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第1話
とある街の、場末の酒場。
ならずものと賞金稼ぎのたまり場に、
ひとりの女が足を踏み入れました。
ひとりの女が足を踏み入れました。
男たちはにやけた顔で彼女に目線を送ります。
しかし、すぐさま顔色を変えて、
視線を逸らしてしまいました。
しかし、すぐさま顔色を変えて、
視線を逸らしてしまいました。
なぜなら、彼女の左手と左足が、
鈍く光る戦闘用の義肢で、武装されていたからです。
鈍く光る戦闘用の義肢で、武装されていたからです。
彼女が向かったのは、
手配書が張り出された掲示板。
手配書が張り出された掲示板。
ふと、その中の一枚に目が留まります。
手配書には、
『少女ばかりを狙う、凶悪な猟奇殺人鬼』
と書かれていました。
瞼の裏に、喪った妹の顔が浮かびます。
彼女の心に、怒りの炎が広がっていきました。
彼女の心に、怒りの炎が広がっていきました。
彼女は手配書を剥ぎ取り、
店を出ました。
店を出ました。
凶悪な殺人鬼をこの世から消し去るために。
第2話
殺人鬼の住処を探し、彼女は街を歩きます。
うらぶれた街の中は、
いつか、どこかで見たような風景でした。
いつか、どこかで見たような風景でした。
彼女は何度も、こんなことを繰り返していました。
何人もの賞金首を殺してきたのです。
しかしそれは、金銭が目的ではありませんでした。
彼女を突き動かすのは、怒り。
この世の悪に対する憎しみの怒りでした。
しかし、どれだけ悪人を殺しても、
消えた命は戻ってきません。
消えた命は戻ってきません。
そしてこの世から悪が潰えることも……
彼女の心の隙間に、仄暗い疑念が入り込んできます。
「クシャリ……」
携えた手配書を強く握りしめ、
彼女は雑念を振り払いました。
彼女は雑念を振り払いました。
迷いは捨てなければなりません。
彼女の心を支えているのは、
己の「力」だけなのだから。
己の「力」だけなのだから。
第3話
街外れに佇む古びた屋敷、
そこが殺人鬼の住処でした。
そこが殺人鬼の住処でした。
屋敷へと足を踏み入れた直後、
彼女は立ち止まります。
彼女は立ち止まります。
おびただしい数の罠が、
目の前に張り巡らされていたのです。
目の前に張り巡らされていたのです。
仕掛けられた罠に翻弄されながらも、
彼女は前へ進み……
彼女は前へ進み……
最奥の部屋で、殺人鬼を追いつめました。
その殺人鬼は、卑屈で、臆病な男でした。
追いつめられた恐怖で、タガが外れたように笑っています。
そして男の背後には、
鎖に繋がれ、ぼろぼろになった少女。
鎖に繋がれ、ぼろぼろになった少女。
男は少女にしがみつきながら、
「この子はボクの最高傑作なんだ!」
そう言って笑い続けます。
彼女は表情一つ動かさず、
一振りで男の首を落としました。
一振りで男の首を落としました。
殺人鬼は己の死に気づく様子もなく、
最後まで笑っていました。
第4話
危険を排除したことを確認し、
彼女は少女の鎖を解いてやりました。
彼女は少女の鎖を解いてやりました。
傷ついた少女に手を差し伸べた瞬間……
少女は彼女に襲いかかりました。
少女は、隠し持った凶器を振りかざします。
殺人鬼は少女のことを、
自分と同じような殺人鬼へと教育していたのです。
自分と同じような殺人鬼へと教育していたのです。
彼女に選択の余地はありません。
義手で少女の攻撃を受け止め、
その体に剣の切先を突き立てました。
その体に剣の切先を突き立てました。
………
少女の瞳が、ゆっくりと光を取り戻します。
「おか……あ……さん……」
その指は失ってしまった幸せを求めるように。
ゆっくりと力を失いながら。
自分の「力」を信じ続けた彼女は問いかけました。
私の力は、いったい何のためにあるのかと……
しかし少女の亡骸がそれに答えてくれるはずもありません。
静寂の中に、少女の血の滴る音だけが響いていました。