『X1』、『X2』時代からそのハードな描写と熱い展開、名言の数々で人気を集めていたが、『X3』編ではそれをも大きく上回る重厚な内容となっている。復刊もされているので、本シリーズファンで未読の方は是非手に取って欲しい。
    • ストーリー描写がとにかく濃厚であり、当時は8大ボスの半数を倒した際の中間ステージなど無かったにも拘わらずそれにあたるエピソードが挟まれ、8大ボス撃破後のラストステージに至っては1話毎が長い月刊誌では異例の6話(半年)に渡って展開された*11
    • ちなみに漫画版ではマックはゆくえふめいになっておらず、初登場時はまともな奴である。結局ゼロに斬り殺されるのだが。
    • ナイトメアポリスの1体・ヴァジュリーラは、口元がパーツで隠れているため目でしか表情を表現できず、あまり表情を変える事のないクールキャラとして設定された。…が、受けたダメージの影響なのか、はたまたエックスとゼロを追い詰めていく過程で悦に入ったか、だんだんと壊れていき台詞や態度に狂気を帯びるようになっていった。
      • その極致が「メぇぇぇ~~リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!!ひゃーーはっはっはっはっはぁーーーっ」という叫びである*12。この豹変ぶりが原因でカルト的な人気がある。作者までもが長らく自らのサイトで毎年ネタにしていた*13
      • 2020年7月、スマホアプリのアクションゲーム『ロックマンXDiVE』にてボスキャラとして採用。そしてクリスマスが近づいてきた12月23日のメンテナンスでプレイアブルキャラに昇格。その際の公式twitterで「クリスマス大好き」と書かれていたため、リプライが「メぇぇぇ~~(ry」で溢れかえることになった。
    • ヴァジュリーラ以外も全体的に濃ゆく描かれており、ぶっ壊れるキャラが少なくない。主人公のエックスを含めて*14。岩本氏も「暴走しまくり」「当時は何かに追い込まれていたのでしょうか」と回顧するほど。
    • 8大ボスの殆どが生き残ったり、パワーアップは終盤に一気に行ったりとオリジナリティが強い内容だが、ビームサーベルなどのゲームでの隠し要素もしっかり盛り込んでいる。特にゲームではハイパーチップで変化していた黄金のエックスは最終決戦にて思わぬ形で登場する。
  • 隠し要素は『X』が「波動拳」、『X2』が「昇龍拳」であったため、本作は「竜巻旋風脚」ではないかと多くのプレイヤーから予想されていたが、残念ながら登場しなかった。
    • 後の『X8』にて実に10年越しの採用。*15ただし、あくまで特殊武器の1つという扱いのため、波動拳や昇龍拳と違って一撃必殺級の威力は無い。ちなみに正式な技名は「旋風脚」なのだが、ボイスではしっかり「竜巻旋風脚!」と叫んでいる。
  • 通常のプレイでは不可能な状態のパスワードが存在している。
    • チップを最大3つまで装備しているパスワード。
      • 一部は『大技林』などの裏技本に載っている。
      • パーツなしでチップだけ装備しているパスワードもある。ただし、パーツなしで機能するのはヘッドのみであり、ボディ・フットはパーツなしでは発動せず、アームもエネルギーはたまるが発動しても最初の一発だけチャージショットになって後は普通のショットしか出ない。
    • ビームサーベルを所持してドップラーステージから再開できるパスワード。
      • ドップラーステージ1はボスを倒した扱いになっているらしく、ボス部屋にたどり着くとクリアになる。
      • ドップラーステージ2はVAVAがボスの通常版になっており、ビームサーベルでVAVAと戦うことが可能。
  • 本作のエンディングテーマがJanne Da Arcの「Shining ray」に似ていると冗談めかして語られる事がある。
    • 「Shining ray」の発表は本作から7年も後の2002年なので勿論ただのネタである。
    • 後年の『X8』では主題歌にJanne Da Arcが起用され、エックスの特殊武器にも「シャイニングレイ」が存在するのは特に関係ない…はず。
  • 本作に限った話ではないが、製品版以前のビルド(所謂プロトタイプ版)の存在が確認されている
    • プロトタイプだけあってところどころグラフィックに違いがあり、一部のボスキャラは製品版とは大きくイメージが異なる。
      • 特に印象的なのがラスボスであるシグマ。製品版では前作までよりも頭部が小さめに描かれていたのだが、プロトタイプ版では頭部が大きく前作までのシグマに近い姿で描かれている。
  • 巨大メカニロイド群と8ボスの戦闘BGMが同じである。
    • これは本作だけに見られた様式であり、次作以降から巨大メカニロイド群に専用BGMが用意された。
    • ドップラー、VAVA、イナリー戦で使用された別の戦闘BGMがあったのにそれにしなかったのは謎だが。

ロックマンX3(SS/PS/Win版)

ジャンル アクション


対応機種 セガサターン
プレイステーション
Windows 95
メディア CD-ROM 1枚
発売元 カプコン
開発元 水口エンジニアリング(開発)
カプコン(移植)
発売日 【SS/PS】1996年4月26日
【Win】1997年3月28日
定価 【SS/PS】5,974円
【Win】6,380円
廉価版 【PS】PlayStation the Best for Family
2000年2月24日/2,940円
【Win】SUPER1500シリーズ
メディアカイト発売
1999年4月16日/1,650円
判定 良作
ポイント シリーズ初のアニメーション追加
BGMやSEなどをリアレンジして収録
処理落ちなどSFC版の不具合を修正
演出面にやや賛否あるがゲーム性は向上

特徴(SS/PS/Win版)

本作はプレイステーション、セガサターン、Windowsと多岐に渡り移植されている。OPテーマとEDテーマ、OPとステージ開幕にアニメーションが追加され、BGMがアレンジされている。

評価点・改善点(SS/PS/Win版)

  • 操作性・ゲーム性の向上
    • SFC版で散見されていた処理落ち(解りやすい部分だとクロスチャージショット発射時やVAVAステージの制限時間付きのエリアなど)が改善されたり、壁蹴りの上り速度が向上したことなどにより、非常にスムーズにキャラを操作することが出来るようになった。
    • そのほかチャージ版「トルネードファング」で敵を倒すと武器EN回復を落としやすくなるなど細かい調整も入っている。
    • Win版では、敵からのダメージを減らし、回復アイテムを落としやすくなる「イージーモード」が搭載されており、良心的である。
  • セーブにメモリーカード等を使用してデータ保存が可能になった(例えばPS版ではメモリーカード一枚で1ブロック3つまで保存可能)。
    • このおかげでパスワード機能の必要性は減ったが、パスワードも降順でも打てるように改善され便利になっている。
  • アニメデモ
    • 下記の通り出来には問題があるが、当時のユーザーにとってアニメーション動くエックスやゼロ、シグマらを観賞出来ることはそれだけでも十二分に価値のあるものだった。
      • 但し、次回作以降のようにキャラボイスは付いておらず、アニメ内でキャラが台詞を喋る事は無い。
    • 後発作ではアニメを導入した作品こそあれど、ボス一体一体にアニメデモを用意しているのは後にも先にも本作のみである。

賛否両論点(SS/PS/Win版)

  • アレンジBGMの評価は、賛否両論が激しい。
    • 全体的に軽く明るい曲調、音質に変化しており、元の良さの多くをスポイルされているが、逆に原曲でかなり単調かつ引っ込み気味だったリズム感を前面に出したアレンジが多い。
    • メロディが上質という点は変わらないのでどちらも悪い訳ではないが、ほぼ別曲なので単純に好みの問題やSFC版、SS/PS/Win版のどちらから入ったかで意見が分かれやすい。
      • 例えばSFC版と比較して、マサイダーステージのアレンジは洞窟ステージなのに重厚感がない、タイガードステージのアレンジは緊張感がない*16等の意見がでている。指摘そのものは確かにその通りなのだが、代わりにどちらにもトリッキーなリズムが採用され、違う意味で尖った曲になったとも言える。
      • その他シュリンプァーステージのイントロ、その独特の軽く明るい曲調から「ホームセンター」と揶揄されるゼロのテーマ、ドップラーステージ1、高い音程のシンセが前面に出てしまったシグマ第一形態のテーマなどが賛否の対象になる。
      • 逆にイントロに大胆アレンジを施したホーネックステージや、順当にPS/SS版仕様といった印象のシーフォースおよびバッファリオステージ、「X4」ライクになったナマズロスステージなど、多くのプレイヤーに好評なアレンジBGMも存在する。
    • 初期PS/SSのゲームよろしくBGMのループがなくなり、最後にフェードアウトしてまた初めからかけ直す形式になっている。SFCに慣れ親しんだ当時のプレイヤーには違和感を感じやすい仕様だった。
  • SEもすべて一新され、エックスやゼロのチャージショットの音が雷鳴のような「バシャー!」という感じの音から「ビュオ~ン!」という感じの力弱い音に変更されたこと等、若干の賛否がある。
    • ただしSFC版で不評であったボスの攻撃SEの少なさやタイガードのレイスプラッシャーの音など改善された部分もある為、BGMほどの賛否両論にはなっていない。
  • 本作のロードに関しての捉え方もプレイヤーによって賛否がある
    • ゲーム起動時やアニメデモの前後には長めのロードが入る点は不評。
      • せっかちな人だとイライラするかもしれないが、当時のほかのソフトと比べて著しく遅いというわけではなかった。
    • ステージ攻略に関してはX4などの後続作と比べても、繋ぎやボス登場前にロードが入ったりすることが無く、非常に快適でSFC版と遜色なくプレイすることが可能である。
    • 慣れてくると、気になるのはゲーム起動時のロードのみであり、ボス選択時のアニメはスタートボタンを押しっぱなしにすることでロードごとカット出来る。この場合はどうしてもボスのデモ画面が一瞬表示されるSFC版よりも速くなる。

問題点(SS/PS/Win版)

  • アニメデモは作画レベルが著しく低い
    • ドップラー博士がエックスの前2作の戦闘の映像を見るというある種ファンサービスともいえる内容なのだが、動きが飛び飛びである。
      • また、ゼロはムービー登場時は『X2』で復活してからのアーマー姿なのだが、次に登場する場面では『X1』のアーマー姿で描かれている(場面はほぼ連続しておりアーマーを更新する猶予はない)。内容が内容だけに無理に詰め込んだ結果なのか、単なる作画ミスなのかは不明。
      • この他、エックスも1シーンだけ前述の岩本氏の漫画風のタッチで描かれている。
    • これはまずこのSS/PS/Win版のX3が発売された当時は、ゲームソフトにセルアニメを導入すること自体がまだまだ珍しい時代だったという背景がある。
    • ハードウェアの仕様上、プレイステーションでは動きがガクガクなのに対して、2Dグラやアニメーションの表現に強いセガサターンや、性能の良いパソコンでは比較的滑らかにアニメーションしている。
  • SS版のみ、アスペクト比が少し縦に潰れたようになってしまっている
    • これはSFC、PSのドットが長方形であるのに対してSSはほぼ正方形のため。
    • その代わり画面周りにステージごとの専用フレームが表示される。
    • この為、アニメーションにおいてはSS版の方が優位だったが、ゲームそのものの移植度はPS版のほうが高いと言える。
  • SFC版には無い不具合もいくらか散見される
    • 上記にもある通り「フロストシールド」はライフ回復を、「アシッドラッシュ」は武器EN回復を落としやすくなる特性があるが、SS/PS/Win版はノートルバンジャー(上や斜めに大砲を打つ良く見かけるザコ敵)相手の時のみ、この効果が逆転してしまっている不具合がある。
    • Windows版のみ、一部ライフアップをゼロで入手出来てしまうバグが存在する。
+ 参考動画:アニメーションやラグフレームについて

PS版、SS版のOPアニメ比較
https://www.youtube.com/watch?v=NPtUknDP4Ik

PS版のTAS動画:ラグフレーム(処理落ち)などについて言及されている。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm29457319


総評(SS/PS/Win版)

SFC全盛から次世代機への過渡期にリリースされた作品ということもあり、その仕様(ロードやBGMかけ直し等)に馴染みのないプレイヤーが多かったこと、お世辞にも質の高いとは言えないアニメデモや大胆にアレンジしすぎたBGMなどで発売当初の評価は低かった。
とはいえ実際プレイしてみればアクション部分が快適になったことや、メモリーカード等を利用したバックアップ機能などより遊びやすくなった部分も存在するため、トータルで見ればSFC版と遜色ない評価ができるであろう作品になっている。
また本バージョンは『ロックマンX アニバーサリー コレクション』には収録されていないため、これに収録されている主題歌やアニメムービーが視聴できるのはSS/PS/Win版のみとなる*17。シリーズファンであれば是が非でも手に入れておきたい。


余談(SS/PS/Win版)

  • 渋谷琴乃の歌うオープニングテーマ『ONE MORE TIME』とエンディングテーマ『I'm Believer』はテーマソング集に収録されていない。フルサイズを聞くためには「七星闘神ガイファード オリジナル・サウンドトラック」(1996年06月26日)を入手しなければならないが、廃盤なので入手するとなると非常に困難*18。恐らく、渋谷女史が『ガイファード』で主題歌を担当した関係と思われる。『バイオハザード?』の主題歌(ディレクターズ・カット版は未収録)も収録されているのも、同じ理由と思われる。
    • OPテーマは、ゲーム版とフルサイズでは歌詞・渋谷女史の歌い方・曲調など全く違っている。
      • そのサビの歌詞の一部「信じているよ 絶対に平気*19」が歌われるシーンは、『X1』時代のVAVAがキャノン砲(『イレギュラーハンターX』でいうフロントランナー)でエックスに攻撃する描写になっており、近年の動画サイトでは「絶対に兵器」ともネタにされる。
    • EDテーマは、OPと違い歌詞に違いはないがループの回数がゲーム版とフルサイズでは違っている。
      • ちなみに移植版のエンディングはSFC版と同様の構図としつつ、モノクロのアニメーションを小さい枠で流したものとなっている。そのアニメーションの中には『イレギュラーハンターX』まで具体的に明かされなかったエックスの出生を匂わせる描写も含まれている。
  • ナマズロスステージのアニメでは、何故か無印シリーズのキャラであるライトットが登場している。
    • 背景にチラっと後ろ姿が映るだけだが、どういう訳か普通の民家のような部屋でコタツに入ってテレビを見ている。1秒程度の小ネタながらツッコミ所満載の演出になっている。
  • 3DOにも移植予定だったが開発中止となってしまった。