NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

リオン

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nier_rein

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キャラクター  リオン


STORY1

「王子、お身体の具合はいかがですか?」
荒野を目指し、森の中を歩いていた時、
彼はそう言って、僕の病状を尋ねた。


「僕は大丈夫。それよりそっちは?」
瑞々しい森の空気も、機械である彼には毒だろう。
僕は彼に、念の為メンテナンスをしようと提案した。


彼は言う、今は先を急ぎましょう、と。
今のところ不調はなく、僕の手を煩わせる必要はないと。
きっと、僕の病を案じてくれてもいるのだろう。


「いつ戦闘になるか分からない、確認だけでもしておこうよ」
僕がそう言うと、彼は少し考えてから領き、座り込んだ。
彼の電源が落とされ、包帯の奥の瞳が、暗く落ちていく。


STORY2

戦争を止めるということは、
始めることに比べて遥かに難しい。

その主な手段である和平を、
争いが生み出す疑心が阻むからだ。


だから僕たちは今、戦争を止める為に、
和平交渉の橋渡しをする第三勢力を作ろうと、
各国を回っている。


だが、王国の出という僕の立場もあって、
この旅には多くの危険が伴う。
彼には何度も命を救われた。


機械の彼に、してあげられることは少ない。
だから僕にとってこのメンテナンスは、
彼へのお礼のつもりでもあった。


STORY3

咳が出る。体が重い。
不快な汗が額と前髪を貼り付けた。


否が応でも、病の進行を実感させられる。
息を吐いて、上着の内側から小瓶を取り出すと、
それが最後の一瓶だった。


瓶の封を切り、中身を喉へ流し込む。
この薬は症状を和らげる為の物でしかない。
効果が切れれば、
更に悪化した病状を知ることになるだろう。


次第に整いだすこの呼吸もまやかしだ。
けれど、それでも構わなかった。

メンテナンスも、もう終わる。


STORY4

空の瓶を懐にしまい、彼が目覚めるのを待つ。
体調は、もう大丈夫だ。
彼に心配をかけることは無いだろう。


苦しむ姿を彼に見せる訳にはいかない。
どうせ、この病は治らないのだから。

駆動音が耳に届く、彼が目を覚ます合図だ。


「動作良好。ありがとうございます」
「良かった。じゃあ先に進もうか」
「はい、王子」


これで良い。
これが僕が彼につく唯一の
時間はない、足を止めている余裕はないんだ。
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