NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

フィオ

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nier_rein

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キャラクター  フィオ


STORY1

わたしの遊び場。
おうちから少し離れたところにある古い遺跡。
ここは、誰にも教えたくない、
わたしだけのとっておきの場所。


一人になりたい時は、いつもここで遊んでいた。
だけどある時、この場所で初めて人と出会った。
少しさびしそうな顔をしたお姉さんが、
日陰に座って本を読んでいた。


ひと目で貴族だってわかった。
とってもすてきなお洋服だったから。
それに、見たことないほどきれいな顔だったから。
ぼうっと見とれるわたしに気づいて、
お姉さんはふっとおかしそうに笑った。


「この本、私にはもう必要ないから、
 あなたにあげる」

お姉さんは、読んでいた本を閉じて、わたしにくれた。
貴族の人とお話ししたのは、これが初めてだった。


STORY2

貴族のお姉さんからもらった本。
それは、きれいな絵が描いてある童話集だった。
本を手にしたその日から、わたしはうれしくて、
何度も何度も読み返した。


どのお話にも、すてきなドレスを着たお姫様が登場して、
王子様と恋に落ちている。
わたしの毎日とは全然違う夢のような世界に、
わたしはかなしい現実を忘れられた。


だけど、この本は変だった。

絵の中にあるお姫様の顔だけが、
全部真っ黒に塗りつぶされていた。
そして、
どのお話も、最後のページだけが、
乱暴に破り取られていた。


絶対絶対、お姫様は幸せになってるはずなのに......
わたしは、結末を読みたかった。
それ以上にまた、あのお姉さんに会いたいと思った。


STORY3

わたしは街へ出た。
本をくれた貴族のお姉さんと、もう一度会いたい。
身分は違うけれど、友達になりたい。

......なれるかもしれないと思って。


その日、街ではにぎやかな結婚式が開かれていた。
真っ白なドレスを着たきれいな花嫁さんが、
大勢の人に囲まれながら、
さびしそうな顔をして歩いている。


その表情を見て、すぐに思い出した。
――――あの時のお姉さん!
きっとお祝いすべき場面。
なのに、わたしはためらった。


だって、笑顔の人たちに囲まれていたけれど、
お姉さんのその表情はどう見ても、
「たすけて!」って叫んでいるようにしか、
見えなかったから......


STORY4

夢を見た。

夢の中で、白いドレスを着た貴族のお姉さんが、
わたしに何かを伝えようとしていた。


「―――――あなたは、
 ■■をなくさないで」

さびしそうにそう言ったお姉さんの白いドレスは、
胸のあたりからみるみる赤に染まっていった。
その赤は、やさしいお姉さんには似合わないほど悲しくて、
わたしはうなされて飛び起きた。


わたしはまた一人で、遺跡で遊んでいた。

その日、岩の間に何か挟まっている事に気付く。
それは、ビリビリに引き裂かれた絵本のページ。
お姫様と王子様が幸せな結婚をするという結末だった。


そのあと、街でうわさ話を聞くようになった。
ある貴婦人が裸足で逃げ出していた、とか、
ある貴婦人が一人で笑っていた、とか、
ある貴婦人が自殺してしまった、とか。

わたしは、それがあのお姉さんだとは信じていない。
だって、お姫様は 幸せ になるんだから。
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