NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

記録:皎潔の丘

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nier_rein

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キャラクター  世界を滅ぼした男

 カイネ

 エミール



第1話

とある辺境にある小さな村。

崖にへばりつくように立てられたその村に、
一人の少女が住んでいました。

彼女はいつも家の窓から、
村の子供たちが遊んでいる様子を眺めて
ふてくされていました。


体が悪いわけではありません。

彼女の足には生まれたときから
目立つ『あざ』があったのです。


足のあざを隠すようにと両親は言うのでした。
そうしなければ外に出てはならないと。


しかし、彼女にとってはあざも自分の一部。

それを隠せと言われる度に、
自分自身を否定されたように感じてしまいます。


ある時から少女は意固地になり、
あざを隠すことを嫌がるようになりました。


彼女と両親がよく喧嘩をするようになってから、
もうすぐ数年が経ちます......


第2話

足のあざを人目にさらさぬよう、家に閉じ込められた少女。
不満が抑えきれなくなった少女は、
両親の目を盗んで家を抜け出すことにしました。


家から逃れるように村を走り抜け、丘へ上ると、
そこには先客がいました。

流れるような白い髪の戦士。
地面に剣を突き立て、岩に腰をおろしています。


戦いの後なのか、
白肌に無数の傷がついていました。

特に少女の目を惹いたのは
彼女の左半身。
包帯が解けて露わになった肌は、
あざが広がったように真っ黒だったのです。


自分と同じだ、と少女は思いました。
そしてあざを見られても
少しも動じない彼女のようになりたいと、
強く憧れました。


「あなたのようになりたい」と、少女は戦士に想いを伝えます。


彼女は少女の顔......そして足を見て、
寂しそうな、怒っているような、複雑な表情を浮かべました。


「私のように生きてもいいことはない」
真っすぐに見つめる少女から目を逸らすように、戦士は告げます。


そして解けた包帯をしっかりと巻きなおしその場を去っていきました。


第3話

丘の上で出会った戦士と別れ、少女は家に戻ります。

今日のことを話そうと両親の部屋に向かうと、中から二人の会話が漏れてきました。


「生まれつきのあざを隠せだなんて、
 あの子に辛い思いをさせていたのね......」
「あの子が『マモノ憑き』だと思われないためだ。
 私たちがどんなに恨まれたとしても......」

聞こえてきたのは、家出した少女を心から心配する両親の本音。


『マモノ憑き』
その言葉を聞いて、
少女は幼い頃の両親の話を思い出しました。

マモノに呪われ、化物になった戦士の話。
彼女が村で、どれほど酷い扱いを受けていたのかを......


少女は戦士が見せた、
複雑な表情を思い返しました。


凛々しく見えた彼女にも、少女の知りえない事情があるのだと。

少女は一方的に憧れを伝えたことを恥じ、
あの表情に隠された意味を考え始めました......


第4話

少女にとって足のあざは自身の一部。
それを両親もわかってくれていました。

けれどこのあざを村人に見られたら、
きっとよくないことが起きる......

自分だけでなく、両親にも......


両親の愛と自らの誇りの狭間で、
少女は苦悩しました。


しばらくして、
少女はあざを隠し始めました。

両親が向けてくれる、想いに応えるためです。


ただ、あざは必ず包帯で隠し、
包帯を巻いた足は絶対に隠しませんでした。

戦士との出会いで気付いた、誇りを捨てないためです。


陽の光に包まれた、丘の上に立つ少女。
あの戦士のように強くなれたら......
両親に心配をかけずにすむようになれたら......

その時は包帯を取り、ありのままの姿で外の世界を歩く。
そう固く決心しました。

平原を見つめる少女の瞳には、
未来に続く空が広がっていました。
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