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*マール王国の人形姫 【まーるおうこくのにんぎょうひめ】 |ジャンル|ミュージカルRPG|&amazon(B000069UOQ)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|日本一ソフトウェア|~| |発売日|1998年12月17日|~| |定価|5,800円|~| |廉価版|マール王国の人形姫+1:1999年9月22日/3,800円&br()PS one Books:2001年12月20日/1,800円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2006年12月21日/600円&br()Win版:2022年8月31日/2,178円&br()Switch版:2022年10月27日/2,178円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[マール王国シリーズリンク>マール王国シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー むかーし、むかし、マール王国にオレンジ村という小さな村がありました。~ そこには、ひとりの女の子がおじいさんと一緒に暮らしていました。女の子の名前は、コルネット。~ コルネットには不思議なお友達がいました。それは、人と同じように心を持った人形です。人形の名前は、クルル。~ 村の人たちは、いつも人形と一緒にいるコルネットを変わり者あつかいしていましたが、けっして仲間はずれにすることはありませんでした。~ なぜなら、村の人たちはみんな、コルネットとクルルの元気な笑顔が大好きだったからです。~ コルネットの日課はクルルと一緒に森を散歩すること。さぁ、今日もコルネットとクルルは仲良く森へ出かけます。~ 原作『人形姫物語』より抜粋~ (……を、説明書より抜粋) ---- **概要 -日本一ソフトウェアが贈るミュージカルRPGの第1作目。 -主にバカゲーしか知られていなかった日本一ソフトウェアの知名度を一気に引き上げ、現在の地位を確固たるものにした作品である。 ---- **評価点 -佐藤天平氏による温かみがあって耳に残る音楽と、それに合わせて構築されたミュージカル的演出がこのシリーズの最大の白眉である。 --特にミュージカルシーンは声優の歌声が合わさり、より印象に残る。また、ドット絵は非常に美麗で、ミュージカルシーンでは所狭しと動き回る。 ---後に、日本一はドット絵の評価をより高めるが、本作はそのきっかけを作ったといえる。 -また愛や家族をテーマにした感動的なシナリオが数々のファンを生み出した。 --コミカルなシーンでの笑いの部分や、時に残酷なシーンも存在することもシナリオを引き締めている。 --コルネットのパートナーたる人形、クルルの正体とその目的に涙したプレイヤーは多い。 --メインキャラのコルネットとクルルは勿論、悪役のマージョリー一家の人気も高い。 ---- **問題点 -シナリオ・楽曲の評価が高い一方で、戦闘システムやゲームテンポには難がある。 --ランダムエンカウントで戦闘はシミュレーション方式。しかし一回の戦闘に費やす時間が長くエンカウント率も高めであるため、戦闘を頻繁にこなすジャンルとしてはテンポが良くない。 --ぽんぽんレベルが上がるので、あまり考えなくてもボスに楽勝できるが、低いレベルで進むの他、人形やモンスターにも相性がある為、考えなしで進むと詰む可能性もある。 --とはいえ、パッケージから中身までライトでいかにも女性・小さい子供向けなカラーなのであまり気にされない。 -パーツの使い回しの多いダンジョン。 --典型的なコピペダンジョンで同じような光景ばかり見せられる。無駄に迷って苦労することも。 --本作はメニューからいつでもセーブが出来てそれ自体は便利で評価点にあたるのだが、セーブポイントが無い分ボス戦が控えているのかも分かり難い。 ---難易度自体が低いので負ける事はあまり無いが「ナインテールの塔」のように会話の選択によって展開が変わる場合もある為((そのダンジョンでは選択によって戦うボスが異なり、報酬や付近の街にいるNPC達の台詞が変化する))、こまめにセーブはしておくとよい。 -イベントシーンにも僅かながらに難がある。 --ミュージカルシーン自体は評価が高いがスキップは出来ない。会話の選択が控えていたりする場合どちらも気になる者は少々苦痛かもしれない。 --ウインドウに表示されるテキストだが、キャラ絵を表示して誰の台詞かを表している。しかし絵の無い者は台詞のみしか表示されず、ハッキリ言って誰が喋っているのか分からない。NPCの台詞が続けて表示される事もある。 ---絵が表示される部分が余白になり、そこにキャラ名を書けば良かっただろうに。 -ラスボス戦 --本作の難易度は低めであるが例外的にラスボスとの3連戦の1戦目だけはかなり強い。平均クリアレベルの30強程度ならラスボスの使う「オメガメテオ」でパーティが一撃全滅してしまう。一応オメガメテオの使用率はそこまで高く無く、オメガメテオを使われなかった場合、順当な難易度であるのは救いではあるが。 --因みに2戦目の相手は負ける要素が皆無な程弱く、3戦目はオメガメテオを使われなかった場合の1戦目と同程度の強さである。そのため1戦目さえ切り抜ければ勝利するのは難しくない。また、シナリオ中2戦目以降の相手よりも1戦目の相手の方が強敵である様な扱いを受けているが、実際の戦闘でも上記の様にその通りになってしまっている。 ---- **総評 ストーリーの本筋は悪い魔女に連れ去られた憧れの王子様をコルネットが助けに行く、というシンプル極まりないもの。~ 展開自体にどんでん返しはなく、目的も最後まで変わらない。また戦闘のシステムの関係上、RPGとしてのテンポもあまりよろしくない。~ だが、上述した演出の数々、そしてシナリオの妙が相まってPSの名作RPGとされている。~ 日本一ソフトウェア作品のシナリオは賛否が分かれ易いが、本シリーズのシナリオは紛れもなく本物である。~ そのシナリオを彩るキャラクターたちも実に個性的で好感を持つことができ、それぞれ物語の中で生き生きと動いている。~ ~ 後に同社の看板作品となる『[[魔界戦記ディスガイア]]』などへの影響も決して小さいものではない。~ ---- ---- **その後の展開 -おまけディスクつきの廉価版『マール王国の人形姫+1』が1999年9月に、同年11月にコルネットの娘・クルルが主人公となる続編『[[リトルプリンセス マール王国の人形姫2]]』が発売された。そして2000年12月には第3作品目となる『[[天使のプレゼント マール王国物語]]』が発売された。デュアルショック操作にも対応している。 -海外では『Rhapsody: A Musical Adventure』の名称で発売された。サウンドトラックも同梱されており、難易度選択やミュージカルの音声切替、振動・ポーズ機能も実装されている。同梱のサウンドトラックは後に日本でも逆輸入販売された。 -2005年にはドコモ用携帯アプリに移植され、2006年にゲームアーカイブスでの配信が行われ、2008年に[[DS版>マール王国の人形姫 天使が奏でる愛のうた]]が発売された。 --ちなみにこの携帯アプリ版では戦闘システムが『2』と同じ形式になり、ゲームテンポが大幅に改善されている。 --なお、大した問題ではないがゲームアーカイブス版は『+1』にて追加されたデュアルショック操作には対応していない。 -天使のプレゼント以降新作が出ない状態が続いていたが、2009年10月にマール王国シリーズの数百年後を描く作品『[[アンティフォナの聖歌姫 ~天使の楽譜 Op.A~]]』が発売された。 -2022年8月31日にはSteamで、10月27日にはNintendo Switchで配信が開始された。Steam版の本編は日本語対応だが、別売りのアートブックは英語版のみ。 --内容は海外PS版準拠のため難易度設定などが追加されている一方、携帯アプリ版の改善要素は存在しない。 #br
*マール王国の人形姫 【まーるおうこくのにんぎょうひめ】 |ジャンル|ミュージカルRPG|&amazon(B000069UOQ)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|日本一ソフトウェア|~| |発売日|1998年12月17日|~| |定価|5,800円|~| |廉価版|マール王国の人形姫+1:1999年9月22日/3,800円&br()PS one Books:2001年12月20日/1,800円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2006年12月21日/600円&br()Win版:2022年8月31日/2,178円&br()Switch版:2022年10月27日/2,178→3,278円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[マール王国シリーズリンク>マール王国シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー むかーし、むかし、マール王国にオレンジ村という小さな村がありました。~ そこには、ひとりの女の子がおじいさんと一緒に暮らしていました。女の子の名前は、コルネット。~ コルネットには不思議なお友達がいました。それは、人と同じように心を持った人形です。人形の名前は、クルル。~ 村の人たちは、いつも人形と一緒にいるコルネットを変わり者あつかいしていましたが、けっして仲間はずれにすることはありませんでした。~ なぜなら、村の人たちはみんな、コルネットとクルルの元気な笑顔が大好きだったからです。~ コルネットの日課はクルルと一緒に森を散歩すること。さぁ、今日もコルネットとクルルは仲良く森へ出かけます。~ 原作『人形姫物語』より抜粋~ (……を、説明書より抜粋) ---- **概要 -日本一ソフトウェアが贈るミュージカルRPGの第1作目。 -主にバカゲーしか知られていなかった日本一ソフトウェアの知名度を一気に引き上げ、現在の地位を確固たるものにした作品である。 ---- **評価点 -佐藤天平氏による温かみがあって耳に残る音楽と、それに合わせて構築されたミュージカル的演出がこのシリーズの最大の白眉である。 --特にミュージカルシーンは声優の歌声が合わさり、より印象に残る。また、ドット絵は非常に美麗で、ミュージカルシーンでは所狭しと動き回る。 ---後に、日本一はドット絵の評価をより高めるが、本作はそのきっかけを作ったといえる。 -また愛や家族をテーマにした感動的なシナリオが数々のファンを生み出した。 --コミカルなシーンでの笑いの部分や、時に残酷なシーンも存在することもシナリオを引き締めている。 --コルネットのパートナーたる人形、クルルの正体とその目的に涙したプレイヤーは多い。 --メインキャラのコルネットとクルルは勿論、悪役のマージョリー一家の人気も高い。 ---- **問題点 -シナリオ・楽曲の評価が高い一方で、戦闘システムやゲームテンポには難がある。 --ランダムエンカウントで戦闘はシミュレーション方式。しかし一回の戦闘に費やす時間が長くエンカウント率も高めであるため、戦闘を頻繁にこなすジャンルとしてはテンポが良くない。 --ぽんぽんレベルが上がるので、あまり考えなくてもボスに楽勝できるが、低いレベルで進むの他、人形やモンスターにも相性がある為、考えなしで進むと詰む可能性もある。 --とはいえ、パッケージから中身までライトでいかにも女性・小さい子供向けなカラーなのであまり気にされない。 -パーツの使い回しの多いダンジョン。 --典型的なコピペダンジョンで同じような光景ばかり見せられる。無駄に迷って苦労することも。 --本作はメニューからいつでもセーブが出来てそれ自体は便利で評価点にあたるのだが、セーブポイントが無い分ボス戦が控えているのかも分かり難い。 ---難易度自体が低いので負ける事はあまり無いが「ナインテールの塔」のように会話の選択によって展開が変わる場合もある為((そのダンジョンでは選択によって戦うボスが異なり、報酬や付近の街にいるNPC達の台詞が変化する))、こまめにセーブはしておくとよい。 -イベントシーンにも僅かながらに難がある。 --ミュージカルシーン自体は評価が高いがスキップは出来ない。会話の選択が控えていたりする場合どちらも気になる者は少々苦痛かもしれない。 --ウインドウに表示されるテキストだが、キャラ絵を表示して誰の台詞かを表している。しかし絵の無い者は台詞のみしか表示されず、ハッキリ言って誰が喋っているのか分からない。NPCの台詞が続けて表示される事もある。 ---絵が表示される部分が余白になり、そこにキャラ名を書けば良かっただろうに。 -ラスボス戦 --本作の難易度は低めであるが例外的にラスボスとの3連戦の1戦目だけはかなり強い。平均クリアレベルの30強程度ならラスボスの使う「オメガメテオ」でパーティが一撃全滅してしまう。一応オメガメテオの使用率はそこまで高く無く、オメガメテオを使われなかった場合、順当な難易度であるのは救いではあるが。 --因みに2戦目の相手は負ける要素が皆無な程弱く、3戦目はオメガメテオを使われなかった場合の1戦目と同程度の強さである。そのため1戦目さえ切り抜ければ勝利するのは難しくない。また、シナリオ中2戦目以降の相手よりも1戦目の相手の方が強敵である様な扱いを受けているが、実際の戦闘でも上記の様にその通りになってしまっている。 ---- **総評 ストーリーの本筋は悪い魔女に連れ去られた憧れの王子様をコルネットが助けに行く、というシンプル極まりないもの。~ 展開自体にどんでん返しはなく、目的も最後まで変わらない。また戦闘のシステムの関係上、RPGとしてのテンポもあまりよろしくない。~ だが、上述した演出の数々、そしてシナリオの妙が相まってPSの名作RPGとされている。~ 日本一ソフトウェア作品のシナリオは賛否が分かれ易いが、本シリーズのシナリオは紛れもなく本物である。~ そのシナリオを彩るキャラクターたちも実に個性的で好感を持つことができ、それぞれ物語の中で生き生きと動いている。~ ~ 後に同社の看板作品となる『[[魔界戦記ディスガイア]]』などへの影響も決して小さいものではない。~ ---- ---- **その後の展開 -おまけディスクつきの廉価版『マール王国の人形姫+1』が1999年9月に、同年11月にコルネットの娘・クルルが主人公となる続編『[[リトルプリンセス マール王国の人形姫2]]』が発売された。そして2000年12月には第3作品目となる『[[天使のプレゼント マール王国物語]]』が発売された。デュアルショック操作にも対応している。 -海外では『Rhapsody: A Musical Adventure』の名称で発売された。サウンドトラックも同梱されており、難易度選択やミュージカルの音声切替、振動・ポーズ機能も実装されている。同梱のサウンドトラックは後に日本でも逆輸入販売された。 -2005年にはドコモ用携帯アプリに移植され、2006年にゲームアーカイブスでの配信が行われ、2008年に[[DS版>マール王国の人形姫 天使が奏でる愛のうた]]が発売された。 --ちなみにこの携帯アプリ版では戦闘システムが『2』と同じ形式になり、ゲームテンポが大幅に改善されている。 --なお、大した問題ではないがゲームアーカイブス版は『+1』にて追加されたデュアルショック操作には対応していない。 -天使のプレゼント以降新作が出ない状態が続いていたが、2009年10月にマール王国シリーズの数百年後を描く作品『[[アンティフォナの聖歌姫 ~天使の楽譜 Op.A~]]』が発売された。 -2022年8月31日にはSteamで、10月27日にはNintendo Switchで配信が開始された。Steam版の本編は日本語対応だが、別売りのアートブックは英語版のみ。 --内容は海外PS版準拠のため難易度設定などが追加されている一方、携帯アプリ版の改善要素は存在しない。 #br

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