蜘蛛座のアラクネ


「知りたければ教えてやろう。
 白銀聖闘士(シルバーセイント)タランチュラのアラクネだ!」

『週刊少年ジャンプ』で連載されていた車田正美氏の漫画『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』のアニメ版に登場するキャラクター。
「蜘蛛座」は「タランチュラ」と読む。
担当声優は 山口健 氏。

1986年アニメ版オリジナルの白銀聖闘士(シルバーセイント)
放映当時は「タランチュラのアラクネ」とカタカナのみで表記されていたが、後に各媒体で「蜘蛛座」「毒蜘蛛座」等と漢字でも表記されるようになった。
同じくアニメオリジナルキャラである教皇アーレス(の偽物*1)の指令により射手座(サジタリアス)黄金聖衣(ゴールドクロス)の所在捜索中、
黄金聖闘士(ゴールドセイント)の超能力者である牡羊座(アリエス)ムウの助力を得るためジャミールへ派遣されるが、途中ジャンダーラの秘境で星矢と対峙する。
腰を落とし前屈した、さながらクモのような構えから放つ、必殺技「タランチュラネット」のエネルギーの糸で星矢の小宇宙(コスモ)を吸い取って苦しめるが、
救援に駆け付けた鋼鉄聖闘士(スチールセイント)の翔に技を封じられ、星矢の流星拳により敗れる。

ちなみに蜘蛛座(毒蜘蛛座)は国際天文学連合による88星座には現存しない*2が、
イギリスの風刺作家兼博物学者であるジョン・ヒル氏が1754年から1768年に作った星座でその存在が確認できる。
なお、現存する虫の星座は昆虫以外を含めても「さそり座」と「はえ座」の二つだけである。

また、アラクネの名前はギリシャ神話に登場する女性が由来で、*3
芸術の神でもあるアテナに匹敵する程の織物の名手だったが、それを鼻に掛けていたため、老婆に化けたアテナに勝負を挑まれる事になる。
勝負自体は互角だったものの、アテナが神々を称賛する内容を織った事に逆張りしたのか、
事実ではあるが神々を揶揄した内容を織ったために、
遂に堪忍袋の尾が切れたアテナによってトリカブトの毒を浴びせられてしまい、下半身が蜘蛛の姿に変えられてしまった。
メデューサの件といい、アテナの怒りを買うと碌な末路にならないのはオリンポスの神だからしょうがない
ちなみに英語で「蜘蛛恐怖症」を意味する「アラクノフォビア」も彼女が由来。

(以上、Wikipediaより引用・改変)


MUGENにおける蜘蛛座のアラクネ

Erradicator氏とGemeaux氏が共同製作したものが存在。
ボイスは外国語で、キャラ名は「Araknen」となっている。
やはりと言うか蜘蛛繋がりからか、ドットスパイダーマンをベースにしているようだ。
ゲージが満タンになると紫色のオーラを纏ったり、敗北時には鎧が砕ける演出も搭載されている。
なお、DOS時代からのキャラであるため、WinMUGEN以降で使用すると色化けを起こしてしまう(こちらを参照)。
「無限小学校」などで入手可能な「CharSffDtoW」を用いて修正されたし。
他にもスプライトに抜けがあるらしく、通常投げを決めると姿が消えてしまうのが難点。

操作方法はシンプルな4ボタン方式。
必殺技は蜘蛛の糸を射出して相手を拘束する飛び道具ウェブボールcosmo web」、
昇龍拳風の対空アッパー「aracne upper」、突進パンチを放つ「aracne punch」の3つとやや少なめ。
超必殺技はもちろん「タランチュラネット」で、1ゲージ版と3ゲージ版の2種類がある。
威力も1ゲージ版が2割6分、3ゲージ版で4割超とそこそこなのだが、打点が微妙に高いのでしゃがまれるとスカる場合が多く、
3ゲージ版に至っては発射前に例のあのポーズを決めるので、普通に撃ってもまず当たらないという哀しみを背負ってしまっている。
あと、見た目が単なるビームなので原作再現度が低い(原作では「ビーム射出→ネット上に広がって相手を絡め取る」という演出)
幸い1ゲージ版は通常技からキャンセル可能なので、こちらをコンボに組み込むのが主な使い道になるだろう。
なお、原作のように相手のゲージを吸い取るといった特殊な効果は無い。
AIは搭載されていない。

出場大会

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*1
原作の設定が固まる前にアニメ化してしまった弊害で、
アニメで「教皇の弟であるアーレスが兄を暗殺して新しい教皇の座に就いた」と言う設定を出した後に、
原作で「双子座(ジェミニ)のサガが教皇を暗殺してすり替わった」と描かれてしまった。
その整合性を取るためにアニメ版の設定が変更され、
「サガが教皇補佐だったアーレスを暗殺してすり替わった後に、教皇をも暗殺してアーレス名義のまま教皇の座に就いた」となったのだ
(更にはアーレスは白銀聖闘士だという設定も存在するが、守護星座までは明言されていない。
 一応『聖闘士星矢大全』で祭壇座(アルター)が教皇補佐であると発表されているため、祭壇座が有力視されている)。
なお当然と言うべきなのか、243年前の聖戦を描いた前日譚『NEXT DIMENSION』にも、その並行世界となる外伝『THE LOST CANVAS』にも、
後に教皇となる牡羊座(アリエス)シオンに弟が居るという話は存在しない。補完の絶好の機会だったのに……。

似たような話として有名なのが白鳥星座(キグナス)氷河アンドロメダ星座の瞬の師匠問題。
詳しくは該当項目で。

他にも映画版オリジナル聖闘士と同じ守護星座を持つ別人が後から原作に登場したり、
アニメオリジナル聖闘士が「ヘラクレス猛襲拳」という技を使ったのでヘラクレス座の聖闘士なのかと思ったら、
原作で別人がヘラクレス座の聖闘士として登場してしまったために、
最終的に「アテナの聖闘士ではなく、教皇子飼いの私兵聖闘士」というパチモン扱いにされてしまったりと、当時は色々と凄かったのだ
(原作にも暗黒聖闘士(ブラックセイント)と言う勝手に聖闘士を名乗っていた連中が存在したが、
 アニメ版ではアーレス(サガ?)が教皇の名の下に正規の聖闘士と認めたと言う設定が追加されている)。
さらに、アニメではアテナ側も(アテナ公認ではあるが非正規な)鋼鉄聖闘士(スチールセイント)という連中を戦線に投入しており、
本来の「星座に選ばれた戦士達」以外の戦力を抱えているのはどっちもどっちだったりする……。

*2
88星座に含まれない星座は原作にも「地獄の番犬座(ケルベロス)のダンテ」が登場している。
そしてこの怪物ケルベロスはアテナ軍が冥界に侵攻した時に本物が登場しており、
ハーデスのペットを模した星座の聖闘士がアテナに仕えていたという事態が発生している。
一応ダンテが攻撃に使用する装身具「地獄の鋼球鎖」は「地獄の番犬を繋ぎ止めるためのもの」と言及されており、
地獄の番犬座の聖闘士は本物のケルベロス対策のために存在したのかも知れない。
そのダンテが、本来活躍すべき冥界侵攻前に内乱で死亡してしまっていたというのは残念な事であった。
ただ、ダンテの実力で本物のケルベロスを抑えられたかと聞かれると怪しい気がする、
それ以前に肝心の鋼球鎖の強度が青銅聖衣の星雲鎖に負けるレベルだし(まぁ小宇宙の差だろうが)…実は相手の神性が高いほど強度が上がるとか?

と言うか88星座の半数近くは大航海時代以降にキリスト教徒が作った新星座であり、ギリシャ神話とは無関係だったりするのだが…
(そもそも所謂「プトレマイオス(トレミー)48星座」にギリシャから見えない南天の星座は存在しない。十字架がモチーフの南十字座はその代表例だろう)。
さらには『Ω』では見習い(学生)の時点で聖衣を貰えるため、青銅聖闘士だけで88人を超えそうな勢いである。
聖衣修復士である牡羊座の貴鬼(シオンの孫弟子)がアテナの命を受けて新作を創ったと言う事なのだろうか?
そして小宇宙が弱くて聖闘士の学校・パライストラに入学さえ出来ない人間は鋼鉄聖闘士として現代科学で作られた鋼鉄聖衣というパチモンを着て戦っている

また、アスガルド編に出てきた神闘士達は別の神話とは言え神話由来なのでまだ良いが、
冥闘士(スペクター)「天英星バルロンのルネ」に至っては、1981年発売のコンピュータRPG『ウルティマ』に登場する悪魔バルロンが元ネタである
(バルロン自体も『指輪物語』に登場する悪魔バルログがモデルだが、それでも1954年である)。
ハーデスは神話の時代に「遠い将来の人間が執筆する小説を元ネタにしたコンピュータゲームのキャラ」をモデルに冥衣(サープリス)を作らせたのだろうか?
なお聖闘士の方も前述の通り星座の半数近くが新星座のため、『ギガントマキア』や『Ω』に登場した六分儀座(セクスタンス)の元ネタが1731年の発明品だったりする
(六分儀の元ネタである四分儀なら古代ギリシャから存在していた。
 なお六分儀座と八分儀座(八分儀は六分儀の前年に発明)は現存するが、四分儀座は現存しない星座である(本シリーズに登場したのは六分儀座のみ))。

*3
本作では他にも美の女神アフロディーテの名が男性の黄金聖闘士に使われていたり、
天界編で美の女神アフロディーテを出す際はどうするつもりなのだろうか。『リングにかけろ』の時のようにビーナス名義で出すとか?
男らしいキャラ造形をされているアイオリア実は女性名だったりする
そもそもアイオロス(本作ではアイオリアの兄)の女性形がアイオリア)。
なので、この漫画で名前の性別を深く考えてはいけない。そもそも星座の性別さえ適当だし
(本来、水瓶座は「水瓶を抱えた美少年」のはずなのに、技のカットインでは「水瓶を抱えた美女(not美少女)」が登場している)。


最終更新:2024年12月29日 14:19