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八章 | 九章 | 十章 |
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「幼き日の記憶」
少年の住む国では
長い長い戦争が続いていました
長い長い戦争が続いていました
夜の闇に響く銃声が
少年の不安をかき立てます
少年の不安をかき立てます
怯えた少年は両親のいる
リビングルームへ向かいました
リビングルームへ向かいました
[ラジオ]
敵軍の侵攻作戦により…………
当地にも甚大な被害が…………
敵軍の侵攻作戦により…………
当地にも甚大な被害が…………
[父親]
どうした 寝付けないのか?
どうした 寝付けないのか?
[母親]
また不安げな顔して……
また不安げな顔して……
母親は
いつも決まって 笑顔で
少年を元気づけました
いつも決まって 笑顔で
少年を元気づけました
[母親]
大丈夫よ……
強い軍人さんが守ってくれるわ
大丈夫よ……
強い軍人さんが守ってくれるわ
少年は臆病でしたが
大好きな母親のために
大好きな母親のために
「ぼくが 軍人になって
お母さんを守るね」
と言い
お母さんを守るね」
と言い
それを聞いた母親は
嬉しそうににっこりと
ほほえみました
嬉しそうににっこりと
ほほえみました
その時 突然
玄関の方から大きな音が
聞こえました
玄関の方から大きな音が
聞こえました
[父親]
なんだ……?
見てこよう
なんだ……?
見てこよう
[母親]
クローゼットの中に隠れていなさい
クローゼットの中に隠れていなさい
[父親]
急いであの子を逃がせ!
急いであの子を逃がせ!
[母親]
キャアアッ!
キャアアッ!
部屋の向こうから
両親の悲鳴が聞こえ
両親の悲鳴が聞こえ
すぐに途切れました
[敵軍隊長]
どこにいるんだ!?
どこにいるんだ!?
敵国の軍人は
隠れた少年に気づくことなく
去っていきました
隠れた少年に気づくことなく
去っていきました
少年は悲鳴の聞こえた廊下の方へ
恐る恐る向かいました
恐る恐る向かいました
その後少年が見たものは
剣を突き立てられて冷たくなった
両親の姿でした
剣を突き立てられて冷たくなった
両親の姿でした
亡骸に突き刺さった剣には
特徴的な「エンブレム」が
施されていました
施されていました
少年はその場に崩れ落ちます
無力で 情けなくて
泣くことしかできませんでした
無力で 情けなくて
泣くことしかできませんでした
クローゼットの隙間から見た
敵兵士の顔を思い出すと
今でも震えてしまいます
敵兵士の顔を思い出すと
今でも震えてしまいます
少年は
隠れていることしかできなかった
自分の臆病さを呪いました
隠れていることしかできなかった
自分の臆病さを呪いました
「苦界の日々」
両親を失った少年は
数年後 兵士になっていました
数年後 兵士になっていました
[浅黒い肌の兵士]
おい 交代の時間だ 向こうを見てきてくれ
おい 交代の時間だ 向こうを見てきてくれ
兵士になった目的はただ一つ
親を殺した敵国の男を
その手で殺すこと
親を殺した敵国の男を
その手で殺すこと
少年は復讐に
憑りつかれていました
憑りつかれていました
[体格のいい兵士]
おいチビ どこに行くんだよ
今から「教育」してやるよ……
おいチビ どこに行くんだよ
今から「教育」してやるよ……
愛想のない少年は
周りの兵隊に目をつけられていました
周りの兵隊に目をつけられていました
少年は
目の前の兵士を睨みつけます
目の前の兵士を睨みつけます
臆病だった頃の面影は
もう残っていませんでした
もう残っていませんでした
[体格のいい兵士]
イイ泣き声を聞かせてくれよ?
イイ泣き声を聞かせてくれよ?
[隊長]
君たち!
お願いだからケンカはやめてくれよ
君たち!
お願いだからケンカはやめてくれよ
[体格のいい兵士]
……
……興覚めだぜ
……
……興覚めだぜ
諍いを治めたのは
軍の隊長でした
軍の隊長でした
少年は隊長から目をそらします
いつも軟弱な態度をとる
隊長を見ていると
隊長を見ていると
昔の自分を見ているようで
むしずが走るからです
むしずが走るからです
少年は
気にかける隊長を無視して
去っていきました
気にかける隊長を無視して
去っていきました
[隊長]
……
……
「絶望と希望」
あくる日の軍会議で
次の作戦について
説明が始まりました
次の作戦について
説明が始まりました
集まった兵士たちに
作戦の資料が配られます
作戦の資料が配られます
その資料を見た少年の
表情が険しくなります
表情が険しくなります
殺された両親に刺さっていた剣
そこに刻まれたエンブレムと
同じ模様が記載されていたのです
そこに刻まれたエンブレムと
同じ模様が記載されていたのです
復讐を望む仇が
敵部隊に含まれている......
敵部隊に含まれている......
少年は 煮えたぎる
血の熱を感じていました
血の熱を感じていました
意を決し
隊長の元へ向かいます
隊長の元へ向かいます
[隊長]
どうしたんだ?
どうしたんだ?
標的の軍に親の仇がいる
俺はあの時から奴を殺すために
そのためだけに生きてきた
俺はあの時から奴を殺すために
そのためだけに生きてきた
少年は隊長に思いの丈を伝え
攻撃部隊への参加を志願しました
攻撃部隊への参加を志願しました
[隊長]
気持ちはわかるが……それは許可できない
気持ちはわかるが……それは許可できない
その返答に激高した少年は
あろうことか隊長に剣を向け
詰め寄りました
あろうことか隊長に剣を向け
詰め寄りました
隊長は少年の凄みに押され
腰が引けていましたが
それでも首を縦に振りません
腰が引けていましたが
それでも首を縦に振りません
少年の怒りは収まらず
弱腰の隊長に暴言を吐きながら
その部屋を去りました
弱腰の隊長に暴言を吐きながら
その部屋を去りました
兵士たちが寝静まるころ
少年は静かに身を起こしました
少年は静かに身を起こしました
認められないなら一人でも構わない
少年の決意は既に固まっていました
少年の決意は既に固まっていました
[体格のいい兵士]
おうチビ野郎 何している
丁度いい……今なら邪魔も入らねぇ
おうチビ野郎 何している
丁度いい……今なら邪魔も入らねぇ
見張りをしていたのは
いつも因縁をつけてくる
体格のいい兵士でした
いつも因縁をつけてくる
体格のいい兵士でした
巡回を交代しにきたんだ
少年は嘘をつきました
[体格のいい兵士]
ようやくかよ……遅えんだよ
しっかりやれ! じゃあな
ようやくかよ……遅えんだよ
しっかりやれ! じゃあな
+ | (「昼間のことを謝りにきたんだ」を選択した場合) |
いつもなら鼻につく兵士のことも
今や眼中になく
今や眼中になく
少年はただ復讐の相手だけを
考えていました
考えていました
想像の中で 何度も何度も
殺し続けていたのです......
殺し続けていたのです......
「朝の来ない夜」
少年が敵軍キャンプに
潜入したのは
夜明け前でした
潜入したのは
夜明け前でした
沢山並んだテントは
暁の影の中で静まり返っています
暁の影の中で静まり返っています
奥のテントに灯りがともり
敵の気配がしました
敵の気配がしました
[敵軍の兵士]
オイ! 誰かいるのか!?
オイ! 誰かいるのか!?
[敵軍の兵士]
ぐあっ……!
ぐあっ……!
[敵軍の兵士]
敵襲だッ!
敵襲だッ!
少年の目の前に現れた軍人は
両親を殺した男でした
両親を殺した男でした
全ての憎しみを飲み込み
少年は敵に襲い掛かります
少年は敵に襲い掛かります
[敵軍の兵士A]
敵兵を殺せ!
敵兵を殺せ!
[敵軍の兵士B]
排除しろ!
排除しろ!
[敵軍隊長]
お前は……
お前は……
[敵軍の兵士A]
手ごわいぞ……
手ごわいぞ……
[敵軍の兵士B]
ちくしょう!
ちくしょう!
[敵軍隊長]
くそっ……
くそっ……
[敵軍隊長]
……!?
お前は……まさか……!
……!?
お前は……まさか……!
仇の軍人は
少年の瞳を
真っすぐ見つめました
少年の瞳を
真っすぐ見つめました
そして
震える声で
何かを呟いています
震える声で
何かを呟いています
敵軍の隊長は
血の混じる声を振り絞り
少年に語り始めました。
血の混じる声を振り絞り
少年に語り始めました。
[敵軍隊長]
そうか……
すまなかった……
俺は……お前を救えなかった……
そうか……
すまなかった……
俺は……お前を救えなかった……
敵軍の男は
死の間際に語りました
死の間際に語りました
あの時
少年を助けようとしていたこと
少年を助けようとしていたこと
自分が少年の
本当の父親であること
本当の父親であること
あの時殺した両親は
幼い少年を拉致した犯罪者
であること
幼い少年を拉致した犯罪者
であること
男は震える手で
少年に手帳を渡し
そして 息を引き取りました
少年に手帳を渡し
そして 息を引き取りました
その手帳に記されていたのは
少年の育った国がおこなった
乳幼児を狙う拉致計画の概要
少年の育った国がおこなった
乳幼児を狙う拉致計画の概要
そこには少年を育てた
両親の写真も
貼り付けられていました
両親の写真も
貼り付けられていました
両親の罪 紛い物の過去
少年が人生を賭して
叶えたことの意味
少年が人生を賭して
叶えたことの意味

静まり返った戦場は
虚ろな朝を迎えていました......
虚ろな朝を迎えていました......
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