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六章 | 七章 | 八章 |
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[e88ab1]
どこにでもある
ショッピングモール
ショッピングモール
どこにでもいる家族
それは ありふれているようで
この上なく幸福な
かけがえのない日常
この上なく幸福な
かけがえのない日常
この夫婦もまた
当たり前の日々に感謝し
平凡に暮らしていた
当たり前の日々に感謝し
平凡に暮らしていた
[妻]
誕生日のプレゼントは 何がいいのかしら?
誕生日のプレゼントは 何がいいのかしら?
[息子]
うん それにする!
うん それにする!
[決済ロボ]
決済完了 アリガトウゴザイマス
決済完了 アリガトウゴザイマス
[息子]
お父さん お母さん ありがとう!
お父さん お母さん ありがとう!
[妻]
こら 走らないの! まったく……ふふ
こら 走らないの! まったく……ふふ
突然 地響きが起き
ショッピングモールの外から
悲鳴が湧き上がる
ショッピングモールの外から
悲鳴が湧き上がる
[民衆]
うわああああ!
うわああああ!
[民衆]
な……なんだあれは!?
な……なんだあれは!?
[妻]
あの子が心配だわ!
あの子が心配だわ!
外に出た夫婦が目にしたのは
息子に襲いかかろうとする
巨大な......『花』
息子に襲いかかろうとする
巨大な......『花』
[妻]
そんな……っ……目を開けて!
お願い……救急車を! 誰か!!
そんな……っ……目を開けて!
お願い……救急車を! 誰か!!
それは
幾度となく繰り返し見る悪夢
絶望に突き落とす現実だった
幾度となく繰り返し見る悪夢
絶望に突き落とす現実だった
[妻]
あの時は……もう……
あの時は……もう……
妻の瞳は
葛藤と 諦念と 絶望とが
ないまぜになって潤んでいた
葛藤と 諦念と 絶望とが
ないまぜになって潤んでいた
『花』への復讐の誓い
あの日以来 それだけが
男を突き動かす
原動力となっている
男を突き動かす
原動力となっている
[e8a68fe5be8b]
[アナウンス]
管理番号F311からJ821までの固体は〔原文ママ〕
フロア8 栄養室にて食事を済ませること
管理番号F311からJ821までの固体は〔原文ママ〕
フロア8 栄養室にて食事を済ませること
毎日きっかり
同じ時間に鳴るアナウンスは
同じ時間に鳴るアナウンスは
白い服を着た者たちに
食事の時を告げる
食事の時を告げる
男は いつものように
「栄養室」という名の食堂に向かう
「栄養室」という名の食堂に向かう
この白い服は
自由を失った者の象徴だ
自由を失った者の象徴だ
規律を乱すのは許されない
[上官]
管理番号H801 エラーが出たな……
来い
管理番号H801 エラーが出たな……
来い
[H801]
いや……いやよ……!
いや……いやよ……!
逃げようとする女の目の色が
焦燥から狂気へと変わっていった
焦燥から狂気へと変わっていった
[H801]
い……や……! 私のココ……ロ……
い……や……! 私のココ……ロ……
[上官]
管理番号H801 調整室へ向かえ
管理番号H801 調整室へ向かえ
[H801]
……承知しました
……承知しました
この白い服は『囚人』の証
囚人たちは 行動と意識を
管理下に置かれていた
囚人たちは 行動と意識を
管理下に置かれていた
[上官]
貴様らに自由はない
次の戦いに備えておけ
貴様らに自由はない
次の戦いに備えておけ
[アナウンス]
発令 発令
エリアAL-18地点 攻撃対象『花』出現
管理番号AからHの者は 移送室へ至急集合
繰り返す……
発令 発令
エリアAL-18地点 攻撃対象『花』出現
管理番号AからHの者は 移送室へ至急集合
繰り返す……
その時
施設中に響く警報が
『花』の出現を知らせた
施設中に響く警報が
『花』の出現を知らせた
息子を殺し
幸せな家族を切り裂いた
巨大で不気味な『花』
幸せな家族を切り裂いた
巨大で不気味な『花』
それは今なお 世界の脅威として
人々を脅かし続けていた
人々を脅かし続けていた
[e8a5b2e69283]
狭く息苦しいコンテナの中
囚人たちは
物のように運ばれていた
囚人たちは
物のように運ばれていた
『花』に侵略された政府は
人々を兵士として強制徴用した
人々を兵士として強制徴用した
男とその妻もまた 例外なく
兵士という名の囚人となっていた
兵士という名の囚人となっていた
[上官]
目標 直進 敵個体 複数確認
目標 直進 敵個体 複数確認
囚人たちは
ゆらめく『花』を殲滅すべく
一斉に走り出した
ゆらめく『花』を殲滅すべく
一斉に走り出した
幾度となく繰り返す戦い
これは彼らの日常だ
これは彼らの日常だ
現れたのは
今まで戦ったどの個体よりも
大きく禍々しい『花』だった
今まで戦ったどの個体よりも
大きく禍々しい『花』だった
[妻]
だめだわ 逃げましょう!
だめだわ 逃げましょう!
二人は
窮地を仲間たちに救われた
窮地を仲間たちに救われた
囚人たちは
記号と番号で呼ばれて
管理されてはいるが
記号と番号で呼ばれて
管理されてはいるが
自由だった頃以上に
不思議な連帯感が生まれていた
不思議な連帯感が生まれていた
......そう思っていた。
[妻]
ありがとう みんな
ありがとう みんな
[妻]
え……?
え……?
[e795b0e58886e5ad90]
まるで 時間を止めたかのような
不自然さで 仲間たちは
静止していた
不自然さで 仲間たちは
静止していた
人形 あるいはロボットのように
停止する仲間たちを見て
男と妻は戸惑うことしかできない
停止する仲間たちを見て
男と妻は戸惑うことしかできない
やがて 彼らは
不自然な規則正しさで
歩き出した
不自然な規則正しさで
歩き出した
その光景は
とても奇妙だった
とても奇妙だった
[妻]
いったい……何をしているの?
いったい……何をしているの?
囚人たちは みな一様に
無表情な顔で
底へ飛び下りていく
無表情な顔で
底へ飛び下りていく
[上官]
む? なんだおまえたち
む? なんだおまえたち
[上官]
なぜ 自由に動ける?
「エラー」だな……始末しろ!
なぜ 自由に動ける?
「エラー」だな……始末しろ!
操られた仲間たちを相手に
二人は追い詰められていく
二人は追い詰められていく
[上官]
死ぬ前に教えてやろう
死ぬ前に教えてやろう
語られたのは
『花』に対抗するための
作戦
『花』に対抗するための
作戦
いや
実験 だった
囚人たちは
『花』との戦闘データを
記録・比較・分析され
『花』との戦闘データを
記録・比較・分析され
実績のふるわない者や
自我が強く『エラー』として
判断された者は
自我が強く『エラー』として
判断された者は
組織が処分している
ということだった
ということだった

[妻]
あなた……逃……げ……
あなた……逃……げ……
男が目覚めると
そこには 囚人服を着た者たちの
死体が乱雑に積み上がっていた
そこには 囚人服を着た者たちの
死体が乱雑に積み上がっていた
自分だけが生き残ってしまった
許せない......許せない......
許せない!!
許せない!!
男は地の底で
唸るような叫び声をあげた
唸るような叫び声をあげた
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