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キン肉マン マッスルグランプリ2 - (2016/03/28 (月) 15:11:15) のソース

*キン肉マン マッスルグランプリ2
【きんにくまん まっするぐらんぷりつー】
|ジャンル|対戦格闘|
|対応機種|アーケード|
|発売元|バンプレスト|
|開発元|バンプレスト&brアキ((現:シンソフィア。07.4.1に改名したが、本ゲームのOPではAKI Corporation表記。))|
|稼動開始日|2007年6月21日|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
|ポイント|キン肉マン29周年作品(一応)&br()運命の5王子・完璧超人参戦&br()キン肉マン ビッグボディの全てが明らかになった(?)ゲーム&br()覚醒システム、返し技システムを搭載&br()オリジナルキャストを多数起用|
|>|CENTER:''[[キン肉マンゲームリンク>キン肉マンシリーズ]]''|
&br
//未プレイなので分かりませんが、開発元の社名はスタッフロールの通りですか?
*キン肉マン マッスルグランプリ2 特盛
【きんにくまん まっするぐらんぷりつー とくもり】
|ジャンル|対戦格闘|&amazon(B001BP3RDA)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|バンプレスト&br()アキ|~|
|発売日|2007年9月25日|~|
|定価|7,140円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
#contents(fromhere)
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**概要
『[[キン肉マン マッスルグランプリ]]』の続編。基本的には前作にキャラクターを追加したバージョンアップ版だが、いわゆる覚醒システムとなる「真・火事場のクソ力」システムを搭載。~
本作では、原作の「キン肉星王位争奪編」に登場する運命の5王子が揃った。これに伴い、ラスボスは前作の悪魔将軍からスーパーフェニックスにチェンジした。~
また、ゲーム出演歴はあったものの、声優は代役が起用されていたネプチューンマンとビッグ・ザ・武道の完璧超人タッグ「ヘル・ミッショネルズ」がオリジナルキャストで参戦したのも話題となった。~
特に、原作では最初からやられ役として、ほとんど戦闘シーンのなかったキン肉マン ビッグボディが参戦したことには驚きの声があがった。

**システム
前作のシステムはそのままに、「クソ力システム」に整備が入り、従来の体力点滅による強化に加え、新たに時限強化が追加。攻撃重視、防御重視、火事場のクソ力と3つのブースト効果が得られるようになった。~
これに伴い、逆転勝利、いわゆる「''&ruby(しな){死ななきゃ}&ruby(やす){安い}''((元は、とある『ギルティギア』プレイヤーが発言した低防御力キャラに対する揶揄(一撃死するようなコンボに比べれば大ダメージコンボでも安い)だったが、即死コンボなどが当たり前の格ゲー(北斗の拳など)が登場して以降は「殺されなければ逆転も十分ありえるから安い」と言う意味合いに変わっている。))」を推奨するようなゲーム演出が追加され、体力点滅から逆転するとレニー・ハートの「GREAT!」という賞賛の声が得られる。~
超必殺でトドメを指すと、画面下からオーディエンスの顔が現れる演出も追加された。
-真・火事場のクソ力
--本作で追加された覚醒システム。打撃、組み、技ボタンを同時に押すことで発動し、選んだクソ力に応じた効果を得られる。他、コンボを受けていてもそれを弾き飛ばして発動が可能。
--発動時間はテンションゲージの蓄積量に準じ、ゲージMAXで発動した場合さらなる特典がつく。一度発動すると終了時にテンションゲージはゼロになり、そのラウンド中は真・火事場を二度と使えなくなる。さらにペナルティとして、発動したキャラのテンションゲージ増幅量がラウンド中半減する。
---攻撃重視:通常打撃をほぼキャンセル出来るようになる。ゲージMAXの状態で発動すると一部の打撃がガード不能になる。
//ダメージ補正が大きくかかる。
---防御重視:弱攻撃でよろけなくなる。また、投げ技に対して根性補正が働くようになり、どんな大ダメージの投げを喰らっても、最後の1ドット時でない限りは耐え、トドメを刺されない。ゲージMAXの状態で発動すると中よろけもしなくなる。
---火事場のクソ力:9ゲージ技を除くゲージ技が使い放題になる。さらに必殺技の打撃が別の技でキャンセル可能に。ゲージMAXの状態で発動すると超必殺技も使い放題になる。ただし超必殺技はダメージ補正がかかる。
//攻撃重視より軽いが超必殺に限らずダメージ補正がかかる。
-その他の新要素
--ポジションチェンジという新アクションを追加。その名の通り立ち位置を逆転させる。
--ダッシュ投げなるものも追加。こちらの名前の通り走りながら相手を投げる体勢に入れる。
--その他、インターフェイスとしては、テンションゲージがより見やすくなった。
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**登場キャラクター
名前の後の表記は別コスチューム、または別カラー。
#region(前作からの登場キャラクター、33名)
-キン肉マン:戦闘コスチューム / 王位争奪編コスチューム(原作版)
--前作のような総合的な安定感は薄れたが、相変わらずロープ際での攻防では無類の強さを誇る。返し技の追加で技がやや振りにくくなったが、「キン肉バスター」は相変わらず強い。
-テリーマン:2代目キン肉マングレート / 銀髪・赤コス
--相変わらず演出は地味だが、打撃面は全キャラの中でもかなり高次元な性能を持ち、空中コンボも決めやすい。
-ロビンマスク:アニメカラー / 軽装形態
--差し込みの強い打撃が強いキャラ。空投げも威力が高く、技のバリエーションも多いなどかなり使いやすい。
-ラーメンマン:モンゴルマン / 救世主
--コンボによる乱打が売りのキャラ。ダウン追い打ちも容易な技を持つなど正に打撃のデパートと言うべき性能。
-ウォーズマン:アニメカラー / クロエ
--打撃をメインとしつつ優秀な投げを持ち、さらに「スクリュードライバー」による突進攻撃が強力。火事場覚醒の際は超必の「二刀流スクリュードライバー」の連打が嫌らしい。
-ブロッケンJr.:アニメカラー
--十八番である「ベルリンの赤い雨」が鍵を握るキャラ。癖が少なくとても使いやすいのが売り。必殺「ブレーンクロー」が特に優秀。
-ウルフマン:アニメカラー(リキシマンカラー)
--火力が高めで、特徴的な打撃と投げが豊富なため、地味に対処しづらい相手。
-バッファローマン:サタンVer / ヅラ脱ぎVer
--打撃は大振りだが火力がとにかく高く、「ハリケーンミキサー」による押し込みが強い。空投げまでのコンボ火力もかなりのもの。
-アシュラマン:アニメカラー / 強奪腕装着Ver
--打撃、飛び道具、押し込み技とどれも揃っており、体力もタフな部類に入る。背中に打撃がハマれば容易に永久コンボを決められるなど、強キャラに位置する。
-サンシャイン:ニューサンシャイン
--身体を変異させる特殊な技が多く、技の刺し合いでは最強レベル。ただし攻めにおいては技ゲージを消費しないと強みが発揮出来ないため、ゲージ管理に悩むのが欠点。
-ザ・ニンジャ:アニメカラー
--前作で猛威を振るったため大幅に弱体化された。細かい打撃と隙のない動きは健在だが火力不足と耐久値の脆さが深刻。ただ個性的な技の数々はそのままで、その動きは捉えづらい。
-ペンタゴン:2Pカラー(ブラック)
--弱体化修正を受けたが、その軽やかな動きの打撃はなおも優秀。バグ技も存在もあって弱体化勢の中では救われている方。
-ジェロニモ:原作カラー
--一見動きが緩慢だが、技の発生は良好で、他にも飛び込んでいく技やダウン追い打ちに強い技を備える。
-ベンキマン:アニメカラー(ベンキーマンカラー)
--相変わらず意図的に最弱キャラ調整が行われているが、テンションゲージを奪ううえにガード不能な技が多く、ダークホースとしての可能性は秘めている。
-ステカセキング:アニメVer
--原作通り技のバリエーションが豊富。意表を突くような打撃が多いうえ、飛び跳ねや逃げ技もあるため意外と捉えにくい。
-ブラックホール:2Pカラー(黒白カラー)
--発生の速い技や迎撃しづらい技があり、捕まえるのに少し苦労する。打撃などは平均的な性能で使いやすい。
-ザ・魔雲天:2Pカラー(青道着)
--技は大振りだが高火力で、かつ最大級の耐久を持つ。ダウン追い打ちが異常な火力など最強級のキャラだが、ゲージ依存度の高さから脱ゲージ技にはやや弱い。
-ミスターカーメン:アニメカラー
--トリッキーな動きをするキャラで、相手しづらい。体力回復など特有の技もあるなど個性的。
-アトランティス:2Pカラー(ブルー)
--飛び道具が優秀で、立ち回りしやすいキャラ。近接は平均的だが「ダブルクロー」はなかなか曲者な発生を誇る。
-スプリングマン:2Pカラー(ゴールド)
--攻撃のリーチが見た目より長く、ノックバックのような動きをするため反撃もしづらい相手。空投げまでのコンボも強い。
-スニゲーター:2Pカラー(茶色)
--容易に決まるコンボ技が強力で、空投げが特に強い。体力もタフで長期戦を強いられる強キャラ。打撃の発生は良い方だが上位ではなく、打撃の打ち合いにはやや弱い。
-プラネットマン:アニメカラー
--トリッキーな攻撃が豊富で、コンボ拘束時間もなかなかだが火力が低く、自身も低耐久という大きな弱点を持つ。さらにコンボの締めとなる空投げの難度も高め。
-ジャンクマン:アニメカラー
--全般的に打撃が強力で、打撃から打撃必殺に繋ぐだけでも良いダメージが出るという使いやすいキャラ。その代わり必殺技の数は少なめで臨機応変さには欠ける。
-悪魔将軍:ゴールドマン
--身体を変質させる技が多く、発生や押し込み、崩しに強い技も豊富。隙を見つけるのがまず困難だが、背が高く若干判定が縦に広めなのは難点。
-キン肉マンソルジャー:アニメカラー
--各超人の技を使いこなすキャラだが、ステカセキングと比べると打撃などが全般的に素直なうえ、必殺はどれも高次元にまとまっている。空投げも完備と隙がない性能。
-キン肉万太郎:超人オリンピック編決勝戦コス
--父よりも通常火力はやや劣るが、打撃や組みの発生が早く、さらにダウン追い打ちに強力な「マンタローエアー」が脅威。
-ケビンマスク:2Pカラー(ブラック)
--弱体化されて火力が控えめになったが、全体的な性能自体は相変わらず優秀。ダウン追い打ちの「ケビントルネード」はクリーンヒット時に相変わらず良いダメージが出る。
-テリー・ザ・キッド:Vジャンプ版コスチューム
--テリーマンとほぼ同じ技を使うが、テリーマン独特の間や癖が少し薄まり、扱いやすさが増している。反面独特の強みはやや弱まった感がある。
-ジェイド:メットなしVer
--師匠よりも「ベルリンの赤い雨」が高性能という不届きなキャラ。攻めっ気が強い打撃が多いが、師に比べて必殺のレパートリーにやや劣るうえ、ゲージ依存度が高い。
-スカーフェイス:オーバーボディ
--攻撃が全般的に高火力で、パワーキャラには珍しい斜めからの急降下技を持つが、技を振ったあとの隙が致命的で読み合いに勝ちづらい。
-チェック・メイト:2Pカラー(服が黒)
--身体を変化させる技が多く、リーチに長ける他、刺し合いに強い打撃を持つ。ゲージを使うがダウン追い討ち技の威力が高いのもポイント。
-イリューヒン:2Pカラー(ブルー)
--押し込みに強い突進技に優れており、火力も見た目に反して優秀な部類。
-バリアフリーマン:アニメカラー
--ベンキマンと同系統に見えるがスピードが早く、癖のある技は地味に対処しづらい。ただ見た目通り火力に難がある。
#endregion

#region(追加キャラクター、6名)
アーケード版では、ネプチューンマンとビッグ・ザ・武道はタイムリリース。
-キン肉マンスーパーフェニックス:超人閻魔との結託Ver
--悪魔将軍のような身体を変化させる技こそないが、打撃、組、技、どれをとっても優秀。
-キン肉マンゼブラ:邪悪の神憑依カラー
--必殺技が全キャラ中もっとも多く、そこから機関銃のように繰り出させるコンボが強力。スウェーもあるため反撃にも強い。
-キン肉マンマリポーサ:アニメカラー
--相手をひっくり返したり、ゲージを減らす技があり、ダウン追い打ちも強力と、相手をするには難儀な技が多い。
-キン肉マンビッグボディ:アニメカラー
--基本火力が全キャラ中最大だが、身体の大きさに反して耐久値が全キャラ最低という足枷がある。パワーキャラにしては打ち合いは強い方。
-ネプチューンマン:アニメカラー
--技がやや大振りだが、引き寄せ、怯ませ技があり、対地とはいえ飛び道具もあり自分のペースを作りやすい。火力も特化ではないが優秀な部類。空投げは難度がやや高いが強烈。
-ビッグ・ザ・武道:ネプチューンキング
--技はネプチューンマンとほぼ同じだが、身体が大きく攻撃を食らいやすい。ただのモデリングチェンジではなく、ダウン追い打ちの片手面など独自技もあり、火力は総合的に高め。
#endregion
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**評価点
-かなりの数のキャラクターを網羅。
--前作のPS2版である『MAX』の時点で十分に多かったが、更に追加された豊富なラインナップ。運命の5王子、ヘル・ミッショネルズの参戦は喜ばれた。
---前作のアーケード版から比べてみると、飛躍的な充実ぶり。まるで揃っていなかった悪魔超人達も勢揃いしている。
---初代キャラが網羅されたことにより、今までの『二世キャラの多さに不満を述べていた層』にも納得感と満足感を提供した。
--運命の5王子は、これまで今一つゲームでの採用率が少なかった。が、本作では目玉の参戦キャラとして大々的に紹介され、OPムービーでもメインを張っている。声優も全員初代TV版に準じているというこだわりぶり。
---なお、キン肉マンソルジャーはキン肉アタルの方であり、本物のキン肉マンソルジャーは登場しない。

-既存キャラクターにも新コスチュームがいくつか追加された。
--一部は前作『MAX』のストーリーモードでのみ登場・使用できたものである。以下はその一例。
--キン肉マン:王位争奪編のKINコスチューム(原作版)
--ロビンマスク:鎧を外した軽装バージョン
--バッファローマン:ヅラを外したバージョン
--ラーメンマン:救世主バージョン(顔が見えないジャージ姿)

-前作より高いオリジナルキャスト採用率。
--ヘル・ミッショネルズは、これまでのゲームでは代役が演じていた中、このゲームではオリジナルキャストの採用が適ったため、特に話題となった。
--同じく肉ゲーでは代演が多いキン肉アタル(ソルジャー)も、前作に引き続き、千葉繁が起用されている。

-キン肉マン ビッグボディの作り込み。
--原作ではその全貌がまるでわからないまま倒されてしまい、格闘ゲームに登場できるほど技数がないはずのビッグボディだが、本作では様々な技を用意したうえで参戦を果たした。技はイメージぴったりによく練られており、原作を知らない人なら「ビッグボディってこんな超人なんだ」と勘違いしてもおかしくないレベル。ここまで違和感がないのも珍しい。
--性能面では、早々に倒されてしまったためか、見た目とは裏腹に体力が最弱に設定されている。更に巨体なので食らい判定が大きいのも問題。威力の高い超必殺を受けるだけで、体力を''9割''持って行かれてしまうほど。
---相手が攻撃重視の際、点滅時には3ゲージの技であっても6割減るのもザラ。そのため知らない人には「相手のキャラの技の威力がおかしい」と勘違いされてしまうことも。意図的な低火力に設定されているはずのベンキマンとの打ち合いすらしんどかったりする。
---一方で彼自身の火力は高い。超必殺技では唯一平均して''半分以上''の体力を持っていくなど、攻撃力に特化したロマンファイター。波に乗った時の攻めはかなりのものである。若干技が大振りで使いにくいのは難点だが。
--&ruby(ごうりき){強力}の神にそそのかされただけあって、技のほとんどには強力が付く他、エントリー国がカナダということでカナディアンが付く技も存在する((余談となるが「カナディアンマン」というキャラがおり、このキャラも原作ファンからはビッグボディと同じく「かませ犬」と認識されている。))。
--超必殺技はどちらも他の運命の5王子に負けないほど格好良く演出されており、加えて個性的なものになっている。SFCの肉ゲー『DIRTY CHALLENGER』でなぜかマリポーサの偽マッスル・リベンジャーを必殺技としていた時代と比べれば、大変な優遇である。
---メイプルリーフクラッチ:カナダの国旗にもあるもみじの形に敵をマウントし、相手の頭をマットに叩きつけるというもの。原作で設定だけは存在したが本作でついに映像化。
---マッスル・インパクト:本作オリジナルの超必殺技。ボディービルダーよろしく筋肉を見せつけながら敵を殴打し、最後に相手を空中へ打ち上げた後、相手をパワーボムの形にマウントした後、高速で何度も縦回転しながら落下してマットに沈める。言うまでもないが、キン肉星三大奥義の1つではない。
--この内、メイプルリーフクラッチではなんと原作で登場したキン肉星三大奥義の''設定が固まる前の初期の描写を再現している''((原作ではキン肉星三大奥義の壁画は回を追うごとに全く違う形に描き直されている(ゆでたまご氏自身が矛盾を気にせずデザインを逐一描き直すスタンスのため)。このせいで初期の描写ではマッスルスパークなどは全く意味の分からない組み方になっているという、ファンの間では有名なネタ。))。このため、ビッグボディはキン肉星奥義をふたつ使えるのではないか、というネタすら飛び交うようになった。
--他にも「強拳」というネタ技が存在する。そこから出る隠し派生技「強力奮迅猛怒涛」はかなりの威力を誇る((元ネタはおそらく、セガのゲーム「バーチャファイター」のアキラが使う、追加入力式の投げ技「崩撃雲身双虎掌」のもじり。))が、前段階の強拳を放った時点でゲージを全て使い果たすうえ、派生の入力受付が短い。あげく上記の超必殺のほうが火力が安定するばかりか、「強力奮迅猛怒涛」のモーションも一瞬。なんでこんな技を作ったのかというレベルのネタ技であるが、しかし変な魅力もある技。
//マッスル・インパクトはアニメ版アイキャッチ内でのビッグボディのフェイバリットホールド。これもアニメ内の設定だけのオリジナル。
---オリジナルキャストである平野正人が「''&ruby(ごぉぉぉりきぃぃぃぃっ){強力}&ruby(どぉらごんすりぃぃぃぃぱぁぁぁぁぁ){ドラゴンスリーパー!}''」「''&ruby(ごぉぉぉりき){強力}&ruby(すいんぐぅぅぅぅ){スイング!}''」など、非常にノリノリで演じており、全キャラと見て比較してもそのテンションの高さは異常に抜きん出ている。「アニメでもそこまでハイテンションじゃなかっただろうに」と突っ込みが入りそうなほど気合が入っている。
---あまりにもテンションが違うせいか、「声優が違うのでは?」という声もあるが、紛れも無くご本人である。
--ちなみに格好良いだけではなく、超必殺技を食らうとたまに「やめてくれ……」という原作を彷彿とさせる情けない台詞も吐く。
---キャラクターセレクト時には「強力を思い知れ~!」と叫ぶ。余談だが、相手が高火力キャラだと一気に体力を減らされて負けることも多いため、ビッグボディがでる対戦動画のタグにおいては「強力&bold(){が}思い知る動画」とつけられたりする。

-その他、新規キャラの再現度の高さ。
--上記のビッグボディだけでなく、5王子はそれぞれ個性的であり、かつモーションの再現度は相変わらず高い。
--例えばキン肉マンゼブラは他の一部超人も使う鉄柱攻撃を持つだけでなく、一部の技のモーションでは腕の中に鉄球を潜ませる演出があり、モーション終了後に鉄球を捨てるアクションがある。

-覚醒システムによる逆転要素の増加。
--キン肉マンらしい逆転勝利を演出しやすいシステムであり、駆け引きにもより緊張感が高まった。
---[[同社の他のゲームのように覚醒効果に偏りが…>機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II]]ということはなく、どれにも独自の強みが存在するため、自分のプレイスタイルに合った戦法を構築できるのが魅力。
--レニー・ハートによる逆転勝利後の「GREAT!」という賛辞は、地味ながらもテンションのあがる演出である。
---なお、覚醒発動すれば単純に有利というわけではなく、失敗するとペナルティがきつく一転して不利になるため、そういう意味でも緊張感のあるシステムである。

-一部のキャラに返し技が追加された。
--例えばキン肉バスターをかけられている際に特定のコマンドを入力すると、それに対するキン肉バスター返しが発動させられる。戦略的に重要になってくるばかりではなく、これを使った魅せプレイも出来る。
//前作から返し技は搭載されている。発動条件は特定の必殺技の組弾きを成功させること。
---特に万太郎とケビンは、9ゲージ技のミレニアムを除けば、原作どおりケビンの返し技が非常に豊富であり、本作では強キャラと言われている万太郎の試合中の選択肢を大分狭めることが出来る。
//ケビンの返し技は万太郎限定のキン肉ドライバーのみ。万太郎はスカーフェイスにもキン肉バスター返しを搭載されているので、返し技を持っている相手が豊富。
---だからといって、返し技の存在する技の価値がそこまで下がったわけではない。一例をあげると、「キン肉バスター」は相変わらず発生時間、ダメージ、コスト比のパフォーマンスに非常に優れた必殺投げである。返し技もテンションゲージを消費することもあって、依然勝負の駆け引きには欠かせない技となっている。
---また、「執拗に同じ技をかけて新しい技を試合中に開発する」といったお馴染みの展開よろしく、同じ技をかけ続けることがある種のフェイントになり、返し技を前提に行動する相手に甘んじて技を受けさせて、実は違う技をかけていたという面白い展開になることも。

-演出面のさらなる強化。
--原作の名勝負を再現した対戦カードの組み合わせになった場合、その組み合わせに応じたBGMに変化する。名場面で流れていた定番曲『奇跡のマッスル・ドッキング((この名称はファンの間での俗称。同名のBGM集に収録されていた曲の一つで、正式名称は不明))』などは、アニメを見ていた人なら思わずニヤリとするだろう。
---前作と同じく『HUSTLE MUSCLE』は続投しており、本作ではII世キャラが入ればそれだけで流れやすくなっている模様。レジェンドとの対戦で流れるとさながら卒業試験や超人タッグ編を彷彿とさせる対戦カードとなる。
--特にアニメ王位編オープニングテーマとして人気の高い、『ズダダン!キン肉マン』が1番限定とはいえ流れるのは嬉しいサプライズである。流れるのは5王子同士(+キン肉スグル)が主であるが、マリポーサvsロビンマスクなど、原作カードでもきちんと流れる。テンションが上がること間違いなし。
--やり込み要素として、アニメの名場面を集めていく「コレクション」モードもある。原作通りの相手に原作通りの技をかけることに成功すると、金または銀のメダルが表示され、コレクションモードで当該アニメシーンの一枚絵を見ることができる。
---ただ単に原作通りの技を掛けるだけだと銀のメダルになり、一枚絵もモノクロとなる。更にコスチューム・試合会場も同じにする((コスチュームや試合会場がゲーム中に存在せず完全再現不可能な場合は、その条件が省かれる))と、メダルが金になり、カラーの一枚絵になる。
//ズダダンキン肉マン、HUSTLE MUSCLEも流れる条件は原作の組み合わせになった場合。HUSTLE MUSCLEは万太郎VSスグル、ケビンマスクVSウォーズマン、万太郎VSアシュラマン、ケビンマスクVSアシュラマンの組み合わせが追加された。
//ズダダンキン肉マンは原作の組み合わせなので、5王子同士で戦った組み合わせはソルジャーVSフェニックス、フェニックスVSビッグボディのみ。

**問題点
-オリジナルキャストが参加しているにも関わらず、前作登場キャラの担当声優はそのまま。
--特に悪魔将軍は絶好の機会だっただけに((北川米彦が武道の役で本作に参加してくれているため、新録しようと思えば可能だったはず。))一部のファンからはガッカリする声があがった。代役の稲田徹が悪いわけではないのだが…。
//前作ACの家庭用版、マッスルグランプリMAXで既にザ・魔雲天を北川米彦がオリジナルキャストで演じた。

-位置入れ替えが実装されたことで、「大ジャンプ」が最早ただ邪魔な技になっていること。
--空投げ失敗の際にこれが出てしまうことが多く、大きな隙を晒す、敵を追撃出来ないなどかなりの痛手。その分緊張感はあるが。
//大ジャンプなる技は存在しない、相手が「上昇中」に発動できる空中投げを使い相手のキャッチに失敗した時、特に空中コンボで低空から拾う時の隙がジャンプとみられているだけ。
//相手上昇中の空中投げは強力なので当然のリスク。
//ポジションチェンジに関しては成功させても特に先に動けるわけでもなく、追い詰められている際に使うならハンマースルーを使う方がロープのこともあり大幅にメリットがある。

-キャラ性能に影響を及ぼすバグの存在。
--ペンタゴンやカーメンが持つ「ガードしていない相手を強制的に時間制止させ、追い討ち可能な状態にする」技を、真・火事場のクソ力発動中にほぼノーリスクで出せてしまうバグは、基本的な立ち回りとして組み込まれるほど定着してしまった。
--もっとも、この二体のキャラ評価は「強すぎる」というほどではないので、バランスを大きく崩す内容ではないのだが、使われるとかなり理不尽に感じるバグではある。
//時間停止技は、超必殺モーション中相手が打撃や組を当てると発動するので、手を出しさえしなければガードでなく棒立ちでも問題ない。
//ゲームを壊すほどのバランスではないが、やはり対策はかなり限られており2キャラのランクを大きく上げていることは否めない。

-ゲームバランスがやや崩れた。
--3強や3弱と言われるキャラの強さと弱さが目立ち、それらの差がやや目立って開くようになってしまった。とはいえどのキャラも全く勝てないわけではなく、充分ゲームとして成立するレベルではある。
--所謂「3強」はザ・魔雲天((一見技が大味に見えるが、必要最低限の確定反撃技は持っている。下記のスーパーフェニックスと悪魔将軍に対して非常に相性が良く、ダウン追い打ち技「グラウンドインパクト」の威力があまりにも破格、かつ相手のテンションゲージを全く増やさないという特長を持つため。火事場のクソ力発動からのグラウンドインパクト連発の威力は卑怯なレベルで強い))、スーパーフェニックス((一言で言うと全てにおいてハイスペック。打撃も投げも空中コンボも、果ては必殺技も全般的に全て強力なものが揃っている。さらに体力値が全キャラ中最も高く、ダメージレースでも強い。))、悪魔将軍((技のそれぞれが個性的で、サンシャインのように身体の形を変えたりする技などもあり、どれもが実戦レベルで使える。攻めも防御も高水準。))。
---スーパーフェニックスは超必殺技を3つも使えるなど、初代のラスボスということもあってかなり優遇されている((ちなみに技は真・マッスルリベンジャー、超人牛裂き刑・レイジングオックス、マッスルインフェルノの3つ。ただしインフェルノに関しては隠し技に近い。))。
--前作の強キャラに対する弱体化度合いがやや極端。
---ペンタゴンやザ・ニンジャなど、前作で強いと言われたキャラは軒並み弱体化されたが、どれも極端に性能を低くし過ぎて使いづらいキャラになってしまった。
---「3弱」と呼ばれているのはザ・ニンジャ((動きは前作同様とにかく素早いが、全般的に火力が低く、紙耐久なので逆転されやすい。確定反撃に用いる技が3ゲージを消費してしまうことや、9ゲージ消費する超必殺の火力が低すぎるのも大きい。))、スカーフェイス((パワーはあるが技がどれも大振りで隙が大きく、相手の隙に確定反撃もほぼできない。打ち合いで優位をとりづらい。))、プラネットマン((動きはトリッキーだが、火力が低く押し負けやすい。火力を出そうとすると大量のゲージが必要で、かつテクニックの複雑なコンボを狙わざるを得なくなる。))。プラネットマンはともかく、前者2人は人気キャラ((特にスカーは初代・II世を含めても最強争いが出来る超人として読者から評価されている。))だけに、ファンからは「がっかりした」と言われがち。ザ・ニンジャは前作において3強の一角を担っていただけに使い手のショックは大きかった。
--それ以外にも万太郎やサンシャインなど、一芸に特化した超人が目立って強いと言われており、全体的に見るとややキャラ差が目立つ結果となってしまった。
---ベンキマンは意図的に最弱調整されたキャラであるが、実は意外と彼と相性の良い相手もいる。ガード不能+テンションゲージを下げる飛び道具技「詰まらないものですが!」や凶器(デッキブラシ)攻撃を持ち、意外とリーチ面で優位をとれることもある。
---そのためか、なんとベンキマンは底辺争いの低評価キャラの中に名を連ねていない。先であげたビッグボディなどとは相性的にむしろ有利。
//ザ・ニンジャは火力こそ落ち込み弱キャラの範囲ではあるものの、特に3弱と数えられるほどではないので現状は2弱。
//プラネットマンは体力が低い訳ではなく、スグルなどと同様システム中標準の体力を持っている。スカーと同様確反がないのが問題、確反のないキャラは他にもいるが、それを補うものをちゃんと持っている。
//前作ACではベンキマンは意図的な調整を感じ取れたが、今作ではキャンセルポイント、隙の少なさなどが大幅に追加、攻撃係数こそ最低だが技の倍率は悪くないので標準以上の性能に。逆の意味でやり過ぎてしまったのか・・・?

-『MAX』と違い、本作の家庭用移植版『特盛』では追加キャラなし。
--II世ファンからは、第3回人気投票で10位を獲得するなど堅実な人気のあったガゼルマンや、セイウチンなどアニメ版のレギュラーの追加を求む声もあったが、叶わなかった。
---裏を返せば、原作における要のキャラクターはほとんど網羅してしまったため、話題性を作れるキャラを追加するのが難しかったとも考えられる。ただし、アキが開発を担当した肉ゲーで参戦していたキン骨マンやII世のノーリスペクト(後に再登場したボーン・コールド、ハンゾウのみ。)の未参戦は残念がられている。
--元々、本作は前作と違いアーケード版稼働開始から家庭用版発売までが短かったため、キャラを追加する暇がなかったとも考えられる。

-一部のキャラクターのあっても良さそうなコスチュームバリエーションが揃っていない。
--特に不足感があるのはネプチューンマン。本作においても喧嘩男やザ・サムライコスチュームは用意されなかった。上記の二つの状態ではネプチューンマンの技の大部分を構成するマグネットパワーを使用できなかったための処置だろうか?

-ゲームモードの削減(家庭用版のみ)
--『MAX』にあったゲームモードの内、バーサス、ストーリー、団体戦、サバイバルモードが削減されている。
---ストーリーに関してはタッグ編、王位編のキャラや素材が足りなすぎるため仕方ないが、団体戦がメインだった王位編をフィーチャーしておきながら団体戦モードを削除したのは疑問が残る。
--特に2人対戦用のバーサスがなくなったため、2人対戦を行うにはアーケードモードでの乱入を利用する必要がある事に批判が強い。
---一応、勝利後ゲームオーバー画面を挟まず即座に再乱入を行えたり、勝者もその都度キャラを変更できるのでテンポを削いでいるわけではないが、バーサスより余計な手間がかかる事は事実。
--『MAX』で収録されていたアニメOPを忠実に再現したオープニング映像が収録されておらず、オープニングの曲も「キン肉マン Go Fight!」が使われている。せめて「ズダダン!キン肉マン」を流してほしかったところ。

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**総評
前作の完成度の高さをさらに良くしつつ、追加キャラも比較的上手く溶けこませている。~
特に、ビッグボディファンにとっては、驚くほどにキャラが優遇されており、その強力の力を思い知らせることが出来るだろう。~
その他、ヘル・ミッショネルズの声がオリジナルキャストで聞けるなど、嬉しい要素満載である。

キャラクターの追加要望はやはり存在することや、相変わらずキャラゲーにしてはわりとまともなバランス調整から、続編も望まれた。~
が、やはり続編というにはやや変わり映えがなかったせいか、家庭用版のセールスがいまいちだったせいかは不明だが、マッスルグランプリシリーズは本作で打ち止めとなった。~
現代であればアップデートなどをしやすい環境になっていることから、元よりバランスが比較的安定している本作の続編リリースを求める声は未だにある。

**その他
『特盛』には、ゲームアーカイブとしてファミコンの『[[キン肉マン マッスルタッグマッチ]]』『キン肉マン キン肉星王位争奪戦』を収録。
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