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エルディス - (2011/06/16 (木) 14:10:41) のソース

*エルディス
【えるでぃす】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|PCエンジン CD-ROM2|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売元|メサイヤ(日本コンピューターシステム)|~|
//|開発元||~|
|発売日|1991年7月12日|~|
|定価|6,500円|~|
|ポイント|しゃべる! コミカルシューティング&br()豪華すぎる声優陣&br()難易度鬼畜気味|~|
|備考|バーチャルコンソール:2009年2月3日より配信/800Wiiポイント|~|

**概要
-メサイヤが放ったPCエンジンオリジナル横シューティング。いわば可愛らしいキャラを前面に押し出したコミカル系のシューティングにあたる。
-落書きから抜け出した謎の黒幕にさらわれた、相棒の彼女を助ける為に、主人公が落書きを具現化した機体「たぁ坊」に乗って出撃を開始するというストーリー設定。
-一人プレイ専用、全6ステージ構成(難易度イージーは4ステージで終了、また、ステージ6は二つのエリアに分けられる)、ゲーム開始前に三段階の難易度調整が可能。

**主なルール
-主に使うボタンはショットのみで、特に溜め攻撃なども存在しない、非常にわかりやすい操作性である。もう一つ使うボタンとして「ぼむ攻撃」があるが、これに関しては下記にて。
-ゲーム開始前に難易度設定と武器の解説を見るかどうかを選択できる。その後に、補助オプション(下記)のタイプをA、B、Cのいずれから選択できる。これはAが最も使いやすく、B、Cにつれて使いにくい性能である。また、ゲームを開始するとタイプの変更は一切できない。
-敵が時折落とすアイテムを拾う事により、自機が様々なパワーアップを遂げる。アイテム種類は以下の通り、「/」の付いているアイテム同士は時間経過で切り替わる。
--ぱわぁ/すぴぃど…前者は自機のパワーアップ、後者はスピードアップができる。また、前者は一定数のパワーランクを集めると、補助オプションがサブショットを放てるようになる。
--ばりあ/ぼむ…前者は自機ダメージを無効化するシールドを張る(連続で取ると耐久度を重ねる事が可能)、後者は画面内の敵などを全滅させる事ができる「ぼむ」をストックできる。後者は上記に述べたぼむ攻撃ボタンを押すと発射される。
--まるち/びぃとる/はいぱー…トレース状に動く補助オプションを二つまで付けられる(すでに二つ付いた状態で取ると、最初に付いていたものが消滅する)。各オプションには性能差が図られたショットを放ち、個別の性能や上記のタイプ選択により、計9種類が存在する(1ゲーム中に付けられるのはそのうちの3種類)。主な性能は以下の通り。
---まるち…主に連射が効くショットを放つ。
---びぃとる…主にオプション上下方向にてショットを放つ。
---はいぱー…主に貫通性能に優れたショットを放つ。
-残機制、ミスする途中復活で、全部なくなるとゲームオーバー。また、ミスすると、取得していた、まるち/びぃとる/はいぱーのアイテムをミス周囲に落とす、いわば『沙羅曼蛇』方式。
-その他詳しいルールは[[バーチャルコンソールオフィシャルサイト>http://vc-pce.com/jpn/j/title/ldis.html]]にて確認されたし。

**評価点
-見た目が可愛いだけじゃない。シューティングとしての完成度は高く、意外な程に本格趣向である。操作性はシンプルだが、各ステージもバラエティに富んだ構造になっており、単調な内容にならないように工夫されている。
--敵の攻撃は激しいが、無敵のオプションで敵弾を消すことが出来るためゲーム展開に戦略性を持たせている。
-コミカルでカラフルなグラフィックはいい味出してる。何故かBGMは熱い曲調が多い、もち神曲だが。裏技でサウンドテストも可能。
-本作はボイスのよる演出が随所に散りばめられているのだが、そのキャストが今じゃ考えられない位の豪華な顔ぶれ。
--主なキャストは''田中真弓、富永み~な、千葉繁、三田ゆう子、そして故、富山敬''の各氏、という声優ファンじゃなくても聞いた事があるであろう人物が行っている。参照までに各声優陣の主な出演アニメを示すと、「ワンピースのルフィ役、それいけ!アンパンマンのメロンパンナ役、北斗の拳のナレーションなど、悪魔くん役、宇宙戦艦ヤマトの古代進役」などが挙げられる。
--武器の解説を聞くといきなり富山氏の声で「説明しよう!」とタイムボカンのナレーション(氏の役の一つ)風で語ってくれたり、ステージ1の大型敵が攻撃を放つ際「エネルギー充填!約20%…発射!!!」(ヤマトの名セリフのパロ)と熱演してくれたり、やたらと声優ネタが多いのも特徴。70、80年代のアニメファンにとっては2828する事は必至だと思われる。
--プログラムの設計が上手いのか旧システム(64KB)対応ながらこれだけの生音声を流しつつロード待ちさせられることもない。

**問題点
-一度ミスするとすべてのパワーとスピードが消滅し、復活が極めて困難となる。ルールで示した補助オプション拾いも場合によっては回収は不可能であり、悪い意味でも硬派仕様である。例えるならば『ダライアスII』並の絶望感。
--全体的に出現アイテムの少ない過酷さが復活の困難さに拍車をかけている有様。敵の猛攻を極める後半ステージでミスしようものなら、''「一度死んだらそこでお終いだよ…」''である。
--さらにいうと、コンティニューは有限、しかもそのステージの最初からやり直しで、とことん救いがない。
---残機があればその場復活だが、いつ死んだか分からないことが多い上に無敵時間も短いためあっという間にゲームオーバーになってしまうことがある。
-アイテムの配置が鬼。びぃとるを付けていないと壁に遮られて砲弾などが破壊できないステージでなかなかオプションが出ず、どれを付けていてもさして差のない障害物のないステージで出続けたり。
--オプションはやたら出るのに自機をパワーアップさせるアイテムがなかなか出ない。特にスピードダウンが痛く、敵の猛攻をかわし切れなくなるため一度死ぬと連続で死に続けることになる。
-難易度イージーとノーマルの差がステージの数位しかなく、全然初心者に優しくないのも問題である。

**賛否が分かれそうな点
-ストーリーが空気気味。オープニングやステージ佳境、エンディングにてイベントが導入されるが、あまり白熱した展開でもなく、あってもなくてもいいようなノリ。悪くいえば寒い。
--原則的にぬるいノリのストーリーなので、あまり熱いのもどうかとは思われるが、豪華声優陣を使ってまで導入する程のものかどうかはかなり疑問。
-あちこちで有名横シューティングのオマージュと思われる場面に出くわす事が多い。これは偶然にしては色々と共通点が多すぎる気がするが、どうなのだろうか…?
--例えば、後半ステージは『グラディウス』の要塞ステージを彷彿とさせる構造だったり、ボスラッシュ構造だったり、最終ステージ後半エリアは沙羅曼蛇の基地脱出高速スクロールのような場面(しかも初見じゃほぼ無理なところも共通)もあったり、といった具合。
--自機のパワーアップの段階もダライアスIIに近い方式、補助オプションはもろグラディウスや沙羅曼蛇のアレ、びぃとるが放つショットがグラでいうところのミサイルのまんま、などなど。
-敵の攻撃の激しさは異常で、画面上が敵弾で埋め尽くされることも多くほとんど弾幕STGである。そのため尋常でなく処理落ちすることが頻繁にある。
--ただ処理落ちのおかげで敵弾をかいくぐれる場面も多いため、処理落ち=悪とも決めつけられないが。
-問題点でも述べた通り、初心者にはあまりにもクリア困難な難しさなところ。見た目が可愛く、豪華声優陣を起用しているので、それ目的で購入すると血の涙を流す恐れもあった。
--但し、裏技で自機無敵化や「ばりあ」大量ストックなどのチートが可能である。それを使えばクリアは容易いが、逆にいえば、それを使用させる必要がある程に高難易度に仕上げたという、スタッフからの意味合いなのかもしれない。

**総評
-確かにシューティングとしての出来は侮れなく、豪華声優陣の熱演も素晴らしく、総合的には良く作られたゲームという印象はある。
-しかし、難易度がヘビーすぎてライトユーザーお断りな趣も強く、せっかくのコミカルな外見がゲーム中に上手く調和できていない気がしてならないのだ。なんというかアーケードの『はちゃめちゃファイター』と同じ臭いがするというか…。
-バーチャルコンソールに配信されたが、再現が心配だった豪華声優陣の熱演もちゃんと拝めるらしいので、興味のある方はダウンロードしてみては如何だろうか。裏技チートなしでクリアを目指すのが漢ってもんです、多分。