NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

七章:第一夜 紅枯の章 『priSOner』

最終更新:

nier_rein

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六章 七章 八章

キャラクター  063y



[e88ab1]

どこにでもある
ショッピングモール


どこにでもいる家族


それは ありふれているようで
この上なく幸福な
かけがえのない日常


この夫婦もまた
当たり前の日々に感謝し
平凡に暮らしていた


[妻]
誕生日のプレゼントは 何がいいのかしら?



[息子]
うん それにする!


[決済ロボ]
決済完了 アリガトウゴザイマス


[息子]
お父さん お母さん ありがとう!


[妻]
こら 走らないの! まったく……ふふ



突然 地響きが起き
ショッピングモールの外から
悲鳴が湧き上がる


[民衆]
うわああああ!


[民衆]
な……なんだあれは!?


[妻]
あの子が心配だわ!


外に出た夫婦が目にしたのは
息子に襲いかかろうとする
巨大な......『花』





[妻]
そんな……っ……目を開けて!
お願い……救急車を! 誰か!!



それは
幾度となく繰り返し見る悪夢
絶望に突き落とす現実だった


[妻]
あの時は……もう……


妻の瞳は
葛藤と 諦念と 絶望とが
ないまぜになって潤んでいた


『花』への復讐の誓い


あの日以来 それだけが
男を突き動かす
原動力となっている


[e8a68fe5be8b]

[アナウンス]
管理番号F311からJ821までの固体は〔原文ママ〕
フロア8 栄養室にて食事を済ませること


毎日きっかり
同じ時間に鳴るアナウンスは


白い服を着た者たちに
食事の時を告げる


男は いつものように
「栄養室」という名の食堂に向かう


この白い服は
自由を失った者の象徴だ


規律を乱すのは許されない



[上官]
管理番号H801 エラーが出たな……
来い


[H801]
いや……いやよ……!


逃げようとする女の目の色が
焦燥から狂気へと変わっていった





[H801]
い……や……! 私のココ……ロ……


[上官]
管理番号H801 調整室へ向かえ


[H801]
……承知しました


この白い服は『囚人』の証
囚人たちは 行動と意識を
管理下に置かれていた


[上官]
貴様らに自由はない
次の戦いに備えておけ



[アナウンス]
発令 発令
エリアAL-18地点 攻撃対象『花』出現
管理番号AからHの者は 移送室へ至急集合
繰り返す……


その時
施設中に響く警報が
『花』の出現を知らせた


息子を殺し
幸せな家族を切り裂いた
巨大で不気味な『花』


それは今なお 世界の脅威として
人々を脅かし続けていた


[e8a5b2e69283]

狭く息苦しいコンテナの中
囚人たちは
物のように運ばれていた


『花』に侵略された政府は
人々を兵士として強制徴用した


男とその妻もまた 例外なく
兵士という名の囚人となっていた



[上官]
目標 直進 敵個体 複数確認


囚人たちは
ゆらめく『花』を殲滅すべく
一斉に走り出した


幾度となく繰り返す戦い
これは彼らの日常だ


現れたのは
今まで戦ったどの個体よりも
大きく禍々しい『花』だった





[妻]
だめだわ 逃げましょう!



二人は
窮地を仲間たちに救われた


囚人たちは
記号と番号で呼ばれて
管理されてはいるが


自由だった頃以上に
不思議な連帯感が生まれていた


......そう思っていた。


[妻]
ありがとう みんな



[妻]
え……?


[e795b0e58886e5ad90]

まるで 時間を止めたかのような
不自然さで 仲間たちは
静止していた


人形 あるいはロボットのように
停止する仲間たちを見て
男と妻は戸惑うことしかできない


やがて 彼らは
不自然な規則正しさで
歩き出した



その光景は
とても奇妙だった


[妻]
いったい……何をしているの?


囚人たちは みな一様に
無表情な顔で
底へ飛び下りていく


[上官]
む? なんだおまえたち


[上官]
なぜ 自由に動ける?
「エラー」だな……始末しろ!





操られた仲間たちを相手に
二人は追い詰められていく


[上官]
死ぬ前に教えてやろう



語られたのは
『花』に対抗するための
作戦


いや


実験 だった


囚人たちは
『花』との戦闘データを
記録・比較・分析され


実績のふるわない者や
自我が強く『エラー』として
判断された者は


組織が処分している
ということだった




[妻]
あなた……逃……げ……



男が目覚めると
そこには 囚人服を着た者たちの
死体が乱雑に積み上がっていた


自分だけが生き残ってしまった


許せない......許せない......
許せない!!


男は地の底で
唸るような叫び声をあげた


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