リゾット・ネエロ


「オレはおまえに……
          近づかない」

荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』の登場人物でスタンド使い
元暗殺チームのリーダーで劇中最後に残った一人。1974年、シシリー生まれの28歳。
名前はイタリア語で「イカスミリゾット(雑炊)」の意味。
ちなみに第二部でスパゲッティネーロ(イカスミのスパゲッティ)が出てきた事もあったりするので、
古くからの読者は既視感を覚えた…かもしれない。
イカスミが由来だからか全身を黒ずくめに基調し、ベルトチックなバストデザインとボーダータイツで〆た服装。
愛用のフード風の帽子も真っ黒。上の画像にチラッと見える球はフードのアクセで、全部7個付いている。
球にはアルファベットが1つ、大きく彫られている(文字はそれぞれリゾットのスペルであるR、I、Z、O、T、T、Oの7つ)。
そして白目も真っ黒

+スタンド「メタリカ」

「『当たり』だ…
    だが、我が『メタリカ』の正体を知ったところで…もう遅いんだぞ。
      すでにおまえはな…………出来あがっているのだからな!」
破壊力 - C スピード - C 射程距離 - C
持続力 - A 精密動作性 - C 成長性 - C
彼自身の体内に潜んでいるスタンド。名の由来はアメリカのヘヴィメタルバンド「Metallica」から。
形は映画『もののけ姫』に登場するコダマのような無数の群体で、数あるスタンドの中でも非常に奇妙なもの。
鳴き声を発するので多少の自律性があると思われるが、基本的にリゾットの意思通りに能力を発動出来る。
また、その「ロォォド」という奇妙な鳴き声もMetallicaのアルバム「LOAD」から取っていると思われる。

能力は磁力を操り相手の血液内の「鉄分」等、あらゆる鉄を操作でき、砂鉄を身に纏い周囲の風景に溶け込む事も可能。
血液中の鉄分を操ってハサミやカミソリ、針といった刃物に変化させ、肉体を内側から破壊するという非常にエグい攻撃方法も可能。
仮に刃物で死ななくても、血中の鉄分は当然失われるため、
血中の鉄分によって酸素を運搬している人間及び生物は酸欠で死ぬという、とても厄介なスタンドである。
また、周囲の無機物からも鉄分を集めて凶器を生成出来るため、暗殺には持ってこいの能力。
……ちなみに実際には血中の鉄分量はごく僅かで、ハサミどころか針一本作るにも足りない程度なのだが、
その辺りのツッコミは野暮というものだろう。
HBの鉛筆をベキッ!とへし折ることと同じようにッ スタンドを操るということは出来て当然と思う精神力なんですぞッ!
まあ、砂鉄にした所で隠れるほどの量を集めるのは大変なので、スタンドエネルギーで掌握した鉄の量を増す事が出来るのかもしれない
(事実、第三部のストレングスはスタンドのエネルギーで小舟を巨大な船に変えたり、
 ホイールオブフォーチュンも愛車を実物大以上のサイズに変化させている)。

彼が14歳の時、いとこの子供が飲酒運転による自動車に轢かれ死亡。
社会はドライバーを数年の刑で済ませたが、彼は決して許しはしなかった。
4年後 18歳の時そのドライバーを暗殺。以後リゾット・ネエロは裏の世界で生きる事となる。
21歳の時「スタンド使い」となり、チームの一員となると組織の脅威となる者は、
だろうとアメリカのギャングだろうと全て排除してきた。失敗は一度も無い。
しかしチ-ムが評価されない事に反感を抱いていた矢先、ボスの正体を調べていたチームの内2名が処刑され、
リゾットのチームはボスの娘であるトリッシュの噂が流れるまで「首輪」を付けられた状態になっていた。

+「暗殺チーム」とは
イタリア各地で活動するギャング組織「パッショーネ」に所属するチームの一つで、その名の通り暗殺を専門とする。
任務の性格上常に危険が伴い、身内からも汚れ役扱いされる割に報酬が安く、特にこれといった地位も与えられなかった。*1
そのため、自分達の仕事が正当に評価されていないという不満を抱えていたのだが、ディアボロは彼らの要求を断ったばかりか、
秘密にしていた自分の正体を探っていた当時の暗殺チームのメンバー、ソルベとジェラートを捕らえ、
見せしめとしてソルベを生きたまま輪切りにし、ホルマリン漬けにして彼らに送り付けた
(ジェラートはその時の様子を見て、絶望とショックのあまり窒息死した)。
仲間を惨たらしく殺された事やボスの正体を掴む鍵かもしれない彼の娘のトリッシュの存在を知った事で暗殺チームは離反を決意。
ボスの秘密を探るため、トリッシュを巡ってブチャラティ達と戦う事になる。

ちなみにアニメのオリジナルシーンでその報酬が明確に描写されており、その時の額は2000万リラ。
当時の紙幣価値を日本円で換算すると120万円で、これを九人で分け合うのだから、離反されても仕方がない気がする。

……ところが、リゾットだけはもう1つの首輪を付けられていた。「空気」という名の首輪が。

+原作でのリゾットの存在(ネタバレ注意)
ジョジョ5部はジョルノチームVS暗殺チームという流れが物語の序盤後半~中盤までをしめている。
コミックスでいうと49巻後半から56巻の前半あたりまでずっとこの流れなのだが、リゾットはこの時期、完全に出番無しだった。
というか初めてリゾットの存在が確認されたのは、コミックス54巻に出てくる暗殺チームメンバーの何気ない、
「リゾットにはもう連絡したからそこで待ってろ!」みたいな台詞だけ(一応シルエットらしき絵は出てるが、明らかに別人ぽい)。
しかもこの時のリゾットは暗殺チームのリーダー的存在とは一言も語られていなかった
リアルタイムでジョジョを見た読者は「ああ、まだリゾットっていう敵が残ってるんだなー」ぐらいの印象だったはず。

そしていよいよ暗殺チームの残党がリゾットだけになり、いよいよリゾットがベールを脱ぐ時がやってきた。
……が、トリッシュをボスの許に届けるという任務も終わりを迎えたので、出番は無かった
ボスから離反し、追っ手から逃げる事になったジョルノチーム。
ジョジョを読んでる人ならば「コイツとかコイツの例もあるし、その内出るだろ」
と、思っていた、はず(連載当時は2chのJOJOスレも出来てなかったので)。
しかしリゾットが出ないままドンドン進む5部。正直、リゾットが絡む暇が無いくらい。あれよあれよと進む冒険。

……リゾットの名前が確認されてからおよそ半年

1997年ある日の事。
当時週刊少年ジャンプのジョジョ第五部と共に連載されていた短期集中コラム「気分はJOJO」の質問コーナーにて。
※「気分はJOJO」は、1997年のジャンプ37・38号から45号、47号。1998年は2号、4・5号から9号までの全21回。

「リゾットのこと、先生は忘れちゃったんですか?」

読者からすれば敵の四天王がまだ3人しか出てないのに4人目より先にラスボスと戦ってる」状況だったのでこう言われても仕方が無い。
そして読者質問に対する回答は↓だった。
「リゾットの出番はちゃんと考えていますよ。その内出てくると思いますので」

なんという用意されていたかのような返答。
そして、そこから更に大体3ヵ月後。コミックスにして58巻である。実に4巻ぶり。
『ジョジョ』に限らず少年漫画では「忘れた頃に懐かしい奴が再登場」というパターンがよくある。
だが「まだ登場してないのに、懐かしい奴」は出番を焦らしたり、いなくても問題ないようなキャラを除けば多分リゾットが初。
しかもチョイ役とは思えない立場のキャラで。
そして遂に姿を現したリゾットは、そのベールを脱ぎ、読者の脳裏に衝撃を叩き込んだのである……。

+時事ネタ的余談
この頃同時期に連載されていた『世紀末リーダー伝たけし』では、長い間出番が無かった「ゴン蔵」というキャラが再登場している。
完全に放置されていた『たけし』長期シリーズの「マミーファミリー編」が終了し、息抜きのギャグ回(1997~1998年頃)で登場。
その時のゴン蔵は泣きながら「冗談じゃねえよ。どんだけ出番なかったと思ってんだよ……半年だぞ半年……」と作者に怒っていた。

+そんな苦労の多い彼の結末(ネタバレ注意)
自分以外の暗殺チームメンバーの全滅を悟ったリゾットは、ジョルノチーム襲撃の予定を変更し「待ち」の姿勢に入る。
その隠れっぷりはディアボロが組織の情報網を駆使しても居場所が割れないというレベルであった。
しかしリゾットは復讐を胸に秘めて、ボスとジョルノチームへ探りを入れ続けていたのだから驚きである。

ある日、リゾットはディアボロが生まれ育ったとされる場所へ向かう途中、偶然にもドッピオ(ディアボロの別人格)と遭遇。
付近を飛んでいた、ジョルノチームメンバーのスタンド「エアロスミス」のスタンド音をドッピオが聞いていた事に気付き、戦闘になる。
戦闘を続けていくうちに、リゾットはドッピオがディアボロにとって重要な人物である事に勘付いていく。

死闘の末に追いつめるものの、ドッピオ=ディアボロの策略によりエアロスミスの攻撃を誘導されて重傷を負い、
その状態からも、更にディアボロに対してエアロスミスを利用した相打ち狙いの攻撃をし返したものの、
それもディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」の能力で回避され、敗北・死亡してしまった。
ディアボロの秘密(二重人格者)に気付きながら死んでいったリゾット。
彼があんなに待ち望んでいた決定的なボスの情報、その代償は彼本人の命であったという皮肉。気高さを抱いたままの最期であった。

「今度はオレが…利用する番だ
    『エアロスミス』を…くらえ……!!」

……そんな彼の最期のシーン、『ジョジョ』にはよくある事だが、しっかり台詞が誤植されている。
ただ、その誤植内容については割と誤解が広まっており(事実、本項でも誤った事実が書かれていた)、
「誤植されている」と言う事実が一人歩きしていたりする。

誤解の内容は死に際のセリフが「ひとりでは…なねぇっ……」となっている、と言うもの。
だが実際はきちんと「ひとりでは…死なねぇっ……」となっている。
実際の誤植はその直前、ディアボロに聞き取れないほど小さな声で口にするシーンで、
「は…なな……」と書かれており、明らかに「(ひとりで)はしなな(い)」の誤植である。

しかし、相手がディアボロ本体ではなくドッピオであったとはいえ、
ジョルノ達でも数人がかりで戦わざるを得なかった相手をタイマンで追い込み、
そしてディアボロがドッピオのもう一つの人格である事に作中で最も早く気付くなど、
暗殺チームのトップに相応しい活躍を見せてくれた。
死にかけても決してディアボロの脅迫に屈さず、道連れにしようとしたその誇り高き最期には、
基本的に他人を見下しているディアボロですら「見事だ」と賛辞を贈った。
その一方、現場でたまたま飛んでいたエアロスミスのおかげでドッピオの正体に気付いて追い詰める事が出来たものの、
最終的には、そのエアロスミスとの能力の相性が最悪中の最悪だったために
(呼吸による二酸化炭素を感知するので、隠れたリゾットを検出して一方的に攻撃出来る。
 かたや、ディアボロはリゾットのスタンドで鉄分不足になったために、呼吸が弱まり検出されなかった)、
ディアボロに利用されて敗北する展開により、スタンド使いの戦いでは単純な力だけでなく、
能力の相性や窮地すら逆転の活路にする本体の知性も重要である事を読者に改めて知らしめる役目も果たした。

しかし、主人公一行とはほとんど接点が無いため、ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』では大幅に出番が削られている。
人気の高いキャラにもかかわらずデモムービーにしか出ていないのが惜しまれる。

『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』にいたっては、スタンドが鳴き声繋がりでロード画面の端っこに出てくるだけという始末。
とはいえ、頻繁に見るロード画面に出られたのはある意味幸運なのかもしれない。本体は影も形も無いが
暗殺チームリーダーの明日はどっちだ。
…なんて言ってたら『アイズオブヘブン』ではプレイヤーキャラにはなれなかったものの出番が貰え、
ネエロ(黒)だけに 黒田崇矢 氏が声を務めた。

TVアニメ版ではダニエル・クレイグの吹替等で知られる一方、
『ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア』でマッを演じた 藤真秀 氏が声を担当。
暗殺チームの一番手・ホルマジオの回想シーンから登場と、早い段階で出番を貰っただけでなく、
ソルベとジェラートの死を悼みながらも残ったメンバーにこれ以上危険が及ばないように、
「2人の事は忘れろ」と指示して帰らせ、自身は最後まで葬儀場に残って喪に服すなど、リーダーとしての姿も描かれている。

そんな具合にジワジワとキャラの露出と人気を得ていった2021年、
ジョジョキャラでやるPUBGことアーケードゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 ラストサバイバー』にて、
遂にプレイアブルキャラクターとして参戦
参戦PV

原作通り姿を完全に隠す「砂鉄の迷彩」、体力を自動回復する「磁力の縫合」
逆に相手へスリップダメージを植え付ける必殺技「メタリカの侵入」と、
不要な戦闘を避けて生き残るバトルロワイヤルな同作と彼の能力・戦法とがガッチリと噛み合い、
暗殺チームリーダーの面目躍如とも言うべき性能に仕上がった。
反面、通常攻撃である射撃には透明化を解く「構え」が必要(この人とかこの人の射撃に近い)であったり、
「メタリカの侵入」の射程が近距離型並といった具合に、真正面から戦うには技性能に難がある。
隠密と暗殺を徹底しよう。


MUGENにおけるリゾット・ネエロ

メタリカ氏がおよそ2年の歳月をかけて製作したリゾットが存在する。
声はドラマCDからポルナレフと同じ根岸朗が使われている。
メタリカで作ったナイフを飛ばしたり設置したりする他、原作のように姿を消す事も可能。
また一部の必殺技(体内攻撃)はガード不能だが、味方もダメージを受けてしまうためタッグ戦にはやや不向きである。
スパコンは当身、大量のメスと、前述のエアロスミスを召喚し相手を攻撃させるものがある。
原作ではエアロスミスに自分ごと撃たせようとしたが、MUGENでは自分にダメージは無い。
ちなみにボタンによってスパコンの攻撃方法&演出が異なり、エアロスミス召喚ではリゾット本体が掴みかかるバージョンも。
そして、前述のガー不攻撃はリーチが長すぎるのに隙が全くと言っていいほど無かったのだが、更新により大幅に隙が大きくなり弱体化した。
それでも複数のガード不能攻撃を含む多くの使い勝手の良い技を持ち、劇中の実力に見合ったかなりの性能を誇る。
最新版(2011年4月28日更新)ではジョルノブチャラティマグニートー、そしてまだMUGENに参戦していないドッピオなどに対する特殊イントロがある。

AIもデフォルトで搭載済み。
画像の無断使用は禁止だがAIなどの製作は自由との事で、おまけの人氏とオレオ氏がAIパッチを公開している。
後者を導入するといくつかのバグも修正されるようだ。
ニコロダにも有志製作のAIがアップされていたが、閉鎖により現在はDL不可。

おまけの人氏のAIはいつもの氏らしく全く自重せず、金ジャスティスくらいならハメ殺してしまう。
しかし、前述の弱体化によりそれは厳しくなった(それでも強キャラ程度ならハメられるのだが…)。
開幕と同時に姿を消して遠距離からガー不攻撃を容赦なくかましてくるため、人操作だと軽くドッピオの気分を味わえる。
(更新により姿を見せるか見せないかは設定出来るようになった)
また近寄って殴っても当身(投げすら取れる)で返されるため、正攻法での撃破は難しい。ガー不攻撃の隙を突こう。

オレオ氏のものはガン攻め接近戦よりの戦い方で、姿を消す事もほとんど無く、消してもすぐに出てくる。
ガー不攻撃の使用条件も設定可能であり、最大設定でも単体でのぶっぱはしない。
しかしガード不能技以外も色々とぶっ飛んだ性能をしており、
設定次第では10割コンボまで使ってくるため、こちらはこちらで自重していない。
デフォルトAIの挙動(3:45~)

+頂上対決チームトーナメントIIネタバレ注意
動画使用禁止となってしまったアイウェン・イーゼの代わりにナイフチームとして参戦。
動きにムラがあり序盤はパッとしなかったが、試合が進むにつれ大将相手に勝利するようになったりと、副将としての仕事をちゃんとこなしていた。
+さらにネタバレ注意
決勝ブロックにおいて、Physalis_Fをタイマンで下すというまさかの快挙を成し遂げる。
お互い調整されていたとはいえ相手は予選でも圧倒的な勝率を誇っていただけに、動画作者からしても予想外だったようだ
(とはいえ、ナイフの大将も同じくらいヤバい戦績だったのだが)。


「勝ッた!!頭を切り飛ばすッ!
    とどめだ、くらえ『メタリカ』ッ!」

出場大会

プレイヤー操作

アルで昇華(part11 アルで磁力を昇華)


*1
薄給については一応理由があり、縄張りや高額の報酬を与えると目立ってしまい暗殺チームの隠密性がなくなってしまう、というもの。
また暗殺向けのスタンド能力者が揃っている上に、任務達成のために政界や裏社会の情報を得る機会が多かったため、
反逆を警戒したパッショーネのボス、ディアボロが暗殺チームに力を付けさせないようにしていたという説もある。


最終更新:2021年10月25日 09:14