+ | 武装 |
頭部両側に装備された実体弾式の機関砲。
デスティニー唯一の実体弾兵装で、PS装甲を持つMSなどには効果は低いが、対人制圧やミサイル迎撃には効果を発揮する。
インパルス用のMA-BAR72の改良型で、ハイパーデュートリオンからの電力供給により、出力と連射性能が大幅に向上している。
両肩に装備された簡易ドラグーン(脳波誘導)式のビームブーメランで、ソードインパルス用の同装備の発展型と言える武装。
ビーム刃を延長する事でビームサーベルとしても使用可能(本機に通常型のビームサーベルは装備されていない)で、作中でも何度か使用されている。 また、一般的なMSであれば一撃で破壊するほどの攻撃力を有する他、 飛び道具ではあるもののビームサーベルの範疇なので、ビームライフルを跳ね返す
両掌に内蔵されたビーム兵器で、相手に密着した状態――ゼロ距離からの格闘攻撃という特殊な運用が出来る点が最大の特徴と言える。
攻撃力も高く、「オペレーション・ラグナロク」では本装備による攻撃でGFXS デストロイの頭部を粉砕した他、戦艦クラスの目標でも破壊可能とされる。 パルフィオキーナはイタリア語で「掌の銛」の意味。
ハイパーデュートリオンからのエネルギー供給による大威力と射程に加え、連射性能にも優れる大型ビームランチャー。
その性能はブラストシルエットを含む、既存のMS用ビームランチャーを遥かに凌駕しており、対艦戦や対要塞戦だけでなく、 対MS戦においても高い運用性を誇る。 しかし、機体の全高を超えるサイズを持つため、非使用時は折り畳まれて背部左側に格納される。 ……SEEDシリーズの兵器の名前は神話が元ネタだったりドイツ語、イタリア語の名前が付けられている事が多いが、 この武装にはそうした
ソードシルエットの装備であるMMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀の発展形とも言える格闘兵器。
ビーム刃と実体刃の双方を有し、劇中ではデストロイガンダムを一刀両断する凄まじい威力を誇った。 通常はM2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲と同じく、折り畳まれて背部右側に格納され、使用時に展開する。 超大型の格闘兵器で、これほどのサイズを誇る格闘兵器を使いこなすには、パイロットに高度な操縦技術を要求される。
名前の由来は円卓の騎士の一人ランスロットが所有していた聖剣。
…インパルスのエクスカリバー(アーサー王の聖剣)より格落ちしてるのでは?などと言ってはいけない。 一番カッケー名前を最初に使ってしまったため、新型になる程名前の格が落ちたりするのは現実でもよくある話である。*2 穿った見方をすれば、 本機の初陣や本作の今後の展開を考えると、シンのこれからの運命を表したネーミングとも取れるかもしれない。 一応、ランスロットは円卓の騎士の中でも最強とされていた実力者であり、剣の性能はともかく本人の腕前はアーサー王を上回るとされる。
両腕の手甲部に発生装置が内蔵されている。
モノフェーズ光波シールドの改良版とも言える装備で、ビーム、実体弾の双方に高い防御力を発揮する。 シールド内部からの攻撃も可能な上、形状を任意に変更できるため、即応性に優れる。
ビームコーティングが施されており、腕部に装備するために広範囲を防御出来る。インパルスの機動防盾と同じく伸縮機能を備える。
ビームシールドとの併用も可能だが、その際は伸長しないで用いられる。
また、背部の翼状のユニットはフリーダムガンダムの翼を改良・発展させたものであり、これによって大気圏内外を問わず高い機動力を確保出来る。
加えて推進機関には連合・ザフトその他の国家群が深宇宙の探査・開発を目的として設立していた 深宇宙探査開発機構D.S.S.Dが開発した推進システム「ヴォワチュール・リュミエール」の近似種を採用しており、 この起動中は背部推進ユニットより「光の翼」が展開され、更に高い機動力を発揮する。 更にミラージュコロイドの発生・散布システムも組み込まれており、高機動時には周囲の空間に自機の光学残像を発生させる事によって相手を幻惑させ、 被弾を減らす事も可能。
(RG 1/144 デスティニーガンダム 説明書より引用、改変)
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+ | 劇中での活躍 |
番組タイトル名でもあるデスティニーの名が付けられ、正に主役機と言わんばかりの機体なのだが……。
最初に言っておくと、劇中での活躍は主人公機とは思えない程「不遇」の一言である。 登場当初こそ新しいガンダムという事もあって、戦績も目覚しいものであった。具体的な例を挙げると、
……が、これだけである。
特に最終戦でもあるメサイア攻防戦ではアスランの駆るインフィニットジャスティスガンダム(以下∞ジャスティス)と交戦するも一方的に敗北、
デスティニーも大破するなど主人公機であるはずが、まさかの元上司にして前作ライバルキャラに足蹴にされて終戦を迎えるという結末を迎えた…ありえん。 そもそも上記の活躍もそれぞれぶっちゃけてしまうと、
活躍内容がどう見ても敵側の強いやられ役のような立ち位置にしか見えない。
更には主人公機であるにも関わらずOPのタイトルバックを飾った事が一度も無い (第1~第2クールはシンのフォースインパルスだが、第3~第4クールはキラのストライクフリーダム)、 果ては設定上有り得ないエネルギー切れを起こしかけるなど、アニメスタッフにすら見放されたとも言えるような状態に……。*3 もはや主人公機と言うよりはこちらがラスボス機だったという方が正しいだろう。
いくつかフォローすると搭乗者であるシン・アスカは、
などの実質的な汚れ仕事を強いられていた上に、精神的にも不安定になっていたため本来の実力を発揮する事が出来ず、
逆に戦う意思を明確に固めたキラやアスランにその隙を突かれてしまった、という点が大きい。
だが実際の所、デスティニー自体はかなり完成された機体であると言えるだろう。
武装が豊富で尚且つ、コンセプトでもある「一機で複数機分の戦力を有する事で、どんな状況下においても戦闘をこなす事が可能な機体」 というものをちゃんと守っているのである。 また、本機はストライクフリーダムと同様に機体各部の装甲は内部骨格の動きに連動して可変・移動する構造を持っているのだが、 こちらはデュランダルの直属というだけあってシンのこれまでの戦闘データを踏まえ、より実戦的かつ緻密な調整を行える環境となっている (対するストライクフリーダム側は地下組織が保有している事もあって人員も設備も乏しく、 キラの戦闘データを信頼して機動性特化の調整をせざるを得なかった)。 最後は両腕を破壊され末に撃墜された事もあり、主力武装であるアロンダイトと長射程ビーム砲など腕を使わなければ使用出来ない武装ばかりな事に対し、 「両腕を破壊されたら頭部のバルカンしか使えず実質戦闘不能」と言われる事も多いが、 それを言ったら大半のMSが該当してしまう(とは言っても長射程ビーム砲ぐらいは手を使わずに撃てても良いのでは?とは思うが)上、 そもそも両腕を破壊されたなら素直に撤退するべき、という意見も多い(尤も最終決戦である以上は撤退なんて出来なかったわけだが)。 対艦戦や対MS戦も自前の武装でこなせ、機動性能も最高クラスというとんでもない機体であるため、 操縦者が落ち着いて状況を判断出来ればそうそう負ける機体でもないのだ。 にも拘らずエース機相手に対MS戦で負けてしまうのは、搭乗者の精神的な動揺が大きいのだろう。 ストライクフリーダムや∞ジャスティスに呆気なくあしらわれているイメージはあるが、真正面から戦う際は両機共に自分から攻める描写は少なく、 戦いの決め手はデスティニーが突撃してくる一瞬の隙を突いたカウンターが多い事からも、キラとアスランも言われる程に余裕で倒したわけではない。 CE世界最強格の二人が対策しないと倒すのが困難な相手故に、 冷静に戦う事が出来た場合は他媒体のような展開も十分に起きる可能性があったのは間違いないだろう。
余談ながら、武装に持ち替えが必要と言われるデスティニーだが、
全ての武装は片手で容易に保持可能であるため、近接武器を持ったままビームを撃つというのは可能である。 実際に劇中ではアロンダイトを持ったまま高エネルギー長射程ビーム砲などで砲撃するシーンや、 ビームライフルを撃ちつつパルマフィオキーナで追撃を掛けるシーンが存在する (さらに言えば上記4機に近接武器と射撃武器を併用するシーンはドラグーンを除き特に無い)。
またデスティニー自体がそもそも地球連合のロゴスを相手にしたデストロイやザムザザー、ゲルズゲーなどの大型機、MA戦を主に想定して作られており、
デスティニーに匹敵する超高性能MSに乗った対エース戦までは想定されていなかったという意見もある。
実際にはビームサーベル(フラッシュエッジ2)やビームライフルなどオーソドックスな武装は一通り揃っており、
さらにデスティニーの運動性を以てすればアロンダイトを軽々と振り回す事ができるので、対高性能MS戦も互角以上にこなせる。
アニメ版では上記のような散々な扱いだったが、コミックボンボンに連載されていた高山瑞穂氏のコミカライズ版では、
シンによりOSの改良を施された事もあり、最終決戦ではアスランでも捉えきれない程の凄まじい機動性能を発揮し、 翻弄しただけでなく∞ジャスティスの片腕を破壊して月面に叩き落し、あと一歩の所までアスランを追い詰めている。 その後の展開も∞ジャスティスの機体特性を活かした二段構えの策に紙一重で敗れたという形になっており、 シン本人もアスランの強さを称えるなど、両者の強さを引き立てるような最終決戦として描かれていた。
またガンダムエースで連載されていた久織ちまき氏による、
アスランを主人公として描かれた『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE』においても、 最終決戦において∞ジャスティスの片腕を破壊している。 ただこちらはザフトにいた時期にアスランがシンに対して善意から掛けていた忠告が、 シンを絶望させ、精神的に追い詰めていた事に気付いた事から、ショックのあまり無防備な隙を晒してしまったという面もある。 同時にシンもアスランに反発するだけでなく、自分なりに彼の忠告を受け止めていた、という形になっている。
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+ | 外部出演 |
ゲーム『Gジェネレーション』シリーズや『スーパーロボット大戦』シリーズ、『ガンダムVS.』シリーズにも登場。
ほぼインパルスの項目と被るものの、こちらも基本的にはインパルス同様原作の不遇っぷりが嘘のように解消されている。
『Gジェネレーション』シリーズでは、コンセプト通りの性能を存分に発揮できる。
アロンダイト、フラッシュエッジの近距離、ビームライフルの中距離、長距離の高エネルギービーム砲と隙が無い。 弱点は武装がビーム兵器に偏っているため、対ビームコーティングや水中にいる機体に弱く、そうなるとパルマのみしか有効打がないという場合もある。
ガンプラを扱ったホビーアニメ『ビルドファイターズトライ』では、イズナ・シモンが弟の作ったガンプラとして登場。
そのエピソードのタイトルは「素組みのシモン」。 素組みであるにも拘らず、ボクサー経験をガンプラに落とし込んだ己の技のみで勝ち進み、 トライファイターズやカミキ・セカイと死闘を繰り広げるという強者っぷりを発揮。 デスティニーの扱いも少しは報われたと信じたい。
同じく、ガンプラを題材としたアニメ『ビルドダイバーズ』では、
ガンダムアストレイノーネイムとの激闘で大破したガンダムダブルオーダイバーエースを受け継ぐ形で、 ダブルオーガンダムを中心に本機をはじめ他作品のガンダム系列の要素を加えられた結果、ガンダムダブルオースカイが誕生した。 また、短編アニメ『ガンダムビルドダイバーズ バトローグ』では、 イベントバトルにてランダム選出された機体(ガンプラ)として登場。『Re:RISE』のメインキャラクターであるカザミがパイロットを務め、 カザミが師匠と仰ぐキャプテン・ジオンの駆るゴッドガンダムと激闘を繰り広げた。 最後はパルマフィオキーナ対ゴッドフィンガーという夢の対決を実現させ、双方ダメージ過多によって引き分けとなる。 |