このページでは、『悪魔城ドラキュラ』(良作)及びMSX2移植版『悪魔城ドラキュラ』(判定なし)を併せて紹介する。



悪魔城ドラキュラ

【あくまじょうどらきゅら】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売・開発元 コナミ
発売日 1986年9月26日
定価 2,980円
プレイ人数 1人
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年7月17日/500Wiiポイント
【3DS】2012年10月17日
【WiiU】2013年12月4日/上記共に500円
備考 FC(カートリッジ版):1993年2月5日/3,900円
GBA『ファミコンミニシリーズ』第三弾(2004年8月10日発売)
判定 良作
悪魔城ドラキュラシリーズリンク

概要

コナミの悪魔城シリーズ記念すべき第一作。リアルなホラーアクションを追求した作風。オーソドックスなライフ制横視点任意スクロールの面クリア型2Dジャンプアクションだが、主人公の武器が鞭であることや悪魔の城内を巡る舞台は斬新であった。

プレイヤーはヴァンパイアハンター「シモン・ベルモンド」を操り、中世ヨーロッパを舞台に、悪魔城に巣食うゾンビやミイラ、半魚人、死神と言った様々なモンスターと戦い、最奥にいる魔王ドラキュラの打倒を目指す。

ゲーム内容

  • 操作方法はキー入力と攻撃とジャンプ。
    • メインウェポンのムチはアイテムの「クサリ」を入手するとパワーアップし、クサリを2つ入手すると長さが伸びる。
    • 上を押したまま攻撃で要所で手に入れた消耗品「サブウェポン」を用いる事ができる。サブウェポンは道中の蝋燭等を破壊する事で入手できるハートを消費して使う事ができる。
    • サブウェポンは「短剣」「オノ」「聖水」「クロス」「懐中時計」の5種類。懐中時計以外はローマ数字の書かれたアイテムを取得する事で連射可能になる。
  • ライフ+残機制。残機を失うとクサリと連射は消失する。
  • アクションの特徴
    • 「空中制御が効かない」「攻撃はボタンを押してから攻撃判定が発動するまでに時間差が生じる」
      「攻撃中は移動できない」「高所から着地すると一瞬硬直し攻撃されダメージを喰らうと後ろに吹っ飛ぶ」
      「階段の上昇中の攻撃はサブウェポン攻撃になる」と、リアルといえばリアルだが操作にはかなりの癖がある。
    • また初代である本作は「何を食らってもダメージは同じで、面が進むごとにダメージが増えていく」という仕様になっており、これもまた地味に難易度を上げる要因となった(体力は16目盛あるが、最終的に一度に4目盛のダメージを受けるようになる)。

こうした点も手伝って難易度は高め。マリオなどに比べれば「堅く重い」感覚のこの独特の操作を使いこなす事が要求される。
ひたすら純粋にアクションセンスの問われる作品であり、探索RPG要素が盛り込まれがちな当時のコナミゲーとしてはやや珍しいものであった。


評価点

  • 当時としては珍しいゴシックホラーな本格アクション。
    • 操作性に制限が多い故に難しいが、それが現実の人間の動きを彷彿とさせるリアリティと緊張を生み、「硬派なゴシックホラー」の雰囲気を効果的に高めている。
  • 難しいが上達していく事で着実に先へ進めるようになっているゲームバランス。
    • 隠しアイテム等のギミックも多く、慣れてしまえばプレイ時間を大幅に短縮できるようにもなる。
  • 演出も工夫されており、女神の胸像に化けたメデューサ、中盤ステージの背景に遠くそびえ立つ天守閣(最終ステージ)、雲に隠れる月をバックに登る大階段など、限られた容量の中で上手く雰囲気を盛り上げている。
  • ドラキュラサウンドと称されるアップテンポでノリのいいBGMが非常に好評。
    • シリーズの象徴とも言われ後に多くのアレンジを生み出した「Vampire Killer」、明快なテンポでクラシカルかつロックな曲調が曲名通りテンションを上げてくれる「Heart of Fire」など特に評価が高い。

問題点

  • 当時主流だった「死んで覚える」を地で行く難易度の高さ
    • その硬派な体勢や世界観からとっつきやすさがあり、難易度の高さは挑戦のしがいとリプレイの多さの源でもあるが、同時に諦めやすさも生んでいる。総じて、上級者向けの作品となっている。
      • 特に語り草となるのが、ラスト1つ手前のボス「死神」。ドラキュラ伯爵の忠臣である事と、その恐るべき強さから「デス様」という敬称が付くほど。以後のシリーズにも度々登場する。
  • 回復アイテムのイメージの相違
    • 一般的なアクションゲームではハートは回復アイテムとされることがほとんどだが、本シリーズではサブウェポンのコストであり、本作における体力回復方法はステージクリアもしくは壁等に隠されている肉を取る事である。今となっては常識だが、当時は「ゼルダの伝説」の影響ゆえか、混乱を招いた。
    • なお、後続作の一部ではシリーズ未経験者を考慮してハートの代わりにジュエルがサブウェポンのコストになっていた事もあるが、結局定着していない。
  • サブウェポンの強さにバラつきがある。
    • 聖水は床や壁に投げつけて数秒間燃え続ける炎を発生させる投擲、設置技であるが、威力が飛びぬけている(連続でダメージが入る)上に、燃えている間は敵を硬直させることができるため(すり抜けることもできる)、連射があれば適当に足元にばらまき続けるだけでラスボスを含む大半のモンスター・ボスキャラを何もさせずに倒すことが可能。
      • ただし、聖水が手に入る場所は主にブロックの序盤から中盤にかけてである。そこからボスまで死なずに持っていくことが絶対条件であるうえ、特性上飛び回るタイプの敵には効きづらく(ノミ男、メデューサヘッド、セムラーなど)ステージを進んでいく際には有効に使いづらいことも。
      • とはいえ、あまりに強すぎたのも事実。後の作品では威力が大幅に下方修正され、ボス戦での硬直固め戦法も不可能になった。
    • クロスは一定距離飛んだあとで戻ってくるブーメランのような武器。軌道の関係上、聖水より有効になる場面も多く、やはり連射があると前方に撃ち込んでおく事で道中の敵を蹴散らして進みやすくなる。加えてこちらも連続でダメージが入る為にボス戦でも有効に機能しやすいのもポイント。
      • こちらは機能に変化がないことが多く、時にはバランスブレイカーとなってしまう作品も登場した。
    • 懐中時計はボスには無効なものの道中では有効に機能する。オノも威力が高めで上方向をカバーできるので有効な場面がある。だが、短剣は射程こそ長いものの威力が低く、投げる隙ができて牽制にもならないので殆ど使い道がない。

総評

コミカルでかわいいキャラクターが一般的だったアクションゲームの中にホラーテイストを持ち込んだアクションゲームの秀作。
全編に渡るホラーテイスト溢れる世界観と音楽とリアリティある動きによるアクションが作品全体の緊張感や世界観に根ざした恐怖感を抜群に高めている。

ゲーム性を見た場合、ボスを即死させる方法がある事や、初心者や低年齢層にとって難易度が高い事など問題点も一部あるが、発売された当時において多くの面で他の作品を圧倒する完成度の作品であり、長くファンから愛されることになるドラキュラシリーズの礎になった。


移植

  • 移植としては同じFCのROMカセット版(1993年2月5日)、GBAのファミコンミニ版(2004年8月10日)、任天堂VS.システム基板を使用したアーケード版(1988年稼働開始・国内未発売)があり、タイトルは同一であるが移植ではなくリメイクな作品としてはMSX2版(1986年10月30日)、アーケード版(1988年2月)、SFC版(1991年10月31日)、X68000版(1993年7月23日)がある。
    • ROMカセット版は難易度を劇的に落としたEASYモードを追加。ディスクの読み込みもなくなり、快適に遊べる。ただし、セーブ機能が丸ごと削除されてしまったため一長一短である。
      • さらに数の少なさからプレミア化し、箱・説明書なしでも8000円以上という高騰ぶりをみせる。
    • MSX2版はゲーム内容が異なる(やや遅れた)同発マルチであり、その他の機種の3つもリメイクというよりは完全新作と呼ぶべき作品となっている。詳細は下記。
    • また、携帯アプリにも移植されており、FC版に忠実にリメイクされている。
    • なおFCディスクシステム版はWii/WiiU/3DSのバーチャルコンソールでも配信中(ROMカセット版はi-revoで配信されていたが、i-revoのサービス終了に伴い配信終了)。


続編・外部出演

  • 直接的な(作り直しの移植やリメイク以外)続編として1987年にFCディスクシステムで『ドラキュラII 呪いの封印』が、1989年にFCROMカセットで『悪魔城伝説』が出ている。これらは同じ開発チームにより作られた正統続編である。
  • キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲ではボスラッシュの隠し要素としてファミコンドットそのままのシモンが使用可能。
    • ジュスト、マクシームのような変態的な機動力こそは持たないが、若者二人より一撃が重いパワーキャラのような扱いとなっている。もちろん多段ヒットバグも出来るので攻撃力は十分。
    • ちなみに主人公のジュスト・ベルモンドはシモンの孫という設定。
  • 悪魔城シリーズ初のお祭り格闘ゲーム『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』にも当然ながら登場している。
    • …のだが、小畑健氏の独特なデザインの上、ベースとなったシモンがあまり評判が良くない『年代史』の赤髪シモンで誰だお前とツッコミどころ満載。まあジャッジメントのキャラほぼ全てに言えることで、シモンだけではないのだが。担当声優は鈴村健一氏。
    • ちなみに『GuitarFreaksV6 & DrumManiaV6 BLAZING!!!!』に収録された「Vimpire Killer」アレンジのバナー、ムービーに小畑氏デザインの悪魔城キャラクターが堂々登場しており、悪魔城を知らない若者音ゲーマー達に悪魔城キャラを勘違いさせたということも…。
    • また、後に『jubeat Qubell』に移植された際もジャケットに小畑氏シモンが堂々と登場している。
  • Xbox360/PS3の『悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair』ではダウンロードコンテンツとしてFC版そのままのステージ・BGM・シモンが配信されている。
    • ちなみにこのDLCステージは、後に発売した『オトメディウスX』の宣伝目的のステージなのだが、肝心の本編の出来はお察しください。

悪魔城ドラキュラ(MSX2)

【あくまじょうどらきゅら】

ジャンル アクション
対応機種 MSX2
発売・開発元 コナミ
発売日 1986年10月30日
定価 5,800円
配信 バーチャルコンソール【WiiU】2014年12月17日/823円(税込)
判定 なし

概要(MSX2)

上記、『悪魔城ドラキュラ』のMSX2版。発売日を考えればほぼ同時期の開発と思われるが、ここでは移植として扱う。
タイトル名こそ同じだが、FCよりもアクションゲームに弱いMSX2の性能に合わせ、大幅なアレンジが加えられている。

海外ではタイトルが変更され、『Vampire Killer』となっている(国内のMDの同名タイトルとは当然別物)。


FC版との違い

 ゲーム内容について述べるより、FC版との違いを説明した方が早いので、そういう方向から解説する。

画面が切り替え式

  • MSXには、ハードウェア的な横スクロール機能が無い*2。そのため横スクロールするゲームでは、8ドットごとに画面を書き替えて擬似的に表現するソフトが多かった。
    • だが本作は、オリジナルにあった横スクロールという要素が、ばっさりカットされている。主人公シモンを画面端まで移動させると、次の画面が表示されるという仕組みで、敵から追われたら画面を切り替えて逃げるというテクニックもある。

出現する敵が少ない

  • 初代MSXから強化されたとは言え、MSX2のスプライト性能はFCより劣るものだった。同じ画面に出せる敵キャラの数はFC版より少ないため、ゲーム性の再現は到底不可能と言えた。それゆえに、息もつかせぬスリルの連発というFC版のハードさは影をひそめ、MSX2版のアクション性は良く言えば軽く、悪く言えば貧弱になっている。複数の敵が連携して襲ってくる場面が少ないので、FC版のようなゲーム性を期待すると、拍子抜けするかもしれない。
    • スプライト性能の弱さは、ラスボスの変更という事態も招いている。ドラキュラの変身後の姿は、オリジナルでは「ジャンプする巨大な化け物」だったが、本作では「背景にある巨大な肖像画」に差し替えられた。

迷路性の重視

  • 多少の分岐はあっても、ひたすら先に進むだけだったFC版と違い、MSX2版は同じ場所を行ったり来たりする必要がある。画面切り替えと敵の少なさから来るアクション性の低下を、迷路ゲームに変更することで補った。
    • また本作では、各ステージの終点である扉を開くため、「ホワイトキー」というアイテムが必要となる。ステージごとに用意され、これを探すことが短期的なゲームの目的となる。破壊可能な壁の中に隠されていることも多く、それゆえオリジナルよりアイテム探索の色あいが濃くなった。
    • なお、迷路性の弊害となるためか、移植元にあった制限時間は撤廃されている。

買い物要素

  • アイテムの「ハート」は、FC版ではサブウェポン攻撃で消費する弾薬扱いだったが、MSX2版では通貨としても使われる。ショップ役は、ステージの各所に座っている老婆。この老婆を攻撃し、服の色が白から赤に変わると取引開始。武器をはじめとしたアイテムを売ってもらえるが、品物となるアイテムは老婆ごとに決まっている。
    • なお、老婆を攻撃して服が茶色くなれば「所持ハート数の増減」、青くなれば「ゲーム難易度の増減」が行なわれる。一定回数攻撃すると、老婆は消滅する。

その他

  • キーボードに合わせた操作方法の変更、使用ウェポンの見直し、ダメージを軽減する「盾」の追加、宝箱とそれを開ける「イエローキー」の存在など、オリジナルと比べ様々な違いはあるが、長くなるので割愛する。
  • ドラキュラがボスとして待ち構えるステージ18以外は、FC版に準じたステージ構成となっており、ステージやボスの追加などは行われていない。もっとも、先に述べたように迷路ゲーム化しているため、モチーフは同じでも地形はまったく異なっている。

問題点(MSX2)

ハードの違いからくる劣化

  • 頻繁にキャラのちらつきが起きるため画面が見づらい。
  • 若干貧弱になったBGM
    • MSX2のゲームとしては頑張っているのだが。

操作性の悪化

  • 1レバー1ボタンに無理やり落としこんだキーボード使用時の操作は、極めて困難
    • カーソルキーの[↑]をジャンプに割り当てているため、FC版のサブウェポン攻撃である「[↑]+攻撃ボタン」という操作が、不可能になっている(MSX2版をキーボードでプレイした場合、ジャンプ攻撃になる)。
      • これが、メインおよびサブウェポンの見直しというゲーム性の根幹部分にまで影響を及ぼしてしまっている。
    • 攻撃アイテムである「聖水」を投げる方法が、「ジャンプ中に[←]か[→]を押す」という操作のため、本作では聖水を狙った所に落とすのが難しい。それゆえ、FC版では工夫次第で最強武器となった聖水が、MSX2版ではあって無きが如しな攻撃方法に成り下がった。
    • その一方で、シリーズでは最弱とされがちな「短剣」が、MSX2版では最強武器になっている。
    • このように、操作性の変更や各種ウェポン性能の見直しは不評と見られたのか、次回作以降は再びFC版に準じた操作性に戻る事になった。
      ただ、本作の様な通常ではサブウェポンとして扱われる武器アイテムをメインのウェポンとして使用する点は後にDS『奪われた刻印』におけるグリフシステムとして再び登場する事から、本作はある意味ではグリフのルーツ的な存在と見ても良いかもしれない。
  • ゲームパッド使用時の1レバー2ボタン操作も、キーボード操作に引きずられてか、オリジナルと比べ複雑化している。
    • しかも本作をゲームパッドで遊んだ場合、FCのコントローラーでいう[Aボタン]が攻撃、[Bボタン]がジャンプとなってしまうゲームパッドが大半。オリジナルのボタン配置とは、まったく逆である。キーコンフィグ等も本作には搭載されていない(ソフト単体ではコンティニューも出来ない。『コナミのゲームを10倍楽しむカートリッジ』と合わせて初めて可能となる)。
    • キーボードでもゲームパッドでも1レバー2ボタン操作というゲームを、コナミはMSXでいくつも出していたはずなのだが、なぜか本作だけ妙なことになっている。

評価点(MSX2)

  • ゲーム自体はそれなりにまとまっており、充分に楽しめる出来。
  • 操作方法こそ上述の通りやや面倒だが、キーレスポンスそのものは上々で、慣れれさえすれば快適にキャラを動かせるようになる。
    • ジャンプアクションゲームというコンセプトは、本作でもしっかり味わえる。
  • グラフィック面
    • MSX2はFCよりも扱える色数が多いため、静止画で見比べると、MSX2版のほうがFC版よりも鮮やかで美しく見える。
      • 唯一、移植元より優れていると言える点である。

総評(MSX2)

コナミMSX2用ソフト第一弾であり、低価格MSX2発売という「MSX2のリロンチ」に合わせたソフトでもあり、注目された一本だったが、FC版を無理に移植したがゆえ、どこかチグハグなゲームとなってしまった。
とはいえ、FC版以上に鮮やかな画面はMSX2の性能を見せ付けるには充分であり、操作性に慣れれさえすればハードの差を乗り越えて遊べる程度には仕上がっている。

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