「光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝- - (2015/03/13 (金) 23:20:23) のソース

*光の4戦士-ファイナルファンタジー外伝-
【ひかりのよんせんし ふぁいなるふぁんたじーがいでん】
|ジャンル|RPG|&amazon(B002GKBLNM)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|マトリックス|~|
|発売日|2009年10月29日|~|
|定価|5980円|~|
|ポイント|「懐かしさ」とか言う割に戦闘システムが独特&br;中盤以降、LVを上げると逆に苦しくなる罠&br()FFとドラクエの合の子(?)&br()ブレイブリーデフォルトの前身|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]''|

**概要
-[[DS版『FFIII』>ファイナルファンタジーIII (DS)]]・[[DS版『FFIV』>ファイナルファンタジーIV (DS)]]のスタッフによる新規RPG。
-「古き良き時代のRPGを最新技術で創り出す」ことをコンセプトに開発された。
--ちなみにタイトルに『FF外伝』を冠した作品はGBの『[[聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝]]』以来。
-発売前情報では、FFIIIやFFV等で好評だった転職システム「ジョブチェンジ」とほぼ同様の「クラウンシステム」を採用、最近のRPGのようなシナリオ主導型ではないと開発者は語っていた。
-タイトルの通り、4人の少年少女が神秘のクリスタルに選ばれ、闇に覆われようとしている世界を救うという王道ストーリーである。
-元々は新規タイトルとして開発されていたが、ある程度開発が進んでクオリティ的にFFを名乗れるものになり''途中から『FF外伝』のタイトルが付いた''([[参考インタビュー1>http://web.archive.org/web/20100112101313/www.zakzak.co.jp/anime/game/0910/091022-001.html]]/[[インタビュー2>http://web.archive.org/web/20100112092903/www.zakzak.co.jp/anime/game/0911/091106-001.html]])。
--このためかFF外伝でありながら、FFを代表するチョコボや飛空艇といった要素が登場しない。シリーズ恒例の「シド」という名のキャラは出るが、本作では『[[FF5>ファイナルファンタジーV]]』の「ものしりじいさん」的な人物であり、飛空艇とは全く関係がない。

**内容
-クラウン(ジョブ)は、総数20種類以上とかなり多く、ナイトや忍者といったFFおなじみのジョブもある。それらに混じって、生き返るたびに強くなる道士や装備品強化が得意な針子、やりこみに応じて強くなる記録士など変わり種のクラウンもある。
--FF5のようにジョブ間を越えてアビリティをセットすることは不可能であり、就いているジョブで習得したアビリティをセットすることになる。(ある隠しジョブでは可能)
--ちなみに、それぞれのクラウンの特徴を表したものを頭部に被っている(魔法剣士はターバン、ナイトは兜など)。
-アイテムは1人15個までしか持てない。装備も含む。余った部分は町の預かり所に預ける必要がある。
-戦闘は通常攻撃・アイテム使用に至るまでAP(行動力)を消費し、MPは存在しない。
--APはターンが過ぎる度に1回復し、最大で5まで溜めておける。強力なアビリティほどAP消費が高いので、1ターン休んでAPを温存するといった行動も重要である。
-戦闘中の行動のターゲットは自分で指定出来ず、自動で選択される。
--攻撃は前列・後列のどちらかに攻撃するかがあらかじめ決まっている。味方への回復は一番HPの減っている味方に、効果範囲が味方1人の補助魔法は使用者自身に優先してかけられる、といった具合である。
-いわゆるヘイトに似た、狙われ度というシステムが存在する。
--強いアビリティを使うと上昇しやすく、敵から標的にされやすくなる。
-吉田明彦と政尾翼によるポップなキャラデザ・アートワークや水田直志によるチップチューン調の音楽の評価は高い。
--ローポリではあるが、装備品それぞれに外見グラフィックが用意されており、「着せ替え」の楽しさは好評。
--各地の町のデザインは非常に凝っている。リアルというよりは絵本のようで、BGMも相まって素敵な雰囲気に仕上がっている。
--BGMには8bitの音色も使用しており、ファミコンのような懐かしさがある。
-クリアにかかる時間は20時間程度。過去のFFシリーズと概ね同じである。
-ストーリーとは関係ないフリーダンジョンがあり、クリア後もそれなりに遊べる。
--100階建ての塔が4つ用意されている。10階ごとにボスや最強装備入りの宝箱が配置されている。
-中盤以降の敵はプレイヤーキャラの最大レベルに応じて強くなる仕様なので、むやみにレベルを上げるのは逆効果。[[ファイナルファンタジーVIII]]等と同じ仕様。
--よってレベルを上げるより宝石を集めて装備品を強化したりアビリティを取得したほうが楽に進める。
-ストーリーは、中盤までは、4人がバラバラに動いて出会いと別れを繰り返しながら世界各地を回る。そして4人が集結したゲーム後半から再度各地訪れる時に、過去の謎や伏線が明らかになっていく。
--所々で、FF1・FF3などを意識した演出が見られる。

**賛否の分かれる点
-デフォルトでは「にげる」コマンドが存在しない。
--本作の「にげる」は「旅人」クラウンでしか使えない。これは50%の確率でしか逃げられないため、確実に逃げるには「とんずら」を使う必要がある。しかし「とんずら」はAPの消費が2と多めなので、逃げ続けるつもりなら旅人を2人以上用意し、1人が「とんずら」、他は「ためる」を使うようにする必要がある。
-ターゲットの自動指定により、全体的にスムーズな戦闘だが不便な点もある。
--例えば、死亡や状態異常のキャラが複数いる状況だと、治療魔法はプレイヤーが優先してほしいキャラをおいといて別のキャラを先に治療してしまう場合がある。 
--ターゲットの自動指定が時には不便に働いてしまうので、どうせなら自動指定と手動指定の二種類を任意で切り替えられるようにしたほうが良かったと思われるのだが…。
-シナリオ上、1~2人旅の冒険が続き、主人公の4人が揃うまでが長い。
--ちなみにゲストキャラがパーティから離脱すると装備させていたアイテムは戻ってこない。
-フリーダンジョンが高さ100階の塔の最上階を目指すものでやたら長い。フロア内にある階段を探していくのだが、内部は迷路状でランダムに構造が変わる上、上階になるほどフロアが広大になっていくので時間がかかり、作業的になりやすい。ゲームをコンプリートするには4か所あるフリーダンジョンをそれぞれ何回もクリアする必要がある。
-バトル面のバランスがやや極端。
--パーティ全員の全ステータスを向上させる凄まじい性能の究極魔法ルクス、簡単に敵全体に大ダメージが与えられるまどうといった強力なアビリティが存在する。
--ほぼすべてのボスにマヒ、眠り、沈黙といった状態異常やフーガなどの反則アビリティが通用する。
---良くも悪くもゲームチックなバランスになっている。
-中盤以降の敵はプレイヤーキャラの最大レベルに応じて強くなるという仕様。説明書にこの仕様が載っていないというのはともかく、「懐かしさを売りにするならよくあるRPGと同様に普通にレベルを上げたら有利に働くようにしろよ」という意見や、「レベルを上げる楽しみが無い」という意見がある。
--また、中盤以降の敵と異なり、序盤の敵はこちらのレベルによって強くなることがないため誤解しやすいというのも評価が分かれる原因か。
-タイトルはFFだが、ドラクエっぽい部分がいくつも入っている。
--最初に「母に起こされてお城の王様へあいさつに行く」展開はドラクエIIIまんまである。
--時間経過で昼夜が変化するようになっている。FFでは馴染みがないがドラクエには見られるシステムである。
--移動中、パーティーキャラが一列になって先頭についていくのもドラクエ的。
--一部のダンジョンでは「たいまつ」を使うと明るくなる。(なくても進めることは進める)
--「はがねの剣」など、ドラクエではお馴染みの武器も登場する(以前のFFで『はがねの剣』が登場したことはない)。
--勇者・魔法使い・遊び人といったドラクエではおなじみの職業だが、FFでは聞きなれないジョブが存在している。
---既に、発売前からのスクウェア・エニックス メンバーズの同ゲームサイトによる[[クラウン当てクイズ>http://member.square-enix.com/jp/special/hikarino4sensi/quiz/]]((リンク先が見れない場合はスクエニメンバーズのアカウントが必須。それでも見れない場合はサーバーメンテナンスが原因。))の4問目から問題化されていた(答えは武道家。''大抵の人は「モンク」と答えていたのだが、それは不正解にされた。''ちなみにノーヒント)。
--効果音の一部が似ている(ザッザッザという階段の昇降音、攻撃をミスった時など)。
---これについては開発スタッフの時田氏・浅野氏は「ぶっちゃけ、FF外伝と言いながらドラクエも取り入れていく。合併したんでまあいいかな、と(笑)」「コンセプトがファミコンの頃のRPGなので、どうしてもドラクエのイメージ が大きいですね。 ドラクエに近づく部分というのは、どうしてもあると思います。」と語っている。
//(出典)https://web.archive.org/web/20091110112235/http://www.zakzak.co.jp/anime/game/0910/091022-001.html
---ちなみに本作のプロデューサー・浅野氏はもともとエニックス入社組で、合併後はFF3DS、FF4DSなどに参加している。
-クラウンはそれぞれ頭部に大きな帽子や兜を被っているので、見た目がカッコ悪く感じられてしまうものもいくつかある。
-セーブデータは1つしか作れない。ニューゲームするには前のデータを消すしかない。

**総評
-好きな人からは「古き良きRPG」、嫌いな人からは「不親切なRPG」といった感じで、はっきりと賛否が分かれている。
--「古き良き」と言う割に、今作の戦闘システムはこちらのレベルに応じて敵が強くなる、ターゲットが自由に選べないという特殊なものになっている事も、「懐かしさを謳うなら普通の戦闘システムにしろよ」「昔のゲームにこんな変わった戦闘システムあったか?」と評価が分かれる要因となっている。
-「FF外伝」とタイトルにあるのに実際の内容はドラクエ的要素が多いことに戸惑った人も多かったが、元々本作は「古き良きFF」への原点回帰というよりも、より広く「古き良きRPG」への原点回帰を目指していたと理解したほうがいいだろう。合併しスクウェア・エニックスと変わったことで可能となったFFとドラクエの合体作とも言える。

**余談
-本作のサイトがプレオープンした際、背景とBGMと大きな4の数字だけだったため、背景と曲調から『ロマンシング サガ4』のサイトではないかと誤解された。
--同時期にサガシリーズのイラストで有名な小林智美のブログにて「一仕事終えてきた」という記事があったこともロマサガ4説を助長させた。
-後に携帯アプリ・スマートフォンで展開されている『ファイナルファンタジーレジェンズ 光と闇の戦士』はSFC時代のFFを彷彿とさせるドット絵グラフィックやFFVとほぼ同様のジョブチェンジシステム、FFI以来の登場となるエルフという種族や『悪の国に侵略される国々』など、本作で期待されていた「古き良きFFへの原点回帰」が存分に成されている。
-なお2012年にはニンテンドー3DSで、吉田明彦・浅野智也など本作のスタッフが多く関わった後継作『[[ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー]]』が発売された。
--開発はマトリックスからシリコンスタジオに交代した。
--続編ではなく世界観も異なるが、事実上本作のシステムを発展させた作品になっている。
--本作の一部キャラ・モンスターデザイン・アビリティが受け継がれている。APは「ブレイブ」「デフォルト」というシステムに発展し、レベル連動やオートターゲットが廃止されるなど、ゲームシステムはかなり別物になっている。(FF5に近い)
--完全版の追加ボス戦では、本作のモンスターがゲスト登場しており、戦闘BGMも本作の曲をアレンジしたものが使用されている。