ベン・ライリー

マーベルコミックの代表作『スパイダーマン』に登場するヒーロー。
ヒーローとしての名前は主に「スカーレット・スパイダー」が有名だが、
この名前で活動した人物が複数いたり、「スパイダーマン」名義で活動した時期もあるので本名で項目を作成する。
スパイダーマン史上最悪のエピソードとして今も尚悪評を語り継がれる「クローン・サーガ」の主人公にして、その最大の犠牲者である。

初出は1974年の『Amazing Spider-Man #149』。
「ジャッカル」というヴィランによって創り出されたスパイダーマンのクローンであった。
本物と全く同じ記憶を植え付けられ、同じコスチュームを着て本物と対決。
どちらも自分が本物だと信じて疑わずに戦う事になったが、ジャッカルが仕掛けた爆弾に吹き飛ばされて片方が死亡。
「生き残った方が本物、死んだ方がクローンだったのだろう」という事でその場は収まった。
ここで終わっていればよくあるエピソードの一つに過ぎなかったのだが……。

+その苦難の歴史(ややこしいので注意)
+どんでん返し第1回
実はクローンは死んでいなかった!
しかし本物と再び戦う事はせず、伯父のベン・パーカー、伯母の旧姓メイ・ライリーから取ってベン・ライリーと新たな名を名乗り、
ニューヨークを離れて放浪する。
「自分は本物では無い、無価値なクローンに過ぎない」というコンプレックスを抱えていたり、
旅先で新たな人との出会いや経験を重ねる事でオリジナルであるピーターとは違った人格・個性を形成していく。

数年後にメイおばさんが危篤に陥ったと知り、ニューヨークに帰還。
再会したピーターと戦う事になってしまうが、最終的に二人は和解できた。
そしてスパイダーマンの協力者となる新ヒーロー、「スカーレット・スパイダー」としての活動を開始する。

しかし……。

+どんでん返し第2回
調査の結果、驚愕の事実が判明する。
実はこれまでクローンだと思われていた方が本物で、本物だと思われていた方がクローンだったのだ!!
この衝撃の事実を知ったピーターは一時錯乱してしまい、なんとか落ち着いた後も深刻なスランプに陥ってしまう。
そして妻のメリー・ジェーンが妊娠したのを期にピーターはヒーローから引退。
ベンは彼からコスチュームを受け継ぎ、ここに二代目スパイダーマンが誕生したのである。
ヒーローとしての能力はこれまでのスパイダーマンと同様で、さらにウェブシューターを独自に改良、インパクトウェブなど新武器を開発している。

DCコミックスとの対決企画『Marvel vs. DC』がこの時期に行われており、スーパーマンと共演。
デイリー・プラネット社とデイリー・ビューグル社が融合してしまい、新聞記者クラーク・ケントと出会った時には、
「本名はベン・ライリーだが、ペンネームのピーター・パーカーと呼んで欲しい」という事にしてピーター名義で活動した。
スケアクロウに襲われたロイス・レーンを救出してちょっといい仲になりつつ「(ケントと)婚約してるの」とすげなく断られたりしている。
マーベルユニバース代表としての戦いでは、スーパーマンのクローンであるスーパーボーイと対決。能力に勝る相手を技量で翻弄し、快勝を収めた。

オンスロート事件ではニューヨークを制圧にかかるセンチネル軍団を相手にピーターと共に戦い、多数のヒーローが倒れる激戦を生き延びた。

しかし……。

+どんでん返し第3回
またも驚愕の事実が判明する。
実はやっぱり昔から活躍していた方が本物で、一時入れ替わっていた方はクローンだったのだ!!

──考えてもみてほしい。
デビュー以来数十年間マーベルユニバースの顔として活躍していた皆の大人気ヒーローが「実は偽物だった」などと、
そんな展開を許容できる読者がどれほどいるだろうか?
この展開になってからも結構続いていたものの、やはりその評価は芳しいものでは無かったのだ。
かくしてあれは嘘だという事になり、
前回の調査結果はグリーンゴブリンが手を回した逆の診断だったという事になってしまったのだ。
そして、ベンはグリーンゴブリンとの戦いでピーターを庇って死亡。
その肉体は見る間に灰と化してしまい、ベンは本物の人間では無かった事が明らかになったのだった……。

この「クローン・サーガ」は取って付けたような後付けの連発、無定見な編集部の迷走、読者人気が悪ければ無かったことにする、
しかも死亡させられたベンは悪いキャラクターでは無かったのに、等々悪評てんこもりでスパイダーマンの最悪のエピソードとして語り継がれている。
それでもマーベル編集部は懲りる事が無く、マンネリ化したらヒーローを殺すか引退させて二代目を出し、
人気が出なかったり元のヒーローの復帰を求める読者の声が出てきたりしたらとあっさり二代目を殺して元のヒーローを復帰させる、
ついでにしばらくしたら殺した二代目も生き返らせてヴィラン化させる……等々同じようなパターンを何度も繰り返し、
その度に読者をうんざりさせ、「クローン・サーガ」の悪評が語り継がれていく……。
一応制作側も自覚してはおり、自虐ギャグとしてデッドプール「クローン・サーガよりヒデェ」と突っ込まれたりもしているが。

+どんでん返し第4回
しかもまだ終わっていなかった!!
またまたジャッカルによって再生させられたベンは肉体再生が中々成功せず、何度も死んでは再生させられ
ようやく肉体が再生できた頃には完全に発狂。
逆にジャッカルを叩きのめすと自ら新たなジャッカルを名乗り、ヴィラン活動に手を染めていくのだった……。
なんでこんな事をしたマーベル編集部。

この事件の後、再びスカーレット・スパイダーとしてヒーローに戻っていくが、ヒーローとしての自分とヴィランとしての自分との板挟みになり、
多重人格のような狂気に蝕まれてしまっている……。

そしてさらに悲惨な事に、現在のマーベルユニバースでは、
かつてベンが務めていた「ピーターに代わる新スパイダーマン」「ピーターと共に戦う第二のスパイダーマン」の座に、
編集部超推しの新人マイルズ・モラレスが収まっているため、ぶっちゃけ今のストーリーラインにはベンの居場所が無いのである。
このマイルズがどれくらい推されているかと言うと、
『スパイダーゲドン』ではピーターを差し置いて宇宙最強のパワーと異世界の超兵器を手にラスボスを倒してしまったり、
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』では主人公としてピーターを脇役に押しやってしまったりするぐらい。
かつてベンもマーベルユニバース代表としてDCユニバースと戦った事はあったが、その時はピーターが引退していたというタイミングであり、
「ピーター・パーカーと呼んで下さい」と本来の主役に譲る姿勢も見られた。
しかしマイルズはピーターを押しのける優遇を受けているキャラクターなのである。
こんな完全上位互換がいる場所に戻ってきても昔のような活躍が用意されているはずもなく、
待っていたのは悲惨なヴィラン堕ちなのは当然だったのかも知れない……。
じゃあなんでわざわざ復活させたんだマーベル編集部。

+並行世界のベン
多数の並行世界のスパイダーマンが集まった『スパイダーバース』では、「ベン・ライリーが死ななかった世界」Earth-94から参戦
(この世界のピーターが参戦していない事から「ベンの代わりにピーターが戦死した世界」の可能性があるが、あくまで推測)。
クローン体に意識を移し替えることで何度倒しても復活するインヘリターズのクローン量産工場を爆破する作戦に参加し、命を捨てて作戦を成功させた。
彼の戦いが無ければ、スパイダー軍はインヘリターズに勝つ事はできなかったのである……。

と言うわけで、またも死んじゃった。
まぁ『スパイダーバース』は有力なスパイダーマンがバタバタ死ぬ内容だからしょうがない……。


また、MARVEL世界がサザエさん時空ではなく現実と同様に時間が進んでいったら……という『スパイダーマン:ライフストーリー』では、
やはりクローンサーガが勃発し、クローンピーターはベン・ライリーとしての人生を送る事になる。
やがて実は自分こそが本物のピーターなのだという事実を突きつけられたベンは、ピーターと協議の末、互いの立場を交換して本来の自分に戻る事を決める。
だが実はこれは老境に達したグリーンゴブリンの仕掛けた、ピーターに自分がクローンだと誤解させ苦しめるための最後の罠であった。
しかしピーターはこれを見抜いており、もはやヒーローとしての人生に限界を感じていたこと、ベン・ライリーへの贖罪から、あえて策略に乗ったのだった。
そしてピーターはベン・ライリーとして家族と共に、ベンはピーター・パーカー=スパイダーマンとして順風満帆の人生を歩み出す。
けれど、その生活も長くは続かなかった。
クローンであるが故にパワーの弱かったベンは、インヘリターズの襲撃を受け、太刀打ちできずに惨死。
シヴィルウォーへの関与を避けて隠棲生活を送っていたピーターは、最大の親友の死に直面し、家族からの叱咤を受け、
「死んだのはスパイダーマンの能力を与えられた自分のクローンだった」と公表、表舞台に復帰する……。

と言うわけで、やっぱり死んじゃった。
仮にインヘリターズに立ち向かえる戦闘能力が残っていたとしてもEarth-94みたいに死ぬんだろうし、八方塞がりすぎる……。
ちなみにインヘリターズは攻撃中なら無敵解除される事に気付いたピーターの子供達が倒したので安心だ。ベンの立場は……

+原作:平井和正、作画:池上遼一による日本漫画版
MARVEL社から公式許諾を受けて連載された池上遼一版『スパイダーマン』は連載が1970年から71年にかけてのため、
1974年初出のベン・ライリーをモチーフとしたキャラクターはもちろん登場していない……のだが、
実はベン・ライリーに先駆けて「もうひとりのスパイダーマン」が登場しているので、軽く触れさせて頂く。

「スパイダーマン2」と呼ばれる彼の正体は、北野光夫という不幸な生い立ちの少年だった。
喧嘩で重傷を負った光夫とたまたま血液型が一緒だったユウは、まったくの善意から輸血を申し出て、
それをきっかけに不良ながらも不思議な魅力を持った光夫から兄貴と慕われ、二人は親友になる。
しかし輸血を通じてユウの超能力までも移植されてしまった光夫は、その事からユウがスパイダーマンだと見抜き、
彼のスーツやウェブシューターを奪い、より魅力的でスリリング、人気者のスパイダーマンとしてその立場を盗んでしまう。
当初は世間から大絶賛される光夫の方がより良きスパイダーマンだと考えて静観していたユウだったが、
光夫が結局は私利私欲しか考えず、罪なき人に暴力を振るい、都合の良い言い訳を並べ立て、身内である姉すら食い物にする邪悪な人物である事に気づき、
スパイダーセンスで「スパイダーマンの死」を予感しながらも、スパイダーマン2を食い止めるために激闘を繰り広げる。
だがその対決にスパイダーマン2が勝利したその時、光夫の体からは輸血で移植された超能力が失われ、
力の酷使によって急激に老化した光夫は、今まさに自分が殺そうとしていたユウに助けを求めながら、ビルから転落死したのだった。

「能力を移植された複製体」「悪のスパイダーマン」「より善きスパイダーマン」など、
その後のスパイダーマン展開を先取りしたかのようなストーリーであり、
多少なりともMARVEL公式、そしてベン・ライリーに影響を及ぼしたのでは……と考えられる。

まあこのエピソード掲載以前から続く鬱展開にスタン・リーはドン引きしてたらしいけど


ゲームにおけるベン・ライリー

カプコンの格ゲー『MVC』シリーズに「ベン・ライリー」名義のキャラクターが参戦した事は無い。
しかし『MARVEL SUPER HEROES』でスパイダーマンがパワー・ジェムを発動した時、モリガンのアストラルヴィジョンのように、
相手を挟み込むようにもう一人スパイダーマンが現れる。
このゲームではキャラクターそれぞれに得意とするジェムが設定されており、
キャプテンアメリカならパワー・ジェム発動で一定時間必殺技がパワーアップし、
マグニートーならスペース・ジェム発動でマグネティックフォースフィールドを展開すると言った具合に、
キャラの元ネタに合わせた強化が為されるのだが、スパイダーマンは原作で分身技を使った事など無い。
つまり、これは分かる人には分かるネタとして「一定時間ベン・ライリーが助けに来てくれる」と言う効果なのである。
また、オンスロート事件を扱った『MVC1』でのスパイダーマンがベンという可能性もある
(『MSH』のソーも原作同様ソー本人ではなくエリック・マスターソンという人物だったため、
 『MVC1』のスパイダーマンにも同じ事が言えるかもしれない)。

ところでMVCユニバース(アース-30847)のスパイダーマンが『スパイダーバース』でモーランに殺された件について、
後にライターのダン・スロット氏が「あれはクローンだったので大丈夫」と発言した、という話がある。
……それ、まさかMVCユニバースのベンじゃないだろうな。しかも仮にベンじゃなくても今度はケインかもしれない可能性が……


MUGENにおけるベン・ライリー

海外で4体のキャラが製作されている。
全てフォルダネームが重複しないよう、別の名前で作られている。

+Doom氏 & SPIDERBAT氏 & Seryy Volk氏製作 ベン・ライリー
  • Doom氏 & SPIDERBAT氏 & Seryy Volk氏製作 ベン・ライリー
ディスプレイネームは「SPIDERMAN」。
現在はDoom氏のサイトで公開されている他、「The Mugen Multiverse」でも代理公開中。

一つの圧縮ファイルの中に二つのバージョンが同梱されている。
16bit風のドットで製作されているのが特徴で、いずれもMUGEN1.0以降専用。
Ben Reilly [N Ver]の中身が「Ben Reilly」と半角スペースがあり、
Ben Reilly [ZV Ver]の中身が「BenReilly」と半角スペースが無い。
なお、[ZV Ver]にはZVitor氏のコンプゲーとの互換性を持たせているとの事。

操作は『MVC』風の6ボタン配置でエリアルレイヴも可能だが、キャラのサイズは一般的なキャラよりもかなり小さなものになっている。
必殺技はスパイダーマンとほぼ同様。
AIは、[N Ver]には起動コマンドはあるが内容を設定されておらず、[ZV Ver]は搭載されてはいるが強くは無い。
参考動画(公開サイトへのリンク有り)

+RP op氏 & Kong氏製作 スカーレット・スパイダー
  • RP op氏 & Kong氏製作 スカーレット・スパイダー
こちらもMUGEN1.0以降専用。
現在は旧バージョンが「The Mugen Multiverse」、最新版が「Infinity Mugen Team」にて代理公開されている。
ディスプレイネームは「Scarlet Spider」。
Kong氏のMVC2スパイダーマンのガワ替えと思われる。
AIも搭載されており、そのまま大会でも違和感なく使用できるが、
ただコスチュームが変わったスパイダーマンでしか無く、ベン・ライリーとしての要素が見当たらないというのが……。
せめてインパクトウェブとかスティンガーとか新技があれば……。

+Mallboro Games氏製作 スカーレット・スパイダー
  • Mallboro Games氏製作 スカーレット・スパイダー
MUGEN1.1専用。
PotS氏&Infinite氏風仕様の改変版。フォルダネームは「Spider Scarlate」になっている。そうまでしてフォルダ名重複を避けるのか……。
defファイルには1.0でも動作可能のように書かれているが、1.0で動かそうとするとsffファイルがエラーを出して読み込めない。

原型を留めていないが覇王丸を改変したものらしく、Readmeの中身が覇王丸のままだったり、コマンドファイルの技名が覇王丸そのままだったり、
覇王丸用のカラーパレット紹介用画像が丸ごと入っていたりする。
そのため、このキャラの技名が全く分からない。海外の製作者には割と良くある事なのだが、本当にこれで良かったのか……
立ち強Pのエフェクトが実に斬鉄閃っぽいのだが判定・威力共に大した事は無く、エフェクトよりも実際の攻撃判定が狭いので逆に戸惑う。

様々な新技が追加されており、超必殺技版のウェブボールは「インパクトウェブ」を連想させ、
超必殺技にはピーターを始め、スパイダーマン2099、ケイン・パーカー(二代目スカーレット・スパイダー)が現れて、
四人で袋叩きを仕掛けて、最後に皆で記念写真を撮る技がある。
まるでダークネスイリュージョンのようにベンとピーターが相手の左右から乱舞を仕掛ける様は、
前述の『MSH』でパワー・ジェム発動でベンが助けに現れた時を彷彿とさせる。
AIもデフォルトで搭載されており、中々良く動いてくれる。
紹介動画(DLリンク有り)

ありとあらゆる並行世界で出演する度に殺されるような節があるベン・ライリーだが、
さすがにEarth-MUGENなら大丈夫……だ……よ……ね……?

出場大会

  • 「[大会] [ベン・ライリー]」をタグに含むページは1つもありません。


最終更新:2021年10月04日 16:20