ダークフェニックスに覚醒すると下記のメリット・デメリットが生じる。
1.敵の攻撃を受けなくとも体力が徐々に減少していく(ヴァイタルソース扱い)。
2.相手をロックして攻撃する技(投げや一部のハイパーコンボ)を受けた時のダメージが増加する。
3.一部の必殺技の性能が向上する。
4.全体的にスピードがアップする(移動速度アップ、技の硬直減少など)。
5.
通常技を出すと、ヒット空振りを問わず飛び道具が発生するようになる。
問題なのが5番。 通常攻撃の大半が飛び道具であるキャラののような前例があるのでそれだけではそこまでインパクトのある強化ではない。
しかし、「飛び道具でありながら技の発生の速さも通常攻撃並」となれば話は別である。
例えばしゃがみ弱攻撃。普通の格闘ゲームのしゃがみ弱といえば連打キャンセルが効くのが特徴だが、
ダークフェニックスでもその基本は同じである。
発生した飛び道具にも適用される
けどな!
しかも弾速は遅めであり、判定持続が尋常でないレベルで長い。
弾数制限もないので5回連打したら弾速の遅い弾が5発飛んでいくことになる。こうなると飛び道具というよりもはやレーザーである。
そしてこれをワープ技と組み合わせると、「遠距離でしゃがみ小攻撃を連打→弾が相手に届くかどうかというタイミングでおもむろにワープ。
ワープ先は相手の表、裏、頭上を選択できるので
表裏中段下段投げの5択
→そして何か技が刺さったらコンボへ」といった連携が組めてしまう。
暴れ?
さっき擦ってた飛び道具が暴れ潰しを兼ねてます
が何か?また、遠距離戦できない相手は飛び道具連打される砲台モードに一生触れません。
実際のところ、この辺のムーブは他キャラでもアシストがあれば出来る。アシストがあれば。しかし彼女の場合は単体で完結しているのである。
さらに彼女の場合Xファクターが特別な高倍率である。
通常のキャラがファクター中は最大で普段の300%(おおまかに攻撃力150~200%、スピード100%~150%)となるところが、
なんと彼女だけ350%(攻撃力200%スピード150%)となる。
しかもXファクター中はヴァイタルソースが自動回復していくため、前述の体力減少のデメリットを帳消しにできる。
ゆえにダークフェニックス覚醒にXファクターを組み合わせると、
「お手軽即死コンボによる超火力+超スピード(ワープ付き)と飛び道具重ねからの回避困難な崩し&連携+強大な画面制圧力」
を兼ね備えた超生命体が誕生するのである。ナニコレ。
ただし、対抗手段が全く無いわけではない。
まず、そもそもフェニックスをチームに入れる=ダークフェニックス覚醒を狙っているのがバレバレであるうえに、
覚醒には5ゲージを要するので残りの2人はゲージを使った各種行動を行いにくくなり、戦力を削がれたも同然である。
また、彼女の体力は異常に低いので、うかつにアシストで場に出してハイパーコンボに巻き込まれた時にはそれだけで蒸発もありうる。
したがって、フェニックス含むチームとの対戦はチームの壊滅ではなく
「フェニをゲージ溜まるまで守る」「低ゲージのうちにフェニを倒す」のが目的のミニゲームのような対決となる。
一旦捕まえたら先鋒を倒し切るのではなくスナップバック(後衛を引きずり出す共通システム)、などが典型的。
さすがにヤバかったのか、UMVC3ではXファクターが残ってないと厳しいレベルに抑えられた。
要塞モードの根幹を担っていた射撃技「TKショット」と攻撃判定を設置する技「TKトラップ」の両方が
攻撃を受けたら消えるようになり、上記の立ち回りが不可能に。
更にTKショットが空中で無制限に出せたのが着地まで1発しか打てなくなり、結果遠距離戦での信頼性は大幅に低下。
依然として猛烈な択は健在であるものの、さらに低くなった体力によって全キャラの基礎コンで死ぬどころか
HC ぶっぱでもワンチャン死にかねなくなり、 ゲージを吸収する新技の追加など、システム面での弱体化も激しい。
それでも射撃と籠城で完封できなくなっただけで猛烈な択一攻撃性能自体は変化していないため、安定性は犠牲となったものの最強クラスのキャラとして位置づけられてい た。
しかし、日本のプレイヤー、クソル氏が「ダークフェニックス覚醒」の 復活直後に回避不能のコマ投げを叩き込む対策
「DP殺すマン」
をアルカプ本土たるアメリカの大会で実戦投入。
(厳密には「『DP覚醒』発動時の全画面攻撃判定を事前に出した無敵技やアーマー技で回避、更にそれらを暗転返しのタイミングでコマ投げでキャンセルすることにより対空コマンド投げを確定させる」というもの。
原理や対応キャラはMVC3から周知されていたものの、 対空投げが使えるキャラがMVC3時点で戦えない(というかフェニに行けない)レベルの弱キャラ、という根本的な問題のため研究が放棄されていたネタである)
当初は冗談かと思われていたが、
これを世界大会で実際に成功させてしまった
事により実戦レベルで使用可能と判明、
海外で専用のページが作られるなど研究が進んだ結果、最終的には 打撃投げを持つ多くのキャラが確定連携を開発するに至り、
結果的にフェニックスのキャラランクが若干低下する事態にまで発展してしまった。
一応まだ強キャラの域には収まっているのだが、
やもすればマグニをも越える強キャラになるかもしれなかったフェニックスのキャラランクを下げてしまったため、
全世界のフェニックス使いは涙を呑む羽目になったという。(ニコ百の
この記事
も参照)
まぁどっちにしろゼロバーモリの壁は超えられなかったと思うが。特にバージル(というか円陣幻影剣)には初期から一貫して不利である
DP殺すマン練習編(当初はネタ扱いでした) |
DP殺すマン実践編(最初の試合) |
上記の動画でDP殺すマンを決めた直後には、あまりの出来事に会場全体が興奮と驚きに包まれ全員総立ち、
次の試合が始まっても解説者が解説そっちのけでDP殺すマンの事ばかり話してしまっている。
ちなみに、相手のフィリピーノチャンプ氏はその年の
EVO覇者
となり、後に「3Gods(UMVC3強)」の一人と呼ばれることになるプロプレイヤーである。
さらにその後の試合では、クソルと戦う選手が
DP殺すマンを警戒してフェニックスを使うのやめている
ため、
いかにこの対策がダークフェニックス覚醒の脆弱性を印象づけたかがうかがい知れるだろう
(一応クソルはこの試合でDP発動させたフェニックスを
サシで
倒しているため、一概に対策を恐れただけではないかもしれない…)。
一旦ランクが落ち着いたフェニックスだが、時がたってDP殺すマンが周知された後はチームエリアルのバグを利用した永久が発覚。
これによって先鋒、中堅キャラの火力問題が(運次第で)解決し、ゲージ回収率も跳ね上がった事により一時期よりはランクも上昇。強キャラである、という認識には変わりはないようだ。
他にもUMVC3になってゲージを減らすチームエリアルが生まれたことから、対フェニ用にそれを通そうとして生まれた小ネタ「314式」や、それを更に発展させた「チームエリアルすかしチームエリアル」など、
元々はフェニックス対策だったものから発展した小ネタは多い。
このように、フェニックスを運用する上では実際のプレイと同等かそれ以上にメタゲーム上の立ち位置に左右されることが多く、
ゲーム自体の研究の発展に貢献したキャラである、と言えるかもしれない。一見スーパー強力なキャラであっても、プレイヤー側が努力して対策を考えれば対抗することは十分に可能だということが示された出来事だと言える。
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