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クレイジー・クライマー - (2013/10/06 (日) 10:46:51) のソース

*クレイジー・クライマー
【くれいじーくらいまー】
|ジャンル|アクション|
|対応機種|アーケード|
|発売元|日本物産|
|開発元|日物レジャーシステム、ジョルダン|
|稼働開始日|1980年|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-体一つで高層ビルの外壁を登る「クレイジークライマー」を操り、最上部を目指すアクションゲーム。最大の特徴はレバーを2本使う独特の操作系。
-命綱無しに生身の人間が高層ビルを上っていくという荒唐無稽の世界観、他に類を見ない操作体系、斬新なアイデアから高評価を得た。

**システム
-入力デバイスはレバー2本。右レバーで主人公の右腕を、左レバーで主人公の左腕を操作し、ビルの窓サッシをつかんで登っていく。
--屋上に出現するヘリにつかまるとステージクリア。途中、妨害されて落下すると1ミスになり、残機を1つ失う。
--右レバーを上に上げると右腕を上げ、左レバーを上に上げると左腕を上げる。
--上の段のサッシを掴んでレバーを下げる=腕を下げると体が持ち上がる。これを繰り返せば主人公は1段づつ登っていくことが出来る。逆にサッシを掴んだ状態で腕を伸ばし下の段を掴んで上の手を下げれば一段降りれる。
--レバーを左右に入力すると腕を左右にずらすことができ、片手ずつ隣の部屋のサッシをたぐり寄せれば左右移動ができる。

-ビルを登る主人公をさまざまなものが妨害してくる。
--窓サッシ
---窓は時間経過により開いたり閉じたりする。完全に閉じていると窓をつかむことが出来ないため、両手とも窓を閉められると落下してしまう。
--落下物
---落下物は植木鉢・瓶・鉄骨・鉄アレイとさまざまなものがある。これらに接触した際、片腕が開いていると落下してしまう。両手ともサッシを掴んでいればセーフ。
---一定以上の階に到達すると鉄骨や鉄アレイに接触すると問答無用で落下するようになる。
--看板
---上階から落ちてくる巨大看板に接触すると条件問わず落下する。
--ゴリラ
---道中、巨大なゴリラが出現。定位置に陣取ってパンチを繰り出すだけだが、殴られると運次第で落下する。
--しらけコンドル
---鳥が出現し金の卵や糞を落としてくる。金の卵や糞は落下物と同じ扱いだが、鳥は一定時間画面上を周回する。
--またビルはところどころ穴があいていたりくびれていたりするため、そういうところでは主人公が選べるルートが狭くなり、障害物回避が難しくなる。
--たまに風船が飛んできて、捕まるとある程度主人公を上昇してくれる。

**評価点
-その稀有な操作デバイスからくる体感的直感的な操作は、一度プレイすると忘れられない強烈な印象を残す。
--レバーを2本使うゲームは非常に珍しい。本作および続編以外では、『リブルラブル』や『空手道』などそれぞれ独自の操作性を持ったごく少数のゲームに限られる。

-同時に、本作に似たゲーム性を持つゲームというのが存在しないため、出来が悪い/バランスが悪いと言う比較対照が無い。
--釈然としないものを感じる評価点だが、そもそも本作はリズム良く左右のレバーを上へと入力するだけで登っていくことができ、障害物もたいてい何かしら対処方法があるため、コツさえつかめば誰でも遊ぶことが出来る。

**問題点
-この頃のニチブツならば、ひいてはこの頃のゲーム業界ではよくある事だが、BGMが全て(おそらく)無断使用楽曲。
--子象の行進、ドラえもんのうた、ピンクパンサーのテーマ、しらけ鳥音頭など。これらは2012年現在でも著作権保護期間内の楽曲である。
--移植版ではほぼ全てサウンドが変更されている。ただし、しらけコンドル出現時のBGMとして使われる「しらけ鳥音頭」は移植版や後述の『クレイジー・クライマー2000』でJASRACから許諾を得て使用されている。

-当時の出回りはそれなりに良かったのだが、『ドンキーコング』のコピーゲーム『クレイジー・コング』は本作の基板を改造したものを使用しており、このクレイジー・コングの出回りが良かったため、多くのクレイジー・クライマーオリジナル基板が消滅している。
--クレイジー・クライマーの基板は現存数こそ少ないものの、非常に単純な構造をしているため、専門知識があればすぐに汎用アップライト筐体で稼動することが出来る。
---ただし、レバーを二本使う関係上、(レバーやボタンを取り付ける)コントロールパネルは改造したものか、二人同時プレイ可能なコントロールパネルを用いなければならない。

**総評
 他に類を見ない一品物のゲーム。単純操作で解りやすいゲームなのも相まって、多くの人の記憶に残る一作である。リメイクや移植は多いが、レバー2本の感覚的操作まで移植できたのは、PSまで待たなければならなかった。~
 本作とムーンクレスタのヒットを受けて、ニチブツはただのコピーメーカーから1人前のゲーム開発企業へと成長して行った。そういう意味で言えば、本作は面白い一品ゲームというだけでなく、ニチブツというメーカーが生み出したゲーム性、ニチブツが巻き起こした騒動全ての切っ掛けとなった一作と言えなくも無い。

**移植 / 続編
-本作はさまざまな機種に移植されているが、全てサウンドは変更されている。
-FC版
--1P・2Pコントローラーの十字キーを駆使してビルを登っていく。
-SFC版(『ニチブツアーケードクラシックス』収録)
--十字ボタンが左手、ABXYボタンが右手。ひとつのコントローラーでそれなりにプレイできるようになった。
-WS版
--縦持ちでプレイ。縦長のディスプレイと左右それぞれ4方向のボタンになるのでワンダースワンとは相性がいいゲーム。
-続編として『クレイジークライマー2』がアーケードで登場している。
--基本システムはそのままに、グラフィックやサウンドは大幅進化。逆に言えばそつなくまとまった後継作。
--X68000で移植版が出ている。
-『クレイジー・クライマー2000』がPSにて販売されている。
--3D化した町並みをデュアルショック特有の左右対称のアナログスティックを駆使して登っていく。サウンドは異なるがオリジナル版も収録されている。
--元祖ニチブツビルはもちろん、2つの壁を行き来できるビルやグルグル回れる円筒形のビルも登場。入居者は主人公の邪魔をするよう指示されている、という設定がある。