「Dance Dance Revolution EXTREME」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

Dance Dance Revolution EXTREME - (2014/12/21 (日) 09:28:52) のソース

*Dance Dance Revolution EXTREME
【だんすだんすれぼりゅーしょん えくすとりーむ】
|ジャンル|音楽シミュレーション|&amazon(B0000AKGN3)|
|対応機種|アーケード&br()プレイステーション2|~|
|発売・開発元【AC】&br()発売元【PS2】|コナミ|~|
|開発元【PS2】|コナミコンピュータエンタテインメント東京|~|
|稼動開始日【AC】|2002年12月|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|これまでの集大成&br()バグはほとんどなし&br()秀逸な演出&br()完成度の高い家庭用移植|~|
|>|>|CENTER:''[[Dance Dance Revolutionシリーズリンク>Dance Dance Revolutionシリーズ]]''|

*概要
-「足でプレイするゲーム」というユニークなスタイル、東芝EMI(現:ユニバーサルミュージック)の「Dancemania」シリーズとのタイアップで実現したクオリティの高い楽曲が、ゲームファンのみならず一般層にも受け、1998~99年頃にブームとなった。しかしそれ以降は沈静し、8作目である今作をもって一旦アーケード版の開発は休止となる。
-アーケード版の収録楽曲数は、2002年当時の音楽ゲーム事情からすると、驚愕の220曲以上。ステップデータも1600譜面以上。
-過去のシリーズで人気が高かったDancemaniaライセンス楽曲の多くが復活、シリーズの総集編としてbeatmania・beatmania IIDXシリーズからの移植曲のみならず、GUITARFREAKS&drummaniaシリーズ・pop'n musicシリーズに加え、KEYBOARDMANIAやbeatmania III、ParaPara Paradise・DanceManiaXといった派生シリーズからの移植曲も多い。

*システム

-MARVELOUS判定の導入
--NONSTOPモード・鬼モードにおいて、PERFECTの更に上位の判定であるMARVELOUSが導入された。判定幅はPERFECTの半分ほど。
--SuperNOVAでDDRシリーズが復活した際も残留。続編のSuperNOVA2からは通常プレイでも導入された。
--一応通常プレイモードでも、PERFECTで踏んだ際に判定ゾーンが白く光ればMARVELOUSの判定で踏んでいることがわかるようになっている。
-オプション関連
--以降のシリーズではお馴染みになる、判定ゾーン付近で矢印のスクロールが減速する「BRAKE」((DDRMAXから導入されている「BOOST」とは正反対の加速度となる。))、矢印の間隔が広がったり狭くなったりフワフワするような動きになる「WAVE」((矢印の動く幅はHSの設定に左右されず、等速でも8倍でも同じ動きになる。ただし、フリーズアローの見た目の長さはHS依存になるため、HSの数値を高く設定すると後から来る矢印がフリーズアローと重なって流れてくる。))、通常より矢印の流れる速度が遅くなるハイスピード「0.25倍」・「0.5倍」が、いずれも鬼コース限定で登場した。
--これらは全て次回作のSuperNOVAから通常オプションとして選択できるようになったが、スピード系の低速2種類はX2以降で削除された。

**楽曲に関して
-過去に人気の高かったDancemaniaライセンス曲の復活
--DDRシリーズの代名詞とも言える、Smile.dkの「Butterfly」や、「HERO」・「IF YOU WERE HERE」・「CAPTAIN JACK(GRANDALE MIX)」などが復活。新しく鬼譜面がつけられたものも存在する。
-過去のオリジナル曲の復活
--基本的にほぼ全ての過去シリーズのオリジナル楽曲が復活。beatmania IIDXとのリンクプレイによってプレイできたクラブバージョンの楽曲も、一部が復活した。
-DDRオリジナル曲
--基本的に他BEMANIシリーズからの移植楽曲が多いが、その半数ほどがDDR用にリサイズされており、単純に短くなって踊りやすくなっただけでなく、元の機種のサイズでは聞くことができなかったパートが追加されているものもある。(Colors(for EXTREME)など)
-移植楽曲
--先述の通り、集大成ということでそれまでのBEMANI機種の人気楽曲を多く収録。beatmania・beatmania IIDXシリーズからの移植曲は、同じダンスミュージックをモチーフにしているゲームだけに、親和性が高く、新規カットもあって評価が高い。一方で、ギタドラシリーズからの移植曲は「The Least 100sec」や「三毛猫ロック」など、元の機種では人気があるものの、DDRでプレイするとなると疑問符がつくような曲もある。
--今まで移植がほとんどなかったDanceManiaXやParaPara Paradiseからの移植曲は、元々NAOKIが書き下ろした楽曲が多く、ようやくDDR本シリーズへの合流が叶った。
--また、ヨーロッパでリリースされたDancing Stageシリーズ(欧州ではタイトル名が違う)から、3曲が国内へ移植された。
-新規版権楽曲
--4thMIX以前のDancemaniaライセンス曲が多く復活、MAX・MAX2のライセンス曲も大半が引き継がれる一方で、EXTREMEで新たに収録されたDancemaniaライセンス曲はたったの8曲である。しかし、いずれもCMなどで一度は耳にしたことのある著名な楽曲や、バブルガムダンスの名曲と言われている楽曲など、個性豊かな曲を揃えてきてはいる。
-5thMIX以来のPARANOiAシリーズ新曲・4thMIX以来のTRIP MACHINEシリーズ新曲
--元々PARANOiAシリーズはRebirthで打ち止めにするつもりだった(作曲者談)のだが、最終作ということでPARANOIA Survivorが収録された。今までの最高BPMであった200をさらに大幅に上回る270というスピードとなっている。
--一方TRIP MACHINE Survivorは、これまでのシリーズ楽曲の要素を散りばめたようなトリッキーな楽曲に仕上がっている。
--また、隠し楽曲としてPARANOIA Suvivor MAXが収録。初代PARANOiAがPARANOiA MAX~Dirty Mix~へ進化したように、PARANOIA Survivorも進化。BPMは更に速い290となった。この楽曲の鬼譜面がEXTREME当時の最強譜面となっている。(X以降の20段階表記で16の値が付けられている)



**"ボス曲"に関して
-BEMANIシリーズにおける、条件を満たすことでプレイできる高難易度楽曲のこと。
-DDR MAXのボス「MAX 300」、MAX2のボス「MAXX UNLIMITED」に続き、3曲目の「The Legend of MAX」が登場。これまでの曲の面影をあまり感じさせないものとなっている。
--また、家庭用ではこれまでNAOKIの楽曲を独自解釈でリミックスしてきた、2MB(U1-ASAMi)による「MAX.(period)」が登場。こちらは原曲に最も忠実なリミックスだが、「高難易度化への警鐘」(Why do you need KONAMI Original Songs?)と、「プレイヤーへの感謝」(Thank you for Playing)をテーマにしている。
--そのため、楽曲中盤には「初代ボスだったPARANOiAが同曲の譜面と同時に流れる」という演出で難易度の変遷を対比させている。そして、終盤にはBPM600という、目視がほぼ不可能なほどの超高速で多くの矢印がスクロールする難所が存在し、際限なく上がり続けるBPMと難易度に対する皮肉を織り交ぜたものとなっている。
--DDR SuperNOVA2時のエリアファンミーティングX10において、「この曲がアーケードに移植されるときは、本当にDDRが終わるとき」という発言を残していたが…
-PARANOIA Survivor,Suvivor MAX,TRIP MACHINE Survivor
--先述の通り、PARANOIAの2曲は高速スクロールと急な半減速などで、プレイヤーを振り回す。一方TRIP MACHINE Suvivorは、今までのシリーズ同様変則的なリズムとステップでプレイヤーを翻弄する。こちらは1歩目を踏み出すまでスクロールが1/4速となっており、一歩目を踏んだ瞬間に基本BPMの170に戻る、というギミックがある。
-ENCORE EXTRA STAGEでは、ゲームタイトルをそのまま曲名にした「DanceDanceRevolution」が登場。1st~4thのオープニングテーマを元に、新規ボーカルなどを追加した楽曲になっている。背景ムービーでは同じく1st~4thのオープニングムービーが流れる。そしてこの曲の譜面はかつてのPARANOiAがそうであったように、今までの楽曲の譜面から印象的な部分が一部ずつ引用されており、最終作を彩るにふさわしい楽曲・譜面・演出になっている。


*楽曲解禁
-今作のアーケード版はオペレーターによるパスワード入力での解禁となっている。パスワードを入力した後は、電源を切っても解禁状況はリセットされないようになっている。
--解禁されるのは家庭用からの移植曲、BEMANIシリーズからの移植曲、そしてボス曲である。


*家庭用について
-アーケード版の稼働から約10ヶ月後の2003年10月に家庭用がPS2で発売された。
-基本的にアーケード版に収録されていたコナミオリジナル曲・新Dancemaniaライセンス楽曲は全て収録されており、総収録楽曲数は驚きの111曲となっている。
--唯一「SENORITA (Speedy Mix)」のみが未収録となっている。
--アーケード版で復活したDancemaniaライセンス楽曲は、次の「Party Collection」にて収録されることになる。
-アーケード版では復活しなかったダンサーキャラクターも復活。5thMIX以前のキャラクターに隠しキャラクターを合わせて、計58人ものダンサーキャラクターが、最大3人まで表示できるようになっている。
-目立つバグ等もなく、先述のMAX.(period)の演出、そしてこの楽曲をクリアした後に出現する家庭用オリジナルエンディングの演出で、DDRシリーズのひとつの終焉を彩った。
--実際にはその後も家庭用タイトルのみでのリリースは続くのだが。
--エンディングに使用されたのは、DDR5thMIX収録の「Remember you」のアンプラグドバージョン。DDRとプレイヤーの関係とも解釈できる歌詞に、これまでの足あとを辿る映像なども相まって、涙したプレイヤーも多い。
---残念ながら、当の「Remenber You」は収録されなかった…。次回作のParty Collectionには収録された。
-家庭用新曲及び移植曲も豊富。
--新曲はこれまでの家庭用でもおなじみである、平田祥一郎とSota Fujimoriによる楽曲が中心。移植曲はbeatmania III・beatmania IIDXから新規に4曲追加されている。これらの楽曲は、MAX.(period)を残して全てアーケード版の次回作SuperNOVAで移植された。
-ソフトの評価が非常にいい一方で、市場に出回った数は少ない。EDIT作成の需要もあるためか、2013年現在に至っても中古ソフトで出回っているのを見るのは稀である。出回っていても、新品価格を超える値段が付けられていることも珍しくない。


*総評
まさにDance Dance Revolutionの旧集大成を彩るにふさわしい名作となった。目立ったバグもなく、容量不足に悩まされながらも新規ムービーや汎用ムービー等による演出も秀逸。バグも見当たらず、まさにDDRシリーズの最高傑作と呼ぶにふさわしい出来になっている。~
残念ながら、DDRシリーズはアーケード版は今作で約3年半の沈黙を迎えるが、多くのプレイヤーが続編を願わずにはいられなかった。そして復活の報を聞いて歓喜したのは、この作品が紛れも無い傑作として仕上がったからに他ならない。~
シリーズの休止期間には、北米で本作のローカライズ版、及び「EXTREME2」やXBoxでのコンシューマーソフトなども発売され、日本でのブームを思わせるような一大ブームを引き起こした。アーケード版SuperNOVAが日本でも稼働することになったのは、北米でムーブメントを起こしたからである。

家庭用は2013年現在になっても、過去のシリーズのアーカイブとして、一番におすすめされる作品になっており、未だに評価が高い。何より中古相場が非常に高値で推移していることからも、本作が傑作と呼ばれるにふさわしい出来上がりであることは疑いの余地がない。