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第1話
王国から逃げ出し、荒野を巡る
少年と機械の従者がいました。
少年と機械の従者がいました。
追っ手から逃れるために、
二人はとある街に逃げ込みます。
二人はとある街に逃げ込みます。
これだけ広い街なら、
簡単に見つかりはしないでしょう。
簡単に見つかりはしないでしょう。
二人は酒場へと入り、
ようやく一息つくことができたのでした。
ようやく一息つくことができたのでした。
街行く人々は誰もが笑顔で、
みんな幸せそうです。
みんな幸せそうです。
「こんな平和な国にできたら......」
戦争で苦しむ祖国の民を想いながら、
少年は料理に手を伸ばしました。
少年は料理に手を伸ばしました。
ハッと何かに気付いた従者の男が、
少年の手を押さえます。
少年の手を押さえます。
男は奪うように料理を取り上げ、一口食べて唸りました。
「この料理には、『薬』が入っている」
第2話
料理に薬が入っているという、男の一言。
愕然として立ち上がった少年に、
酒場の店主が近付いてきました。
酒場の店主が近付いてきました。
この街では合法の薬なのだと、
店主は言います。
店主は言います。
しかし、この薬はひとときの快楽と引き換えに、
身も心も壊してしまうもの。
身も心も壊してしまうもの。
どこの国でも禁止されている、
危険な薬物なのです。
危険な薬物なのです。
それを承知しているのかと問いかける少年に、
店主は色めき立って周りの人間を呼びました。
店主は色めき立って周りの人間を呼びました。
詰め寄る住民達。
彼らの顔からは笑みが消え、
虚ろな目が二人を見据えます。
虚ろな目が二人を見据えます。
彼らの手に握られた刃物や拳銃。
ゆらゆらと揺れる得物が、怪しく光ります。
ゆらゆらと揺れる得物が、怪しく光ります。
ただの脅しではなさそうです。
少年を守るため、
男は彼らの前に立ちはだかりました。
男は彼らの前に立ちはだかりました。
第3話
武器を持った、街の住民達に取り囲まれた少年と従者。
少年は彼らを説得しますが、
反抗するように住民が語り出します。
反抗するように住民が語り出します。
この街には、戦火に焼かれた過去がありました。
その後、薬をほうぼうに売りさばくことで、
ここまで復興したのです。
ここまで復興したのです。
今では街を訪れた者に、
中毒性のある薬を混ぜた食事を振る舞い
新たな顧客にしていたのでした。
中毒性のある薬を混ぜた食事を振る舞い
新たな顧客にしていたのでした。
話していた彼らは、あることに気づきます。
少年が、王国から逃亡した王子であることに。
少年が、王国から逃亡した王子であることに。
「圧制者に鉄槌を!」
「街を滅ぼそうとする者に裁きを!」
「街を滅ぼそうとする者に裁きを!」
少年は声の限りに異を唱えましたが、
住民達は聞き入れませんでした。
住民達は聞き入れませんでした。
襲い来る暴徒に向かって、
従者が銃を構えます。
従者が銃を構えます。
「彼らを殺さないで!」
少年は、そう叫ぶのが精いっぱいでした。
第4話
街中での乱闘の末、
従者の男が住民達を鎮圧しました。
従者の男が住民達を鎮圧しました。
倒れ伏した彼らは、
口々に呪詛を吐き洩らします。
口々に呪詛を吐き洩らします。
「街のために、
悪魔のささやきに耳を貸すしかなかったのだ......」
悪魔のささやきに耳を貸すしかなかったのだ......」
「すべて戦争が......王国が悪いのだ......」
戦意を失った住民達を見下ろしていた男が、
少年に振り返ります。
少年に振り返ります。
顔の包帯がほどけ、
素顔が覗いていました。
素顔が覗いていました。
傷だらけの顔。
王国のために戦争へ赴き、棄てられた兵器の顔。
王国のために戦争へ赴き、棄てられた兵器の顔。
少年は悲しげな眼差しを男に向け、
彼の頬の傷に、優しく触れました。
彼の頬の傷に、優しく触れました。
「行こう。次の街へ......」と、
俯いた少年が呟きます。
俯いた少年が呟きます。
歩み出した少年の拳は
ぎゅっと強く握り締められ、震えていました......
ぎゅっと強く握り締められ、震えていました......