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サラダの国のトマト姫 - (2015/06/18 (木) 07:32:49) のソース

//原作版、FC版が併記されていたのですが、分割しました。

*サラダの国のトマト姫
【さらだのくにのとまとひめ】
|ジャンル|ADV|&image(salad_pc.jpg,height200)|
|対応機種|PC-6001、PC-8001mkII、PC-8801&br()MZ-1500/2000、X1&br()FM-7、MSX、SMC-777|~|
|開発・発売元|ハドソン|~|
|発売日|1984年7月|~|
|定価|6,200円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

※システムの異なる[[ファミコン版は別ページを参照>サラダの国のトマト姫 (FC)]]

**概要
『[[デゼニランド]]』で名を馳せたハドソンが、満を持して出したアドベンチャーゲーム。~
登場人物が全て野菜というメルヘンちっくな世界観で描かれるシリアスな世界設定やシナリオが特徴。~
プレイヤーは主人公のキュウリ戦士となり、野菜たちの王国を支配する悪の大王パンプキングを懲らしめるべく旅立つ。

システムは、『デゼニランド』と同様のコマンド入力型であるが、難易度は見かけに反しかなり高い。

**ストーリー
はるか大昔。ずっと離れた場所に、地球とよく似た星がありました。そこにサラダ王国という、小さな国があります。国民は野菜ばかりという国で、みんな仲良く平和に暮らしていました。この国の王様はオニオン王といい、名君として国民から慕われていました。~
皆が満足して暮らしているようですが、不満を持つものが一人いました。オニオン王の側近、パンプキングです。いつか王様になろうと思っていた彼は、ついにクーデターを起します。クーデターは成功し、パンプキングは王となりました。~
ですが彼は暴政を敷いて国民を苦しめます。すると、ついにオニオン王の娘、トマト姫を盟主とした反乱軍との戦争となりました。戦争は一進一退。なかなか決着が付きません。そこでパンプキングは、トマト姫の誘拐を思いつきます。誘拐は成功し、トマト姫は囚われの身となってしまいました。~
姫の救出へ何人も向かいましたが、帰って来る者はいません。もはや反乱軍は風前の灯でした。そんな時、ふと一人の戦士がこの国に立ち寄ります。その名はキュウリ戦士。事情を聞いた彼は、トマト姫を救い出す決心をするのでした。

**特徴
-『デゼニランド』同様のコマンド入力式ADVで、入力できる文字は英語とカナ。

-直線を主体とした作画。一見すると子供の書いた落書きのようだが、一応、イラストレーターによるイラスト。
--この絵を童話的と見るか、単に拙いと見るかは微妙な所。

-入力履歴が見られる点、セーブの方法など、基本システムは『デゼニランド』と同様。

**評価点

-直線をあえて多用した絵なので、描画速度は速い。

-ストーリーはまさに冒険譚。アイテムを収集し、方々を回り、人々の協力を得ながら、姫救出へ向かう。様々な展開があり、飽きさせない。
--サラダが国民というファンシーな世界観だが、反乱軍が出てきたり、死体が出てきたりと、なかなかシリアス。~
一方で巨大野菜ロボットが出てきたりとコミカルな描写も入り混じっており、なんとも言えないシュールな雰囲気を作り出している。

-『デゼニランド』では英語のみの入力だったが、本作ではカナにも対応するようになった。英語は、中学生レベルのものばかりなので比較的易しい。

**問題点
-さらなる高難易度。
--ヒントは多くなく、頭を捻るような場面多数。ミスリードを招くようなものもあり、頭の柔軟性が必要。突拍子もないものが、正答の場合もある。難易度の高さは『デゼニランド』より上。
--同じコマンドを繰り返す、という場面が何度かあり、引っかけ要素が強い((『デゼニランド』の三月磨臼入手法と共に、当時のADVの高難易度を語る上でのネタとなった。))。
--ただ目的語のあるコマンドが正答の場合、対象を聞いてくるので、これが正答を導き出す手段として使える。

-手詰まりも多い。
--要所々が話の区切りとなっており、そこから元に戻れなくなる。このため、それまでに必要なアイテムを集めていないと、当然詰まる。使い方を間違っても詰まる。もちろん、その他にも、ゲームオーバーになってしまう展開もある。
--もっとも、この手の手詰まりは、当時よくあるものだった。程度の差はあるが。

**総評
登場人物が全て野菜という変わったADV。その絵柄も含めどこか童話的だが物語りはまさしく冒険譚。いろいろな展開を見せ、躍動感のあるものだ。~
一方で、難易度は『デゼニランド』の方向性をさらにパワーアップしており、コマンド入力型アドベンチャーの常ながらかなり難しいものとなっている。~
かなり難しいゲームであるのは否めないが、ファンシーな絵面とシリアスな舞台設定に適度にコミカルな成分を含んだ作品内容は温かみがあり、童話的な雰囲気ながらも冒険の醍醐味を味あわせてくれる1作となっている。

**移殖
-サラダの国のトマト姫(windows)
--ゲーム配信サイト『プロジェクトEGG』にて、2003年~2005年まで配信された(現在は配信終了)

-[[サラダの国のトマト姫 (FC 1988)>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/5443.html]]
--厳密にはリメイク移殖に辺り、オーソドックスなコマンド選択型のシステムに変更され、グラフィック、シナリオも一新されている。