NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

ディミス

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nier_rein

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キャラクター  ディミス


STORY1

王国を脱走してから 6ヶ月後

聞こえるのは、木々のざわめきとカラスの鳴き声。
静かな夕暮れの森を見渡して、王子が呟く。

「ここは平和だね......」と。


祖国の戦争を終結へと導く旅。
国々を巡り、王子が民に「平和」を説く傍らで、
私は彼を多くの危険から守り抜いてきた。


だが、戦争のために作られた機械兵の私は、
旅で多くの時間を共にしたにも関わらず、
王子が語る理想の世界を理解できずにいた......


王子の隣に寄り添い、夕陽を見つめて私は思考する。
彼がここを「平和」だと称した意味を。
この赤色が何か関係するのだろうか、と。


STORY2

王国を脱走してから 8ヶ月後

持病の悪化と共に、王子の焦りは増すばかり。
一刻も早く平和を成し遂げたいようだ。

「快復まで、森の教会を拠点にしましょう」
私の提案を納得してもらうのにも骨が折れた。


今日も王子の体調が優れず、教会で夜を待つ。
私はこの機に、「平和な世界とは何か」と問いかけた。
驚いたように向けられた瞳には、意志が灯っている。


王子は手を伸ばし、そっと私の胸に置く。
そして、微笑みながら己の理想を言葉にした。

「ここが痛むことのない世界だ」と。


それはきっと、外傷の痛みとは異なるものだろう。
考えが及ばない私をよそに、王子は語り続ける。

私は、ただ頷いていた。
それだけで、彼に笑顔が戻る気がしたから。


STORY3

王国を脱走してから 9ヶ月後

王子の持病は、彼の体を着実に蝕んでいった。
立ち上がることすらできない彼のために、
私は日々、薬と食料を求めて周辺の街を巡る。


街で目にするのは、戦争で変わり果てた民の姿。
家族を失い嘆く者。飢えに苦しむ者。
機械兵の私は、容赦なく武器を向けられた。


今日の収穫も、森で拾ったリンゴだけだ。

食べ物を噛むことすら難しい王子のために、
私はリンゴを咀嚼して、彼の口へと移す。


やつれた頬、今にも消えそうな吐息を間近に、
胸の奥を握られたような、鈍い痛みを感じる。

「ここが痛むことのない世界......」

その王子の言葉を、私は唐突に理解した。
失わないと手にできなかった、その意味を。


STORY4

王国を脱走してから 100年後

体ハ錆ビニ犯サレ 記憶ノ欠損が進ム......
ソレデモ 私ハ 寄リ添イ続ケル。
時間ニ蝕マレタ 王子ノ傍ラニ。


胸ニ空イタ 虚ロナ大穴。
王子ノ 最期ヲ前ニ 生ジタ痛ミハ
モウ......感ジナイ。


私ハ コノ教会ヲ 赤ク染メル。
王子ノ 救イヲ拒ンダ挙句
彼ノ眠リヲ邪魔スル 人間タチノ血デ......


旅立チノ日ニ交ワシタ 約束ニ従イ
私ガ 王子ヲ......彼ガ望ミ続ケタ 平和
未来永劫 守リ続ケル......
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