NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

記録:鎮魂の棺

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nier_rein

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キャラクター  F66x



第1話

人類を脅かす『花』と戦う兵士たち。

彼らは囚人のように閉じ込められ、
必要な場合は感情すらも管理され、
終わりなき戦いに身を投じていました。


ある日、兵士たちが集う拠点に、
言い争いをする声が響きます。

声の主は、新兵の青年と指導役の女。


青年は、これまで何度も実戦への参加を直訴しましたが、
女は彼の出撃を認めないと繰り返すのです。

この押し問答は、
2人が出会った時から続いていました。


「命と引き換えにしてでも『花』を殺します」

基礎訓練を終え、部隊に合流したその日に、
青年はそう宣言しました。


最愛の恋人を殺された彼は、
その復讐のために『花』と戦うのだと。


女は穏やかに、しかしはっきりと、
彼の考えを訂正しました。

「死んでしまったらそこで終わり。
生き残ることだけ考えて」


優しい口調が、亡くした恋人とそっくりで、
青年の復讐心をより煽るのでした。


実力を示せば、いつかわかってくれる。
そう考え、常に訓練に打ち込んできた青年。

どうしても自分を認めようとしない女に対して、
ある提案を持ちかけました。


次の仮想訓練でトップの成績を取ったら、
自分の出撃を認めてほしい、と。

変わらず首を横に振ろうとする女を遮り、
彼は一方的に「約束だ」と言い捨て、去っていきます。


早く、一日も早く恋人の復讐を。

彼の望みは、ただそれだけなのです......


第2話

青年の実戦参加が懸かった、『花』との仮想訓練。

彼は指導役の女に宣言した通り、
トップの成績を収めました。


他の兵士たちは青年の元に駆け寄り、
「お前となら『花』を倒せる」と息巻きます。

熱を帯びた雰囲気の中で、
青年は様子を見守る女に問いかけました。

「これで出撃を認めてくれますよね」


女が青年の申し出を断ろうとしたとき、
拠点の指揮を執る、彼らの上官がやって来ます。

上官は訓練の結果に満足した様子で、
青年や周りの兵士たちに、
次の戦いで出撃するよう命令したのです。


認められたと喜びの声を上げる兵士たち。
意味ありげに笑う上官。

喧騒の中、青年の耳に、
ふと女の声が届きます。


「私はまた、止められないの......」

その言葉に込められた意味に、
彼が気づくことはありませんでした。


第3話

上官から出撃命令が下されてからというもの、
青年は異常なほど訓練に明け暮れました。

かつて恋人と過ごした日々を胸に、
ようやく『花』へ報復できると闘争心を燃やしながら。


そして迎えた、初陣の日。
部隊の士気は最高潮に達しています。

青年の闘志に感化された仲間たちもまた、
訓練を重ね実力を伸ばしていました。


指導役として青年をサポートしてきた女は、
物憂げな表情で彼に訴えかけます。

「あなたの実力はわかってる。
 それでも命を粗末にしないで......」


この期に及んで不要な心配をする女。
青年はそれを一笑に付し、こう添えました。

「黙って俺に任せてください」


この『花』との戦いが終われば、
女との不毛な言い争いもなくなるでしょう。

恋人の復讐を果たし、実戦で実力を見せたなら、
彼女も青年を認めざるを得ないのですから。


剣を握る手に力が入ります。

青年が待ち焦がれた復讐の初陣が、
いよいよ始まろうとしていました......


第4話

新兵たちと『花』の、初めての戦い。

青年は内に溜めた復讐心を敵に向け、
多くの『花』を剣で貫きました......


激戦の末に荒れ果てた廃墟都市は、
今、不気味な静けさに包まれています。


戦場で生きているのは、ただ一人。

勇猛に戦った青年の亡骸を抱え、
座り込んでいる指導役の女だけでした......


回収用車両で到着した上官が、
「また失敗か」と不満げに呟きました。

上官の後ろに続くように、
車両からもう一人の人影が現れます。


言い争いの度に見据えた、見慣れた色の瞳。
女が抱える亡骸と瓜二つの、若い男。


彼は凄惨な戦場を眺め、
表情を歪ませながら宣言します。

「命と引き換えにしてでも『花』を殺します」


これで『何度目』でしょうか。

そんな無意味なことを考えながら、
女は静かに青年へと声を掛けます。


「死んでしまったらそこで終わり。
 生き残ることだけ考えて......」

変わることのない女の優しい口調に、
絶望の声色が、僅かに混じっていました......
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