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ハングリィゴースト - (2012/05/16 (水) 23:25:29) のソース

*Hungry Ghosts
【はんぐりぃごーすと】
|ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B00009N2K0)[[高解像度で見る>http://ec2.images-amazon.com/images/I/61T8X7JDSXL.jpg]] [[裏を見る>http://ec2.images-amazon.com/images/I/61W23YS1XEL.jpg]]|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|発売日|2003年7月31日|~|
|定価|6,800円(税込7,140円)|~|
|ポイント|右スティックを多用する&br()死神しぶとすぎ|~|
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**概要
死後の世界に迷い込んだ主人公が、その後の運命を決める「最後の審判」を受けるために死者の村を探索する通称「疑似死後世界体験アドベンチャー」
魂のかけらを集めつつ、最終地点である“審判の門”を目指して進んでいく。「最後の審判」の結果はたどり着くまでの行動によって決まり、それまでに取ったほとんどの行動が影響している。

**特徴
-主人公の性別を選ぶことができ、男なら槍、女ならボウガンが得意。得意な武器は攻撃力に違いが出る。
--些細な差なのでお好みでといきたいが、後述するボスの問題で槍よりもボウガンの方が便利なので女の方が少し楽ができる。
-死後の世界というだけあって、雰囲気は最初から最後まで陰鬱としておりホラーテイスト溢れる。
-ステータスには「破壊欲」「物欲」「依存欲」の3種類の欲望があり、様々な行動で少しずつ上がっていく。
--例えば道中のモノを破壊したり敵を倒せば「破壊欲」が上がり、道具を手に入れると「物欲」が上がる。
-主観視点となっており、左スティックで基本移動、右スティックは主人公が手を使う動作全般で求められる独特な操作性。
--攻撃などはもちろん、道具の取得や扉を開けるときにも右スティックを使う。
-背景エフェクトには特徴があり、道具の使用で上書きすることが可能。
--血溜まりに足を踏み入れれば敵が出現するが、ここに水袋を投げ入れればただの水溜まりとなって安全に進める。
---逆に油をかけてマッチで火をつければ、近くのオブジェクトを燃やしたり暗くて見えない場所にあるアイテムを取れたりする。
-様々な場面で選択を求められる。
--アドベンチャーだから当然なのだが、本作は道具の取得やそれを見るかどうかすら選択することになる。
---あらゆる行動で欲望が増えるため、選択することが非常に強調されている。
-右スティック操作時の緊張感。
--道具の取得や扉を開けたりする際には、右スティックを押しっぱなしにすることで手を伸ばして取れる。
--しかし時おりトラップがあり、途中で操作をやめることで手を引っ込め回避することができる。
--そのため敵が出てくる以外にも気が抜けず、本作の世界観の恐怖演出に一役買っている。

**問題点
-上記の右スティックで手を伸ばす操作だが、慣れてくると煩わしいものになってくる。
--トラップが発動するのは基本ランダムなため連続でくることもある。
---運が悪ければ、先に進むために扉を開けたいだけなのに何度もトラップが発動してイライラさせられることになる。
-キー設定がちぐはぐであり、操作性があまりよくない。
--左右に見るだけならば左スティックを左右に倒すだけでいいのだが、上下に見るためにはL1を押したまま上下に倒さないといけない。
--前後移動は左スティック上下に割り振られているためなのだが、横移動はR2とL2。
--雑魚戦はともかく、ボス戦ではこれら視点変更や移動を円滑に行えないとまともに戦えない。
---オプションでキー設定を変えることは可能。
-武器の種類が少ない。槍とボウガン、後はそれらのマイナーチェンジ版があるだけ。
--攻撃手段も少ない。槍なら通常の突く攻撃とタメ攻撃、連続突きがあるが攻撃範囲はどれも同じ。ゴーストや死神戦ではボウガンの方が断然楽なので、雑魚専用の向きが強い。
--後は銃があるが隠し武器的扱いで手に入るのは後半からなうえ面倒な手順を踏まなければならない。
-選択によりその後のルートが変わるというが、実際には大きく分けて2つのルートしかない。
--ルートは変わるが進むマップ構造はほとんど変わりばえせず、達成条件が多少変わるだけ。
--後はフラグが立っていないせいでイベントやルートがすっ飛ばされている。
-グラフィックの質はあまり高くない。
--人物の動きは少ない上ぎこちない、敵のうごきも緩慢。敵や人物のグラフィックに使い回しが多く、バリエーションも少ない。

**難易度
-最高ランククリアを目指す場合、アイテムの出現場所、重要イベントはもちろんサブイベントを把握していないと難しい。
---本作では選択が正しいかどうか、必要なアイテムが必要かどうかはかなり後になってからじゃないと分からないことも多く、そのときには後戻りできない。
--初見1周目ではまず無理。2週目ではクリアへの手引きが序盤で手に入るようになっているが、断片的なヒントで不十分。結局は複数のセーブデータとロードによる試行回数が必要となるだろう。
--一応、欲望を減らす救済のサブイベントも複数あるが、あらかじめ分かっていないと達成できない条件。
--というより、その救済イベント前提でないと最高ランククリアはほぼ不可能だったりする。
--そうして苦労した最高ランクのEDも、グラフィックの質もよくないことも相まって味気ない。
-ゴーストが凶悪。
--ゴーストとは何度も戦うことになり、狭い場所だろうが出現する。
--こちらの動きはオブジェクトで制限されるのに、ゴーストはそれらをすり抜けながら縦横無尽に動きまわる。
--そのうえ耐久力が高く、何十回と攻撃しなければならない。
--槍で戦う場合は操作性の悪さもあってかなり戦いづらい。
---そのためボウガンによる遠距離攻撃が楽なのだが矢弾は有限。
--遠距離攻撃を行ってくるが回避は狭い場所では困難。迎撃もできるが、こちらは範囲の狭い攻撃手段しか持ちあせていないのに的が小さく、そんな遠距離攻撃を複数放ってくる。
--ランダムで何かを代償に退いてやると交渉を持ちかけてくるがこれは罠。
---交渉に応じれば素直に退いてくれることもあるが、道具を奪われた挙句に戦闘を続行してくることもある。しかもどちらにしろクリア後の評価に(悪い意味で)大きく影響する。
--かといって応じなくてもリスクが生じる可能性がある。つまり交渉を持ちかけられた時点でアウト。
-死神は360度縦横無尽にワープし攻撃してくるため、位置を把握するためにぐるぐる回る必要がある。しかもゴースト以上にしぶとく倒すのに時間がかかる。
--特に最後に出てくる死神は武器によっては下手すれば100回以上の攻撃を当てないといけない。
--ワープに加え遠距離攻撃も多用してくるため、槍では戦っていられない。ボウガンがほぼ必須。
--しかも近距離の攻撃を一度でも食らえばそれだけでクリア後の評価に大きく影響してしまう。

**総評
右スティックを使った緊張感のある手の操作や、終始陰鬱とした世界観など恐怖演出は申し分ない。ゴーストや死神の凶悪さ、最高ランククリアのハードルの高さもコアゲーマーにとっては一概に問題ともいえない。しかし、あまりよくない操作性や、グラフィックの質の悪さや使いまわしなど粗の多さも目立つ。